クラスメイトに言われた最後の言葉、66コメント

1 夜空 id:bZO6B/r0

2011-07-12(火) 16:27:58 [削除依頼]
俺が聞いた最初で最後の言葉は最悪な物だった。

「死.ねば良いのに」
  • 47 夜空 id:5.kefVt1

    2011-07-16(土) 12:36:53 [削除依頼]
    クラスメイトに連れて行かれた場所は屋上だった。
    またディープな所だ。
    告白でもするんだろうか。

    「ずっと捜してた」

    「は、はあ」

    「日向右京を」

    フルネーム呼びする奴、初めて見た。

    「憎くて、憎くて、打っ殺.したかった」

    ギッと、クラスメイトは俺を睨む。

    「だから、そんな日向右京に私からのお願い。聞いてくれる?」

    姫倉が言っていたのは、コイツの事だったのだろうか。

    「此処から自分で、飛び降りて」
  • 48 夜空 id:5.kefVt1

    2011-07-16(土) 12:45:19 [削除依頼]
    「な、なあ、俺、お前に何かしたか?今、こうやって喋ってるのも初めてだろ?」

    「白々しい嘘、止めて。とっとと、飛び降りて」

    クラスメイトは俺の背中を押す。

    「ちょ…止めろって」

    「忌々しい。私の前から、さっさと消えて」

    「俺が何をしたって言うんだよ?」

    「私を裏切ったっ」

    裏切った?
    クラスメイトは俺を大きな力で押して……
    俺はそのまま降下して行った。
  • 49 夜空 id:5.kefVt1

    2011-07-16(土) 13:02:56 [削除依頼]
    「……つ」

    もう感覚すらない。
    何気なく、右手で腹を触ると、ベタベタする赤い液体が付いた。
    血……かよ。

    「すみません。日向先輩」

    上から声がして、顔を上げると、姫倉が立って俺を見下ろしていた。

    「救急車は呼びましたから」

    「お前……知ってて、何も言わなかったのかよ」

    「すみません。でも、本当に先輩は覚えてなかったんですね。あの人」

    「知らねーよ。あんな奴……ってか、アイツ、殺.人者じゃ……ゲホゲホッ」

    気持ち悪くなったかと思えば、口から血が吐き出す。

    「と、けつ」

    「ちゃんと発音して下さいよ。吐血、でしょう?」

    「……俺、死.ぬんじゃねーの?何か……もう、そう言う気しかし……ない」

    だからだろうか。
    この1週間は変わっていた。
    クラスの人気者と友達になったり、
    生徒会長に励まされたり、
    普段の俺の日常にはこんな事、普通に起きたりしない。

    「あまり、喋らない方が良いんじゃないですか?」

    「お前だって……きょ、はんしゃだろ?」

    「共犯者?違いますよー」

    「じゃ、あ、何で、知って……たんだ……よ?」

    「まあ、関係者と言う感じですねー」

    「ゲホッ」

    視界が霞む。

    「せんぱ……い?」

    姫倉の声が聞こえ辛い。

    「僕……………が…………で…つ………か?」

    聞こえない。
    それと共に目の前が真っ暗になった。


    クラスメイトから言われた最初の言葉、
    「……私、誰だと思う?」

    ……、
  • 50 夜空 id:5.kefVt1

    2011-07-16(土) 13:11:14 [削除依頼]
    ♯幼馴染に言えない秘密の言葉、
    「先輩、さよなら」

    「さよなら」

    アイツ、まだ待ってるかな。
    ま、アイツの事だし、教室で律儀に待っているはず。
    私は体育館を出て、教室のある校舎の方へ向かおうとした。
    けど、何故か、警察がいて、立ち入り禁止のテープが貼られていた。
    その周りにはたくさんの人が集まっている。

    「あのっ」

    思い切って、通り掛かった警察官に聞いて見る。

    「何かあったんですか?」

    「ああ。此処の学校の生徒が屋上から飛び降りたそう何だよ」

    「そ、そうなんですか」

    「今は病院に運ばれて、手術中みたいだけど」

    「えっと、その生徒って、誰ですか?」

    「それは僕からはあまり……仕事あるから」

    警察官は行ってしまった。

    「俺、見たぜ。飛び降りた奴が運ばれてる所」

    人込みの中から、誰かが言った。

    「誰なのよ?早く言いなさいよ」

    つい、ム.カついて、私はソイツを睨み付ける。

    「……日向右京」

    え……

    「日向、右京?」
  • 51 夜空 id:5.kefVt1

    2011-07-16(土) 13:17:30 [削除依頼]
    アイツが飛び降りる?
    何で?
    イジメられてるわけでも、
    何かに悩んでいたわけでも、
    ないのに。
    頭が真っ白になる。

    「んーと、氷咲先輩じゃないですかー」

    声がして振り返ると、微笑んでいる奴がいた。
    確か、アイツと同じ科学部だった後輩だ。
    名前は姫倉……だったと思う。

    「久し振りですねー」

    「あんた、何か知ってるの?」

    「僕が第一発見者なので、十分承知ですよー」

    第一発見者……

    「救急車を呼んだのは僕です。ナイスプレーですよね」

    「何でアイツが飛び降りたの?何でっ」

    「知りませんよ」

    「それより、あんたが何でこんな所にいるの?まだ中3何じゃないの?」

    「僕は先輩に会いに来ただけです。それで、偶々、血だらけのぐちゃぐちゃの日向先輩を見つけたってだけでー」

    何でこんな時まで、暢気に喋れるのかが分からない。

    「アイツ、何処の病院に搬送されたの?」

    「僕が案内しましょう。それに話したい事がありますし」

    私は姫倉について行った。
  • 52 夜空 id:whX8SxQ.

    2011-07-17(日) 09:56:27 [削除依頼]
    姫倉に案内されたのは中央病院だった。
    この辺で、大きな病院は此処ぐらいしかない。

    「現在、手術中だとか?だから、終わるのを待ちましょうよ」

    待合室の椅子に姫倉は飛び込む様に座る。
    ドスンッと、椅子が軋む。

    「あんたとアイツ、まだ親交があったのね」

    「焼きもちって奴ですかー?別に只の先輩と後輩ですよ?」

    「煩いわね。で、話したい事って何よ?」

    「話す前に聞きますけど、日向先輩には氷咲先輩以外に仲良かった人って、いたと思います?」

    「い、いなかったと思うわよ。でも、今まで同じクラスになったのは中2、3の時だけだから、他の小学校の時とかは分からないけど」

    「なるほど。運、悪かったんですね」

    姫倉はスクバから、レモンティーを取り出す。
    500mlの紙パックの奴。
    紙パックには水滴がついているから、きっとまだ買って間もない。

    「これがないとちょっとヤバいんですよ。レモンティー中毒者、的な感じで」

    ストローを差し、姫倉は一口飲む。
  • 53 夜空 id:whX8SxQ.

    2011-07-17(日) 10:10:48 [削除依頼]
    「日向先輩は自.殺する様な人じゃないですよね。それはきっと幼馴染の氷咲先輩だって分かっているはずです」

    「当たり前よ」

    「じゃあ、答えは出て来ますよね?自.殺する様な人間じゃないのに飛び降りてるって事は」

    「……、」

    「誰かに殺.されちゃったって事になりません?」

    「だ、誰よ。それっ」

    「僕だって、神じゃないので、何もかも知ってるわけではありません。それに知っていたとしても、氷咲先輩に話す理由がありませんしねー」

    私は何時もの癖で、腕を組む。

    「僕が話せるのはそれだけです。自.殺じゃなければ、他.殺何じゃないですかって、言いたかっただけです」

    「あんた、犯人、知ってるの?」

    「知らない、と、言って置きましょうか」

    そう言って、姫倉は微笑む。

    「何にせよ、日向先輩が知ってるんでしょうし、回復を待ちましょうよー」

    「あんた、そんなにウ.ザキャラだったっけ?」

    「どうせ、勝ち目はないんですよ。最初から、王子はシンデレラと結ばれる運命何ですから」

    「何、言ってんの?」

    「さて、僕はもう帰りますね」

    姫倉は椅子から立ち上がる。

    「私、あんたみたいな奴、嫌い。知ってるくせに何も言わないで、ずっと微笑んでる所が、大嫌い」

    「やっぱ、僕と氷咲先輩は合いませんね」

    そう言って、姫倉はお返しの様に満面の笑みを浮かべた。
  • 54 夜空 id:qoWucxE/

    2011-07-17(日) 13:50:23 [削除依頼]
    姫倉が帰った後も、私は待合室でアイツを待っていた。
    アイツが……何で、殺.されるんだろう。
    嫌、あいつはちゃんと生きてるんだから、未遂だけど。
    せっかく、言おうと思ってたのに。
    最近、涼宮さんや生徒会長や姫倉や、何かしらアイツの周りには女子がいて、このままじゃ誰かにアイツを取られると思って、
    だから、もう告白しようと思ってたのに。
    言えないじゃん。

    ガラガラッ

    手術中のランプが消え、手術室のドアが開いた。

    「あ、あのっ、アイツはっ」

    「手術は成功したから。それより、あなたは?」

    医者は言った。

    「あ、アイツの、幼馴染です」

    「そっか。じゃあ、この子の保護者の連絡先とか分かる?」

    「あ、いえ。分からないです」

    「そうか。ちょっと困ってるんだよ。まあ、本人が目覚めるのを待つか」

    「……何でよ」

    後ろで声がした。

    「何で生きてるのっ?何であんな奴がまだ生きてるわけ……日向右京なんか、死.ねば良かったっ」

    振り返ると、同い年ぐらいの女子がいた。
    アイツ……

    「ねえ、あんた」

    私はソイツを睨み付けて言った。

    「あんたが右京を突き飛ばしたの?」
  • 55 夜空 id:qoWucxE/

    2011-07-17(日) 14:01:21 [削除依頼]
    「アナタ、誰?」

    「私は氷咲藍菜。アイツの幼馴染」

    「そう言えば、そんな奴いた気がする」

    ソイツは物々と呟く。

    「あ、あのさ、お取り込み中悪いんだけど、此処、病院何だよね。だから、静かにしていてくれないか?」

    医者は遠慮がちに言った。

    「すみません。コイツ、連れて行きますから」

    私は女子を引っ張って、病院を出た。

    「アナタの質問、答えてなかったから答える」

    病院を出た途端、不意に女子は言った。

    「私が突き飛ばした。日向右京を屋上から突き飛ばした」

    言葉よりも、先に手が出ていた。

    パシンッ

    私は女子の頬を叩いていた。

    「でも、後悔はしてない」

    「あんた、アイツの何なわけ?私、全く見た事ないんだけど」

    「日向右京とは幼馴染」

    は?

    「私もアナタと一緒で、幼馴染。私はアナタの名前、聞いた事あったけど」

    「何で……私はアイツから何も聞かされていなかった」

    「でも、正確にはクラスメイトって言う関係が妥当かも知れない。小3から小6までだったから」

    「で、そんなクラスメイトのあんたが何でアイツを突き飛ばす必要があったのよ?友達でしょ?」

    「裏切ったのは向こう。悪いのは全部日向右京だった。その上、日向右京は私の事なんか、覚えてなかった」

    「覚えてなかったから、殺.そうとしたってわけ?」

    「違う。過去に私を裏切ったから、殺.そうとした。結果、殺.せる事は出来なかったけど」

    女子は地面を睨み付けて、悔しそうな顔をする。
    アイツ、何でこんなに恨まれてるんだろう。
  • 56 夜空 id:qoWucxE/

    2011-07-17(日) 14:19:37 [削除依頼]
    次の日も、私はお見舞いに行った。
    病室に行くと、アイツはまだ眠っているままで、ベットの上には百合の花束が置いてあった。
    薄々、誰が持って来たのか分かる。
    あの黒髪ロングのアイツだ。
    百合は普通、お葬式の花だし、こんな事があった今でも、まだ死.んで欲しいと思っているって事だと思う。

    「あ、その花、僕ですよ?」

    ドアが開いて、姫倉が現れる。

    「は?何であんたが」

    「んーと、僕、その花、好きなんですよ。ちなみに日向先輩もね」

    アイツ、百合なんか好きだったっけ?
    全く知らない。

    「先輩、ちゃんと寝てます?何か凄い疲れてる顔してますよー?」

    「煩いわね。それより、あんた、あの黒髪の奴、知ってたの?」

    「ん、ああ、もう会ったんですか。はい。がっつり知り合いですよ」

    がっつりって。

    「僕とその黒髪少女と日向先輩はよく遊んでいた仲なのです」

    「何時?」

    「アバウトですけど、小学校の時、ですかね」

    私は何も知らなかった。

    「あんた、私と小学校、一緒だったって事?」

    「そうですね。一緒でしたー」

    「そ、そう」

    「……お前さ、俺が意識打っ飛ぶ前、何言ったんだ?」

    声がして、アイツを見ると、アイツは目を開けて姫倉を見ていた。

    「あ、日向先輩。おはようございます。良い夢、見れました?って言うか、目覚めて第一声が僕に向けての言葉なんて、凄い嬉しいんですけどー」

    「藍菜、いたのか」

    「あ、あんた、そのっ」

    もう何も言えない。
    それよりも、泣きそう。

    「んーとですね。言っちゃいますけど、『僕、日向先輩の事が好きです。付き合って下さい』的な事を言いましたよ?」

    こ、告白っ?

    「は?何言ってるんだか。人が苦しんでいる時に告白とか」

    「本当に告白です。付き合って貰えません?」

    「え……」

    こんな時に言えない。
    もう、言えなくなった。
    アイツ、なんて返事するんだろう。


    幼馴染に言えない秘密の言葉、
    「好きです」

    たった4文字なのに、それだけが言えない。
    多分、これから先も、ずっと。
  • 57 夜空 id:qoWucxE/

    2011-07-17(日) 14:38:59 [削除依頼]
    登場人物
    日向右京 ukyo hinata
    高1。
    帰宅部。
    友達がいない。
    親は単身赴任中で、ほぼ一人暮らし。
    炭酸好き。

    神坂マリア maria kamisaka
    高1。
    帰宅部。
    日向とはクラスメイト。

    姫倉三日月 mikazuki himekura
    中3。
    科学部。
    クラスの中でも、異常に浮いている。
    炭酸とレモンティー好き。

    氷咲藍菜 aina hisaki
    高1。
    バスケ部。
    日向とは幼馴染。
    日向が好きだが、告白出来ていない。
    性格は所謂ツンデレ。

    涼宮未庫 miku suzumiya
    高1。
    テニス部。
    日向とは友達。
    未庫の庫が嫌いで、自ら未玖と名乗る。
    ナルシ、ぶりっ子、自己中に果てはまる節がある。

    柏木花梨 karin kashiwagi
    高2。
    生徒会長。
    帰宅部。
    自称病弱。
    家は神社。
  • 58 夜空 id:aRtlg5J1

    2011-07-18(月) 13:35:08 [削除依頼]
    ♯先輩に言われた返事の言葉、
    やっと、僕のターンっ
    先輩が永遠とやってて、次はその幼馴染の氷咲先輩がやって、遂に僕。
    これは凄く微笑ましい事だったり。

    「主導権はお前の手に掛かってるんだからな」

    「はいはい。分かりましたよー、先輩の分まで頑張ります」

    「先行き怪し過ぎる」

    日向先輩は僕を心配そうに見る。

    「さて、始めましょうかー」

    僕は微笑んで言った。
  • 59 夜空 id:aRtlg5J1

    2011-07-18(月) 13:42:53 [削除依頼]
    日向先輩……日向右京と出逢ったのは、僕が小4の時。
    その頃から、先輩はあの人と仲が良かった。
    そんな雨の日だった。

    「ずぶ濡れだな、お前」

    傘を忘れて、ずぶ濡れで帰っていた僕を先輩は声を掛けてきた。

    「入れよ」

    先輩は先輩の傘を差し出す。

    「良いんでしょうか?」

    「ああ」

    「相合傘をしても、良いんでしょうか?」

    「煩いな。別に良いって」

    「この変人だとかで、クラスから浮きまくっている僕と相合傘で良いんでしょうか?」

    「しつけーな。ってか、変人だと自覚してるなら、普通にしてろよ」

    「分かりました。相合傘で帰りましょう」

    その時から、僕は先輩を想い続けている。
  • 60 夜空 id:aRtlg5J1

    2011-07-18(月) 13:53:12 [削除依頼]
    結果的に“あれ”があって、あの人は先輩から離れて、先輩は1人ぼっちになった。
    それから、傷付いてる先輩に何も声を掛けられなくて、僕も、先輩から離れた。
    中1になって、改めて先輩に近付いてみると、案の定、先輩は僕の事を忘れていた。
    勿論、あの人の事も忘れていて、友達のいない冴えない奴に成り果てていた。
    まあ、それはそれで良いけど。

    「お前も、回想シーン、長い。まあ、どんな内容か分からねーけどさ」

    気付けば、先輩はサイダーを飲んでいた。
    言い忘れていたけど、先輩はあれから1週間後に退院した。
    こんなに早くに退院出来たのも、僕が早くに救急車を呼んだからだ。
    多分。

    「せーんぱい、返事はどうなってるんですかー?」

    「え?」

    「僕の愛の告白の返事ですよ」

    「わ、悪い。あれ、冗談だよな?」

    「だーかーら、冗談じゃないですよ。本当に先輩と付き合いたいんです」

    「お前の日頃の行いが悪過ぎて、冗談にしか聞こえない」

    「酷いです。心外です」

    でも、結果は見えてる。
    どうせ、フラれるんだと。
  • 61 夜空 id:aRtlg5J1

    2011-07-18(月) 14:11:38 [削除依頼]
    「じゃ、返事は今週中によろです」

    別れ際に僕は言った。

    「は?何で今週中何だよ。何か原稿に詰まってる作家の気分だ」

    「先輩だったら、出来ます。本気出せば、ドバッと、レールガンだって撃てますよ」

    「涼宮的発言止めてくれ。ま、まあ、今週中、な」

    「はい。良い返事、期待して」

    ません、
    ……なんて。

    「そう言えば、退院してから、氷咲先輩と話しました?」

    「嫌、してねーけど。ってか、アイツ、俺の事、避けてる気がするし」

    「へえ。それは大変ですねー」

    「棒読みで言うなよ。じゃ、俺、帰る」

    「はい。さよならです」

    僕は手を振って見送った。
  • 62 夜空 id:E9KkLQA1

    2011-07-19(火) 16:29:46 [削除依頼]
    次の日、僕が学校に行った。
    部活だとか、補習だとか、そう言うのじゃない。
    ただ、暇だったから来た。
    それだけだった。

    「お、おい、何でアイツ、夏休みなのに学校に来てんだ?」

    「だよな。あの科学女っ」

    野球部のクラスメイトが僕を見るなり言った。
    ひそひそ声で言ってるつもりが、丸聞こえ何だけどな。
    それか、わざと言っているんだろうか。

    「そこの野球部」

    僕は野球部の2人を見ずに言った。

    「別に科学部に入ったのは科学が好きだからではありません。なので、科学女と呼ばれるのは心外です」

    「げ……聞こえてたのかよ」

    「生憎、視力は悪いですが、聴力はあります」

    「な、なあ、何でお前、学校に来てんの?科学部、ないだろ?」

    「暇潰しです」

    「夏休みの宿題、家でやってろよ」

    「やり終えました」

    「ま、マジかよっ、すげーな」

    「ちょっと、お前、何、褒めてんだよ。この変人をっ」

    「時間潰しの為に来ました。何か悪い所でもあるんですか?僕はこの学校の生徒であるので、何時学校に来ようが関係ありません」

    「お、お前、何で僕何だよ?女のくせに」

    「さあ?何で、僕、何でしょうね」

    僕は野球部の二人を放って、図書室の方へ向かった。
  • 63 夜空 id:E9KkLQA1

    2011-07-19(火) 16:40:35 [削除依頼]
    久し振りに同級生と喋った気がする。
    まあ、女子じゃなくて、男子だったけど。
    どっちかって言うと、僕は男子の方が付き合い易いと思う。
    女子は仲間同士でうじうじジメジメで、友人関係が大変ややこしい。
    陰口を知らない内に叩かれていたりとか。
    それと、無駄にグループ化していて、何時の間にか権力を持っている人間が出来上がっている。
    その人間には逆らえないし、逆らうとその取り巻きがイジメて来る。
    小学校低学年の時はそうでもなかったが、現在は途轍もない。
    あながち、会社での上下関係と学校だったら、学校の方がえげつないかも知れない。
    勿論、男子でも同じ事が言えるが、女子に比べたら、そこまで酷くない。

    「姫倉さん、そろそろ図書室閉めるんだけど」

    気付けば、3時を回っていた。
    僕は本を閉じて、本棚に戻す。

    「ホント、本が好きよね」

    図書の担当の教師が言った。
    地味にダジャレ言ってる様な気がする。
    サッカーが盛んみたいな感じの。

    「さよなら」

    社交辞令として、挨拶はして置く。
    素っ気ない生徒だとか、思っただろうな。
  • 64 夜空 id:E9KkLQA1

    2011-07-19(火) 16:48:08 [削除依頼]
    僕の家族構成は寂しい。
    僕と、叔母。
    ただ、それだけ。
    叔母はまだ29歳で、婚期を逃している。
    恐らく、一生独身だと思う。

    「三日月、あんた、何処行ってたの?」

    家に帰ると、昼間からビールを飲んだ叔母がいた。
    酒豪だ。
    早死.にするのに。

    「あんた、今、あたしに失礼な事、思ったでしょ?」

    「ちょっと、何言ってるか分からないんですけど」

    「もう、あんたの発言、ム.カつく。中学生のくせにー、で、何処行ってたのよ?」

    「見ての通り、学校です。制服着てるのに気付いてないんですか?」

    「何で?あんた、学年1位の秀才でしょ?補習なんか呼ばれないじゃない」

    「図書室に行ってました」

    「うおー、優等生の鏡ね。何、勉強してたの?」

    「いえ、オペラ座の怪人を読んでました」

    「またディープな話を……ってか、あんた、最近何かあった?」

    自分の部屋に行こうとした途端、叔母が言った。

    「何がですか?」

    「嫌、何かどうせフラれる告白の返事を待つ少女みたいな感じに見えて」

    叔母の勘の良さは何時も驚かされる。

    「あっれー?図星かな?三日月ちゃん」

    「何を言っているのか分からないんですけど」

    「よし、残念賞として、5000円をあげよう」

    叔母は5000円札を僕に渡して来た。
    残念賞……ね。
  • 65 夜空 id:E9KkLQA1

    2011-07-19(火) 16:59:21 [削除依頼]
    その日の夕飯の当番は僕だった。

    「ちょっと、三日月ちゃん。あんた、何作ったのよ。これ、何?」

    黒い物体を箸で突付いて、叔母は聞いて来た。

    「しょうが焼きですけどー、何かお気に召されない所でも?」

    「これ、肉?マジで?」

    叔母は呆然としている。

    「発癌性物質たっぷりです。美味しいですよー」

    「あたしを死.なせる気、満々だな。おい」

    「なら、何か出前を頼めば良いじゃないですかー」

    「良いわよ。節約よ節約っ」

    叔母は黒い物体に齧り付く。

    「うっ、苦っ……ぐぇっ」

    「えへへ、何か不味かったみたいですね。すみません。料理、下手な物でー」

    「く……っそ。もう、あんたに夕食当番を任せない。嫌、任せられない」

    「さて、僕も食べますか」

    僕は黒い物体じゃないしょうが焼きを食べる。

    「ちょ、ちょっと、待って。何で、あんたのしょうが焼きはちゃんとしたしょうが焼きなわけ?ってか、わざとやった?ねえ、わざとでしょっ」

    「別に叔母さんのだけわざと焦がしたとか、そんな事、してませんよ?」

    「絶対、してる。何に恨んでるの?三日月ちゃんのレモンティーを飲んだから?それとも、三日月ちゃんのアイスを食べたから?それとも……」

    「へえ。そんな事、してたんですかー」

    「ううっ」

    「あ、そう言えば、叔母さんって、明日からまた仕事で何処かに行くんですか?」

    「え、あ、ええ。今回は九州に」

    「じゃあ、お土産はカステラですかねー」

    「わ、分かったわよ。買って来るわよっ」

    叔母さんを手懐けるのは簡単だったりする。
  • 66 夜空 id:tvfb3Ci1

    2011-07-20(水) 09:28:23 [削除依頼]
    次の日から、また僕1人の留守番となった。
    本来なら、テレビを見て時間を潰すのだが、
    テレビ番組の子供向けのアニメの再放送や、情報番組やらで、
    あまり面白くない。
    何で、早々に夏休みの宿題を終わらしたんだろう。
    大きく後悔する。

    「……、」

    図書室、行くか。
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