朝顔の花が咲くまでに4コメント

1 朱町やぐね id:/S.pzxk0

2011-07-07(木) 18:27:14 [削除依頼]

■□■幻想と現実の狭間□
□■真夜中の国立美術館■
■生命を得た絵画たちと□
ひとりの少女の物語■□■
  • 2 朱町やぐね id:/S.pzxk0

    2011-07-07(木) 20:04:05 [削除依頼]
    イメージ曲は、

    『金婚式』。

    ただ、メロディだけを採って。


    ゆったりと、奇妙に綺麗な旋律で。
  • 3 朱町やぐね id:/S.pzxk0

    2011-07-07(木) 23:28:10 [削除依頼]
    第一章*探しているもの*

    『鏡合わせの貴族の少女』/ダフネ

    ■ □ ■   □     ■

     金髪の少女がふたり、額縁の中で笑っている。絵の下のプレートに、補足説明と共に紹介されている題名からして彼女等はひとりであるはずなのだけれど、私にはどっちが虚像でどっちが現実なのかなんて区別することは出来なかった。初夏、若く萌える森の木々より深い緑をした瞳は四つとも生き生きとしているし、桃色に染まった白い頬はどちらも魅力的だ。カンバスをちょうど二分割したような構図で、対象的な姿勢でに互いを見つめている二人の少女。

     私は、彼女のどちらが虚像であるかなんて本当はどうでもいいことなのだと知っていた。どちらが本物であれ、本物である彼女にとって"彼女"は確かに存在しているからだ。彼女が認めた存在は、彼女の世界であるこの額縁の中で命を得る。だから、どちらかが本物なら、片方も本物になれるのだ。特別な絵には特別な主がいる。絵の世界は主の世界だ。主が望めば叶い、成される。

     私はこの絵の主と対面したことがある。森の瞳に果実の頬、太陽の髪の可愛らしい少女だった。彼女はリリスと名乗り、私を彼女の世界に招いてくれた。
  • 4 朱町やぐね id:/S.pzxk0

    2011-07-07(木) 23:42:13 [削除依頼]
     リリスは、ふたりだった。そして同時にひとりでもあった。埃臭い屋根裏部屋、姿見と小さなベッドしかないその部屋に招かれた私は、リリスたちに訊ねた。どうして、この部屋にはこんなにもモノがないのだと。そうすると、彼女らは笑っていた。彼女らの世界はこれで完全なのだと。リリスたちにとっては、画家に描かれた当時のままの姿が、一番心地いいらしい。

     それから私はリリスたちと他愛のない話をして、彼女の世界から帰してもらった。いつの間にか閉ざしていた瞼を開くと、赤い絨毯の美術館の通路に立っているのだ。幾度か額縁の中の世界に招かれたことはあるけれど、今一私にはその仕組みが理解できない。入るときも出るときも、すべてはその絵の主まかせだからだ。

     絵の前に立っていれば、頭に声が響いてくることがある。それが、絵の主の声だ。招かれたら、その声に神経を委ねて身を任せば、いつのまにか額縁の中に渡れている。

     私はどうしてか、彼らの声が聞こえる耳を持っている。どうやら私と同じ耳を持った人というのは滅多にいないらしく、これまで出会ってきた主たちは、そういう話を喜嬉として教えてくれた。
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