〜カセットテープ〜46コメント

1 シュナイダー id:l4fyM2Q1

2011-06-26(日) 20:29:20 [削除依頼]
俺とあの子を繋ぐ  たった一つのツール 登場人物&あいさつ→>>2
  • 27 シュナイダー id:Io3xBkb1

    2011-06-28(火) 21:27:07 [削除依頼]
    俺は正気を保つ努力をしながら、スピーカーに耳を傾けた。
    音量は少し下げておいた。

     『……ええっと、大丈夫……みたい』

    モロ聞こえちゃってますけど、って言いたかったが
    まずは聞くことを優先した。

    スピーカーから喉を鳴らすような音が入り、始まった。

     『あの……これを聞いてくれたってことは
      聞いてるのはユウキさんですよね?近藤ユウキさん』

    はいはい、そうですよっと。
    俺は近藤ユウキ……って、何で名前知ってるんだ!?
    俺は不気味さを感じて身震いした。

     『あ、あたし、桜井リナって言いますっ……!
      い、いきなりこんな形で……すみませんっ!』

    桜井リナって言うのか。聞き覚えが全くない。
    彼女はやたら緊張しているのか、辿々しい喋り方だった。

     『えっと、その……。
      たぶん、ユウキさんはあたしのことは知らないと思います。
      でも、あたしはあなたの歌、あの駅前で歌っていたのが、
      ……とても好きでしたっ!』

    は、はいぃっ!?何なんだこの人は!?
    三年前の俺を知っているってか!?
    俺は変に嬉しく、変に焦ってしまった。
  • 28 シュナイダー id:Io3xBkb1

    2011-06-28(火) 21:36:40 [削除依頼]
     『ユウキさんの歌、初めて聞いた時……
      あたし、とても感動しました!元気も貰えました!
      ……そんなユウキさんとどうしても話がしたくて……』

    そ、そうなのか。
    俺は知らぬ間にリナという子の話に集中していた。

     『もし、よかったら……ユウキさんが許してくれるなら、
      あたしと……これからお話してくれませんかっ!!』

    ガチャっと音が鳴って“再生”ボタンが背伸びした。
    俺はしばらく黙っていた。
    このリナという子の言いたいことは分かったけど、
    名前と俺を知っているという情報しかないこの子を相手に
    気軽に、疑いなく話をしていいのだろうか?
    俺の猜疑心はピークに達していた。
  • 29 愛華 id:gJvjHIY.

    2011-06-28(火) 21:39:09 [削除依頼]
    リナってだれだぁ??

    がんばってね
  • 30 美奈 id:Io3xBkb1

    2011-06-28(火) 22:28:58 [削除依頼]
    リナって子、かわいぃー!!
    ユウキはどうするのかな?w
  • 31 シュナイダー@かまぼこ id:Io3xBkb1

    2011-06-28(火) 23:12:47 [削除依頼]
    >>29 ユウキとリナのやり取りがこっからのメインやから 楽しみにしてぇや^^ >>30 ユウキはこのあとどうするでしょう、か? 答えはCMの後(ry
  • 32 シュナイダー id:7LJFeo31

    2011-06-29(水) 23:21:34 [削除依頼]
    俺はすぐに携帯をバックから取り出し、電話帳一覧から
    サヤカの番号を見つけるや否や、すぐに通話ボタンを押した。
    プルル、と二回繰り返してサヤカが出てきた。

     <<もしもし?どうしたのユウ君?>>

     「サヤカ!教えてくれ!」

    俺はサヤカに事情を話してもらおうと思った。
    リナって子からテープを貰ったのはサヤカだったから。

     <<……ああ、聞いてくれたんだ!よかったぁ!>>

     「よかったぁ、じゃねぇよ!
      一体どういうことなんだよ!?」

    のんきなサヤカにイライラしながらも、俺はサヤカに
    事情を全て吐かせるつもりでいた。

     <<実はね……リナって子は私の知り合いなんだけど、
      ユウ君と話がしたいっていう子でね>>

     「んなことどうだっていいさ!
      それより何でテープで送ってくるんだ!?」

    俺はテープである理由が一番知りたかった。
    けど、サヤカは急にボソっとこう言ってきた。

     <<それは言えないの>>
  • 33 シュナイダー id:7LJFeo31

    2011-06-29(水) 23:40:36 [削除依頼]
    俺は唖然とした。サヤカがサヤカとは思えないほど
    あっさりとした、漠然とした答えだった。

     「はぁ?」

     <<ごめんね、ユウ君……。
      リナに頼まれてるの、ユウ君に私から喋らないでって>>

     「そ、そうなのか……」

    俺はリナって子に急に申し訳なく感じてしまって
    それ以上、言及する気になれなかった。

     <<あ、でもね!リナは自分でちゃんと伝えるからって
      言ってたからさ!ユウ君、リナと話してあげて!>>

    サヤカが珍しく真剣に俺に嘆願してきた。
    俺は断るには断れなくなってしまった。

     <<ユウ君、お願いっ!リナはホントにユウ君と……>>

     「……わかったよ」

    俺は決めた。
    リナという子と面と向かって、テープを通じて話すことを。

     <<ありがと、ユウ君!>>

    サヤカがいつも通りのサヤカになった。

     「つか、どうすりゃいいんだ?」

     <<そのテープの裏面にユウ君が
      録音してくれれば良いみたい。
      あとは私に渡してくれれば届けるから!>>

     「そ、そっか……」

    俺は不思議にもサヤカが頼もしい存在に感じてしまった。
  • 34 シュナイダー id:7LJFeo31

    2011-06-29(水) 23:41:30 [削除依頼]
    俺は唖然とした。サヤカがサヤカとは思えないほど
    あっさりとした、漠然とした答えだった。

     「はぁ?」

     <<ごめんね、ユウ君……。
      リナに頼まれてるの、ユウ君に私から喋らないでって>>

     「そ、そうなのか……」

    俺はリナって子に急に申し訳なく感じてしまって
    それ以上、言及する気になれなかった。

     <<あ、でもね!リナは自分でちゃんと伝えるからって
      言ってたからさ!ユウ君、リナと話してあげて!>>

    サヤカが珍しく真剣に俺に嘆願してきた。
    俺は断るには断れなくなってしまった。

     <<ユウ君、お願いっ!リナはホントにユウ君と……>>

     「……わかったよ」

    俺は決めた。
    リナという子と面と向かって、テープを通じて話すことを。

     <<ありがと、ユウ君!>>

    サヤカがいつも通りのサヤカになった。

     「つか、どうすりゃいいんだ?」

     <<そのテープの裏面にユウ君が
      録音してくれれば良いみたい。
      あとは私に渡してくれれば届けるから!>>

     「そ、そっか……」

    俺は不思議にもサヤカが頼もしい存在に感じてしまった。
  • 35 シュナイダー id:7LJFeo31

    2011-06-29(水) 23:42:21 [削除依頼]
    連投してしもたw
    サーバー不調涙目w
  • 36 シュナイダー id:7LJFeo31

    2011-06-29(水) 23:48:33 [削除依頼]
     <<じゃ、ユウ君よろしくね!
      また何かあったらいつでも聞いてね!>>

     「あ、ああ……」

     <<じゃねっ!>>

    ツーツー。切れた。

    俺は話をしてあげると言ったものの、どう返してやれば
    良いのかがとてもじゃないけど分からなかった。
    下手なこと言ったら相手を傷つけるかもしれないし、
    かと言ってありきたりなこと言ってもつまらないし……。

    俺はイスにまたがり、クルクル回転しながら
    頭も思考的な意味で回転させていた。
  • 37 シュナイダー id:3rgIi/n/

    2011-06-30(木) 22:51:38 [削除依頼]
    回ったところで何にも浮かばなかった。
    仕方ない、言いながら考えよう、そう俺は決めた。

    お供の口を開けさせ、テープを取り出し、表裏逆にして
    差し込んでまた飲み込ませた。
    そして、“録音”と書かれたボタンをおもむろに押した。
    シューと静かな音だけが鳴った。俺は深呼吸した。

     「えーっと、何だろ、君の言いたいことはなんつーか……
      何となく分かった。君と話をすんのは別に構わない。
      でも、一つだけ教えてほしいんだ……」

    俺は一呼吸入れてから言った。

     「……君は一体何者なんだ?
      それがわかんねぇと俺も不安なんだよ。
      別に君のことが嫌いってことじゃないぜ?
      けど、な?俺は君を知らないし、見覚えも無いんだ。
      言えないならいい、でも俺は知りたいんだ」

    思いつくままにガンガンお供に向かって喋り終えた。
    でも、何だか歯切れが悪いから最後に付け加えておいた。

     「ワガママでゴメンな」

    “停止”ボタンを押した。
    言うことは全部言い切ったつもりだった。
    確認のために“巻き戻し”を押して“再生”を押してみた。

    うん、ちゃんと録音されてた。
    けど、実際の自分の声は違うように聞こえた。
  • 38 シュナイダー id:3rgIi/n/

    2011-06-30(木) 23:09:47 [削除依頼]
    Track03

    翌朝、俺は普段と変わらない景色の通学路を
    変わらない制服姿で、変わらない音楽を聞きながら、
    トボトボと歩いていた。
    強いて言えば、サヤカを待つ感じで歩くテンポは遅かった。

    録音した内容がリナって子にどう聞こえるのか?
    傷ついたらどうしよう、怒ったりするかも……。
    何で悪い展開しか思いつかないんだ、俺?

     「ユウくーん!!!」

    やっと来た。
    後ろの方から、手を振りながら無邪気に駆けてくるサヤカ。
    でも、今回ばかりは鬱陶しいというより、
    どういうわけか九死に一生を得たような気分になれた。
    理由は俺にも分からなかった。

     「ユウ君、おっはよっ!」

     「ああ、うん……。あ、これ」

    俺はすぐ取り出せるようにバックの脇ポケットに
    突っ込んでおいたケースに入ったテープを取り出した。

     「あっ!ちゃんと返事してくれたんだ!」

     「あ、当たり前だろ!?」

     「ユウ君って優しいね!」

     「な、なっ……!?」

    ナゼだ?サヤカにこんなこと言われて動揺してる
    俺は何なんだ?
    落ち着け、俺!照れるな、俺!赤くなるな、俺!
  • 39 シュナイダー id:3rgIi/n/

    2011-06-30(木) 23:19:24 [削除依頼]
    サヤカが俺を見てクスクス笑いながら、テープを手にとって
    バッグの中へ押し込んだ。

     「ユウ君ったら、変なの!」

     「う、うるせぇっ!
      そ、その中身はリナって子に向けてだからな!?
      お前は聞くなよ!?」

     「分かってる、分かってるって!
      じゃ、ちゃんと渡しとくね!」

    サヤカが無駄に丁寧ばった口調の俺の言葉を聞いたら
    何て思うやら……不安で仕方無かった。
  • 40 シュナイダー id:nYgNko31

    2011-07-01(金) 21:10:06 [削除依頼]
    その日の俺はいつも以上にだらしなかった。
    というより、常に上の空、浮かない感じだった。
    ずっと、教室の窓の外の景色を眺めながら
    黒板には一瞥もくれずにボケっとしていた。

    気が付けば、放課後。
    俺は帰宅部の活動に入っていた。

     「なにやってんだ、俺?」

    俺はどうして、こう落ち着かないというか、
    こんなに不安でいるんだろうか?
    別に悪いことをしたわけでもないし、したつもりもない。
    単にリナって子に聞きたいことをテープに
    吹き込んだだけなのに、どうしてこうなるんだろう?

    分からなかった。
    分からないまま、自販機でコーラを一本買って飲んでいた。
    甘く冷たい炭酸飲料が普段とは違う味に思えた。
    120円ポッキリの缶ジュースに違いは無いってのに。
  • 41 シュナイダー id:nYgNko31

    2011-07-01(金) 21:26:12 [削除依頼]
    家に着いた時にはやけに疲れていた。
    玄関で靴を脱ぐのも一苦労だった。
    やっと脱いで、階段を上がるにしても一段一段が重く感じた。
    ただただ、ため息ばかり。後悔してるのか、俺は?

    夜を迎え、ボーっと飯を食い、のほほんと風呂に入り、
    スーっとベッドに寝転ぶ。まるでボロボロの兵士みたいに。
    部屋を暗くして仰向けになって寝た。布団は被らなかった。
    今ごろ、リナって子は俺の無愛想なメッセージを
    聞いてるのだろうか?既に聞いてしまったのだろうか?
    返事は録音したのかな?それとも、悩んでいるのかな……。

     「まさか、止めちゃったとか?」

    いや、ないない。声に出してどうする、俺?
    正直、悪いシチュエーションしか思いつかない俺も
    ある意味で問題大アリだった。
    寝付けない、夜11時だってのに眠気も来ないし、最悪だった。

    いやいや、逆に良いシチュエーションを考えよう、
    俺は変に苦しみながらそう決めた。

    リナって子が返事をした、としようか。
    だったら、内容的には答えだよな、普通。
    俺は枕の上でうんうんと頷いた。
    いや、待て、俺!もしかしたら……。

     「文句?」

    違う違う違う!
    何を考えているんだ、俺よ!?
  • 42 シュナイダー id:4NdVciJ/

    2011-07-02(土) 23:48:15 [削除依頼]
    Track04

    二日後、サヤカから俺の元へテープが舞い戻ってきた。

    俺は歓喜した。返事が返ってきたこと自体に。
    それで鬱憤を一気に晴らすように嬉しがっていた。
    サヤカが若干、様子が変だったのは全く気にしなかった。
    朝にテープを受け取ってから俺はただ放課後が訪れるのを
    時計をずっと見ながら待っていた。早く返事が聞きたかった。

    しかし、こういう時に限って一分がすごく長く感じるもんだ。
    秒針が遅く動くように見えて仕方がない。
    一限から五限までの授業一つ一つが長く感じた。
    長い、しんどい、めんどい。

    ひたすらに退屈だった。
    時々教師に叩かれるのが唯一の刺激だったという……。
  • 43 シュナイダー id:4NdVciJ/

    2011-07-02(土) 23:55:15 [削除依頼]
    最後の授業の終了を告げるチャイムは俺にとっては
    試合終了を知らせるホイッスルになっていた。
    掃除当番もない、特に用事もない、ラッキー!
    俺はすぐにバッグを肩に担ぎ、教室を出ようとした。

    だが、面倒なことに担任に廊下に出たところで捕まった。
    見事な七三分けのメガネの男教師だ。
    話によると、超インテリらしい。そして、セクハラの疑いあり。
    サヤカも前に手出しされたとか……?

    いやいや、そんなことはどうだっていい。
    早くこの変……担任を振り切る必要があった。
  • 44 シュナイダー id:S.M5isx0

    2011-07-03(日) 00:07:36 [削除依頼]
    生徒指導室に連れていかれた。
    狭い空間の中にポツリと置かれた机とイス。
    俺はそこへ座らされ、尋問された。警察じゃないのにさ。

    授業態度、成績、進路どうたらこうたら言われ続けられた。
    「何をしているんだ」、「バカかお前は?」「退学させるぞ?」
    好き放題に言われまくった。
    でも、俺は「へいへい」と答えるだけで聞く耳持たず。
    馬の耳に念仏ってやつだ。

    すると、さすがに担任もキレた。
    怒鳴り声と共に机にバンッと黒の出席簿を叩き付けてきた。
    俺は一瞬怯んでしまうのと同時に、頭に浮かべていた
    リナって子のことがパッと消えてしまった。

    そこからは完全白旗降伏。
    素直に謝って非を認めた方が早く終わらせられると考えた。
    ガミガミ怒鳴られながら、相づちを打ちたくもないのに打ち、
    今までの反省と今後の抱負をイヤイヤ言わされ、
    やっと事は収まった。正味30分の尋問だった。
  • 45 シュナイダー id:5EweYOR.

    2011-07-04(月) 20:38:31 [削除依頼]
    帰宅した頃には夕飯が出来ていた。
    あっちこっち寄り道して帰ったからなんだけど、
    それよりもテープの内容を聞きたいっていう欲が
    いつの間にか消え失せていたことが俺でも不思議だった。
    疲れか、ストレスか、それとも両方か……。
    部屋にのっそりと入って死んだように靴を脱ぎ、
    死んだようにバッグを置き、死んだように制服を脱ぎ、
    面倒くさそうにシャツを着て、手を洗いに一階の洗面台へ。

    亡霊のように廊下を歩き、死んだようにイスに座り、
    疲れ果てた顔で味噌汁をすする。
    俺は生きた心地が、別の意味でしていなかったみたいだ。
  • 46 シュナイダー id:xi9itBH0

    2011-07-07(木) 22:54:53 [削除依頼]
    ゾンビ化した俺はのっそりゆっくりと部屋に戻って
    ベットに倒れ込んだ。そして、疲れたため息を吐く。

     「ああ〜、だる……」

    仰向けになって白色灯に照らされる薄汚い天井を
    見上げながら、手を頭の後ろで組んで枕代わりにした。

     「なんか変だな、俺……」

    自覚していた。明らかに些細なことに心を奪われていることに。
    リナという見ず知らずの子に対する興味が俺を内面から
    変革させようとしているのは明確だった。

     「よし……」

    俺はとっさに起き上がり、テープを取り出し、
    机の上に置いてあるプレーヤーの前に座り、
    テープを飲み込ませた。

    今は彼女からの返事が聞きたい、それが俺の今の欲求だった。
    今すぐに満たされるべき欲求。
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