蓮姫〜悲しい世に咲いた花〜3コメント

1 風鈴 id:YaI0rlX/

2011-06-20(月) 13:43:05 [削除依頼]
―女で、姫君でありながらも戦乱の世を生き抜いた蓮。その裏には、苦しく、悲しい事が、幾多もあった……
※この小説は戦乱をテーマとしておりますが、現代知識も入る可能性もあります。ご了承下さい。
 この物語はフィクションです。実際の人物・建築物等は関係ありません。
〜主な登場人物〜
・蓮姫
 この物語の主人公で本宮家の長女。女ながらも文武・美に長けていた。後に本宮家十九代目当主となり、三河(現在の愛知県東部)を制定する。物静かで優しく、妹思い。天下統一まであと一歩だったが、ある事件に三姉妹共々巻き込まれ、最期には燃え盛る城と共に運命を共にする。
・紅姫
 本宮家の次女で蓮の妹。美しく聡明な姉を誇りとし、軍師となって蓮に仕える。おっとりしていて、天然。姉・妹と共に、ある事件で果てる。
・蒼姫
 本宮家の三女で蓮・紅の妹。気が強く、武に長けている。怖いもの知らずで涙脆い、明るく天真爛漫なムードメーカーであり、トラブルメーカー。最初は、女である姉・蓮が当主となるのに反対し、敵対していたが、ある日を境に心が代わり始める。父の記憶がない。二人の姉と運命を共にする。
・お光の方
 三姉妹の母であり、永遠の美女。朝倉光禅の妹。どんな事も苦と思わないしなやかな生き方が、後の三姉妹に大きな影響をもたらす。
・本宮長政
 三姉妹の父で、本宮家第十八代目当主。盟友であった朝倉光禅と壮絶な戦いが繰り広げられ、蒼がまだ幼い頃に自刃し果てる。
・梅
 蓮の乳母(主人の子供に乳を与えて育てる役目をする女性)。紅と同じく、美しく聡明な蓮を誇りとしているが、時に蓮が見せる激しい気性に驚かされ、肝を冷やすことも。第十九代目当主となった蓮を、温かく見守り、支えている。
・松
 紅の乳母。おっとりしている紅のペースに唯一ついていける凄い人。紅に振り回されながらも、紅を心から愛し、母親同然に見守っている。
・竹
 蒼の乳母。好奇心旺盛な蒼の為に時として情報収集役を果たしたりする。何かに付けて紅に喧嘩を売る蒼をたしなめるのに苦労する。口は悪いが心根は優しい蒼を心から愛し、体を張って波瀾万丈の人生を支える。
・朝倉光禅
 三姉妹の伯父にして、父・本宮長政、双子の兄を討った、三姉妹の仇。残虐非道であり、誰も信じぬ孤高の暴君。そんな光禅に、蒼は魅了され、大きな影響を受けることに。
・宝寿丸
 三姉妹の兄で、長政・お光の方の次男。双子の兄、万福丸と共に、朝倉光禅に殺され、果てる。(蒼には記憶がない)
・万福丸
 三姉妹の兄で、長政・お光の方の嫡男(長男)。双子の弟、宝寿丸と共に、朝倉光禅に殺され、果てる。(蒼には記憶がない)
追加があれば、話の終わりに解説を載せておきます。


 
  • 2 風鈴 id:YaI0rlX/

    2011-06-20(月) 19:11:58 [削除依頼]
    蒼:「姉様、姉様ーーーー!」
    女子の声、駆け足が聞こえてくる。いつもの日常。お菓子の取り合いだったら尚更。
    蒼:「姉上、お饅頭何個食べました?」
    蓮:「二個じゃ。それ位が丁度とお梅が言うておった。」
    蒼:「梅は?」
    梅:「わたくしも二個……」
    三女、蒼が饅頭の乗った高坏(たかつき/お菓子を載せる台)を持って、いくら食べたかを聞いてくる。いつものお菓子の数数争いだ。
    高坏には、1つしか饅頭が乗っていない。
    蒼:「元あった数は14、姉上と梅と松と母上と竹が2つずつで10個……」
    ハッとしたようにたまたま通りかかった紅を見ると、一令し、高坏を片手に、蒼は飛び出した。慌てて竹が追いかける。
    蒼:「姉様、姉様でございましょう、饅頭を三つたいらげたのは」
    物凄い剣幕で怒鳴る。お菓子が好きな(というか食べ物自体が好き)な蒼にとっては、ブチ切れるのも仕方のないことなのだ。
    紅:「え〜?蒼が隙だらけだからでしょ〜?それに、私の分は確かに2つよ。」
    のんびりいう紅の片頬は膨らんでいる。当然紅はそれを見逃さなかった。
    蒼:「では何故片頬が膨らんでいるのです?」
    疑うような目つきでジロジロ見る。慌てて私・長女の蓮や、私の乳母・梅、紅の乳母・松、母上様が駆け付けた。
    蒼:「鋭いね〜蒼は……」
    つまらなさそうに言うと、口から饅頭を吐きだし、それを蒼の口に押しつけると逃げた。蒼はそれをあっという間にたいらげると追いかけた。慌てて松も追いかける。それを、母上様と私はただ笑って見ているだけ。
    こういうのは、日常茶飯事だからだ。1581年、私達は、伯父・朝倉影光の居城・紀陽城に身を寄せていた。母・お光の方にとっては兄にあたる。
    そして、最初の悲しい事が、私達三姉妹と母上様を待ち構えていた……―


    ・朝倉影光
     朝倉光禅を兄に持ち、お光を妹に持つ能天気な男。三姉妹に国を支える事の大切さを説く。

    次回、三姉妹がもう一人の伯父、光禅と出会う。そして、蒼は……乞うご期待!
  • 3 風鈴 id:hI4/wAk0

    2011-06-21(火) 18:56:22 [削除依頼]
    そんな中、もう一人の伯父から手紙が届いた。相模(現在の神奈川県)北部を治めていた朝倉光禅だ。
    お光:「近江(現在の滋賀県)に城を築く。そなたも姫達を連れて見に参れ。」
    母上様がそれを読み上げた。紅は不服そうな顔をしている。
    蓮:「これ紅。母上様の御前でそんな顔をするでない。」
    私が一生懸命にたしなめる。しかし、紅がそんな顔をするのも無理はない。光禅は、父や兄を討った仇なのだ。
    蒼:「母上、私、伯父上に会うてみたいです。」
    嬉しそうに言う蒼の前で、私や母上様や乳母達は複雑な顔をしていた。光禅が父の仇であることを、蒼はまだ知らない。
    蓮:「……ところで、蒼は何故相模の伯父上の元へ行きたいのです?」
    蒼:「今まで会うたことがないからです。」
    お光:「そうか……一度会うた事があったが、蒼は覚えていないのか。なれば、会うた方がよいやも知れぬな。」
    母上様の一言で、私達は近江へ旅立ったのです。蒼に対しての、複雑な気持ちを抱えたまま……
               〜近江城・城下町〜
    城下町は人で溢れかえっていた。雑穀、山菜、米や麦は勿論、猪やキジの肉といった山の幸、魚や海藻といった海の幸、仲西焼という近江の伯父上が広めた焼き物や、見た事がない南蛮の品に、蒼はただただ夢中だった。
    やがて城に入り、部屋に通された。そして、伯父上と対面する時が来た。蒼の顔は明るい。天下人となった光禅に会うのが嬉しいのだろう。
    そして、伯父上が入ってきた。家臣や私達が慌てて顔を下げる。
    光禅:「よい、皆、表を上げい!」
    その通りに、皆が、表を下げた。私達以外は。蒼の胸はドキドキしていて、対照的に紅の手は震えていた。おそらく会うのが怖いのだろう。
    光禅:「光」
    母上の名前を、伯父上が呼んだ。母上は頭をあげ、堅い声で言った。
    お光:「お久しゅう御座います、兄様。」
    光禅:「駿河(現在の静岡県。紀陽城があります。)では堅固(すこやか)であったようだな。
    母上はやはり堅い声で言った。
    お光:「はい。兄様もお変わりなく、嬉しゅう御座います。」
    光禅:「蓮、紅」
    呼ばれ、私と紅は顔をあげる。
    光禅:「久しぶりじゃのう……桜木城(現在の越後にあった城。私達三姉妹が生まれた城でもあり、父上が最期を共にした城。)落城以来であったか……」
    紅:「……そうでしたでしょうか。」
    少し震えた声で言った。蒼は、今か今かと待っている。
    光禅:「そうであったさ。ところで、左端のそち、顔を上げい!」
    蒼が少しづつ少しづつ顔を上げる。そして、真っすぐに光禅を見た。これが、蒼の初恋になる事を、皆はまだ知らなかった。


    次回、自身も知らないうちに広がる、蒼の恋心。そして、悲劇が襲う……
    乞うご期待!
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