Soldiers of recall 〜召還されし意思〜8コメント

1 ‘‘理文” id:.OcwpIT/

2011-06-18(土) 17:31:48 [削除依頼]
  プロローグ

 幼い頃、彼は一つの石を渡された。
 エメラルド色の綺麗な宝石。
 それは日の光を反射し、不思議な感じに光っていた。
 角度を変えれば、たまにアクアブルーのような色も見せる、不思議な石。
 それを彼は、誰に渡されたかは覚えていない。
 ただ覚えているのは一つ。
 それは、彼が彼自身の召還獣を手に入れた翌年だった。
 その年は、どこかの旅人が訪れた年だった。
  • 2 ‘‘理文” id:.OcwpIT/

    2011-06-18(土) 17:38:11 [削除依頼]
    前書き

    初めましての方、初めまして。
    覚えている方、お久しぶりです。
    さっき話したばかりの人、こんにちわ。

    はい、ついにプロットが完成いたしました。
    Soldiers of recall 〜召還されし意思〜

    最初書き始めた「Soldiers of recall」。
    それを改訂しようといき込んで書き直し始めた「召還されし意思」。
    今度こそは完成版をと、その二つの題名を合体させました。
    そして、私の小説なんかを待ってくれていた人が居れば、その方に、深く、感謝します。そして、長らくお待たせしてすみませんでした。
    この小説を初めて見る方も、出来れば読んでいってください。

        H23年六月十八日/理文
  • 3 ‘‘理文” id:.OcwpIT/

    2011-06-18(土) 18:13:11 [削除依頼]
      一章 夢と現と

     良いかい?君にやって欲しいことはひとつだ。
     それを持って、さっき僕が言った場所へと行く。
     そしてそこで、それに君の意思を伝えるんだ。
     そうすれば、君の意思はそれが継いで、果たしてくれるだろう。
     あとは、君のやりたい通りやれば良い。
     どうだい?簡単なことだろう?
     それに、言い換えれば君の願いを叶えるということだ。
     ただ、努力をしなくて良い訳じゃない。そこに辿り着くまでに、いろいろな困難が待ち構えているだろう。
     けど、君はそれを乗り越えなければならない。他でもない君自身のために。
     君は頭の良い子だから、もしかしたらそこに辿り着くまでに真実を見つけてしまうかもしれない。
     けど、君にはそれでも突き進んでほしいよ。
     良いかい?もう一度言うよ。
     それを持って、さっき僕が言った場所へと行く。
     そしてそこで、それに君の意思を伝えるんだ。
     わかったね?
     それじゃ、今日はもうここでさよならだ。
     また、会おう。

    ―――君の手に入れるだろうその場所で―――


      =====

     カーテンの隙間から入ってくる日の光でステイは、ゆっくりと目をあけた。
     夢を見ていた気がする。ずっと前の、幼い頃の記憶の……。
     ステイは体を起こすと、すでに靄の掛かっている記憶の断片を追う。たしか、大事なことだったはずだ。何よりも成し遂げなければならないような、そんな約束の記憶だったはずだ。
     しかし結局、夢の断片は霧散した。
     ステイはゆっくりと立ち上がると、カーテンを開け放つ。
     今日も快晴。窓から見える街も何時も通りだ。
     ステイは、良し、と一つ頷くと隅に置いてある剣を手に部屋を出た。
  • 4 ‘‘理文” id:3vwmB0q1

    2011-07-09(土) 17:21:59 [削除依頼]
    <ナルウィス共和国・トミネスの街>

     ステイ・ラミネスティは商店街へと向かっていた。
     時間は午後。先ほどまで剣道の鍛錬に出かけていたその帰り。
     剣道、合気道、空手の鍛錬はステイにとってはすでに日常の内の一つ。そして、その後商店街へ向かうのも、日常だった。但し、その行き先は毎回違う。
     ステイは商店街の入り口付近にある本屋へ迷い無く入る。
     客が来たのにも関わらず、特になんの反応も無い本屋の奥へと向かい、専門書の並んでいる棚へと向かう。そこには、召還獣について書かれた本が幾冊も並んでいた。
     ステイはその中から特に最近発行されたばかりのものを見つけると、それを引き抜く。そして、その裏表紙に書かれている金額と自分の所持金を確認した。
     ステイはこの本を買うためだけに、今日までずっと貯金を続けてきていた。理由は、この本を買うため。
     著者のティッフィ・トレカンス。かなり有名な召還獣の研究者で、彼の論文を発行した本は相当な金額を張る。
     ステイは本を持って本屋の奥、会計へと向かう。
     そこには、六十代辺りのおばあさんが眠りこけていた。
    「おばあさん?また寝てるな……。おばあさん、仕事中に寝ないでください。おばあさん」
     ステイはおばあさんの肩を揺らし、起こしにかかる。これはいつもの事で、本屋に来た人のほとんどが、寝ている店主を起こして目当ての本を買い求めるのである。
     しばらくしておばあさんは目を覚まし、ステイの顔をまじまじと見る。
    「おや、先生。どうかしましたか」
     まだ十六のステイをおばあさんは先生と呼んで用を聞く。
     ステイは剣道七段、合気道五段、空手七段の階級を持っている。そのため、まだ十六であるにも関わらず、ステイの事を先生と呼ぶ者は多かった。
     本屋に来たのだから、どうしたと聞く前に、当然本を買いに来たと予測すべきだ。それが出来なかったおばあさんに、ステイは苦笑しながらも本を渡す。
     それだけでおばあさんは理解して金額を確認し、ステイに代金を求める。
     ステイはお金を渡し、おばあさんに礼を言うと、本屋を出ようとする。しかし、おばあさんはステイを呼び止めた。
    「なんですか?」
    「つい最近、野生の魔獣がその辺りうろうろしてるらしいんだ。先生も気をつけなよ」
     少し言葉足らずなおばあさんの忠告にステイは素直に礼を言うと、本屋を出る。
     ステイはあごに手を当てて、下を向きながら家へと向かう。
     先ほどのおばあさんの忠告が気になっていた。
     魔獣とは、封印界サレスティアと呼ばれる世界に存在する獣たちのこと。
     太古、魔獣の蔓延っていたエルデニオは魔獣たちによって、人間は危機にさらされていた。しかし、それらは大賢者によって払われたのである。封印界サレスティアに封印する形で。
     そして、その大賢者が作ったシステムが召還というものだった。人間に使役される形でのみ、魔獣たちはエルデニオで生きることが出来る。そうして呼ばれた彼らを召還獣と呼んでいる。
     今では、誰もが六歳になると自身の召還獣を与えられるようになっていた。
     ステイはある理由より、それらの詳細を調べたく思い、ずっと専門書を買い続けてきたのである。
     召還のシステムはかなり丈夫で、主が居なくなれば、召還獣はサレスティアへと変える。召還獣同士で産み落とされた新たな魔獣もすぐに封印界サレスティアへと送られる。
     そのため、野生の魔獣がこの世界に存在するはずは無かった。実際、今までそんな話は出ていない。
     しかし、近年各地で魔獣が現われるようになってきていた。
     原因は不明。召還システムが崩れてきたという説や誰かの手引きであるという説も出てきたがどれも実証できていない。
     このまま行けば、どうなるかということさえも分からない。
     それが、今この街の付近でも確実に影が潜んでいるという話。本屋のおばあさんが何処で手に入れた情報なのかは分からないが、やはり気になった。
     そんな考え事をしていたからだろう。すぐ目の前に人が迫っていたことに気付かなかった。
  • 5 ``理文” id:9viVMJe1

    2011-08-16(火) 15:28:09 [削除依頼]
     胸の辺りに鈍い衝撃がぶつかった。
    「わっ」
    「っ!」
     二人分の悲鳴が小さく響き、ステイは後ろへとたたらを踏む。
     どうやら、人とぶつかったらしい。
     ステイが視線をおろすと、そこにはぶつかった相手が尻餅をついていた。小柄な少女で、見た感じでは十三、四歳ぐらいの少女。脱色したような茶髪は三つ編みで二つに縛っていて、赤色の帽子を被っている。同じく赤色のジャケットを羽織っており、手には薄い灰色の手袋をつけている。ズボンはジーンズで、靴は赤く、鈍く光っている。その背中には少女の小柄な体型には不釣合いな大きなスーツケースを背負っている。まだ幼い顔は少し勝気な感じで、そのエメラルドグリーンの瞳で呆けたようにステイを見上げていた。
     少女の方がぶつかってきたのに、彼女が尻餅をついているのは単純にステイの方が力で勝っていたからだろう。ステイは少女に近寄ると、手を差し出した。
    「大丈夫?」
     ステイの言葉に、ハッとしたように少女は立ち上がった。ステイの差し出した手はスルーされる。
     逆に、少女の方が心配そうにステイのことをしたから見詰めてきた。
    「大丈夫、大丈夫。貴方のほうこそ大丈夫だった?」
    「え? ああ、うん」
    「そか。ごめんね。それじゃ、私急いでるから!」
     少女はそれだけ言うと、ステイの方へは目もくれず、そのまま嵐のように去って行く。
    「それにしても、何でこのあたりだけ異常に魔物が増えてきてるんだろう……」
     少女は何か呟いていたようだが、もうすでにほとんど離れてしまって要るため、その内容まではステイには分からない。
     人通りの少ない商店街の人の流れは、誰かと誰かがぶつかったぐらいで乱れたりはしなかった。
     少女が立ち去った方向を先ほどの少女のように呆けた表情で見ていたステイは、思い出したように再び歩き出した。
  • 6 ``理文” id:9viVMJe1

    2011-08-16(火) 15:28:34 [削除依頼]
     ステイの家は、商店街からそう離れていない。商店街の脇道を通り、商店街を抜ける。
     商店街のすぐ近くには街の管理長の大きな家があり、その隣に小さな花屋、もう一つ隣には宝石店があった。商店街のはずれにある小さな二つの店は、村が街に変わる前からある古株の店。
     元々、トミネスの街はトミネス村という小さな村だった。そこに今の管理長が訪れ、この村の発展に貢献し、現在の様な街と呼べる単位にまで登った。すでに村と呼べる規模ではなかったので、街という形で改名。当初はある人物の苗字から取り、ミャルマと改名されていた。だが、ステイの両親、そしてその友人達の声で村の名前を残すことになり、今はトミネスの街と名乗っている。
     そして、そのステイの両親は小さな宝石店をやっている。それが、その花屋の隣にある宝石店だ。
     ステイは宝石店へと向かい、そのまま店の入り口から入ろうとする。そこへ、後ろから声が掛かった。
    「ステイ! 久しぶり」
     振り向くと、そこには数年も会っていない幼馴染が、ステイに懐かしい微笑みを浮かべて手を振っていた。
     フィネス・ルーランジュ。隣の花屋の一人娘。元気さと優しさだけが取り得の少女。
     隣には彼女の召還獣、狼の様な姿をしたレーブがフィネスに付き従うように足元に立っていた。常に警戒している目は、黄色く鈍く光っている。
    「フィネスか。久しぶり」
    「あれ。数年もあってないのにその反応。薄いなー。我が幼馴染との絆はこんなにもはかなかったのかなー」
     ステイの多少気の無い返事に、フィネスは棒読み気味にわざとらしく嘆いてみせる。
     フィネスは先ほども言ったように、花屋の娘。そのためか、植物への知識と勘はある種の才能のようなものを発揮し、本人も植物学の道を目指していたため、十歳になる頃に首都へと勉強しに行っていた。
    「数年ぶりって言うけど、ずっと手紙の交換もしてたし、一昨年の年初めに戻ってきてたし、今日帰ってくることは知ってたし、別にそこまで感動の再開みたいな感じにならなくても良いんじゃないかな」
    「相変わらず、変なときに冷静よね。あんた……。………実戦の時とか、ハプニングあったときとかはあたふたするくせに」
     後半以降はすでに独り言になっていたため、ステイの耳には届かなかった。
     ステイは一度周りを見渡し、それから、レーブを見る。そしてもう一度辺りを見渡した。
     何かが足りない。いや、何が足りないかは分かっているが、別にそこまで気にすることでもないような気がする。
     だから、何となく聞くのがためらわれた。
     しかし、そんなステイの様子は幼馴染にはお見通しの様で、フィネスはステイ異常に不思議そうな顔をして首をかしげる。
    「どうしたの?」
    「あ、いや。……後二匹はどうしたのかな、と」
     フィネスに聞かれ、ステイは結局疑問に思っていたことを聞く。
     通常、召還獣というのは一匹と決まっている。定められているわけではなく、普通はその人に合う召還獣というのが何匹も存在しないからだ。
     しかし、極稀に二匹以上の召還獣が召還される場合がある。そういう人は、複数型の"魔"と呼ばれて分類される。
     "魔"、と言うのはこの召還システムを作った大賢者が見つけた万物が持っている力で、その力は無限大。召還術はこの"魔"が関係している。
     召還獣はその"魔"、それから魂に呼応して召還される。
     フィネスの"魔"はその複数型のもので、召還の時に三匹の召還獣が召還されたのだ。
     しかし、いまここにいるのはレーブ一匹だけ。
    「ああ、他の子達は今は封印界に戻ってる。必要なときだけ呼び出すっていう方法を向こうで教えてもらったの。ここでも大人達は皆そうしてるしね」
     ステイはそういうことかと頷く。ある程度の技量と"魔"があれば、必要なときにのみ召還獣を呼び出すことが出来るようになる。召還獣によっては、そのまま連れ歩くことの難しいものもいる。そういう技が凡人にも必要とされるのも当然と言えた。
  • 7 ``理文” id:DH9EkQm.

    2011-11-13(日) 12:29:41 [削除依頼]
     だから、その技をフィネスが覚えて帰ってきていても、特段不思議なことではない。そのため、ステイの反応は薄かった。
     それが気に入らなかったのだろう。フィネスは拗ねた子供のように口を尖らせた。
    「ちょっとぐらい驚いたり、褒めてくれたりしたって良いと思うなー」
     これもまた棒読み。だがその言葉を聞いて、流石に今のは何か話すべきだっただろうと気付き、素直にごめんと謝った。
    「まあ、それぐらい覚えてきて当然かな、とか思っちゃってね」
    「思っちゃってね、じゃないよ。人を褒めるの苦手なんだからさ。ずっと専門書なんか読んでるからよ!」
     フィネスはそう言って、ステイの肩を強く叩いた。それを受け、ステイは苦笑する。
     ずっと、"魔"や召還獣の専門書ばかり読み、さらにずっと武道の鍛錬に明け暮れていた。だから、ステイには、人付き合いというものがなく、唯一の友人が、今目の前にいるフィネスだった。
     しかし、ステイが専門書ばかり読み、武道の鍛錬に明け暮れることにも理由がある。
     フィネスはそれが分かっているからこそ、それについてはあまり深く責めたりはしなかった。
    「さて、これから私は薬草探しに行くのですがー」
     ふと、フィネスが急に口調を変えた。どこかしら、上司が部下に、遠まわしに命令を下すような棒読みが感じ取られる。
    「最近は、野生の魔獣がうろちょろしているようでしてー」
     フィネスがそこまで言うと、ステイの目をじっと見詰めてきた。
     ここまで言えば分かるだろ、と暗に言っている。実際、何を言いたいのかはステイには分かっていた。分かっていたが、どうしたものか。
     出来れば、今すぐにでも自分の部屋に入って、先ほど買ったティッフィの著書を読みたい。だが、フィネスをこのまま薬草探しの為に一人で村の外へ行かせるのも心配だ。
     彼女だって、自分の召喚獣の扱いぐらいは心得ているが、行った先で何があるかは分からない。用心のため、護衛を増やすことに越したことはない。
     そもそもフィネスは薬草を探すためにこの街に戻ってきたのだ。また後で、というわけにも行かない。
     そうやってステイが迷っている間にも、フィネスは無言で答えを請求していた。
     結局、ステイが折れた。
    「分かった。行きます。護衛の為についていくよ、フィネス」
     ステイの渋った上での解答に、フィネスはやはり満足げに頷いた。
  • 8 レイカ id:4uvJT8M.

    2011-11-13(日) 14:13:19 [削除依頼]
    初めまして、レイカと申します。

    凄い文才ですね!!
    めっちゃ尊敬します(・o・)

    頑張ってくださいね(^^♪
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