厨二病少女の黙示録29コメント

1 当麻 id:EU7H7HJ/

2011-06-17(金) 20:42:18 [削除依頼]
楽しかった休憩時間、
放課後、
休日、
だけど、彼女にとっては楽しくなかったのかも知れない。
もう彼女はリアとは向き合えない。
そして俺は彼女を助けられなかった。
  • 10 当麻 id:EU7H7HJ/

    2011-06-17(金) 22:11:52 [削除依頼]
    月詠とは、“知り合い”だ。
    周りには彼女同然でしょ?とか言われるが、あくまで俺等の関係は“知り合い”でしかならない。
    まあ、実質は知り合い以上彼女以下だが。

    「そう言えば、久し振り」

    「そうか。今日は月曜、だもんな」

    コクリと、月詠は頷く。

    「日向、今、暇?」

    「一緒に帰るか」

    黙って、月詠は俺の隣で歩く。
    昔からいるせいか、コイツの言動、行動はよく理解出来ている。

    「日向、テスト、出来た?」

    「まあまあ。お前は?」

    「私も、まあまあ」

    月詠は滅多に表情を変えない。
    何時も、無表情の時が多い。
    それだからこそ、コイツの微笑みはレアだったりする。
  • 11 当麻 id:EU7H7HJ/

    2011-06-17(金) 22:21:02 [削除依頼]
    行き慣れた通学路を歩いていると、途中で月詠が俺のシャツの裾を引っ張った。

    「あれ」

    指差した先には、クレープ屋があった。
    食べて行こうって意味だ。

    「ああ。月詠は何にする?」

    「生クリームとイチゴ」

    「お前、何時もそれだよなー」

    「じゃあ、生クリームとカスタードクリームとイチゴ」

    「一つ増えただけだろ。しかも、それも何時も頼んでた事ないか?」

    「日向と同じ奴にする」

    月詠にしては考えたのか、結構自信満々の顔で俺を見ていた。

    「チョコとイチゴとバナナで良いんじゃねーの?」

    「分かった。買って来る」

    月詠は走って買いに行った。
    別に急ぐ必要はないのに。

    「くす」

    ……?
    背後で、笑い声がした。
    しかも……妙に聞き覚えのある声だ。

    「勇者君、寄り道はいけないよ?ってか、その彼女氏は誰?」

    彼女氏って、何だ。

    「日向、如何して如月がいるの?」

    月詠がクレープを持って、戻って来る。
    何か凄い二次元でありそうなシチュエーション……

    「如月、コイツは俺の“知り合い”だ。ちなみに同じクラスだから、お前もクラスメイト何だぞ」

    「そうなんだ」

    「月詠、コイツはいきなり現れただけだ」

    「そう。じゃあ、如月、バイバイ」

    グイッと、俺を引っ張って月詠は強引にこの場から離れた。
  • 12 当麻 id:EU7H7HJ/

    2011-06-17(金) 22:28:12 [削除依頼]
    「ねぇ、彼女氏、如何してそんな速足なの?」

    さっきから、俺等は速足(主に月詠が)で歩いている。
    その後を如月が追いかけて来る。

    「如月、あなたはストーカー?」

    「何の事か分からないよ。彼女氏」

    傍から見たら、変な感じ何だろうな。
    無表情でクレープを持った奴(月詠)と普通そうな奴(俺)を追いかける左目が赤い奴(如月)って。

    「じゃあ、如何して追いかけて来るの?これはストーカーだとしか考えられない」

    「ふむふむ、じゃ、もう止めるよ。それじゃ、バイバイ、勇者君と彼女氏」

    ストーカーだと、自分でも自覚してたのかよ。
    それなら、直ぐに止めて欲しい。
    如月はそのまま反対方向へと行った。

    「日向」

    「何だ?」

    「如月には関わらないで」

    月詠はそう言って、持っていたクレープを軽く握った。
    巻いた生地から、チョコクリームが少し飛び出す。
    まあ、隣の席で関わるなと言われても、如何しようもないのだが。
  • 13 当麻 id:EU7H7HJ/

    2011-06-17(金) 22:34:47 [削除依頼]
    「おっはよー、ひーなたっ!!」

    次の日、通学路を歩いていると、月詠の声がした。

    「ああ。おはよう」

    動じず、普通に俺は挨拶をする。

    「学校まで、一緒に行こ?」

    「そうだな」

    「日向、眠そうだね。ちゃんと寝てる?」

    「寝てるけど。そう言えば、昨日のクレープ、如何したんだ?」

    「うん。あの後、2個、全部食べたよ。あ、もう学校だね。早いね」

    「月詠」

    「何?」

    「如月には関わるなって言ってたけど……」

    「そう。出来れば、関わらないでくれるかな?私、如月さん、嫌いなんだ」

    満面の笑みで、月詠は言った。
  • 14 当麻 id:2GHsrG.0

    2011-06-18(土) 12:25:35 [削除依頼]
    この辺で明かして置くが、月詠は二重人格だ。
    主に体育会系の部活(バスケやバドミントン)みたいにアウトサイドとインサイドがある。
    まあ、俺が勝手に言っているだけだが、意味としては表と裏みたいな感じだ。
    アウトサイドは、月曜、水曜、金曜、日曜、
    インサイドは、火曜、木曜、土曜、
    と言った具合に1日ずつ、コイツの性格は変わっている。
    原因は分からないが、一応生活に支障はそれほどないし、生憎コイツも友達がいない為あまり困らない。


    「多重人格……二次元には欠かせない要素の一つだねー」

    席に着くと、見計らった様に如月は微笑んで言った。

    「どんな作品でも、あるもんね。二重人格」

    「気付いたのか」

    「彼女氏の事は前々変だとは思っていたよ。彼女氏の顔立ちは二次元並みだし」

    確かにコイツの言う通りだ。
    一時期、月詠は男子からモテていたが、あの性格のせいで猫を被っている奴と思われて嫌われてしまった。

    「明日は昨日の彼女氏何だよね?勇者君」

    「ああ。でも、お前、驚かないんだな」

    「リアで起こる事は結構在り来たり何だよ」

    俺からしたら、二次元で起こる事の方が在り来たりだが。

    「そう言えば、勇者君。放課後、開いてる?」

    半端なく、嫌な予感がした。
  • 15 当麻 id:2GHsrG.0

    2011-06-18(土) 12:47:05 [削除依頼]
    ♯004 相談者
    放課後、半強制的に連れて行かれた先は駅前のファーストフード店だった。

    「何なんだよ?放課後のお茶会か?」

    「放課後のお茶会ね……私は澪派だからね?」

    放課後のお茶会と言う名のタグから、一気にアニオタの方へ行きやがった。
    でも、あれ原作マンガだったしな。

    「客人を待っているんだよ」

    ズズズと、如月は注文したアイスコーヒーをストレートで一口飲む。

    「むむむっ」

    如月は心底嫌そうな顔をする。
    苦かったって事か。

    「勇者君、ガムシロップ7個取ってきて」

    「なっ……7個?」

    渋々、ガムシロップを取って、如月に渡す。

    「ん、ありがと」

    平気でその7個全部をアイスコーヒーの中に入れてしまった。

    「酷い味だろうな」

    「ううん、美味しいよ。甘くて」

    そりゃ、そうだ。
  • 16 当麻 id:fjv545R1

    2011-06-19(日) 09:56:54 [削除依頼]
    それから、5分後。
    女子高生が1人来た。

    「えーと、キサラギさんはどちらでしょうか?」

    完璧にアニメに適している声(アニメ声)で、声優にでもなれそうな声だった。
    それ以前にコイツは、如月の邪気眼を見ても驚かないのか。

    「如月は私。こっちは助手の勇者君」

    如月はサラッと言った。
    ってか、俺は助手かよ。

    「私は黒まゆと言います。それにしても、勇者さんは本当に勇者ですよね。異世界へようこその勇者にそっくりですよ」

    「うん。私もそう思ったよ」

    「如月、如何言う事になっているのか、さっぱり何だが」

    「これ、オ.フ会」

    オ.フ会?

    「えっと、勇者さんはあまりこちらの事は知らないんでしょうか?オ.フ会って言うのは、何と言うかネットとかで知り合った人達がネットの世界じゃなくて、普通に現実で会うみたいな感じです」

    「それって、完璧に犯罪に巻き込まれるケース、ありそうじゃねーか?」

    「ですよね。私も、キサラギさんがおじさんだったら、如何しようと思ってしまいました」

    「さっきから思っていたんだけど、黒まゆ氏は私達よりも歳は上なの?」

    「そ、そうですね。キサラギさん達の制服は多分、六花中でしたっけ?私は高一なので」

    「じゃあ、敬語は使うべきなのか?」

    「いえいえ、勇者さん。私はどちらかと言えば、年下にも年上にも、同い年にも敬語を使いますし、気にしないで下さい」

    「そう言うキャラ、いるよね」

    その後、黒まゆが何かを注文しに行った為、ひとまず会話は中断した。
  • 17 当麻 id:fjv545R1

    2011-06-19(日) 10:24:38 [削除依頼]
    「一言でオ.フ会って言われても、何をして良いのか分からなくなりますね」

    「私、今までにオ.フ会なんて、した事ない」

    「本当ですか?私はあるんですけど、何かとっくにグループが出来上がってて、とてもじゃないけど私が入るスペースがなくて……あまり良い思いではないんですよね」

    「黒まゆ氏はリアでも、友達はいるの?」

    「あ、はい。いますけど、オタク友達ですよ」

    俺はアイスコーヒー(ただし、如月と違ってガムシロップは入れてない)を一口飲む。

    「私は小6の時に深夜アニメを見始めたんですけど、動機がちょっと普通の人と違うんですよね。私の兄が重度のアニオタで、学校に行く以外の時はずっと部屋に閉じこもって、パソコンしたり、テレビを見てたんです」

    それで、引きこもってたら、随分とヤバいが、まだ学校に行ってるから救い様はあるな。

    「ある日に兄が帰って来る前にこっそりと兄の部屋へ忍び込んだんです。前々から、部屋で何をしていたのか気になっていたし、その時はまだアニオタだって事も知らなかったので」

    「兄氏の許可なしに部屋に入るのは如何かと思うよ」

    何でも、氏をつける気かよ。

    「中はアニメのDVDやらで、凄い事になってました。ちょっと、よく分からなかったので、取り合えず、DVDの第1巻を拝借して自分の部屋に戻りました」

    「ちょっ……盗んだのか?」

    「い、いえ、盗んだのではなく、借りたんです」

    「無断だろうが」

    「えへへ」

    力なく、黒まゆは笑う。

    「でも、そのアニメが神だったんですよ。それから、私もどっぷりとハマってしまいました」

    黒まゆは楽しそうに言った。
    マジで、コイツはオタクだ。
  • 18 当麻 id:WduDcAQ.

    2011-06-19(日) 20:00:45 [削除依頼]
    「キサラギさんはアニメやゲームに出逢ったのは何時なんですか?」

    「ん、中1の冬だよ」

    まだ2年前の事なのか。

    「偶然、深夜に起きてた時、テレビつけたらアニメがやってて、それから」

    「そうなんですか。見た感じ、キサラギさん達は中3ぽいですね」

    「そうだよ」

    如月はストローで、アイスコーヒーをぐるぐると、かき回す

    「あの、相談聞いて貰っても良いでしょうか?」

    オ.フ会が開いてから、30分が経った頃、
    黒まゆはいきなり、真剣な顔をして話を切り出した。
  • 19 当麻 id:WduDcAQ.

    2011-06-19(日) 20:17:21 [削除依頼]
    「その、好きな人から告白されたんです。それで、付き合い始めたんですけど、初めてのデートで私がオタクだってバレそうになりまして……」

    「黙っとけば、バレないだろ?」

    「それが本屋に寄った時につい、素が出てしまって、あ、この本、今期で最高のアニメの原作何ですよって……」

    「彼氏、どん引きだな」

    「はい。彼は野球部で、ホントに普通の男子で、その後はぎこちなかったです」

    「リア充ののろけ話は聞きたくないね」

    見れば、如月はテーブルに肘を付いて、不機嫌そうな顔をしていた。
    そんな光景でも、普通に画になるのが美人の良い所だろう。

    「り、リア充なんかじゃないです」

    「そんな二次元みたいなシチュ、滅多に起こる事じゃないよ。黒まゆ氏の周りには幸運のフラグがいっぱいあるんだね」

    「でも、幾ら良くても、段々とどん底へ向かって行ってます。如何したら良いでしょうか?」

    「彼氏に言ったら良いんじゃない?オタクだって」

    「嫌われるんじゃないでしょうか?」

    「黒まゆ氏は自分の趣味は人に堂々と言えるモノじゃない、って言いたいの?それは私や他のオタクの人にとっての侮辱だよ」

    「で、でも、キサラギさんだって分かっているでしょう……?世間的にオタクは良い印象ではないって」

    何かもめ出した。
    面倒臭そうだな。
    俺は席を立とうとした。
    勿論、帰ると言う事だが。

    「勇者君」

    立ち上がった瞬間に如月が言った。

    「何処、行くの?」

    「俺、帰るわ」

    「じゃあ、勇者君が決めて。黒まゆ氏がこの先如何すれば良いのか」

    何でそんな大事そうな選択を俺に選ばされるんだ。

    「じゃ、じゃあ、とにかく彼氏にオタクだと言う事を伝えて、上手く行かなかったら、もうその恋は諦めると言う事で」

    「……やっぱり、それが妥当ですかね」

    「そりゃそうだろ。幾ら誤魔化しても、ボロは何れ出るからな」

    「分かりました。お二人の意見を参考にして見たいと思います」

    そうすると、黒まゆも立ち上がった。

    「オ.フ会はこの辺でお開きにしましょう。キサラギさん、結果は後日報告しますから」

    「ん」

    「門限もありますので、私、もう帰りますね。キサラギさん、勇者さん、今日はありがとうございました。じゃ」

    律儀に一礼して、黒まゆは出て行った。

    「神坂麻友」

    如月は言った。
    振り返ると、如月は生徒手帳らしき物を持っていた。

    「見事に落として行ったよ。黒まゆ氏……嫌、神坂麻友氏」
  • 20 当麻 id:WduDcAQ.

    2011-06-19(日) 20:23:11 [削除依頼]
    後日、生徒手帳に書いてある高校の住所を頼りに俺と如月は行った。
    俺がついて行く意味は、全くないのだが、あの後、アイツが彼氏とどうなったのかは少し気になったから何となく一緒に行った。

    「強ち、本名だったんだねー、まゆって」

    「そうだな。で、どうやって中に入るんだ?」

    「それは普通に入ったら良いんじゃない?」

    如月はズカズカと、校内に足を踏み入れた。

    「マジかよ」

    不法侵入じゃねーのか。
    入るのを躊躇ったが、如月が行ってしまうので仕方なく不法侵入する。

    「勇者君、いたよ。神坂麻友氏」

    如月は指差す。
    差した先には、確かに黒まゆがいた。
    隣には同学年らしい男子がいて、楽しそうに喋っていた。

    「あれ、彼氏かな?」

    「さあな」

    「じゃ、これ、渡して来るね」

    何の躊躇もなく、如月は黒まゆの元へ行った。
  • 21 当麻 id:WduDcAQ.

    2011-06-19(日) 20:27:58 [削除依頼]
    「あわわ、如何してキサラギさんがこんな所に?」

    「神坂、知り合いか?」

    「えっと、友達です。キサラギさん、この人は……」

    「彼氏?」

    ぎこちなく、黒まゆは頷く。

    「俺、先に行くわ」

    黒まゆの彼氏は、気を遣ってくれたのか、ササッとその場を去って行った。

    「えーと、キサラギさん、何で?」

    「これ、落として行ったから、届けに来たんだよ」

    「わ、生徒手帳っ、探してたんです。ありがとうございます」

    「で、後日談は?」

    「一応、付き合い続ける事になりました」

    「そう」

    何処か哀しそうに、如月は言った。
  • 22 当麻 id:WduDcAQ.

    2011-06-19(日) 20:38:36 [削除依頼]
    ♯005 月夜
    木曜日。

    「おはよー、日向、如月さんっ」

    「おはよ。彼女氏」

    「ねえ、その彼女氏って奴、止めてくれない?出来れば、月詠って呼んで欲しいな」

    「月詠……なら、もう、天使って呼んで良い?」

    「ど、如何なって、そんな名前になったの?」

    「んー、適当」

    アウトサイドの月詠は、如月と相性が良い。
    まあ、アウトサイドの時は積極的になるから、そのせいかも知れないが。
  • 23 当麻 id:WduDcAQ.

    2011-06-19(日) 20:48:30 [削除依頼]
    「前々から、思ってたんだけど、勇者君と天使は付き合ってるのかな?」

    「違う。只の“知り合い”だ」

    「知り合いにしては、結構仲良いし、これは友達と言っても言いぐらいじゃないかな?」

    「色々あるんだよ」

    「ふーん、色々、か。で、何があったの?」

    「別に如何でも良いだろ」

    俺は肘を机に付いて、教室の窓の外を見る。
    丁度、3組の教室からは中庭が見える。昼休み中の為、中庭には数名の生徒がいた。
    そう言えば、月詠と会ったのは小6の時、小学校の中庭だった。
  • 24 ひなた id:hByRQ2c/

    2011-06-19(日) 21:52:00 [削除依頼]
    面白いです!
  • 25 当麻 id:R9oSTmr.

    2011-06-20(月) 20:04:37 [削除依頼]
    >24 コメントありがとうございます^^
  • 26 当麻 id:R9oSTmr.

    2011-06-20(月) 20:18:06 [削除依頼]
    小6の俺は、今と変わらず、友達のいない冴えない奴で、休憩時間は図書室へ行くか、教室で寝ていた。
    そんなある昼休みの事だった。
    その日は、雨が降っていて、生徒達は教室や廊下や図書室で過ごしていた。
    教室が何時もより、騒がしく鬱陶しく思っていた俺は何気なく教室の窓の外を見た。中庭には黒い傘を差した誰かが突っ立っていた。
    何を見ているのか、気になった俺は傘を持って中庭へ向かった。
    近付いてみると、ソイツは同じクラスの女子だった。

    「そこで何やってるんだ?」

    女子は俺を見ると、少し驚いた顔をして、

    「暇潰し」

    よく見てみると、女子の視線は紫陽花にあった。

    「ねえ、あなた、誰だっけ?」

    「そのセリフ、そのまま返してやるよ」

    「私は月詠」

    「それ、名字か?そんな奴、聞いた事ないんだけど」

    「あだ名」

    「あっそ。そっちが本名名乗る気がなさそうだから、俺も名字で言ってやる。日向だ」

    「そう。日向君」

    月詠は虚ろな目で、俺を見た。

    「よろしく」

    その頃の月詠は、長い髪が顔にかかって(雨とともに風も吹いていたからだ)、顔色が悪かった為、幽霊に見えて少しビビった。

    「ああ。よろしく」

    一拍空いて、俺は返した。
    今、思えば、何がよろしくだったのか分からなかったが。
  • 27 当麻 id:R9oSTmr.

    2011-06-20(月) 20:22:01 [削除依頼]
    それからと言う物、月詠とよくつるむ様になった。同じ、友達がいない同士でもあった為、何かと考えとかが合った。
    最早、友達と呼べる程の間柄になった時だ。

    「日向、ちょっと付き合ってくれる?」

    ある放課後、月詠は俺に言った。
    まあ、普通に返事して、俺は月詠について行った。
    後々考えれば、俺がもし、この時断っていれば、今はきっと月詠はこの世に存在していない。
  • 28 当麻 id:R9oSTmr.

    2011-06-20(月) 20:41:43 [削除依頼]
    連れて行かれた場所は、沢山の紫陽花が咲いていて、結構穴場と言える場所だった。

    「日向、私達、友達?」

    「そうなんじゃねーの?」

    「日向は私の事、友達だと思ってる?」

    「ああ」

    「私も思ってる。だから、これで友達」

    この頃から、コイツは如月(別に他の奴でも良いが)みたいに語尾を付けない。
    単語をぽつぽつと言う為、少し理解し難い所があった。

    「ねえ、友達だから、付き合ってくれる?」

    「何をだよ?」

    俺はてっきり、宿題とかそんな大した事がない事だと思ってた。

    「もう1人の私を“殺.す”のを」

    意味が理解出来なかった。
    大体、もう1人って何なんだと、俺は思った。
    それから、月詠が特徴のある語尾なしで話してくれた。
    昔から、よく自分ともう1つの人格が存在している事、
    その人格は直ぐに出て来て、怖い事、
    如何か、その人格を消したい事、

    「だから、手伝って。直ぐに済むから」

    チャキチャキチャキ

    ポケットから、カッターを取り出し、躊躇もなく月詠は左手首に当てて引いた。
    俺が止める暇もなく、傷口から血が流れて行く。

    「な、何やってんだよっ」

    俺はハンカチを月詠に渡した(小6の男子にしては、よくハンカチなんか持ってたな)。

    「ねえ、日向」

    溢れ出す血を見ながら、月詠は無表情で言った。

    「さっき、日向が付き合ってくれなかったら、私、此処で死.のうと思ってた」

    そのセリフを聞いた時、俺は心底驚いた。

    「だって、辛かった。意識を失って、起きたかと思えば、全然違う場所にいて……もう、嫌だよっ」

    その時、初めて語尾を付けたセリフに聞いた。

    「日向、助けてよっ……友達でしょ?」

    月詠は俺にすがり付いた。

    「ああ、助ける。俺もある意味“似た様なモノ”だからな」

    「ひな……」

    ガクッと、力が抜け俺に凭れ掛かる。

    「……あはは、初めましてー?日向君」

    アウトサイドのコイツに初めて会ったのはこの瞬間だった。
  • 29 当麻 id:R9oSTmr.

    2011-06-20(月) 20:57:19 [削除依頼]
    「誰だよ?お前」

    「私……月詠の言ってた事、よく信じたよね。普通にコイツ、キ.モぐらいは思うでしょ?」

    「もう1人の月詠か」

    「そうだね。で、月詠は私の事を消したいみたい何だけど、言っておくね。私を消す事は無理だよ。だって、作ったのはあの子何だから。自業自得じゃん」

    アウトサイドの月詠は、あはははと笑う。

    「何とかならないのか?」

    「うん。まあ、あるっちゃあるけど、ちょっと日向君の協力がいるかも」

    俺は引き受けた。
    内容は、
    1日ごとに月読ともう1つの人格が入れ替わると言う事。
    勿論、理由を尋ねた。

    「ん、だって出ないと、やって行けないんだもん」

    いまいち、信用出来なかったが、コイツが月詠を操作してるっぽいし、如何しようもない。

    「最後にさ、質問しても良い?」

    「何だよ?」

    「日向君も、そうなわけ?」

    「嫌、そうだった、だ」

    「あ、過去形何だ」

    「とにかく、今日は金曜だろ?お前の出番じゃねーよ」

    「はいはい。退散するよ」

    カクンッと、倒れて直ぐに月詠が戻って来る。
    その後、事情を話すと、月詠はあっさりと承諾してくれた。

    「ありがとう。私はもう1人の私と会話が出来ないから、日向が取り合ってくれて」

    「別に良いけど。そう言えば、お前の本名って何だっけ?ずっと、月詠月詠言ってたから」

    きょとんとした目で、見られる。

    「月山詠子」
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