-Lost-16コメント

1 胡月玄冬 id:RtDcG8g0

2011-06-17(金) 19:51:29 [削除依頼]

 君が探しているのは誰?
 忘れてしまったのなら求めなければいいのに。

 きっと、ロストも君を見つけられないのだから。

 
  • 2 波瑠 id:3JjAZwY1

    2011-06-17(金) 19:55:01 [削除依頼]
    おもしろそうだね
    最初の文が衝撃的だから、このあとどう続くか楽しみ
    ガンバ!!
  • 3 胡月玄冬 id:RtDcG8g0

    2011-06-17(金) 20:03:23 [削除依頼]
    第一章

     きっと、誰もが望んでいるんだよ。恐れながらも、畏れながらも。永遠の冬が贈る接吻(くちづけ)を待ち望み、苦しいばかりの生を終わらせたがっているんだ。

     そんな哀れな人間が、だけど僕は大好きなんだよ。

     埃まみれの舞台で踊る操り人形。観客は皆無、背景も音楽も何も無し。人間の一生なんてものは、そんな喜劇か悲劇かもわからないような人形劇と大差ないんだ。

     終われば忘れ去られてしまうし、演じている間も誰にも観てもらえない。

     全く、非生産にも程がある行為さ。

     それでも人間が生き続けるのは何故なんだろうね。

     僕たちは自ら滅びてしまえる技術を既に手に入れているというのに。虚しくなるような同胞殺しを繰り返すくらいなら、いっそのこと皆で消えてしまえば綺麗なんじゃないかな。

     僕は、そう思うのだけれど。

     君は、どうだろう?


    * * * * * *
  • 4 胡月玄冬 id:RtDcG8g0

    2011-06-17(金) 20:05:07 [削除依頼]
    波瑠さん>>
    はじめまして? かな。
    頑張りますb
  • 5 波瑠 id:3JjAZwY1

    2011-06-17(金) 20:09:06 [削除依頼]
    はじめまして
    すごいですね・・・
    最初のイメージがそのまま残されているのがすごい!!
    頑張ってください!!
  • 6 胡月玄冬 id:RtDcG8g0

    2011-06-17(金) 22:34:17 [削除依頼]
     近江吉良は、今年16歳になる。
     八月の始め頃にある誕生日は、どうやら檻の中で迎えることになりそうだった。
     二年と数カ月の間、日本を恐怖のどん底に押し込め続けた殺人鬼。
     僅かな間に百八人もの犠牲者を死に至らしめたシリアルキラー。
     手足を拘束され、目隠しにより視界を奪われ、封じの札を貼られながらも。
     吉良は、彼が彼たる所以を忘れてなどいなかった。
    「へぇ……ここが……」
     前後左右を武装した守衛に固められ、吉良は歩みを進めていた。
    『ねえ、吉良。大きい門だ。そして、頑丈そうな』
    「……わかるよ、音の反響具合が違う」
    『さすが、風使いの。専門家は違うねえ』
     吉良と話す“誰か”の姿は、どこにもない。吉良自身、彼が自分以外にどうしてか認識されない存在であると知っていたから、守衛たちが妙な雰囲気を漂わせていても、さして気に止めはしなかった。どうせ、ひとりで会話している気違いだとでも思っているのだろう。
  • 7 胡月玄冬 id:RtDcG8g0

    2011-06-17(金) 22:46:56 [削除依頼]
     その施設は、海の上にぽつんと孤独に建っていた。
     青い空と青い海に挟まれた、灰色のとある特殊な刑務所。
     吉良は、そんなところに連行されて来ていた。
     ここに来る囚人は、建物内に入るまで目隠しをされる決まりだから周りの景色はわからない。けれど吉良は爽やかな潮風と程よい太陽の光を肌で感じ取り、笑みを浮かべた。
     じゃらり、と手枷から伸びる鎖が音をたてる。
     吉良が、胸の前まで手を持ち上げたからだった。
    「こんな日には……」
    『には?』
     吉良が手を上げたことで、守衛たちが警戒しているのがわかる。力を封じる札を貼られているから、反抗など出来ないというのに。無力な狼を前に過剰なおびえを見せる羊が滑稽で、愛しかった。
    「未来ある青少年なんかを、八つ裂きにしたくなる」
     
  • 8 mnmnmn id:w4Lqmcc0

    2011-06-19(日) 18:47:46 [削除依頼]
    面白そうでまた、過激ですね。
    続きを楽しみにしています。
    頑張ってください。応援します
  • 9 儚 id:otBtOKD0

    2011-06-19(日) 18:55:44 [削除依頼]

    とても綺麗な文章ですね、
    うらやましいです(´`)
    こういう雰囲気の小説好きです
    更新がんばって下さいね(∀)
    応援してます、
  • 10 黒月牙@寝不足 id:UZbGbvu0

    2011-06-19(日) 19:05:52 [削除依頼]

    描写がとても丁寧なんで
    文章がめちゃ綺麗に整ってるんスね!

    俺、こういう無機質な雰囲気の小説
    大好きですww

    更新期待(@^ω^@)ワーイ
  • 11 影月玄冬 id:eURjdwW1

    2011-06-20(月) 13:33:12 [削除依頼]
    >>mnmnmn様
    >>儚様
    >>黒月牙様

    ええと、こういった返信には慣れていないものでして、あまり言うことが思いつかないのですが、とりあえず応援?コメント有り難うございます。褒められるのにも慣れていないので、ちょっと照れて溶けてしまいそうです。これからもよろしくして貰えると嬉しいよ。コメントくれたら更新早くなるかもしれません←

    2011.06.20 雨の降る音を聞きながら
  • 12 胡月玄冬 id:eURjdwW1

    2011-06-20(月) 13:48:44 [削除依頼]
    『狂気染みてるね』
     彼はそう言ってくすりと笑う。吉良も吉良で、そんな彼の言葉に、にやりと妖し気な笑みを浮かべた。
    「褒め言葉?」
    『いや、貶してるだけさ』
    「心が痛まない?」
    『本当のことを言って何が悪い? 狂気なんてものは本来ヒトが持つようなものじゃないんだよ。持ってたら明らかにオカシイし、普通じゃない。なら、普通でないというのなら、狂ってしまった君は特別優れた存在だというのかな? 否、君は決して優れてなどいないよ。君が優れているなら、なんだろう、人類皆賢者だよ。自惚れちゃいけないさ、他人を殺め、支配出来るような力を持っていたとしてもね。言うなれば』
     やかましい、鴎の鳴き声。一瞬降りた沈黙に、それが一際存在を主張した。
     ふと吉良が横に気配を感じて視線をやる。が、いかんせん視界を塞がれているので、そこに何が現れたのかは確認できなかった。おそらくは、彼が現れたのだろうと、吉良は検討をつける。
     やはり、吉良以外に彼は認識されないのだろうけれど。
    「言うなれば、何」
    『言って欲しいの』
    「途中で止められれば、気になるよ」
  • 13 影月玄冬 id:Ijv7x4V/

    2011-06-21(火) 17:25:54 [削除依頼]
     ざざん、ざざんと打つ波の音。
     彼は、事も無げに言う。
    『欠陥品さ』
    「欠陥品?」
     そう、と肯定した声は、彼は歩みを進めたようで、若干前方から聞こえた。
     いろいろな音に混じり少し離れたところで、誰かと誰かが話しているのも聞こえる。
     刑務所の看守と、街から吉良を連れてきた守衛の声のようだった。
     吉良は先を続けようとして、不意に強くなった風に、口を閉ざした。
    『欠陥品、世間から疎まれるはみ出しモノ。君にぴったりな言葉じゃないか?』
     彼の言葉は風に乗り、勢いを増して吉良にぶつかっていく。
     吉良は微かに、指先を間違えて切ってしまったときのような痛みを胸の奥に覚えたが、それがどんな感情であるかを表す言葉を知らなかったから、敢えて無視をすることにした。
  • 14 影月玄冬 id:ZLKWEJ61

    2011-06-24(金) 22:17:46 [削除依頼]
    * * * * * *

     守衛から、看守へと身柄を引き渡されて数時間。
     吉良は無事に入所を果たし終えていた。
     刑務所は、お世辞にも綺麗とはいえない衛生状態にあった。
     吉良が彼の房に連れていかれるまでに、何度ネズミの影をみつけたか。
     不潔なことが気になる訳でもなかったが、吉良はげんなりとした。
     ネズミなんて居ない小綺麗な屋敷で、彼は生まれ育っていた。
     慣れてしまえばなんてことないのだろうが、やはりすぐには慣れれない。
     灰色の不快な風貌の獣は、忌むべき生き物だと吉良は教育されていた。
     幼い頃からの刷り込みは、なかなか抜けないものである。
    『汚い空間だ。ねえ、吉良、君は此処で生きていけるのかい。君が不衛生が得意なことは僕は知っているけれど、それなのに、君は不衛生な生き物は苦手だよね。いいや、生き物が苦手だったんだかな。君が何かを傷つけるときに持っていたのは悪意じゃない、本能的な恐怖だったね。なのに彼らは君を理解してくれなかった。君は怖かっただけだと言ったのにね』
    「あれはただの空言だよ、言おうとして出た言葉じゃいを以て害をもたらしたのさ。その事実から逃れる気なんてはなから持ってないよ」
  • 15 影月玄冬 id:DycX6YN1

    2011-06-25(土) 08:44:03 [削除依頼]
    『それが嘘か本当かなんて僕にはすぐにわかってしまうんだよ。とうの昔に君は知ったことがあるはずなのに、それでも嘘を吐いてしまうというのは、人間という生き物の愚かしい性なのかな』
    「うるさい、少しは黙ってくれないかな。君の声を聞いていると頭が痛くなってくる」
     不機嫌そうに皺の寄せられた眉間と、苛立たしげな声色に、吉良の横を歩いていた看守がびくりと肩を跳ねさせた。制服の真新しさから鑑みるに、おそらくは新人なのだろう。吉良は視界の端に新人看守を捉え、興味が失せたらすぐに彼の存在を頭の中から抹消した。
     新人といっても、自信なさげなところが際だち、あまり魅力がない。初々しく、瑞々しく、若々しく、それ故の力強さを兼ね備えたような若者が、吉良は好きだった。
  • 16 玄冬 id:Yoar6/G0

    2011-08-07(日) 01:08:32 [削除依頼]
     魚釣りに例えてみようか。死にかけの魚と生き生きとした魚。どっちが釣り上げて嬉しいだろう。死にかけの魚なんて何だか美味しくなさそうで、食べる気にはならないと思う。
     吉良が人間に対して抱く感情もそれとよくよく似たものだ。
     “声”は姿を見せてはいない。声だけを響かせて吉良を苛々させるのだ。
    『そうやって逃げるのは君の悪い癖だ』
    「逃げてるんじゃない。本当に痛いんだよ。君と話していると疲れてしまうから」
    『嘘、うそ。僕には分かると言っているだろう。学べないのかい、ジャパニーズの癖して』
    「人種は関係ないだろう。一部が勤勉過ぎるだけさ」
    『働き蟻の逆みたいなものだというのかい』
    「そうだよ。何割かだけが頑張り過ぎるから、凄く目立ってしまうんだ」
    『大衆を個人でみると本当につまらない人間ばかりなのにね。プログラムされたみたいに』
    「全くその通りだ」
    『おや、君も例外ではないのだけれど』
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