星の降る夜9コメント

1 SUGIZO id:ez-OU8Yjd2/

2011-06-11(土) 23:39:02 [削除依頼]
はじめましてSUGIZOですっ
読んでいただけたら嬉しいです!
  • 2 SUGIZO id:ez-OU8Yjd2/

    2011-06-11(土) 23:53:02 [削除依頼]
    〜第一章〜「夏、またこの地に」

    …和人(かずと)。
    私の大事な子供…。
    元気に育ってね…。


    ……。

    また、夢を見ていた。
    俺が小さい頃に死んでしまった、母の夢だ。

    これで何度目だろうか。

    こうして、母の夢を見るのは。

    あれから10年以上は経ったか。

    俺には母しかいなく、ましてや父親もいない。
    叔父や祖母なんてのもいない。

    ただ一人の肉親。

    それを失ってからは、ただ一人旅を続けていた。

    自分が住んでいた街を去って。

    そうして、いくつもの年月が過ぎていった。

    俺は、様々な場所に訪れた。
    旅に出てからは、いろんな困難が押し寄せてきた。

    例えば、食料。
    金。

    しかし、旅の先では見向きもしない人もいれば、わざわざおにぎりを作ってくれたりと親切な人もいる。

    俺はそういう人たちによって助けられている。

    寝床はなく、いつも野宿。

    おじいさんの家に泊まらせてもらったこともあるが、やはり見知らぬ旅人を家に泊めたりする人は少ないようだ。
  • 3 SUGIZO id:ez-kyvFLte0

    2011-06-12(日) 00:03:24 [削除依頼]
    「…次はどこへ行こうかな」

    目的なんてない。
    この旅の先に何があるかなんて知らない。

    だが、俺にとってそれが生き甲斐であり、旅が出来なくなればそこで自分は終わりなんだと思っている。

    …ぐ〜ぅ

    「…腹減ったなぁ」

    実はここ数日、ろくにご飯を食べていない。

    理由は…道に迷ってしまったからだ。

    森の中で。

    どうしてそうなったのかはわからない。
    ただ、次の街を目指し、歩き続けただけ。

    夏の日差しもあるせいか、頭がフラフラする。

    「俺…とうとうヤバいかもな」

    一歩、一歩と踏み出す度、体中のだるさが増してゆく。

    ああ…だめなんだろうな
    ここで終わりか…

    もう、倒れてもおかしくない。

    俺は近くの木の幹に身体を横たえた。

    意識が朦朧としている。


    ぐ〜ぅ


    「腹減った…くそっ」
    意識が終わる間際、懐かしい匂い、そして景色が


    …見えた気がした。
  • 4 SUGIZO id:ez-kyvFLte0

    2011-06-12(日) 00:28:39 [削除依頼]
    暖かい。

    誰かが…俺に触れている。
    ここは…どこだ?

    ……。

    ぐ〜ぅ
    「…腹減った」
    生きているみたいだ。
    「気がついたみたいね。」
    誰かの声がした。
    目を開けてみた。
    しばらく眠っていたのか、すごく光が眩しい。
    そこには、いかにも医者という感じの女がいた。

    「身体の調子はどう?」

    「腹が減った。」

    「そう、身体は痛くない?」
    「ああ。それよりも何か食べたい…」

    「ふふふ…あなたにはご飯しか欲するものがないみたいね…」

    医者の女は、控えめに笑った。

    しばらくすると、医者の女は料理を運んできた。
    久しぶりの飯に俺の腹も、

    …ぐ〜ぅ

    「…ふふふ」
    「腹が鳴るのがそんなにおかしいか」
    「いや、ただあなたもあなたのお腹も正直なんだなって思って。」

    「…うるさい」

    恥ずかしさを噛み締めながら、数日ぶりのご飯を貪るように食べた。

    「そういえばあなたの名前を聞いてなかったわね」
    「そうだな」
    「私は須藤 蘭子(すどう らんこ)。この診療所で医者をやっているわ。」
  • 5 SUGIZO id:ez-kyvFLte0

    2011-06-12(日) 09:59:30 [削除依頼]
    「…へーえ」
    俺は飯に夢中で、ほとんど聞き流していた。
    「…で、あなたの…」
    「もぐもぐ…」
    「あなたのなま…」
    「…もぐもぐ」
    …医者の女が何か言っているようだが、飯に夢中なので俺の耳には入ってこない。
    「…少しは私の話を聞きなさぁーいっ!!」「ぶーっ!」
    びっくりして吹き出してしまった。
    「…耳元で叫ぶな」
    おかげで飯が台無しだ
    「あなたがちゃんと聞いてくれないからでしょ?」
    「いや、ちゃんと聞いてたぞ」
    「じゃあ、私の職業と名前を言ってみなさい」
    む…飯に夢中であまり聞いていなかったな…
    「ふっ…俺を甘く見るなよ」
    「いいから答えなさい」
    …うーん、かすかに聞こえてきたのは…酢がどうとか言っていたな…
    診療所とかも言っていたな…うーん
    「あんたの職業は酢の製造業、名前は診療所」
    「やっぱり聞いてなかったのね…」
    「まて、まだ続きがある。酢の製造業は表の顔で、裏の顔は殺人ドクターだ。
    夜な夜な患者を解体し、苦痛を与えたあげく、証拠隠滅のために殺してしまうという…」
    「……。」
    医者の女の手には、メスが握られていた
    「待て、冗談だ」
    「全く…もう一度言うけど、私はここの診療所で医者をしている、須藤 蘭子っていうの」
  • 6 SUGIZO id:ez-kyvFLte0

    2011-06-12(日) 10:19:48 [削除依頼]
    「殺人ドクターか…」
    「うふふ…」
    また医者の女はメスを握っていた
    「…。」
    「うふふ…」
    「…ところで、なんて呼べばいいんだ?」
    俺はすかさず話を逸らした。
    「蘭子でいいわよ」
    「年齢は?」
    「うふふ…」
    「いや、やっぱりいい」
    これ以上聞くと命が危険だ
    「で、あなたは?」
    「ん?」
    「あなたの名前」
    「……藤沢 和人(かずと)」
    「あら、なかなかいい名前じゃない」
    しかし…なんだ、懐かしさを感じる
    ここの診療所にも見覚えがある…気のせいか…?
    「…少し、外に出ていいか?」
    「あら、もう元気なのね」
    「確かめたいことがあるんだ」
    俺は外まで案内してもらった。
    「やはり…」
    懐かしいのに無理はなかった。
    なぜなら、ここは俺の故郷なのだから。
    10数年ぶりの。
    この診療所も、中に入ったことはあまりないが、この近くで遊んだことは結構あった。

    「どうしたの?」
    「どうやら…ここは俺の故郷らしい」
  • 7 SUGIZO id:ez-aY0gVQz0

    2011-06-13(月) 23:10:01 [削除依頼]
    俺は蘭子に今まであったことを、かいつまんで話した。
    「へぇ…そんなことがあったのね…」
    「ああ、ここには戻るつもりはなかったんだけどな」
  • 8 SUGIZO id:ez-Faiac7J1

    2011-06-18(土) 20:26:00 [削除依頼]
    倒れた時の記憶は、どこかに落っことしたかのように消えていた。
    「ん…?倒れた…?俺はどうやってここに…?」

    「どうしたの?」

    「俺はもっと別の場所で倒れたはずなんだ、誰かがここまで運んでくれたのか?」

    「ああ、それならこの診療所の裏にいる子じゃない?
    なんかね、外で大声が聞こえてきたの。それで外へ出たらその子が、『助けてください!行き倒れですっ、助けてください!』って叫んでたの。
    どうせなら会ってみる?」

    「ああ、頼む。礼を言いたいからな」
  • 9 SUGIZO id:ez-Faiac7J1

    2011-06-18(土) 20:40:45 [削除依頼]
    わざわざ行き倒れの俺をここまで運んでくれたんだ、礼を言わないと気が済まないな…
    どうやら診療所の裏にきたらしい。小さな広場みたいなのがあった。
    そこには…綺麗な金色の髪をした女の子がいた。
    「まさか…あの女の子が1人で…?」
    「ええ、そうよ。いい子よね、見ず知らずの行き倒れをここまで運んでくるなんてね…」

    …あの子が運んでくれなければ、死んでいたかもしれない。

    「美雪ちゃん、ちょっといいかしらー?」

    蘭子が呼びかけると、その子は振り向いた。
    …目があった。
    その子は俺を見ると、安心したような表情で、こっちに歩いてきた。
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