血色に染まる世界の中で見えるモノは何もない23コメント

1 秋沙 id:j8NZtWK.

2011-06-06(月) 13:32:07 [削除依頼]
もう、私に残ったモノは何一つなかった。
  • 4 秋沙 id:j8NZtWK.

    2011-06-06(月) 14:19:38 [削除依頼]
    あれから、数ヶ月。
    罪悪感を覚えていた私は、あの女子中学生が言っていた当麻と言う名前を頼りに、あの二人を捜して見た。
    捜すと言っても、あの制服の中学に行って聞いただけだった。だが、あっさりと何処の誰かは分かった。

    「ああ、成田当麻君でしょう?でも、如何したの?あなた、他校の生徒でしょ?」

    「い、いえ。その、成田君のハンカチを拾ったんです。名前が書いてあったので、届けようと思いまして」

    「そう。じゃあ、私が届けて置いてあげようか?」

    嘘を簡単に信じた教師は微笑んで言った。

    「大丈夫です。やっぱり、本人にちゃんと渡したいので。それより、成田君と仲の良い女子っていますか?」

    「ふふ、なるほどね」

    如何やら、教師は私が成田当麻の事を好きになったと思ったらしい。

    「残念ながら、いるわよ。でも、もう引っ越しちゃったけど」

    「え?」

    「嫌、何も知らない他校のあなたには言い辛い話何だけど」

    「何ですか?聞かせて下さい。私、誰にも言いませんから」

    「なら、良いんだけど……」

    教師は教えてくれたのは、ある女子生徒は自.殺未遂をして、引っ越してしまったと言う話だった。
    結局、あの女子生徒が成田当麻の罪を抹消したと言う事だった。

    「それにしても、あなた、その子に似てるわね。独特の雰囲気が」

    別れ際、教師はふいに私を見て言った。
  • 5 秋沙 id:j8NZtWK.

    2011-06-06(月) 15:02:52 [削除依頼]
    一章 現実逃避をしたくなる様な事
    あーあ、俺、何してるんだろう、
    と、俺は目の前に倒れている遺.体を見て呆然としていた。
    簡単に思い返すと、屋上で弁当を食っていると、いきなり立ち入り禁止で誰も来ないはずの屋上に一人の女子生徒が入って来て、いきなりフェンスを飛び越えて行ってしまったと言う事だった。

    「ぐふっ」

    その時、遺.体が喋った。

    「くす、おはよう。成田君」

    血塗れの遺.体が俺を見て微笑んだ。
    嫌、コイツ、生きてる。

    「取り合えず、自己紹介しよ?私は九十九まふゆ。気軽に九十九でも呼んで?」

    「じゃ、じゃあ、九十九」

    「何?」

    「直ぐに病院に行け」

    「くすくす、大丈夫だよ?こう言うの、慣れてるから」

    九十九とか言う奴は立ち上がった。

    「よく寝惚けて、飛び降りちゃうんだよねー」

    「怖ぇーよ。夢遊病かっ」

    「ふあー、よく寝た」

    屋上、四階から飛び降りても、怪我一つない奴なんているのか。
  • 6 秋沙 id:f64p4c3/

    2011-06-06(月) 20:17:59 [削除依頼]
    「ねぇ、成田君、部活とか入らない?」

    欠伸をし終えると、九十九はいきなり話を切り出した。

    「入る気ねーよ。ってか、何で俺の名前と帰宅部だって事、知ってるんだよ?」

    「ストーカーだから」

    「ストーカーって名乗るストーカーとか、いねーからな?」

    「じゃ、ストーカーって事にして置いて」

    「九十九まふゆだっけ?妙に名前は聞いた事があるんだが」

    「うん。クラスメイト何だねー」

    ……俺、凄い失礼な事を言ったかも知れない。

    「そ、そうか」

    「罪悪感があるなら、一緒に文芸部に入らない?」

    「嫌、ないとは言えないが、何でそこで文芸部何だよ?」

    「今、部員不足で、廃部になりそう何だよ。幽霊部員と私と後一人で行けそうでね」

    「入らねーよ。部活とか、鬱陶しいだけだ」

    「成田君が入らないなら、私はまた屋上から飛び降りる」

    「は?」

    「良いの?自分のせいで死.なれるんだよ?」

    俺は九十九を見る。
    如何にも、冗談半分で言っている顔ではなかった。

    「……入れば良いんだろ?入ればっ」

    「くすくす、後で入部届持って来るから」

    自称ストーカー兼クラスメイトの九十九まふゆは、微笑んで元気に走って行った。
  • 7 秋沙 id:f64p4c3/

    2011-06-06(月) 20:33:51 [削除依頼]
    それから、俺は文芸部に入部はしたが、勿論幽霊部員化していた。
    当人の九十九も、自分から誘って置いて、放課後になったら直ぐに家に帰っている。

    「九十九さんって、良いよなー」

    「ぶっ」

    食っていた弁当を吹き出しそうになる。

    「ちょっ……きたねーよ。ってか、成田は九十九さんを可愛いとか思わないわけ?」

    隣の席になった水野日向は、事あるごとに俺に話し掛けて来る。向こうはとっくにダチだとか思ってるんだろうけど。

    「ちなみに九十九さんと同中だったりしない?」

    「しないな。中学は未だしも、此処は高校だし、色んな中学から来てるだろ?」

    「それもそうだな。なあ、さっきから気になったんだけど、お前の妹さん、こっち見てる」

    妹の席の方を見ると、確かに妹はこっちを見ていた。

    「妹さん、血が繋がってないんだろ?聞いたぜ」

    「何処情報だ?」

    「妹さんと同中の人にな。何でも、中三の冬に再婚で、お互いの連れ子同士だとか」

    「そんなに広まっていたのか」

    「伊吹ちゃん、友達いないなら、俺等と喋らない?」

    水野が妹(血の繋がってない)に話し掛けた。

    「……」

    妹はこくこくと頷いてこっちに来た。
  • 8 秋沙 id:bftHWcT1

    2011-06-07(火) 11:18:06 [削除依頼]
    妹…鈴科伊吹とは、まだ会って間もなかったりする。
    その頃は受験真っ只中で、そんな時に勝手に親が俺等が反論する間もなく、再婚を決めた。
    俺は親父側の連れ子だったから、名字は変わらなかったが、妹は鈴科から成田へと変わった。

    「伊吹ちゃんって、成田の事、なんて呼ぶの?お兄ちゃん?」

    コイツの特徴は、妙に馴れ馴れしい所だ。
    まあ、女子からモテてる程顔が良いから、嫌われないんだろうけど。
    どうせ、世の中、顔が良ければ良いって事だ。

    「い、いえ、えっと、当麻君です」

    「やっぱ、伊吹ちゃんは可愛いね。俺と付き合わない?」

    「お前、普通に妹口説くなよ」

    「私、猫被ってる人、嫌いなので」

    その時、水野から笑みが消えた。

    「あはは、何言ってんの?伊吹ちゃん」

    「私、何かこう言う人にツイてるみたいです。中学の頃からずっと、こんな人ばっかに言い寄られてばかりで」

    「……」

    水野は完全に黙り込んだ。
  • 9 秋沙 id:DsW.zps.

    2011-06-07(火) 14:40:19 [削除依頼]
    「えっと、どうかしましたか?水野君?」

    「嫌、何でも。伊吹ちゃん、いきなり変な事言い出すから驚いただけ」

    直ぐに笑って水野は言った。

    「成田ーちょっと、食堂横の自販機でコーヒー買って来てくれね?」

    「俺をパシるなよ」

    「頼むって。今度、成田がジュース飲みたいとか言ったら、俺が行くし」

    煩いから、俺は仕方なくコーヒーを買いに行った。
    何か、この場から退かされた感じだったが。

    「くす、結構、あの男子生徒にとっては大変な事態だもんねー」

    教室に出て、食堂に向かっていると、後ろから声がした。

    「ストーカー、何の様だ?」

    「哀しくも買いに行かされた成田君をストーカーしようと思って」

    くすりと九十九は微笑んで、サッと俺の隣に並んで歩く。

    「此処の食堂の自動販売機は、結構種類があるからね。あ、私はこれが良い」

    自販機の前に着くなり、九十九は指差す。指差した先には、紙パックのココアがあった。

    「自分で買えよ」

    「私、お金持ってないよ」

    舌打ちして、小銭を入れてココアのボタンを押す。

    「さっさと持って、どっか行け」

    「扱い悪いよー?それよりも、今の成田君は若干不良っぽく見えるー」

    ココアを受け取って、九十九は俺を指差した。

    「このままじゃ、呪われるよ?」

    「怖ぇーから止めてくれ。飛び降り自.殺未遂してた奴に言われると、途轍もなく本当に聞こえるから」

    「あれは寝惚けて飛び降りただけ何だよ?」

    「嘘臭い。大体、お前って、何時も朝から放課後まで、教室で寝てたよな?って事は教室から屋上に寝惚けて行ったわけだろ?」

    「うん。そう言う事になるね」

    「一年三組の教室は三階だ。寝惚けた奴は普通帰ろうとするから、階段は下りるだろ?」

    「それは分からないよ。寝惚けてるし」

    益々、怪しい奴だ。

    「あ、お礼言ってなかったけど、ココア、ありがと」

    不意打ちで微笑みやがる。

    「あれ?成田君、顔赤いよ?風邪でも引いた?」

    「もう良いから、どっか行ってくれ」
  • 10 秋沙 id:DsW.zps.

    2011-06-07(火) 15:08:59 [削除依頼]
    九十九まふゆ mahuyu tsukumo
    文芸部。
    12月13日生まれ。
    AB型。
    趣味 寝る事。
    成績 学年3位以内。

    成田当麻 toma narita
    高校1年生。
    自称帰宅部(文芸部)。
    10月10日生まれ。
    A型。
    趣味 テレビを見る事。
    成績 学年10位以内。

    成田伊吹 ibuki narita
    高校1年生。
    美術部。
    3月3日生まれ。
    A型。
    趣味 読書。
    成績 学年5位以内。
  • 11 秋沙 id:DsW.zps.

    2011-06-07(火) 15:19:39 [削除依頼]
    間章
    また桜の季節になった。
    中学の通学路の桜は、もう通らなくなった。けど、高校の通学路にも、似た様な桜の木があった。幾ら違う桜の木とはいえ、見ると吐き気を軽く未だに覚える。
    進学先の高校には丁度あの男子生徒も通っていた。何時か、その男子生徒に近付こうとは思っていたけど、まさか同じ学校とは思わなかった。
    その上、クラスも同じで、これはチャンスだとしか考えられなかった。
    でも、軽く絶望した。
    “あの日”の男子生徒と、今の男子生徒は凄く雰囲気が変わっていた。
    もうとっくに“あの日”の出来事を忘れて、新たなる道に進んでいる様な、そんな感じがして私は不安で堪らなかった。
    まだ、男子生徒にはして貰わないといけない事があるから。
  • 12 秋沙 id:DsW.zps.

    2011-06-07(火) 15:30:17 [削除依頼]
    クラスメイトに明らかに猫を被った生徒がいた。
    その生徒の猫被りは、とても良く出来ていて、褒めても良いぐらいだった。
    私は直ぐに気付いたが、黙っていた。だが、同じく気付いたある生徒が言ってしまった。
    猫被りの生徒は絶望感が溢れた顔をして、暫く黙り込み、直ぐにまた猫を被り誤魔化した。
    果てして、その行為が正解だったのか、それは私にも分からなかった。
    確かにその猫被りの生徒の生き方は強ち間違ってなくもない。私はその生徒を応援等する気は全くないが、少しバレてしまった事を同情してしまう。
    その辺、私はまだちゃんとした感情を持っているんだと、少しだけ安心してしまう。
  • 13 秋沙 id:DsW.zps.

    2011-06-07(火) 15:39:37 [削除依頼]
    猫被りの生徒によって、追い出された男子生徒に私は何となくついて行った。
    自動販売機の前で、頼まれたコーヒーを買おうとしている男子生徒に私はココアを奢る様に言った。
    直ぐに男子生徒は断ったが、諦めずに言うと、舌打ちをしつつも男子生徒は買ってくれた。
    それから、軽く話していると、私はお礼を言ってない事に気付いた。
    男子生徒に微笑んで、ココアのお礼を言うと、男子生徒は顔を赤くした。
    結構、普通の人間何だと思った。

    「――さん、ちょっと良いかしら?」

    自動販売機の帰り、一人廊下を歩いていると、後ろから声を掛けられた。振り返ると、同学年らしい女子生徒が立っていた。
    用件はさっきの男子生徒とは如何言う関係なのか、と言う如何でも良い内容だった。

    「――君と付き合ったりでもしたら、ただじゃ置きませんわよ」

    ただじゃ置かない事は、如何言う事だと聞きたかったが、話が面倒臭くなるから適当に頷いといた。
    そして、その女子生徒が去って行った頃、握っていたココアの紙パックは手の熱で少し温かくなっていた。
  • 14 秋沙 id:XqakKgg/

    2011-06-07(火) 20:32:12 [削除依頼]
    二章 入部希望者を拒否る文芸部員
    文芸部に入部して一週間。
    九十九が放課後、話しかけて来た。

    「部室に来てくれないかな?」

    「何でだよ?お前、行ってなかっただろ?」

    「文芸部に入部希望者が来たから、断ってくれる?」

    「は?普通に良い事じゃねーか」

    「成田君が好きな人が成田君が入っている部活に成田君目当てで入部しようとしてるんだよ?」

    誰だよ、ソイツ。

    「それでも良いなら、別に良いんだけど」

    「嫌だな」

    ってか、俺が文芸部を退部すれば済む話じゃないか?

    「今から、文芸部の部室に来る様に言われてるから」

    気のせいかも知れないが、九十九の態度は何処か冷たかった。
  • 15 秋沙 id:XqakKgg/

    2011-06-07(火) 20:50:40 [削除依頼]
    ガチャ

    初めて行く文芸部部室のドアを開けると、中にはもう誰かがいた。

    「お待ちしておりましたわ。成田様っ」

    「ぐふっ」

    大きなリボンを左右に括っている髪型の奴が俺に抱き付いて来た。

    「と、とにかく離れろ」

    「あ、はいですの」

    改めて抱き付いて来た奴を見ると、ソイツは隣のクラスの女子だった。

    「えーと、誰だっけ?」

    「古河文菜と申しますですわ。私は成田様の事を存じておりますので、自己紹介は不要ですの」

    本物のストーカーかも知れない。

    「で、如何するの?この人、入部許可する?」

    九十九が急かす。

    「入部不可する」

    「な、何でですの?入学式の日からずっとお慕いして来ましたのに……私のどの部分がいけなかったんですの?」

    「古河文菜と言えば、金持ちじゃなかったか?何でそんな奴がこんな学校にいるんだよ?」

    「お父様が仰ったんですの。社会勉強の為に庶民の学校に行きなさいって」

    「じゃあ、分かってるだろ?俺が庶民だって」

    「大丈夫ですわ。古河家の婿養子として、お迎え致しますもの」

    「え……もう結婚確定してるわけ?」

    俺は唖然とする。
  • 16 秋沙 id:CKVtyIM.

    2011-06-08(水) 21:10:15 [削除依頼]
    「私がお金持ちだから、私の事を好きになられないと言う事ですの?」

    「そう言う事じゃねーけど……大体、俺、誰とも付き合う気ないし」

    「へぇ、そうなんだー」

    ポキッ

    部室にポッキーが折れた音が響く。
    見れば、九十九は退屈になったのか、くるくる回る椅子に座り、チョコレートポッキーを食べていた。

    「そうですの。でも、私は諦めませんわ」

    「それで?文芸部入部は諦めるの?」

    「あなたは諦めて欲しいと?」

    「別に?あくまで、私も文芸部員何でね」

    「それよりも、如何して、成田様は文芸部に入部を?それが意外で仕方なかったんですの」

    「それはコイツが無理矢理入れやがって」

    バンッ

    古河は机を叩いて、立ち上がった。

    「許せませんわ。やはり、あなたは成田様に好意を寄せているんですのね」

    「ふあー、如何でも良い話題だね」

    九十九は背伸びしながら、大欠伸をする。

    「如何でも良くありませんわ。私は真剣に聞いているんですのよ。あなたは成田様の事が……」

    「別に。恋愛感情では見てないけど」

    「そ、そう……何ですの。少し安心しましたわ」

    「話、終わった?だったら、部員じゃない人は早く帰ってくれる?」

    「そうですわね。帰りますわ」

    古河はドアノブを握る。
    やっと、帰るのか。
    俺は心の中で、溜め息を吐く。

    「……おかしくありません事?」

    ドアの前で、数秒間立ってた後に古河は言った。
  • 17 秋沙 id:CKVtyIM.

    2011-06-08(水) 21:22:22 [削除依頼]
    「更紗の調査によると、あなた方も、ほぼ幽霊部員になっていますわよね?でしたら、此処は普通に私と一緒に部室を出る所じゃありませんの?」

    「更紗って、誰?」

    ガチャ

    「私の事です。一年三組出席番号十三番九十九まふゆ様」

    部室のドアが開き、メイド服を着た奴が入って来た。

    「更紗、来てくれたんですの?」

    「お嬢様があまりにも遅かったので、もしや事故にでも遭ってると思い、笑いに来ました」

    無表情棒読みで、淡々と更紗と呼ばれた奴は言った。

    「使える主にその様な言い方は良くないと思いますの」

    「それよりも、ピアノのレッスンのお時間が近付いていますが」

    「そうでしたわ。直ぐに向かいますですの。更紗、あなたは此処でこの二人を見張ってて下さる?」

    「如何してその様な面倒臭い事をしなければいけないのですか?それはお嬢様にとって、何のメリットもない様に思われますが」

    「良いから、見張ってて下さいですの。じゃあ、また明日ですわ、成田様」

    古河はメイドを置いて、部室から出て行った。
  • 18 秋沙 id:CKVtyIM.

    2011-06-08(水) 21:38:24 [削除依頼]
    部室の空気が重い。
    原因は何も喋らずにドアの側で立っている古河のメイドと、同じく無言でポッキーを食べている九十九のせいだ。

    「ところで、一年三組二十三番成田当麻様」

    「な、何だ?」

    「あなたはお嬢様には何のご好意も寄せてないのですね?」

    「ああ」

    「そうですか。ふふ、お嬢様の失恋ですか。これはこれで見物です」

    声ではふふと笑っているが、顔は変わらず無表情だ。
    寧ろ、この人、笑えないんだろうか。

    「そう言えば、普通にお前にタメ口で喋ってるけど……」

    「結構です。同い年ですから」

    「は?学校は?」

    「お嬢様が学校に行ってらっしゃる頃に私も学校に行っております」

    「大変だな。テスト勉強とか、中々出来なさそうだし」

    「いえ、私は天才なので、テスト勉強等しなくても、全科目百点を取れる自信があります」

    ナルシか?

    「そろそろ帰りたいのですが……成田様に帰る許可を頂いたら、お嬢様も何の文句も言われない様な気がします。言ってくれませんか?」

    「帰っても良いぞ。ってか、様付け止めてくれ」

    「分かりました。成田君。ついでに申して置きますと、私の名前はお前ではありません。白井更紗と言う名前があります」

    「分かった。白井」

    「では、失礼します」

    白井は一礼して、出て行った。

    「あ、九十九、俺も帰る……」

    九十九は机に突っ伏して、寝ていた。
    起こすのもめんどくさいし、放って帰るか。

    ギィィィィィ
    バタンッ
  • 19 秋沙 id:CKVtyIM.

    2011-06-08(水) 21:49:50 [削除依頼]
    ガチャ

    「ただいま」

    「おっかえりー、当麻くーんっ」

    母(血が繋がってない)が顔を出す。

    「学校、楽しかった?友達、ちゃんといる?」

    「その質問、伊吹さんにしたら如何ですか?」

    「だって、伊吹ちゃんは全部普通とか言うんだもん。あ、夕飯にする?夕飯なら、伊吹に作らせたから」

    「自分の娘をこき使わないで下さい」

    「私が作るより、伊吹ちゃんの方が美味しいよ?」

    「そうですか」

    俺は階段を上り、自分の部屋に行こうとしたが、

    「ねえ、当麻君」

    母が話し掛けて来た。

    「伊吹ちゃん、ちゃんとやってる?」

    「無駄にチャラい男子が構って来てますけど、ちゃんとやってますよ」

    「伊吹ちゃん、真面目だからね。ちょい悪君の方が付き合うのに相応しいかも」

    「良いんですか?」

    「私は良いけど、伊吹ちゃんはダメだろうね。あ、早く着替えて降りておいでね」

    言ってる意味がよく分からなかったが、母は行ってしまった。
  • 20 秋沙 id:YyHzCxj1

    2011-06-09(木) 19:58:23 [削除依頼]
    間章
    如何でも良くなる空っぽな感じ……空虚感は、急にやって来て、私を脅かす。
    私の存在意味が分からない。
    自分を価値にして見ると、どれ程の価値があるのかも分からない。
    そう考えていると、空虚感と絶望感が込み上げて、如何しようもなくなる。

    「如何したんだ?ボーとして」

    教室で、あの男子生徒が話し掛けて来た。
    最近はよく自分から話し掛けて来る。
    私は何でもないと返すと、

    「よく寝惚けてるよなー、お前って。特に虚ろな目、してる時とか」

    見破られた感じがして、ひたすら不安になった。
    相手は虚ろな目は寝惚けてるせいと勝手に解釈しているけど、何時か分かってしまう。

    「ってか、髪の毛ぼさぼさ過ぎるぞ?お前、それでも女かよ」

    何で、こんなに話し掛けて来るんだろう。

    「無視かよ」

    何で、こんな時に話し掛けて来るんだろう。
    神がいるなら、
    神は酷過ぎる。
  • 21 秋沙 id:YyHzCxj1

    2011-06-09(木) 20:30:06 [削除依頼]
    古河文菜 humina hurukawa
    茶道部。
    8月23日生まれ。
    A型。
    趣味 お菓子作り。
    成績 学年十位以内。

    水野日向 hinata mizuno
    生物部。
    一月十一日生まれ。
    A型。
    趣味 マンガを読む事。
    成績 真ん中からちょっと上くらい。

    白井更紗
    趣味 毒舌を吐く事。
    成績 学年トップ。
  • 22 秋沙 id:OtclgH/.

    2011-06-11(土) 12:08:52 [削除依頼]
    三章 自己中は嫌われる
    「九十九さん、俺と付き合ってくれない?」

    桜の季節も終わりに近付いた四月下旬、水野は九十九に告白した。
    その頃の九十九は、何故かおかしく虚ろな目でボーとしていた。
    傍から見れば、それは人形の様にも見えた。

    「ねえ、聞いてる?」

    「あなた、誰?」

    「え、水野日向だけど」

    「私は誰とも付き合う気なんかないし、付き合って何になるのかが分からない」

    「う……」

    「だから、諦めてくれる?」

    ……っ

    「分かった。今は引き下がる。けど、俺は諦めねーから」

    水野は教室から出て行った。

    「くす、無駄な行動……」

    如何にも、九十九がアイツに重なって見えて気分が悪い……
  • 23 秋沙 id:OtclgH/.

    2011-06-11(土) 12:37:51 [削除依頼]
    「成田様、御機嫌よう」

    古河の文芸部入部希望を拒否ってから、休憩時間、放課後には決まって俺の前に古河が現れる様になった。

    「何の用だよ?」

    「なあ、成田」

    隣の席の奴が話し掛けて来る。

    「これ、本物だよな?マジであの古河文菜だよな?校内で、一番のお金持ちで、社会勉強の為にこの学校に入学したって言う……」

    「うるせーな」

    「はい。私は古河文菜ですの。あなたは成田様のご友人の方?」

    「そう。成田のダチの水野日向」

    「水野様ですの。よろしくお願い致しますわ」

    「嫌々」

    キーンコーンカーンコーン

    「では、私、もう行きますわね」

    古河は軽やかな足取りで、隣の教室に行った。

    「口説かないんだな、お前」

    「俺、お嬢様キャラだけは無理何だよな。高飛車とお嬢様言葉でアウト。普通に古河さん、お嬢様言葉だし」

    「意外だな。寧ろ、好きそう見えるが」

    「ぶっちゃけ、古河さんだったら、伊吹ちゃんの方が好きだし」

    「あっそ」

    「ま、今更、無理何だけどさ」

    「ん、何か言ったか?」

    「何も」
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