死にたがりの吸血鬼と薔薇姉弟、5コメント

1 初音印 id:B6Ehdrr/

2011-06-04(土) 21:54:28 [削除依頼]



「死にたがっているアンタだからこそ……オレ達は、アンタを殺したくないんだ」


――――死にたがりの吸血鬼と薔薇姉弟、
  • 2 初音印 id:B6Ehdrr/

    2011-06-04(土) 22:19:18 [削除依頼]


    「ねぇ、貴方――――死.にたいの?」


    突如、自分の目の前に現れた人物はそう言う。
    まだ幼さが残ったその愛らしい声音に思わず顔を上げると、そこにはにこやかな笑みを浮かべた足元にまで届くのではないかと思うほどに長いロングを二つに束ねた黒髪の少女だ。何処かの貴族の一人なのだろうか。身に纏うドレスには埃一つ付いておらず、『上品』という言葉がお似合いの少女だった。そんな雰囲気の少女だからこそ、発せられた言葉に思わず目を見張った。

    「え……?」
    「だって貴方……今にも死.にたそうな目をしている」

    ふふっ、と尚も笑顔を浮かべながら言う少女。オレの瞳を指差しながら。そんな彼女の言葉が俺は不思議で不思議でしょうがなかった。


    「……初対面でそれはねぇだろ、姉ちゃん」
    「ふぁッ!」

    ぐい、と後ろに傾いた(というよりは裾を掴まれたと言った方が正しいのだろうか)少女はいつの間にか背後に佇んでいた少年へと身を預けた。思わず見惚れてしまう程に色鮮やかな赤い髪を持つその少年は少女と同様、貴族のような礼服を纏っている様子からして知り合いか何かだろうか。

    「あれ……いつの間にいたのー?」
    「アンタのことだからな……多分、ここにいるんだろうと思った」
    「やっぱり、離れていても分かるもんなんだねぇ。えへへー、実は迷っている内にここに辿り着いたのです」
    「そんなことだろうと思った……」
  • 3 初音印 id:B6Ehdrr/

    2011-06-04(土) 22:40:13 [削除依頼]

    「あー、えーと……オレの姉ちゃんが失礼なことをしたようで。本当に申し訳無いです。……ほら、姉ちゃんも謝るッ!」
    「えー? だって私、何も嘘吐いてないも」
    「良いからほら、さっさと頭を下げた下げたッ! 本ッ当に、もう……こんなところで道草食っている程にオレ達も暇じゃないと言うのに……」

    ぶーぶーと口を尖らせる少女にいい加減キレたのか、半ば強引に頭を下げさせ、そして彼自身も何度も何度も頭を下げる。あまり気にしていないと言うのにここまで謝れてしまったとなるとこちらも気分が悪い。黙っていることでこちらがまだ怒っていると勘違いしたのだろうか、終いには地べたに少年が膝を付こうとした時は流石に言葉を挟まざるを得なかった。

    「大丈夫だ、気にしていない。それに、それが嘘というわけでも無いしな」
    「……え?」
    「ほら、だから言ったでしょー?」
    「姉ちゃんは黙ってて! ……一体、どういうことですか?」

    先程のあわあわとした雰囲気とは一転、真剣な面持ちで見据えてくる少年。その言葉に言葉を詰まらせたらしい少女は口をへの形にしてみせた。

    「……俺は断ち切らせたいんだ。この、終わり無き死を……な」
    「それは、一体どういう……」


    死.にたい。
    それが俺の唯一の願いだった。
    それが叶うと言うのならば、俺はどんなことでも成し遂げてしまうことだろう。でも、そんな当たり前のような願いでも神は許してはくれないのだ。――――死というものを。
    吸血鬼。
    血を糧にし、その命を延ばしている者。だが、それには少し語弊がある。本物の吸血鬼は確かに血を吸うことはあるが、別に吸わなくてもその命が朽ちることは決してない。ニンニクや十字架、聖水といった物にも耐性があるし――――ましてや日の下にいたとはいえ、体が溶けてしまうこともない。吸血鬼を恐れるあまり、作り出した人間の妄想だ。

    死というものが与えられることは決してない。そう思っていた。……そう、こいつらと出会う前までは。
  • 4 愛華  id:mb3IK6v1

    2011-06-04(土) 23:13:02 [削除依頼]
    素晴らしい作品になる予感

    あたしは下手なダークファンタジーしか書けないので、うらやましい文才です
  • 5 初音印 id:GvSeyb1/

    2011-06-05(日) 02:21:07 [削除依頼]

    愛華さん

    コメント、ありがとうございます!(´∀`*
    愛華さんもダークファンタジーを書いておられるんですね。いえいえ、自分なんかまだまだ未熟者ですよ。お褒めの言葉、嬉しいです。
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