桃勾姫―現代的鬼退治戦記―8コメント

1 枝真 id:BOlWuJH.

2011-06-01(水) 23:35:55 [削除依頼]
あぁ、未だ現れぬ桃勾姫よ。

我ら血に刻まれし汝の姿、忘れる事なき。

そして全てが終始を告げるまで汝と共に―。
  • 2 枝真 id:uVz4rUO0

    2011-06-02(木) 01:07:48 [削除依頼]
    1.忘却の記憶、覚醒は近しくなりけり。

    その日は、私、桃城舞華の、
    16歳の誕生日であった。

    空は雲ひとつない青空で、
    天気予報は一日中晴れ、だった。

    特に誰に祝ってもらうでもないけれど、
    なんだか少し気分が良かった。

    あんなことが起こるまでは―。
  • 3 枝真 id:uVz4rUO0

    2011-06-02(木) 01:22:21 [削除依頼]
    「〜♪」

    のんきに鼻歌を唄いながら、
    私は下校していた。

    今日は私の誕生日。
    ひとり暮らしだから、
    両親には電話くらいでしか、
    祝ってもらえたりはしないけど、
    この青空を見ていると、
    なんだか気持りが明るくなった。

    そのまま、空を見上げてあるいていると。

    ゴンッ

    「―っ!?」

    何か固いものが顔面にぶつかって、
    私はしりもちをついた。

    慌てて前を見ると、
    電柱が立ちはだかっている。

    「い、たたた…」

    少し涙目になりながらも、
    電柱を睨みつけてみる。
    まぁ、だからってどうなるわけじゃないけど。

    すると、後から不意に笑い声が聞こえた。

    「…ぷっハハハハッ」

    聞き覚えのあるその声に振り向くと、
    やっぱりアイツがいた。
  • 4 枝真 id:uVz4rUO0

    2011-06-02(木) 01:31:07 [削除依頼]

    「鼻歌なんか唄いながら
     上向いてるからだよ、ばーか。」
    「…何よ、綾。」

    コイツは、遠藤綾。
    小学校からの幼馴染というか腐れ縁というか。

    「何ってなぁ。そりゃ、
     真ん前で電柱にぶつかるバカがいたら、
     誰だって足止めるだろ?」
    「あっそ。だったら早く行けば?」
    「まー、そう言うなって。」

    そういいながら、綾はこちらに
    向かって歩いてきた。

    「お前さ、今日誕生日だろ?
     祝ってやろうと思ってよー。」
    「…え?」

    思わず、私は耳を疑ってしまった。
    綾が私の誕生日を覚えているなんて、
    思ってなかったから。
    だって、綾に今まで一度も誕生日に
    何か言われたことはなかったんだもの。

    「私の誕生日、覚えてたの?」
    「…まぁ、な。」

    そう言った綾の言葉には、
    どこか影のある表情が含まれていた気がした。

    「しかし、お前もなんで3月の終わりなんかに
     生まれたんだか。俺なんか5月だぞー。」
    「そんなの、私に言わないでくれる?
     っていうか、祝うならちゃんと祝ってよ。」
    「はいはい、そーだな。
     祝ってやるからちょっとついてこい。」

    綾はまだ座り込んでいた私を、
    無理やり立たせ、手を引いて歩き出した。
  • 5 枝真 id:uVz4rUO0

    2011-06-02(木) 01:44:55 [削除依頼]
    「ちょっ、待ってよ。
     どこ行くの!?」
    「んー。いいとこ?」

    綾は余裕の笑みでこっちを振り返る。
    その間にも私は引っ張られていく。

    やがて―。

    私の住む町を一望できるような、
    見晴らしのいい場所に辿り着いた。

    「…すごい。」

    いつも自分が住んでいる町を、
    上から見るなんてことは滅多になかったから、
    思わず感動してしまった。

    「だろ?俺様お気に入りの場所。」

    綾はやっぱり余裕そうな顔で笑う。
    そして、しばらく景色を眺めたあと、
    綾は不意に真面目な顔をして、呟いた。

    「俺がどれだけこの日を待ち望んだか、
     お前には分かるか?」

    聞き間違いかと思った。
    だって、その声はいつもの綾とは違って、
    静かな、悲しみを込めた呟きだったから。
    私は、綾の方を見ないようにした。
    いつもと違う綾を認めてしまうのが、
    なんだか怖かったんだと思う。

    すると、綾の手が私の肩におかれた。
    顔をあげると、綾は静かに泣いていた。

    「…誕生日おめでとう、舞華。」

    綾がそう言った瞬間、私の体は宙に投げ出され、
    見上げていた町の中に
    静かに落下していった―。
  • 6 黒雪姫。 id:96IumUy.

    2011-06-02(木) 01:50:50 [削除依頼]

    すっすごい・・・
  • 7 枝真 id:uVz4rUO0

    2011-06-02(木) 02:19:25 [削除依頼]
    ▼黒雪姫さん
    コメントありがとうございますっ
    全然すごくないですよ><
  • 8 枝真 id:uVz4rUO0

    2011-06-02(木) 02:27:37 [削除依頼]
    風を裂いてどんどんと下へ落ちていく。
    恐怖で身がこわばった。

    でも、それ以上に信じられない気持ちで、
    胸がいっぱいになる。

    綾、どうして…?

    私には綾が泣く理由も、
    私を突き飛ばした理由も、
    何ひとつ分からなくて、
    落ちていくたった数秒の中で、
    私はずっとそんなことを考えていて、
    それで、私の視界は真っ暗になった。
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