悪魔の左目〜No More Chance〜23コメント

1 GOT−H−A id:PHAyGff.

2011-05-30(月) 13:41:19 [削除依頼]
俺はこの町の、空に一番近いであろうところに居た。右胸が疼く。
俺は左目にそっと手を置いた。『あいつ』の声が蘇える。
「お前はもう我の物だ」
俺はもう普通の人間ではない。いや、最初から普通の人間ではなか
ったのだ。

―俺は悪魔なんだ。生まれる前からずっと・・・。
  • 4 GOT−H−A id:PHAyGff.

    2011-05-30(月) 14:11:50 [削除依頼]
    何故でしょう。ちゃんと数えたはずなのにまたおかしな改行
    になっています。読みにくいかもしれません絵ね。
  • 5 GOT−H−A id:PHAyGff.

    2011-05-30(月) 14:34:15 [削除依頼]
    俺は誰も居ない家の扉を開ける。この家にはほとんど俺
    一人で住んでいるようなものだった。もともと広い部屋
    が俺しか居ないことでより広く感じる。54階からの眺め
    はさっき屋上で見たものと大して変わらない。しかし、
    俺が見たい本当の眺めはきっと、あそこにしかないのだ
    ろう。
    俺の家は両親と俺の三人家族だ。親は二人とも国際的に
    有名な俳優だ。今も活動を続けているので、テレビで見
    ない日はほとんどない。その代わり、生で見ることもほ
    とんどなかった。両親の影響で俺も芸能活動をするので
    はないかと周りは思っているようだが、俺にはそんな気
    は微塵もなかった。と言うより、俺はどんなことがあっ
    てもあいつ等の様にだけはなりたくなかった。
    俺は自室へ入る。ベットの上に突っ伏した。そしてその
    まま眠りについた。
  • 6 GOT−H−A id:PHAyGff.

    2011-05-30(月) 14:51:00 [削除依頼]
    携帯のなる音で俺は目覚めた。俺は携帯を手に取る。見る
    とメールが何件も入っていた。それはどれも同じ人物から
    と言うわけではなく、高校のクラスメイトや以前一ヶ月だ
    け通っていた塾で一緒だった奴などさまざまだ。俺は起き
    たばかりで重たい頭を起こして、適当に返信した。あいつ
    らのことを仲間だと思ったことはなかった。と言うより、
    そんな事どうでも良かった。とりあえず、適当に関係を作
    り、適当に対応していた。自分がある程度普通の人間らし
    く周りから見えていればそれでよかった。だからこの関係
    を良くしようとも壊そうとも思わない。俺はそういう人間
    なのだ。手に持っているナイフを見てそう思う。ナイフは
    俺の顔を映し、輝いて光っていた。
  • 7 GOT−H−A id:LcrYRxj.

    2011-05-31(火) 10:05:29 [削除依頼]
    俺は学校へ行くため、制服に気がえる。T−シャツを脱ぐとふと右胸の痣に
    目が向いた。
    (やっぱり・・・)
    俺のこの痣はゆっくりではあるが、確実に大きくなっている。いつからかは
    よく覚えていないが気がつけば俺の拳位の大きさにまでなっていた。これも
    きっと『あいつ』が原因なのだろう。俺はY−シャツを着た。

    いつもより、一時間ほど早く自宅を出た。これには理由がある。それは昨日
    俺の通っている高校で起きたことだった。俺の高校ではウサギを飼っている
    。そのウサギが、刃物でずたずたにされて殺されているのが見つかったのだ
    。犯人は未だに分かっていないが、俺が思うには学校内部の人間の仕業では
    ないかと思う。と言うのもウサギが殺されていた場所の脇にここの高校の物
    だと思われる、ブレザーの切り端が落ちていたからだ。きっとウサギを殺そ
    うとするときに暴れられ、噛まれたのだろう。ブレザーには血が僅かに付い
    ていた。そしてそのブレザーの切れ端は今俺が保管している。恐らく犯人は
    その事に気づいてなるべく早いうちに自分の残したそれを回収に来るだろう
    と言う推測だった。ウサギ小屋は校舎から少し離れた所にある。俺はそこに
    向かう。案の定、人影がウサギ小屋にあった。俺が居る事に気が付いたのか
    、その影が俺のほうに向く。
    「お、お早う」
    どう見ても動揺しているのが分かる。
    「お早う、春日谷君。随分早い登校だなあ」
    俺は春日谷を見て言う。その足元には数匹のウサギが動いていた。
    「僕はウサギの餌をやりに。一応当番なもんで。神谷君こそこんな早い時間
     にどうしたんだい?」
    春日谷は俺から少し目を逸らして言う。
    「僕はウサギ殺しの犯人の顔を見に来たんだよ。今頃どんな顔をしてるかな
     と思ってね。」
    春日谷は俯く。そして顔を上げて言う。
    「なら残念だったね。ここには僕と君以外来ていない。」
    「いや、もうこれで満足だよ。だって君の顔を見れたんだから。」
    「何を言ってるんだよ!」
    春日谷は声を荒げて言う。俺は続ける。
    「昨日はいい物を見せてもらったよ。君は気づかなかったかもしれないが、
     実は昨日僕はこの場に居て見てたんだよ。誰かがウサギを殺しているのを
     ね。それ、君だろ?」
    春日谷はしばらく何も言わずに呆然としていたが、気づいたのか、俺に言う。
    「じゃ、じゃあ証拠はあるのかい?」
    俺は心の中で笑った。
    「証拠?あるよ。あるから君はここに来たんだろ」
    そう言うと俺は春日谷の方に行き、ポケットからブレザーの切れ端を出して
    彼の右腕を掴んだ。
    「これ、君の物だろ?」
    「な、何を言っているんだ」
    春日谷が息詰まる。俺は彼のブレザーを上げて、手首を出した。
    「この傷、昨日ウサギに噛まれて出来たんだろ?」
    春日谷は地面に膝を付く。そしてしばらくして笑い出した。
    「俺はもう終わりだな」
    俺は春日谷をじっと見る。
    「でも神谷、何でお前知ってて誰にも言わなかったんだ?」
    俺は笑う。
    「心配しなくていい。僕はこのことを誰かに言おうとは思わない。でも勘違
     いはしないことだ。これは決して君のためではない」
    俺はそう言うとブレザーの切れ端をポケットに戻し、歩き出した。右胸が僅
    かに疼く。俺の左目は今、一体どんな世界を見ているのだろう。
  • 8 GOT−H−A id:LcrYRxj.

    2011-05-31(火) 10:06:28 [削除依頼]
    読みにくい!!
  • 9 GOT−H−A id:LcrYRxj.

    2011-05-31(火) 10:32:22 [削除依頼]
    俺は教室に入る。すると何人ものクラスメイトが俺に声をかけてくる。俺はそのどれもに適当に返事してを自席に着く。俺はあの後一度学校を出たのでここに戻ってきたのはホームルームが始まるぎりぎりの時間だった。
    (それにしてもあいつは、春日谷はなぜもう夏だと言うのにブレザーなんか着ていたのだろう変な奴だ)
    俺はそんなことを考えながら周りの話に耳を傾けていた。その周りの一人が言う。
    「そう言えば今日からプールだぜ」
    (!?忘れてた)
    そんな黙っている俺を不審に思ったのかそいつが言った。
    「神谷、お前もしかして今年も入らないのか?」
    俺はそれに肯定の意味の言葉を述べる。
    「お前、泳げない訳じゃないんだろ?」
    「え?そうなの?」
    「そうだよ、て言うかお前ら知らなかったのかよ。こいつの中学のころの同級生に聞いたけど、こいつスッゲー泳げるんだってよ」
    「ぇ、マジかよ」
    そんな周りの会話を俺は静かに聞いていた。
    「俺、今日水泳に参加しないこと篠原に言ってくるよ」
    そう言うと俺は席を立った。職員室へと向かう。こんな痣があるのを知られるわけにはいかない。俺は痣が目立ち始めてから一回も水泳には参加していなかった。職員室のドアを開ける。体育の教師に適当に理由を付けて水泳に参加しないことを言う。
    「そうか、それは残念だな。お前の泳ぎを一度見てみたかったんだがな」
    俺はどんな理由を付けたのか、体育担当の篠原は残念そうに言う。俺はそれを聞くと職員室を後にした。
  • 10 GOT−H−A id:LcrYRxj.

    2011-05-31(火) 16:06:45 [削除依頼]
    「後どのくらい残っているのだろうな、お前には」
    『あいつ』が笑いながら俺に言う。いつからだろう。こんなにも『あいつ』の声がしっかりと聞こえるようになったのは。まだ時々この声は全部幻なのではないかと思う。
    「知るかよそんなの」
    「お、珍しいな。お前が返事をするなんて。いつも無視じゃないか」
    また『あいつ』が笑う。この声もいい加減聞き飽きた。俺は教室へと向かう。

    教室に入ると視線がこちらに向いた。
    「おい、神谷遅せえぞ。もう授業始まるぞ」
    誰かが言う。俺は笑みを造りながら自席に着く。一時限目は数学だった。俺は肘を突き黒板を眺めていた。
    「この問題を解けるのは・・・神谷、やってみろ」
    数学担当の皆野がこちらを見る。俺は最初何なのか分からなかった。
    「神谷?」
    皆野が不思議そうな顔でこちらを見ている。
    「おい」
    隣の近藤が俺の肘を突っつく。それでやっと気が付いた。
    (やば・・・)
    「あ、すみません。ちょっとぼっとしてて」
    俺は何とか立て直す。そして前に出て問題を解いた。最初は不愉快そうな顔だった皆野も回答が合っていると満足そうな顔をした。
    「よし、いいぞ。さすがだな」
    俺は席に戻る。俺は適当に会釈して席に着いた。また俺の何処かにいる『あいつ』が笑っていた。
  • 11 GOT−H−A id:LcrYRxj.

    2011-05-31(火) 16:43:12 [削除依頼]
    そうこうしているうちに水泳の時間が来た。俺はプールに向かう。まだ誰もいないプールサイドのベンチに座る。次々に水着に着替えた生徒たちが入ってくる。ぼっとしている俺の目の前に急に白い物が入ってきた。それが女子生徒の足だということが分かった。俺は上を向く。
    「神谷君は入らないんだ」
    見覚えのない顔ではあったが恐らくクラスメイトの一人なのだろう。俺は適当に言い訳をしてその場を押さえようとした。
    「ふーん」
    そう言うと少女は俺の目の前から消えた。
    「お前の事なんか探っている顔だったな。さっきの女」
    『あいつ』が言う。俺はそれを無視する。
    「おい、神谷」
    篠原が俺を呼ぶ。俺はそちらを向く。
    「お前、いくら見学でもジャージぐらいは着ろ」
    俺は頷き立ち上がるとジャージを持って更衣室へと向かった。
    更衣室のドアを開けると俺は中へと入った。幸い中には誰もいなかった。俺はYシャツを脱ぐ。気のせいか右胸のあざが少し大きくなっているような気がした。
    「気のせいじゃない」
    『あいつ』が言う。
    「何のことだ」
    俺は平然と言う。
    「お前にはまだ言っていなかったか。我にはお前が考えていることが分かる。全部分かっているんだよ」
    俺は一瞬思考が止まった。
    「もうそこまできたのか」
    もう俺はこの悪魔に体をのっとられてきているのか。俺は黙ってジャージへと着替えた。
  • 12 GOT−H−A id:LcrYRxj.

    2011-05-31(火) 17:25:49 [削除依頼]
    今日一日の授業が終わり、俺は帰る用意をする。するとさっきの女が俺の前に来た。俺の目の前に一冊の本を置く。『世界の死刑』表紙にはそう書いてあった。
    「これ、貸してあげる」
    無表情のままそいつは言う。
    「神谷君、そういうの好きなんでしょ。私と同じ」
    彼女の表情が少し変わる。笑ったのだろうか。俺はその本を鞄に入れると立ち上がる。俺は彼女と一緒に教室を出た。

    近くのファーストフード店へと入る。それぞれ飲み物を注文して席へと着いた。
    「で、俺に何の用?」
    俺は目の前に座る彼女に問う。髪は黒く胸位まで伸ばしていた。肌が白い。俺はそれを見て自然と頭に日本人形が思い浮かんだ。
    (赤い血がとてもよく似合いそうだ)
    「私は森月小夜。一応同じクラスだけれど知らないでしょう。あなたがやっていることは全て演技。周りになんて何の興味もない」
    森月と名乗った彼女は淡々としゃべる。
    「さっきの本、気に入った?」
    「ああ、とてもね」
    初めてだった。こんなにも何もかも考えることなく自然に話せるのは。
  • 13 GOT−H−A id:LcrYRxj.

    2011-05-31(火) 17:50:18 [削除依頼]
    自宅へと帰る。玄関のドアを開けると光が入ってきた。
    「あ、おかえり龍。随分遅いわね」
    母さんだった。何週間ぶりだろうか。
    「ただいま。ちょっと友達と話してて。もう撮影は終わったの?」
    特に興味はないが一応聞いておく。
    「まあ、一段落ってとこね。でもまだ全部終わったわけではないから、また明日から家を空けることになるわ。お父さんはまだ忙しいみたい。」
    「あ、そう」
    「なに、そっけない返事ねえ。ご飯は?」
    「いい、外で食べてきたから」
    嘘をついた。母と一緒に食べるのは面倒だった。俺は自分の部屋へと歩く。部屋のドアを閉め、鞄の中の本を取り、ベットに寝転がる。中を適当に捲る。題名の通りそこには世界の死刑についての写真や説明などが書かれていた。
    「私と同じ」
    森月の言葉が蘇える。あいつも俺と同じ人間なのだろうか。俺は本に載っている死刑執行されようとしている男の写真を見る。
  • 14 GOT−H−A id:LcrYRxj.

    2011-05-31(火) 18:13:09 [削除依頼]
    朝起きると、もう母さんの姿はなかった。テーブルに置き紙と一緒に一万円札が置いてあった。
    『これで好きの物を買った、食べてください』
    (朝飯だけで一万円も使うかよ)
    俺はそれをポケットに入れて、家を出た。学校へ行くにはまだ時間がありすぎた。俺はコンビニでパンを買い、近くの空き地へと向かう。これを見つけたのはいつだろう。俺の目の前には傷だらけの野良猫がいる。まだ微かに息はしているが、もうそろそろ死にそうだ。俺はそれをじっと見つめる。中々死なないのをじれったいとは思わない。段々力を、生気失っていくのを見ているのが楽しいのだ。しばらく見ているとその猫は息をしなくなり、冷たくなっていった。
    「死んだか。今回のは中々長かったな」
    俺の中にいる『悪魔』が言う。俺はそれを無視すると、ポケットの中からデジカメを出してそれを撮った。
    「相変わらず人間離れしたような悪趣味だな」
    俺の左目であいつもこの光景を見ているのだろうか言う。俺は立ち上がると、学校へ向かった。
  • 15 GOT−H−A id:LcrYRxj.

    2011-05-31(火) 18:28:21 [削除依頼]
    放課後、皆が次々と出て行くのを待ち、俺は森月の元へ行った。
    「これ、ありがと。お礼にこれあげるよ」
    そう言うと俺は借りた本と今朝撮った猫の死体を現像した写真を彼女に渡した。
    「ありがとう」
    彼女はそれを受け取る。
    「それにしても、こんな物どこで撮ったの?」
    森月はそれを見つめながら言う。
    「近くの空き地にあってね」
    「羨ましい。私も写真じゃなくて生で見たかったわ」
    そう言いながらも彼女の顔は全然羨ましそうではなく見える。
    今日一日、彼女の行動を見ていたが、俺と同じで周りに自分の空気を隠して過ごしていた。彼女もまた、演技をして暮らしているのだ。
    「あなた、皆に隠し事をしているでしょ」
    森月は突然そう言い出した。俺は少し驚いた。隠し事とはこの悪魔のことなのだろうか。彼女はそのことを全て分かっているのだろうか。
    「じゃあ、また」
    何も言わない俺を見て、森月は席を立った。
    (まさかな・・・)
    俺は彼女の後姿を見送った。
  • 16 GOT−H−A id:LcrYRxj.

    2011-05-31(火) 20:47:56 [削除依頼]
    家路に着く前に、俺はあの空き地に寄った。夏の空は暮れるのが遅い。俺は今朝猫があったであろう場所へと行く。案の定、そこに猫はあった。俺はしゃがむと猫を凝視した。今朝はなかった腐ったような匂いがはなをつく。ポケットから折りたたみ式のナイフを取り出す。そしてそれを猫の首元へとかざした。最初は冗談のつもりだったが、とたんに切りたくなってきた。
    「切っちゃえよ。どうせもう死んでいる。それに今なら誰もいない。本当見たいんだろ、血が」
    俺の中に潜む悪魔が笑いかける。俺はすれすれまであったナイフを話し、またポケットへとしまう。
    「何だ、怖くて出来ないのか。つまんねーの」
    またあいつが言う。俺は怖かった訳ではなかった。ただ、これ以上俺の中にあいつが入ってくるのだけはいやだった。俺は立ち上がる。幸い胸の痣は疼かなかった。だんだん日が暮れ始めた。俺は家へと足を運ぶ。

    家は帰ると昨日とは一変して真っ暗だった。俺は部屋へと行く。いつもなら帰ってすぐにベットに寝転がるが、今日はその前にシャワーを浴びたかった。さっきの臭いがまだ体に染み着いているような気がして気持ち悪かった。その不潔ながベットに染み付くのだけは避けたかった。俺は足早にバスルームへと向かう。
    シャワーをひねると当然ながらお湯が出てきた。その水が全てを洗い流してくれそうな気がした。
    (いっそうのこと全て洗い流してくれよ)
    俺は胸の痣を見る。最初は形の内容だったものが今ははっきりして見える。何か、模様のようだった。こんな文字があってもおかしくない。鏡を見る。俺の左目は俺のものであって俺のものではない。俺はしばらく頭型水を被っていた。
  • 17 GOT−H−A id:LcrYRxj.

    2011-05-31(火) 20:57:15 [削除依頼]
    〜訂正〜

    四行目 匂い→臭い

    十行目 〜話し→放し

    十七行目 家は〜→家へ→

    二十行目 その不潔な臭いがに訂正

    二十五行目 最初は何の形も無い様だったものがに訂正

    最後の行 俺はしばらく頭から水を被っていたに訂正
  • 18 GOT−H−A id:LcrYRxj.

    2011-05-31(火) 20:58:43 [削除依頼]
    良かったら読んでみてください。また感想かいてくれたら嬉しいです。

    でわまた。
  • 19 GOT−H−A id:FQQSW6T.

    2011-06-01(水) 15:55:21 [削除依頼]
    風呂から上がると、俺は部屋の明かりをつけた。携帯の電源を入れる。先日交換したばかりの森月の名前が目に入った。
    (俺がこいつにかける時はどんな時なんだろうな)
    すると急に電話が鳴ったので驚いた。しかもその相手は先程の森月小夜だった。俺は少し待ってから通話ボタンを押す。しばらく沈黙があり、森月の声がする。
    「今何してる?さっき、私が言っていた事だけれど」
    「ああ」
    「あなたの左目って、綺麗な色をしているのね」
    それだけ言うと森月は電話を切った。俺は起き上がる。壁にかけてある鏡を見る。じっと左目を見てみたが、特にこれと言ったことのない普通の目だった。
    (あいつは何を見たんだ?)
    俺はそのことを気にしながらもパソコンを開いた。そうすると、さっき気になっていた事が嘘の様に全て忘れられた。俺は画面を睨むように見つめる。
  • 20 GOT−H−A id:FQQSW6T.

    2011-06-01(水) 16:14:33 [削除依頼]
    このサイトを見つけたのはいつだっただろう。今となっては、どうやって見つけたのかさえ覚えていない。今日更新されたのか、新しい項目のファイルが目にはいった。俺はそれをクリックする。すると画面に猫の残骸が現れた。『残骸』と言う言葉が相応しい様なとても猫とは思えないほどグロデスクな物だった。俺はそれを見つめる。どこかで見たことのあるような気がする。よく考えてみると、辿り着いたのは今朝死んだ、あの野良猫だった。俺は急いで上着を着、家を出る。その行動はただ、好奇心からくる物だった。

    暗闇の中を俺は慎重に進んで行った。俺がパソコンからあの画像を見つけてからまだそんなに時間が経っていない。犯人がその場でこれを投稿したのならば、まだ近くにいるかもしれなかった。まあ、それもそれでラッキーなことだが。俺は無意識のうちに、ポケットのナイフに手がいく。どうやら誰もいないらしい。生臭い、血の臭いがする。俺は猫が置かれているであろう場所の向かう。生で見ると、一段とすごい。俺はそれをカメラで撮った。
    (犯人もここで、俺と同じ光景を見ていたのか)
    俺は立ち上がり、何事もなかったかのようにして、家に帰った。
  • 21 GOT−H−A id:FQQSW6T.

    2011-06-01(水) 16:41:21 [削除依頼]
    次ぎの日、俺は階段ですれ違った森月に小声で今日放課後残るように言った。俺たちは学校では極力話さない。特に理由はないが、二人とも、二人だけでいるとき以外は話しかけなかった。

    授業が終わり誰もいなくなると、俺は森月の机へと向かう。鞄から、昨日撮った猫の写真を取り森月の机の上に置いた。森月は最初はきょとんとしていたが、次第にその猫がこの前俺が見せた猫と同じだという事に気が付いたのか、俺を見上げる。
    「これはこの前の猫」
    「ああ」
    「あなたがやったの?」
    「いや」
    「そう」
    森月が何の感情もこもっていないような声で言う。俺はそれを見つけたサイトのことについて話した。
    「そんなサイトがあったの。知らなかったわ」
    俺の話を聞き終えると森月は少し悔しそうに言う。俺は話出す。
    「俺は昨日、帰る前にこの猫を見に空き地に寄った。その時はまだ普通に死んでいるだけだった。これを見つけたのは、俺がそこを後にしてから一時間位経ってからだ。」
    お前から電話があってすぐの頃だ、と言おうとしたがやめた。本題から逸れたくなかったからだ。それにその事に関してはいろいろと面倒くさい。俺は話を続ける。
    「つまり、犯人は俺がいなくなってからパソコンを開くまでの間にこの猫を切ったんだ」
    俺は森月の手にある写真を見ながら言う。ふと、森月が俺の顔をじっと見ていることに気が付いた。
    「何?」
    「いいえ、何も。それより、その犯人を捜すつもり?」
    俺は頷く。
    「ああ、犯人に興味がある」
    俺は森月を見る。
    「君も一緒に探さないか」
    しばらくして森月が口を開く。
    「ちょうど最近暇だったの。いい暇つぶしになるかもしれないわ」
    森月が静かに答える。また少し、右胸が疼いた気がした。
  • 22 GOT−H−A id:FQQSW6T.

    2011-06-01(水) 17:00:56 [削除依頼]
    俺は森月と一緒にあの猫を見に、空き地に向かう。夕暮れ近くだった。歩いていくにつれて、次第に臭いが鼻を突く。森月を見ると、手で鼻を覆うことはなかったが、顔をわずかに引きつらせている。
    「猫を殺すにはぴったりな場所ね」
    実際は猫はもう死んでいたのだが、俺はそのことを森月につっこむ事はしなかった。
    俺は猫の傍にしゃがむ。森月の方を見ずに問う。
    「君はこれを見てどう思う」
    「どおって?そうねえ、犯人は切り方、置き方に相当マニアックと言うか、まるで芸術品のように扱っているわね」
    俺は頷く。やっぱりこいつも同じだ。俺は立ち上がる。森月に目でついてくるようにいい、歩き出す。森月は俺の言いたいことが分かったのか、デジカメでその猫を撮って、俺について来た。
  • 23 GOT−H−A id:FQQSW6T.

    2011-06-01(水) 17:29:10 [削除依頼]
    玄関のドアを開けると、幸いなことに両親はいない。俺は森月を部屋へ招く。ここに来るまでに何の説明もしなかったので、森月は少し怪訝そうな顔をした。俺はそれを無視し、パソコンの電源をつけ、例のサイトを開く。森月はその間、俺の部屋を眺めていた。目が合う。森月が口を開いた。
    「随分広いお家ね」
    森月が無表情に言う。俺は開いたサイトを、森月に見せる。そこには、過去の更新から全ての犯人の更新したファイルがあった。
    「今までの犯人の更新内容から考えると、動物を標的とするのは珍しいんだ。」
    森月は真剣な顔でその画面を見ていた。一通り見終わったのか、しばらくして森月が口を開く。
    「こんなサイトがあるのを、警察は知っているのかしら」
    「知らないだろう。だから犯人は犯行を繰り返す」
    「でもこんなの同一人物が更新しているとは限らないじゃない。」
    森月が言う。どうやらパソコンには疎いようだ。俺はパスワードが全て同じであることを説明する。納得したのか森月は黙り込んだ。そしてしばらくして口を開く。
    「そういえば、ここに載っている人たちの死体は発見されているの」
    「いや、全てが全て発見されているわけではない。」
    「ふうーん。神谷君は死体のありか、知っているの?」
    「少しはね。で、死体の場所を調べていて、あることに気が付いたんだ。もしかしたら、犯人は俺たちの意外と身近なところにいるのかもしれない。」
    「どういうこと?」
    「これまで発表されたり、見つけたりした死体は、全て、この町の周辺なんだよ。周辺って言っても半径十キロ圏内位だけれど。」
    それでも十分近いと俺は思う。森月の顔を見る。何を考えているか分からないが、無表情で俺の話を聞いていた。
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