桜の町14コメント

1 ティー id:Xe4n2Es.

2011-05-16(月) 21:53:55 [削除依頼]
ねぇ、もしも人が空を飛べたら、


私は迷わず上を目指すよ。


空は広い。無限に続く青い世界。


鳥は自由だ。進むことをやめない鳥。


はるかに小さいはずなのに、強いんだね。


私は、もう立ち止まったっていうのに・・・。


鳥になりたい。


空を翔びたい。


自由を求めて。強く、真っ直ぐにいきたい―。
  • 2 ティー id:Xe4n2Es.

    2011-05-16(月) 21:54:22 [削除依頼]



           桜の町
  • 3 ティー id:kaXjkd2.

    2011-05-17(火) 05:57:56 [削除依頼]
    「ちょっと、梓、来て」

    静かに立ち上がる。ため息をついて・・。

    何人かの女子の後を思い足取りでついていく。

    向かう先は校舎裏。

    私を囲んで輪になった。

    「あんた、うざいんだけど」

    「・・・・・」

    「だまってんじゃねぇよ」

    「かわいくないくせに。ぶーす!」

    黙っていればいい。だけど、

    いわずにはいられなかった。

    「あんたたちよりはかわいい。
     自分の顔よく見たら?」

    「はぁ!?」

    だって、本当のことだもん・・・。

    いつもそう。私は反撃してそのあと・・。

    「調子にのんなよ」

    そういい捨てられて取り残される。

    「ふぅ・・・」

    私は一息ついてから空を見上げた。

    空は、こんなにも広いのに、

    どうして私はここに閉じ込められているの?

    ここから抜け出したい。

    こんなつまらない世界から。

    「だれだ・・・・!?」

    後ろから声がした。
  • 4 ティー id:kaXjkd2.

    2011-05-17(火) 06:41:36 [削除依頼]
    男子が1人、たっていた。

    手に、ゴミ箱を持って。

    その男子はとても有名な潮崎明だった。

    サッカー部の部長で、カッコいいと噂される。

    潮崎は私をまじまじとみつめていた。

    そんなに面白いかな。私の格好。

    ぼさぼさになった髪、

    泥だらけの制服。

    顔は爪で引っかかれた傷。

    そして、地面に座って空をみていた。

    ああ、おかしい。

    潮崎は近づいてしゃがみこんだ。

    手をあげた瞬間目をつぶってしまった。

    大抵は、このあとは痛みが走るから・・。

    でも、痛くなかった。

    その手は私の頭についてた

    破れた教科書の紙切れを払っていた。

    「えっと、湊?梓・・ちゃん?」

    潮崎は破れていた教科書に書かれた名前を

    探し当てた。私をみて確認する。

    静かにうなずいた。

    「そっか。何してたの?」

    私は俯く。いじめにあってました

    なーんて、口がさけてもいえない。

    多分、一目瞭然でわかられてるけど・・・。

    「ちょっと、転んだ」

    「うそつけ」

    潮崎は私の頭をくしゃっとした。

    「あんま、無理すんな?」

    そういうと、本来の目的であった

    ごみすてを済ませていなくなった。

    あんな人もいるんだ。

    私を助けてくれる人。

    私は空を見上げた。

    頭には、まだ触れられた感触が残っている・・。
  • 5 ティー id:x16Dftl1

    2011-05-18(水) 06:20:06 [削除依頼]
    「うわ、戻ってきた」

    「帰れよ。ばーか」

    いつもの罵声。だけど、今日は聞き流して席に付く。

    落書きだらけの机をまじまじと眺めるだけの休み時間。

    先生が入ってきた。

    「授業を始めます。・・・って、湊さん、
     あなたそんな教科書で授業を受けるの?」

    みんなが笑う。先生は一番の加害者だ。

    大人なのに、子供のいじめに加担する・・。

    最低だと思う。どの大人たちよりもずっと。

    でも、私は言い返せない。

    強がって、文句はいうけど、みんなの前ではいえない。

    そんな小心者だからいけないんだ・・・。

    「え?なに?センセーまで一緒になってんの?」

    思いも寄らぬところからの返事。

    みんなが一斉に廊下を見る。

    「潮崎・・明?」

    わたしは呟いた。みんなが一斉に叫ぶ。

    「きゃー!!明くんよー!!!」

    「かっこいいー!」

    女子の声。

    「かっこいい奴は帰れよ〜!!」

    「ちょっとかっこいいからって」

    これ、男子の声。

    「あのさ、ちょっと黙ってくんね?
     平気でいじめしてる奴に話しなんてないから」

    押し黙る。自覚はあるんだね。

    潮崎は私に近寄ってきた。みんながざわつく。

    私は顔を上げた。

    「まーた、空でもみてんの?」

    「え・・いや」

    私をぐっと立ち上がらせて、潮崎はいった。

    「今度湊いじめてみろ。
     ただじゃすまさねぇから」

    なに?なんで?そんな声が聞こえる。教室中から・・。

    最後に、潮崎は先生の前に来た。

    「大人で教師のあんたが加わるなんて、
     人間のクズですね。山城先生」

    担任、山城晶子はうろたえた。

    まさかね。生徒に言われるとは思わなかったよね。

    しかも、人気のある生徒にさ・・。

    「じゃな!湊。また放課後」

    そういって教室を出たあとに、

    私を一斉に睨む視線が・・。

    こうなるから、あんまりああいうことはしてほしくない。

    みんながいいこになるのは、一時の間だけ。

    「梓、ちょっと来て」

    ホラ、また始まった。
  • 6 ティー id:NF8wweh/

    2011-05-21(土) 19:50:19 [削除依頼]
    誰かが助けてくれるとさ、

    かならずこういうことに陥る。

    「あんた、潮崎とどーいう関係?」

    「どーもこーも、会ったばっかり。知らない人」

    「嘘。名前呼んでたじゃん」

    「あんたたちが破いた教科書をみられたの」

    「は?破られたんじゃくて、破れたんだろ?」

    つい、変な風に反撃するから失敗する。

    本当のこと、何一つ言えない。

    「・・・きゃ!」

    頭から水をかけられた。定番っちゃ定番。お約束・・。

    でも、そんな定番でも、結構傷付く。

    私は水をきるように頭をふる。犬みたいに。

    その状況をみんなが笑う。

    真ん中で笑う少女をみつけた。

    それは、私の敵であり、

    かつての親友である、

    小折千夏だった。
  • 7 ティー id:NF8wweh/

    2011-05-21(土) 19:52:23 [削除依頼]
    私と千夏は仲良しだった。

    千夏が私にべったりくっついていた。

    私たちは屋上で話すのが好きだった。

    お弁当もここで食べ、話もここでする。

    サボタージュだって、お手の物・・。

    2人でいれば楽しかった。

    でも、ある日のこと・・。

    それは突然やってきた。

    『裏切り者』

    千夏の視線が、きつく、冷たくなったのは・・。
  • 8 ティー id:NF8wweh/

    2011-05-21(土) 19:58:13 [削除依頼]
    「ねぇ、梓。お昼先にいってるね?」

    「うん。了解」

    私たちはクラスが違っていた。

    だから時間も会あわない。だけど、

    いつも千夏がまっていてくれる。

    私は軽やかに階段を駆け上って屋上にいく。

    扉を開けると、いつもとは違う光景を目にした。

    「ち・・・なつ?」

    「梓・・」

    千夏がびっくりして手から物をおとす。

    それは複数あった。色んな形をして、

    中からお札が飛び出ている物体。

    「その財布・・・みんなのじゃん」

    私は恐る恐る千夏にいった。

    千夏はにっこり笑った。

    「あとで返すの♪これでカラオケいこーよ!」

    私は思わず、千夏の頬をたたいた。

    反射的に手がでてしまった。

    「あ、ごめん・・」

    「ひどい、梓は友達じゃないの?」

    「でも、こんなの泥棒だよ?犯罪だよ!
     今から謝ろう?一緒に行くから」

    私が説得しようとしたとき、急に千夏は俯いた。

    「千夏?大丈夫?」

    「裏切り者・・」

    え・・・?

    う  ら  ぎ  り  も  の  ?

    どーして?違うよ。

    私は千夏のためを思って注意しただけなのに・・。

    それからはなんとなく、お互い話さなくなった。
  • 9 ティー id:NF8wweh/

    2011-05-21(土) 20:04:46 [削除依頼]
    1ヶ月が過ぎた。

    千夏は相変わらず続けていた。

    きまって、月曜日の昼休みに・・・。

    私は何度か注意した。聞いてもらえなくても。

    しばらく後のことだった。

    「ね、梓ちゃん、一緒にはなそ?」

    「うん」

    私は話したこともない子に話しかけられた。

    ずっと千夏といたから、千夏以外に友達はいない。

    そんな私もずいぶん変わり者。

    そんなことを思いながら私は後を追った。

    彼女たちが歩きながら話す。

    「最近さぁ、財布ないんだよね」

    「え・・・?なくし・・たの?」

    「いーや。財布のある場所は分るんだけど、
     中身がね、ないの」

    心臓に何かが突き刺さる。

    きっと千夏だ。ばれてる・・。

    「梓ちゃんが必死になってるの、みたよ。
     偉いよね。がんばってたもん」

    「どーいうこと?」

    「全部小折が悪いもんね?」

    「ま、まって!千夏は・・っ」

    「あいつに、制裁を与えなくちゃ」

    段々と屋上に近づいているのに気付く。

    だめ。今日は月曜日じゃない。

    そこでは、千夏が・・・!!!

    ガチャ―

    「罪には罰を・・・ってね」

    「千夏!!!!」
  • 10 ティー id:NF8wweh/

    2011-05-21(土) 20:08:17 [削除依頼]
    「どーしたの?みんな」

    千夏は平気そうな顔をしていった。

    周りには財布がなく、1人で座っていた。

    「てめぇ、ウチラの財布、だせよ」

    「え?」

    「とぼけんなよ。金とってんだろ!?」

    千夏は私のほうをみた。

    「喋ったの・・?」

    「違うよ、千夏・・」

    「そやって聞くってことは、
     盗ったんだろ!?」

    「梓ちゃん、いってて?」

    「でも、千夏が・・」

    「いーから」

    中でも一番偉そうな子が2人ほどに合図する。

    2人は私の腕をつかんで押し出した。

    その時、ちらっと見えた。

    千夏がいじめられる瞬間を。

    そして、

    千夏の冷え切った、

    失望に満ちている目を・・・。
  • 11 ティー id:NF8wweh/

    2011-05-21(土) 20:13:47 [削除依頼]
    その日から千夏の噂が学校中に広まった。

    千夏が廊下を歩くたびに、

    先輩、後輩関係なく罵声が飛んでくる。

    中傷的な言葉と、痛々しい暴力の数々。

    「もう、やめてよ!!」

    私はいつも止めに入った。

    「こんなことしても何も解決しないよ!
     ね?みんな、やめよう」

    「そーでもしねーと
     おさまんない」

    「そーそー」

    皆はやめなかった。

    千夏は泣きながら謝っていた。

    ごめんなさい、ごめんなさいって。

    どんどん塞ぎこむ千夏。

    どんどんエスカレートするいじめ。

    そして、それを楽しむ学校。

    私だけは友達でいた。

    自分の失敗に気付いてほしかったから・・。

    卒業するまでその日常的ないじめはおわらなかった。

    千夏と同じ高校を受験した。

    千夏を、見守るために・・・。

    次第に千夏は元気になって、

    高校生活を向かえた。
  • 12 ティー id:a.iT.hh/

    2011-05-22(日) 06:51:19 [削除依頼]
    高校に入ってすぐに、

    私への復習が始まった。

    千夏はあの時のことを私のせいだと思ってる。

    私が告げ口したって・・・。

    同じクラスになって、どんどん友達を増やす千夏。

    もうすっかりよくなったとしか思わなかった。

    でもその光景が、私への復習の為の準備だとは思ってなかった。

    「梓〜。ちょっといい?」

    いつもの言葉。これで何回目だか・・。

    水をかけられて今までのことが蘇る。

    千夏は、人の痛みがわかるはずなのに、

    自分が嫌な思いをしてまでしたかったのはこれなの?

    自分の千夏に対する同情が、くだらないと思えた。

    それでも、今のクラスメートに、

    千夏の過去をばらしてはいけない。

    どんなに辛くたって、

    あのことだけはいっちゃいけないんだ。

    決めたの。

    見守ろうって。いつか分ってくれるまで。
  • 13 ティー id:a.iT.hh/

    2011-05-22(日) 06:58:59 [削除依頼]
    「千夏・・」

    私は久しぶりに千夏に声をかけた。

    放課後の教室。

    誰もいない空間に、千夏は1人、残っていた。

    携帯をいじる千夏。

    「ねぇ、わかって。あれはあたしじゃない。
     あたしは千夏のためを思って忠告したよ?」

    「・・・・・・・」

    「ねぇ、千夏・・」

    「うるさいな!余計なお世話!
     何が忠告!?笑わせないで、偽善者!!」

    私は我慢できなくて、近づいた。

    バシッ―

    私は千夏の頬をたたく。

    あのときよりも、強く・・・。

    「った・・。っなにすんの!?」

    「・・ょ」

    俯いていた私は顔を上げて千夏をみた。

    「わかれよ。どんな理由があろうと、
     自分が辛かったのを
     人に繰り返しちゃいけないんだ」

    「は?なに?助かりたいって思ってる?」

    「千夏は人の痛みがわかんないの!?」

    きこうとしない千夏。

    怒りで満ち溢れる私。

    教室は不穏な空気が流れていた。
  • 14 ティー id:a.iT.hh/

    2011-05-22(日) 07:02:11 [削除依頼]
    「気付いて。自分の罪に。
     今ならやり直せる」

    「なんのこと!?」

    「覚えてないの!?覚えてるよね?
     3年のときのことだよ」

    「・・うるさい!」

    「あれは千夏が悪いの。
     ちゃんと謝れば許してくれたのに」

    「うるさい!!!」

    ゴツ―

    あれ?くらくらする。

    視界がぼやけた。

    千夏のことが見えない。

    誰か・・。

    ここはどこ?

    私は何をしてるの?

    はっきりと聞こえた言葉がある。

    『梓が悪いんだ』

    親友の少女の声で・・・。
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