青空マージナル -澪標町妖奇話-3コメント

1 斑鳩 花鳥 id:BkL8gbe1

2011-05-16(月) 21:40:49 [削除依頼]
 澪標の町は、今も昔も違いなく、妖<あやかし>に好かれた町でありました。足利が世を治めていた時分より、此の土地の妖は人を好み、また、人も良き妖を快く迎え入れ、共に暮らしておりました。しかし時の流れというものは残酷なものでして、西洋の文化に染め上げられ、人は次第に妖を忘れてゆきました。忘れられた妖は、嘆き悲しみまして、野へと山へと潜み、人と出会ってしまわぬように呪<まじな>いをかけました。それでも妖というものは健気なものでありまして、澪標の町にたくさんの贈り物をしてゆきました。それは流行り病が広がらぬ呪いであったり、稲が豊かに実る呪いであったりしました。妖はどこまでも、人というものが好きでありまして、呪いに気が付いた誰か一人にでも覚えていて欲しかったのかもしれません。
  • 2 斑鳩 花鳥 id:BkL8gbe1

    2011-05-16(月) 22:01:01 [削除依頼]
     夕暮れは町の空を薄紫に染めあげ、烏は鳴いて巣に戻り、少年は赤い郵便ポストの前に立っていました。少年はどこにでも居そうな、ありふれた、しかし少しばかり整った顔つきをしていました。
     生まれたのも育ったのもこの町で、少年は町のことを誰よりも知っている人でした。町の起源は遡ること平安にまで辿り着き、それは古い古い町でした。町の名前は澪標といい、オカルトマニアなどおかしな趣味をした輩や、そういった学問を学ぶ学者にはそこそこ名の知れた名前でした。少年はそんな人たちの誰よりも澪標町を知っていました。澪標の秘密を、知っていました。
     少年は名を如月緋鷺<きさらぎ ひさぎ>といいます。緋鷺はおもむろに右足を前に出し、五歩進みました。それから左に二歩、後ろに十何歩、と幾度かそういった動作を繰り返しました。そうすると、緋鷺はある電柱と塀の間の空間の真ん前に辿り着きました。緋鷺はひょい、とその小さな隙間を通り抜けました。するとどうでしょう、緋鷺の周りの景色が一転、夕暮れの静かな住宅街から、騒がしい何処やらの商店街へと変わりました。
     少年は町の秘密を知っています。妖が遺した贈り物についても、誰よりも詳しく知っていました。
  • 3 斑鳩 花鳥 id:BkL8gbe1

    2011-05-16(月) 22:03:29 [削除依頼]
    序って入れ忘れた。 第序話→>>2
コメントを投稿する
名前必須

投稿内容必須

残り文字

投稿前の確認事項
  • 掲示板ガイドを守っていますか?
  • 個人特定できるような内容ではありませんか?
  • 他人を不快にさせる内容ではありませんか?

このスレッドの更新通知を受け取ろう!

ログインしてお気に入りに登録すると、
このスレッドの更新通知が受け取れます。

お気に入り更新履歴設定

お気に入りはありません

閲覧履歴

  • 最近見たスレッドはありません

キャスフィへのご意見・ご感想

貴重なご意見
ありがとうございました!

今後ともキャスフィを
よろしくお願い申し上げます。

※こちらから削除依頼は受け付けておりません。ご了承ください。もし依頼された場合、こちらからの削除対応はいたしかねます。
※また大変恐縮ではございますが、個々のご意見にお返事できないことを予めご了承ください。

ログイン

会員登録するとお気に入りに登録したスレッドの更新通知をメールで受け取ることができます。

お気に入り更新履歴設定

お気に入りはありません
閲覧履歴
  • 最近見たスレッドはありません