ヴェルレール城の双子姫12コメント

1 柚吏 id:KRQ/fhd.

2011-05-14(土) 10:52:51 [削除依頼]
約400年前から栄えてきた国、ヴェルレール。
そこは、国民全員が「フェルス」と呼ばれる魔法を使うことが出来る国だった。
今は、何代目とも知れぬ王、ディグスとその妃エイラが国を治めている。
当然その二人には子供がいた。
双子の姫が…。
姉の名はシェレル。鮮やかな色彩の服を好み、いつもピンクやオレンジのドレスを着ているが、少しばかり頭が悪く、世間知らずだ。
妹の名はシェレヌ。シックな色彩のドレスを好み、常に身に着けている。
無口で無愛想だが、頭が良い。
この二人は俗にこう呼ばれていた。
「ヴェルレール城の双子姫」と…。
  • 2 柚吏 id:KRQ/fhd.

    2011-05-14(土) 14:27:18 [削除依頼]
    ヴェルレール城大広間。今は双子姫17歳の誕生日と言う事で、国民の約3分の2がここに集まっていた。
    皆着慣れないドレスを身に纏い、今日の日の為に練習したダンスを、足がもつれないようにしながら踊っている。
    「シェレル様、シェレヌ様。如何なさいましたか?」
    一人の見知らぬ男が、二人に声をかけた。
    「いえ、何でも御座いませんわ。其れより一曲いかが?」
    シェレルが笑顔で答える。
    「姫様直々に誘って頂けるとはなんたる幸せ。では、お手を。」
    「ええ。…また後でねシェレヌ。」
    シェレルは軽く手を振って行ってしまった。
  • 3 柚吏 id:Jum2.gl1

    2011-05-15(日) 10:42:35 [削除依頼]
    シェレヌはシェレルの去った後を暫くの間眺めていた。
    やがてスクリと立ち上がり、何を思ったかどこかに歩いていってしまった。
    大広間の中には、比較的スローテンポな曲が流されていた。
    妃エイラのフェルスによって産み出される音は、
    どんな最新のスピーカーよりも美しいと評判だ。
    高等なフェルスの為か、王と血縁関係のある者にしか使用できないのだ。
    「お母様…。」
    シェレヌはふと立ち止まり、呟いた。そしてシェレルを見ると、また呟いた。
    「お姉様も…、何も感じていらっしゃらないのね…。」
    思わず身震いしてしまうほどの恐ろしい視線。
    其れに気づいたのは、シェレヌだけだった。
  • 4 柚吏 id:5K.YeoM/

    2011-06-11(土) 21:07:51 [削除依頼]
    やがて誕生会はお開きとなり、大広間には王族だけが残された。
    「おめでとう。シェレル、シェレヌ。お前達が17歳になったとは今もまだ信じら
    れん。」
    「有難う御座います。お父様。」
    シェレヌが跪く。
    「無事この日を迎えられたのを、嬉しく思います。」
    エイラに言われると、今度はシェレルが跪いた。
    「しかし、お前達に1つ、言わなければならない事がある。
    お前達に、試練を課す。試練はここ1300年程廃止されておったが、今回復活さ
    せる事となった。試練の名は死の試練。1年間旅に出て、城に死なずに帰ってこれ
    たら合格だ。いいか?お前達には1晩の猶予をやる。その間に決めておけ。いいえ
    と言ったら、お前達を処刑する。明日の明朝6時に王室に来い。」
    「分かりました。」
    二人はそう返事すると、寝室に帰っていった。
    「いいのですか?愛娘を二人、失うのかも知れないのですよ?」
    「そんな暗いことを言うな。今は二人の成功を祈ろう。」
    「…、そうですね。」
    エイラがそう言うと、ディグスは、ハハッと笑い、二人で大広間を出て行った。
    誰もいなくなった大広間では、大勢の魔物で溢れ返っていた。
  • 5 柚吏 id:qEy7D7u/

    2011-06-12(日) 14:01:33 [削除依頼]
    「どうしようか…シェレヌ…」
    「お姉様…。答えは決まっていますわ。試練に立ち向かうべきなのです。
    お父様だって…」
    「お父様お父様って、シェレヌはいつもそう!そんなにお父様に尽くしたいの!?
    あなただって、やりたい事はたくさんあるはずでしょう!!恋愛だって何だってしたいでしょう!?」
    「色恋に現を抜かすなんて、破廉恥な!もう少しお姉様は国の事を考えたらいいんじゃないかしら!?」
    あの通達を受けてから、早二時間。何の進歩も無く、頭を冷やしては言い争う、と言うのが続いていた。
    「そんな事は言っていないでしょう!?只の例として出したのよ!?それじゃあまるで私が色恋に現を
    抜かしているような言い方じゃない!!」
    シェレヌはハッと我に帰り、シェレルに言った。
    「目の前に鬱積した問題を片付けましょう…お姉様。」
    「ええ、そうね。」
    そして二人は、また何度か同じ事を繰り返し、一つの結論に達したのだった。


            朝6時


    「お父様。」
    「二人とも腹は決まったか?」
    「はい。」
    「ならば結論を述べよ。」
    王室に、暫しの静寂が現れる。その後、口を開いたのは、シェレヌだった。
    「私達は、ヴェルレール一族の品格と名を守るため、死の試練に挑戦すると決めました。」
    「国王ディグス。私と、妹シェレヌに、旅の承認を。」
    「分かった。エイラ。あれを持ってこい。」
    「御意に。」
    そう言われるとエイラはしずしずと部屋の奥へ引っ込んでいき、やがて戻って来た。
    「この黒いバッグがシェレヌ、ピンクの方がシェレルのだ。そしてこの服が庶民服だ。
    色はバッグと同じだからな。一人分の持ち金は7500レル。足りなくなったら自分で稼ぐか盗むかしろ。
    良いな?」
    「分かり…ました。」
    「よしいい子だ。朝食を済ましたらすぐに出発だ。分かったな?朝食まで少し時間があるから、
    その間に準備を済ませておけ。良いな?では解散だ。」
    ディグスがそう言うと、二人は部屋に戻っていった。
  • 6 なぎちゃん id:q.iZy3v1

    2011-06-18(土) 13:13:10 [削除依頼]
    どうも。
    同じ中学・・・、と言ったらわかるかな?
    私はこの小説すごく好きです!
    とくにシェレヌが・・・
    続き楽しみにしてるね★
  • 7 柚吏 id:2E7Qkef.

    2011-06-18(土) 17:55:29 [削除依頼]
    あざーっすなぎちゃん!すまん停滞気味で。インスピレーションが湧かんのだ。
    良いよね。シェレヌ。←(オイ)
    あ、良い機会だから紹介しとくね。他の小説。
    1.ヴァンパイアってなんですか。
    2.ボクたちのつくるウタ
    でわ、次のレスから更新再会で!
  • 8 なぎちゃん id:fz.HIst0

    2011-07-12(火) 20:51:50 [削除依頼]
    柚吏〜!!
    はやく続きが見たいよ〜
  • 9 柚吏 id:Htbl2/k1

    2011-08-18(木) 11:49:10 [削除依頼]
    なぎちゃん
    マジごめん…。
    漸く更新出来るぜ…。
    この後残りの2本も書いて来るよ…。

    二人は部屋に戻ると、準備を始めた。
    「シェレヌ、貴女は何を持って行くの?」
    「私は、お父様とお母様の写真と、今まで貯めたお金、あと、ソーイングセット
    ですの。お姉様は?」
    「まだ決まってないから聞いたんじゃない。」
    当然の様に言い放つシェレルに呆れながら、シェレヌは準備を始めた。
    準備が終わるとすぐ、誰かが二人を呼びに来た。
    「シェレル様、シェレヌ様、
    朝食の準備が整いましたので食堂にお越し下さい。」
    「分かったわ。下がって。」
    「は。」
    二人が言われた通りに食堂に向かう最中、シェレヌはある事に気付いた。
    「お姉様、使い魔の数が多くはありませんか?」
    「そうかしら?」
    ヴェルレールの国には、様々な生物がいる。
    吸血鬼、悪魔、魔女など…、使い魔も、その中の1種だ。
    ヴェルレールには15000の使い魔がいると言われるが、その中の
    7000はこの城にいる。
    「ええ…、心無しか、悪魔もいる様な気がするわ。」
    「魔の力は感じられないけど…。」
    「私にも良く解りませんの。」
    良くわからないこの城を、もうすぐ二人は離れる事になると言う事、
    それがどんなに運の良い事か、もうすぐ二人は学ぶ事となる。
  • 10 なぎちゃん id:MK40K3a0

    2011-08-21(日) 20:05:00 [削除依頼]
    柚吏!
    わ〜久しぶりの更新待ってたぜー☆
    がんばってね☆
  • 11 柚吏 id:PTmGdTy/

    2012-01-21(土) 10:36:48 [削除依頼]
    食堂で、シェレルとシェレヌは城での最後の食事を楽しんでいた。
    蜂蜜や、フワフワのパン。
    チョコレート、良い香りのする紅茶。
    その一つ一つをしっかりと味わった。
    二人が食事を終えた後、ディグスがやって来た。
    「終わったか。」
    「ええ。」
    無情に、事務的に。
    姫と王との会話は、短く淡々とこなされた。
    「では、行くが良い。二人の旅に幸運を。」
    「有難う御座います。それでは、行って参ります。」
    シェレルとシェレヌは立ち上がり、城の扉を開けた。
    いまから、試練の始まりだ。
  • 12 柚吏 id:PTmGdTy/

    2012-01-21(土) 10:49:02 [削除依頼]
    庶民的な服に身を包んだとしても、二人の存在は少しずつ気付かれていった。
    好奇の目が二人に集まる。
    町のはずれまできたとき、一人の青年に声をかけられた。
    「シェレル様…?僕です。舞踏会で一緒に踊った…。」
    「ああ、貴方ね?あのときはとても楽しかったわ。有り難う。」
    「どうしてそのようなお姿で…ここに?」
    青年が尋ねると、シェレルは答えた。
    「ええ…王族の事情でね…。そうよ!貴方、この度に同行して下さらない?」
    シェレルが提案すると、シェレヌが口を挟んだ。
    「駄目よ!お姉様!この旅にはただでさえ危険がつきまとうの。
    それに一般の方を巻き込むの??」
    シェレヌの意見に青年が答えた。
    「大丈夫ですよ。僕、フェルスがかなり強力です。
    それに、女性が二人で旅するより、男が一緒にいた方が安全でしょう?」
    「ええ…それは…そうですがしかし…」
    「なら、良いではありませんか?姫。」
    「では、決まりですわね。」
    こうして、男が一人旅に同行する事になった。
    男の名は、ウェリア。
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