●一番近くて、一番遠い●35コメント

1 ふーな id:7xhwadr0

2011-05-14(土) 09:58:41 [削除依頼]

私は、世の中の恋する乙女が、
――人一倍うらやましい
  • 16 ふーな id:ToaOIyg.

    2011-05-17(火) 20:11:39 [削除依頼]

    「か、奏斗っ!??」

    なんだかんだいって、もう5年くらい会ってない。
    それでもわかるのは、奏斗のオーラがあまりにも変わっていないからだろう。

    「久しぶりだな、遥香」

    昔と同じように、ぶっきらぼうで、雰囲気が大人びている。
    めったに怒鳴ったり、怒ったりすることもなく、いつも冷静だった。
    冷たいとかじゃない。かといって、優しいとかでもない。
    たまに優しかった。ふとした時に、優しくしてくれる。

    私は、そんな奏斗が好きだった。

    だけど、小5の時に何も言わずに行ってしまった。
    イギリスへ……。
    私とそうと奏斗は約束していた。
    『いつか、一緒にイギリスへ行こう』と。
    なぜイギリスなのか、それには深いわけがある。

    そうの母親が、イギリスへ逃げてしまったからだ。
    だから、みんなでそうの母親にいつか会おうと、そういう意味でイギリスにした。
    けど、奏斗は先に行ってしまった。
    裏切られた気分だった。

    それに、奏斗は私が初めて恋心を抱いた人だった。
    いや、気付いたのが先だったと言った方がいい。
    だって、きっと私は奏斗とそうのことを、同時進行で好きだったと思うから。

    「遥香、駿太はどこにいるんだ?」
    「あぁ、女子に騒がれてる」
    「……駿太が? あいつ、いつのまに……」
    「そうは、中学の時、すごい陸上選手だったの」

    私は、そうのことを奏斗に話した。
    全ての学校を断って、陸上部の無いこの学校に来たことも……。
    私は、どちらかとうと奏斗の方がわかっていないことが多い。
    そうのことは、わかりすぎているのだ。

    「なるほど。あいつ、知ってたんだよ」
    「何を?」
    「俺が、この学校に来ること」
    「へっ!? 何で??」
    「電話で、話したし」
    「でんわぁ!? 何それ!? 私、聞いてないっ!!」

    奏斗は、困った表情で笑った。

    「お前、女子だし。親に勘違いされちゃ、困るだろ??」
    「うっ……まぁ……」

    私には、兄弟がいない。
    そのせいか、私に近づく男子がいると、彼氏かと追及してくる(そう以外)。
    だから、私は奏斗に言ってあった。
    親のいるところで、私に近づかないで。
    今思えば、子供ながらに辛らつな言葉だったと思う。
  • 17 ふーな id:90nCA/40

    2011-05-18(水) 18:44:12 [削除依頼]

    「お前、まったく変わってねぇな」

    奏斗が、笑みをこぼす。

    「ちょっと、それ良い意味なわけ?」

    低い声で、私が言う。
    奏斗は、本当に可笑しそうに笑った。

    「当たり前だろ」

    真面目な顔で奏斗が言って、その顔をもっと見たいと思った時だった。

    「お前ら、逃げろッ!!」

    声がして、奏斗が私の手を取り走り出す。
    春の風は、どれだけ走っても熱を奪い去ってくれる。
    走るのは心地よかったけど、なぜ逃げるのか訳がわからない。

    「奏斗、何で逃げてんの?」
    「駿太が、女子を連れてきやがった」

    後ろを振り向く。
    女子に追われている駿太が、私の顔を見てニッと笑った。
    私もニッと笑みを返す、そんなことはしなくて、無視した。
    無視した後のあいつの顔は想像がつく。
    なんか、笑えてくる具合に。

    でも、今はそんなことより、奏斗に握られている手が、すごく熱かった。
    ドキドキして、呼吸もできないくらいに。

    私はまだ、奏斗に恋をしているらしい。
    やっぱり、奏斗のことを、そうみたいにあだ名で呼ばなくなった日のこと、奏斗も私達をあだ名で呼ばなくなった日のことが、関係しているのかもしれない。
    それが、そうより真っ先に奏斗への恋心に気付いた理由で、私達に何も言わずに、奏斗が行ってしまった理由かもしれない。

    ――私達はまだ、あの日のことを気にしてる
  • 18 チー id:MzW7p49/

    2011-05-19(木) 12:59:02 [削除依頼]
    幼なじみ2人に恋っすかぁwww
    恋ができるって羨ましい(・ω・;
  • 19 ふーな id:WpQDh6G1

    2011-05-19(木) 16:44:05 [削除依頼]
    >18チーさん コメントありがとうございます^^♪ 幼馴染2人に恋ですwww たらしです← 恋ができるって、うらやましいですか?? いやぁ、照れますね(殴
  • 20 チー id:MzW7p49/

    2011-05-19(木) 16:48:35 [削除依頼]
    チーでいいよ☆w
    只今恋に恋してるチーです(・A・;←
  • 21 ふーな id:WpQDh6G1

    2011-05-19(木) 16:57:07 [削除依頼]

    「はぁっ、はぁっ……」

    必死で走って、のどが痛くなった。
    もうすぐ入学式が始まってしまうのに、私達は体育館の裏で身動きが取れずにいた。
    原因は、隣にいるコイツ。

    「痛っ!! ちょっ、はる何すんだよっ!!」
    「黙ってろ。あんたのせいでこうなったんだから。
     もう一発蹴っていい??」
    「遠慮しときます」

    私はもう一発蹴った。

    「痛っ!! ちょっ、今度は何だよ!?」
    「私に内緒で、奏斗と電話してた。私もしたかった」
    「それは奏斗に言ってくれよ」

    私はそうを睨む。

    「人のせいにすんなっ!!」
    「しっ」

    奏斗が、私の口を手で押さえてくる。
    傍から見れば、抱きしめられているように見えるだろう。
    でも、そんなロマンチックなものじゃない。

    「んーんんんー!!(離せ!! 離せ!!)」

    足は、奏斗のすねめがけて行ったり来たりしている。
    でも、奏斗のすねには届かない。

    「奏斗ー、離してやれよー。俺が悪かったよー」

    そうは、のほほんとそう言った。
    絶対反省してない顔だ。

    「んんんんん、んんんんん!!(もとはといえば、あんたのせいでこうなってんだからね!!)」

    チャイムが鳴った。
    入学式が始まる音だ。

    私が走りだそうとした時より一瞬早く、2人ともダッシュしていた。

    「ちょっ、ふざけんなーっ!!」

    慌てて後を追う。
    市立浜岡高等学校、入学式がいよいよ始まる。
  • 22 ふーな id:WpQDh6G1

    2011-05-19(木) 16:59:53 [削除依頼]
    >20チーさん じゃあ、チーって呼びますね^^♪ チーも、ウチのことはふーなでいいよ★ タメでいいし。 チーも恋してるんですかっ!! ウチも恋してますっ!! もう、ドキドキです♥
  • 23 ふーな id:WpQDh6G1

    2011-05-19(木) 17:26:28 [削除依頼]

    3 入学式

    「春になり、私達は高校生になりました――」

    長い校長先生のあいさつが終わったと思ったら、今度は新入生代表のあいさつか。
    気付かれないように、ため息をつく。

    私は、何か『式』と名のつくものは昔から嫌いだった。
    いつだって、誰かのあいさつがいくつも続いて、長いし、だるい。
    もっときっぱり完結にできないのか、って思う。

    でも、無理でしょ。
    世の中、のろまばっかりなんだから。
    その中で見つけた、のろまじゃない2人。
    私は今、その二人に挟まれている。

    入学式の席順は、自由席だった。
    丁度3つ席が空いていて、なぜか私は2人に挟まれるようになってしまった。

    「遥香、退屈してないか?」
    「してる」
    「はる、何か食うか?」
    「何もないでしょ」

    やたらとちょっかいをかけてくる2人と完結に会話し、いよいよラストスパートに入った。
  • 24 ふーな id:WpQDh6G1

    2011-05-19(木) 19:35:54 [削除依頼]

    「新入生、授与式」

    この高校は珍しく、新入生の授与式がある。
    入学したばかりだから、主に中学の時の活躍だけど。

    「1年3組 夏風駿太」
    「はいっ!!」

    そうは勢いよく立ちあがり、前に向かってズンズン歩いていく。
    そうは、何で自分だけクラスが違うんだと不満を漏らしていた。
    でも、今、前に立っているそうには、そんな感じは微塵もなかった。
    堂々としていて、校長を見据えて、すごく頼もしく見えた。
    すごく、カッコよく見えた。

    「1年2組 春川奏斗」
    「はい」

    そうとは対照的に、透き通るような声で奏斗は返事をした。
    それよりも、奏斗が賞状を貰うなんて驚きだった。
    奏斗は一体、何をしたんだろう……。

    「1年3組 夏風駿太。あなたは、陸上で素晴らしい成績を収めたので……」

    長ったらしい授与の言葉。
    さっさとしろっつの。

    「1年2組 春川奏斗」

    奏斗だっ!!

    「あなたは、イギリス中学3年生の中で、一番良い成績を収めたので――」

    イギリス中学3年生の中で、一番良い成績を収めた??
    奏斗が?

    どうすればいいのかわからなかった。
    私と2人の間には、とてつもない壁がある。
    そんな2人と幼馴染なんて、私はどうすればいいんだろう……。
  • 25 チー id:FbEC47R1

    2011-05-20(金) 19:44:39 [削除依頼]
    うわっ
    巨大な壁がっwww
    チー、頭ks悪いwww
  • 26 まゆゆん id:3jYFZ4M/

    2011-05-20(金) 23:26:10 [削除依頼]
  • 27 ふーな id:/ZowdYb0

    2011-05-21(土) 07:55:04 [削除依頼]
    >25チー そうそう、巨大な壁ーっ!!! えぇっ、頭悪いなんてことないよー(>_<) ウチの方が、頭ks悪いよ!! >26まゆゆんさん .って何ですか?? 荒らしなら、やめてくださいますか??
  • 28 ふーな id:/ZowdYb0

    2011-05-21(土) 08:08:21 [削除依頼]

    「いやー、見ろよ。この、俺様の賞状っ!!
     キラキラしてね?? ピカピカしてね??」

    ステージから戻ってきたと思ったら、そうはずっとこんな様子だった。

    「遥香、これやろうか??」

    奏斗は、私のことを気遣ってくれているのか、優しげな声でそう言う。

    「いっ、いいよっ!! それは、奏斗のだし」
    「あっ、じゃあ俺のやるよっ!!」
    「そうのキラキラした賞状は、もっといらない」

    そうは、明らかに不満な表情をした。
    そして、奏斗にすがる。

    「はるがひどいこと言うんだー」
    「お前が空気読めないからだ」

    奏斗の辛らつな一言が、そうに刺さる。
    私達は、ずっとこれでやってきた。

    ――その時だった

    「あっれー?? はるっちと駿太じゃね??」

    私とそうの背中が、ビクンと動く。
    この声は……

    「あーっ、やっぱそうじゃんっ!! ヤッホーッ!!」

    一生、聞くこともないと思ってたし、聞きたくなかった声……。

    「あれ、2人とも無視ー??」
    「菜々美、あれ……」

    この声も、知ってるよ……

    「あっ、春川奏斗……。てっめぇ!!」

    ただならぬ雰囲気に私は振り向く。
    片桐さんが、奏斗に向かってパンチを繰り出そうとしていた。

    それらはすべて、私とそうのせい――

    「やめてっ!!」

    私は奏斗の前に飛び出した。
    片桐さんは、そんなことにも気づかずに、私に向かってパンチをしようとする。

    もうダメっ――
  • 29 ふーな id:/ZowdYb0

    2011-05-21(土) 08:11:52 [削除依頼]
    登場人物3 片桐 菜々美 nanami katagiri ♀ 角田 沙菜 sana sumita ♀ 牧原 恵海 emi makihara ♀ 2は>14です♪
  • 30 華 id:/ZowdYb0

    2011-05-21(土) 10:52:51 [削除依頼]

    ドゴッという音がして、私は目を開けた。

    「いってぇな……」
    「そ、そうっ!?」

    私を守るように手を広げ、そこにはそうが立っていた。
    片桐さんは、明らかに動揺した顔を見せ、
    「ご、ごめん。春川奏斗にあてようとして……」
    と、言い訳を始めた。

    「片桐さ……」

    私の言葉を手で制し、そうは片桐さんと目線を合わせた。

    「知ってるよ」

    普段そうが出さないような優しい声だった。

    「お前らが、奏斗を恨んでるのは知ってるよ」

    片桐さんは、手で顔を覆った。
    体育館に残っている生徒達が、どうしたことかとざわつき始める。

    「うるさいわよっ!!!」

    牧原さんが一括を入れると、みんな逃げて行った。
    体育館に残ったのは、私達6人だけ……。

    「何で、何で戻ってきたんだよぉ!!!」

    片桐さんは泣き始めた。
    背中を震わせ、声を出さずに。

    「ごめん」

    一言、そうつぶやいた。
    私じゃなく、奏斗が。

    「奏斗……」

    私は奏斗を見た。
    唇をかみしめていた。

    奏斗は立ち上がり、体育館を飛び出した。

    「っ――奏斗っ!!」

    私も立ち上がり、追いかけようとした。
    けれど、腕を掴まれ、立ち止まってしまった。

    「はる、行くな」

    私をまっすぐ見るそうの目は、真剣だった。
  • 31 さくら id:U/sgsi5/

    2011-05-21(土) 11:21:52 [削除依頼]
     おぉ、いいですな
  • 32 ふーな id:/ZowdYb0

    2011-05-21(土) 11:26:39 [削除依頼]
    >31さくらさん いいですか?? ありがとうございます^^♪
  • 33 奏音 id:XPVidFt.

    2011-05-21(土) 11:43:31 [削除依頼]
    同じ名前だったので気になったので読んでみたのですが,

    3人になにがあったのか気になります><

    続きたのしみにしていますね^^
  • 34 ふーな id:/ZowdYb0

    2011-05-21(土) 11:48:21 [削除依頼]
    >33奏音さん ふうなって読むんですか?? 偶然ですねっ!! えっ、気になりますか!! 続き、頑張ります^^★
  • 35 a id:Wf3JRuP1

    2011-05-25(水) 22:07:45 [削除依頼]

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