恋の形、15コメント

ｷｬｽﾄ＊


▽工藤辰巳kudoutatumi


▽荒垣加奈aragakikana


　

?１


　　　　　風に乗る桜の花びらは、


　　　　　

　　　新しい制服に身を包み、
　　　私はなんとか中学生になった。


　　　緊張しながらくぐった門は、
　　　新しい生活のスタートラインに思えた。


　　　「加奈ー！きてきてー！！」


　　　遠くのほうから親友の室田香澄murotakasumiが
　　　私を呼ぶ。


　　　ピョンピョンしてる香澄の姿に
　　　思わず笑ってしまった。


　　　「なにー？」


　　　駆け足で香澄のとこに行く。
　　　そしたら香澄は白い大きな紙をみつめた。
　　　私もつられてみる。


　　　それはｸﾗｽが書いてある紙だった。
　　　いそいで、荒垣を探す。


　　　「荒垣...荒垣....あらがっ....」


　　　あった！荒垣っ！！
　　　そして室田も！！


　　　「やったぁ！！」


　　　即・香澄とハイタッチ！
　　　私と香澄は、三組で過ごすことになった。


　　　


　　　

　凄い読みやすくて
　いいですね(^ω^)★
　続き楽しみにしてますo

　_

▽


めろん　**様


初コメ！！
嬉しすぎてっ（涙）

読みやすいだなんてそんな....(*ﾉ∀`照)
照れるじゃないですかっ|柱|qω〃)ﾎﾟｯ

ありがとうございますありがとうございます！！


　ミルルン、
▽

?２


　　　隣の席の男の子、


　　　

　　　ﾄﾞｯｸﾝﾊﾞｯｸﾝﾄﾞｯｸﾝﾊﾞｯｸﾝ、
　　　私の胸では不思議な音を奏でていた。


　　　嗚呼、神様っ！
　　　なんで隣の男子はこんなｲｹﾒﾝなんでしょうか...？
　　　私の心臓はもつのでしょうか...？


　　　ほらっ、今だって.....
　　　ニッコリｽﾏｲﾙ発射中ですよ彼っ！
　　　しかもわた...私に向かって！！


　　　嗚呼、神様.....
　　　私はどうなってしまうのでしょうか....


　　　「名前、なんていうのっ？」


　　　うっひゃー！！！！


　　　先ほどのニッコリｽﾏｲﾙを発射し。
　　　優しい声で聞いてくる彼。


　　　私は緊張のあまり声が震える。


　　　「あ...荒垣加奈です.....」


　　　そんな私を彼は、


　　　「あはっ、声震えてるよっ？そんな緊張
　　　　しなくてもいいのにー！　」


　　　　と、ふんわり笑った。


　　　　これから不安でたまりません....（涙）


　　

　　　香澄の席は、窓際の一番前。
　　　結構離れちゃった。


　　　私の席は廊下側の一番後ろ。
　　　先生にばれないからﾗｯｷｰ！


　　　でも.....問題はお隣さん。
　　　私の隣の席.....工藤辰巳。


　　　彼のかっこよさは半端ない。


　　

　　　　　　　　　　＊


　　　「ありゃ駄目だわ。」


　　　小学校のときより多くなった給食を涙目ながら
　　　無理やり押し込み、待ちに待った昼休み。


　　　私と香澄は教室にいた。


　　　窓にもたれる私の髪がなびく。


　　　「ありゃ駄目だよね！香澄でも好きになっちゃう
　　　　でしょ！！　」


　　　″ありゃ″は、工藤辰巳を示す。
　　　″駄目″は、かっこよすぎを示す。


　　　って.....なに解説してんだか.....


　　　「あたしは好きになんかなんないよ！加奈じゃ
　　　　あるまいし！　」


　　　「え？！加奈じゃあるまいしってどーゆーこと
　　　　さ？！　」


　　　「加奈みたいに男好きじゃないよ〜ってｺﾄ〜　」


　　　はぃ〜？？？？？？？
　　　私男好きじゃないしっ。


　　　膨らませた頬を香澄がつぶした。


　　　『ﾌﾞぅぅぅ〜』


　　　って音が教室に響く。


　　　気づけば教室には私と香澄だけだった。


　　

　　　「ねえ香澄？」


　　　「なにさ加奈。」


　　　「...時がたつのははやいね。」


　　　時がたつのにはほんとはやくて、
　　　気がつけばもう中学生なんだ。


　　　「......」


　　　ﾁｸﾁｸと香澄の視線が突き刺さる。


　　　「なにっ？」


　　　「なにいってんの加奈？あんたしわしわの
　　　　お婆ちゃんがいうようなｺﾄ言って.....」


　　　うっ.....
　　　別にいいじゃないか......


　　　でも、たまに思うんだよ。
　　　この先はどうなっているのか。


　　　それは誰にも分からないかもしれない。
　　　それは誰か分かってるかもしれない。


　　　先が見えない人生の中で不安ながら生きている
　　　たまに不思議になるんだ.....


　　　″いいこといったー、私っ″


　　　一人で言って一人で納得している私。
　　　周りからみたら寂しい人間かな（涙）


　

?３


　　　　　とびきりｽﾏｲﾙ。


　　　　　　　

　　　「っでここはだなー...」


　　　２３....と、


　　　ﾉｰﾄに無数の正の字達。
　　　これは先生の″だなー″によって
　　　増えていく。


　　　そんな遊びに夢中の私は鬼教師ｺﾄ
　　　高山雄二先生の６時間目の授業なんか、ちっとも
　　　頭に入ってなんかいない。


　　　馬鹿なのにね。


　　　「なにこれ〜？」


　　　ひょこっと顔を覗かせ、私の落書きいっぱい
　　　ﾉｰﾄの正の字を差して、不思議そうに聞いたの
　　　は、辰巳君。


　　　そんな辰巳君に私は忙しく胸を躍らせる。


　

　　　「これは先生の口癖の数、なんだー...」


　　　「ﾊﾊっ！！高山センセーの？！
　　　　あっ、″だなー″だろ〜？　」


　　　「そうそう！それそれ！！」


　　　「やったぁ〜」


　　　″はいはい″と、満面の笑みを浮かべ、
　　　私に手のひらを向けてきた。


　　　......え？
　　　なにすれば....いいの？
　　　.....？


　　　悩みに悩んだ末私は―――...


　　　「えいっ」


　　　辰巳君の手のひらに向かってパーンチ！


　　　.......って。ありゃ？
　　　辰巳君が.....


　　　「アハハハハハ！！！」


　　　お腹を抱えて笑ってる。


　　　なんで？


　　

　　　「普通ここはハイターッチ！でしょ？」


　　　「あっ....ハイターッチ！ですか....////」


　　　嗚呼、恥ずかしい私っ///
　　　なに思い切ってパンチしちゃったんだか。


　　　辰巳君まだ、ｹﾗｹﾗ笑ってるし....////
　　　レディーの気持ちも少しは考えて....
　　　（誰がレディーだよっ！by作者）


　　　辰巳君があまりにも笑うものだから、
　　　私は頬を膨らます。


　　　ﾌﾟｸｰ、


　　　辰巳君笑いすぎ.....。


　　　それに気づいたのか辰巳君は、


　　　「あっ、ごめんね？笑いすぎちゃったっ。」


　　　目を片方閉じて、舌を出しながら謝ってきた。


　　　かっこいいとなんでも許せちゃうんだなぁ..
　　　ずるい男ー！


　　　ま、それで簡単に許しちゃう私も馬鹿だけど
　　　ね。


　　

　　　「そーいえばさ、荒垣さんは好きな人
　　　　いるのっ？」


　　　いきなりの質問に少し体を反らした。
　

　　　さっきまでｹﾗｹﾗ笑ってた辰巳君は今は
　　　もうすっかりすました顔。


　　　「いないって〜！！」


　　　そんな彼に私の声は見事に裏返った。


　　　また笑われる！
　　　そう思ったけど彼は気づいていないようだ。


　　　「へー、いないんだぁ？」


　　　「う、うん。辰也君は？」


　　　「俺？俺はね〜まだいないよ〜。」


　　　ま、まだいないんだ....


　　　辰巳君は、また呑気な顔してﾍﾗﾍﾗ笑った。