お題にそった小説賞開催! 会場50コメント

1 ‘‘理文” id:yTUMn0O1

2011-05-10(火) 19:50:13 [削除依頼]
ええ、理文主催のお題にそった小説賞開催!のコンテスト会場となります。
参加者の皆さんにお題をだし、それをテーマに短編小説を書いてもらうという企画です。

こちらでは参加者の募集を行っていません。

初回のテーマは「神」です。
見学者も歓迎します。全員の投稿が終わった際、一度解放しますので、コメントしたい小説にコメントしてもOKです。
  • 31 燎 id:UiI8cEL0

    2011-06-04(土) 22:53:23 [削除依頼]



     音よりも速く走りたかった。
     光よりも速く走りたかった。
     というか、神よりも速く走りたかった。
     でも、神よりも速くは走れないわけで。
    「聖太、ごめんよう。まさかあんなに上手に引っかかるとは思わなくてさ」
     ム.カつく。弁解の言葉がもうム.カつく。なにさ、「あんなに上手に引っかかるとは思わなくて」ってさ。引っ掛ける気満々じゃないか。というか神様だよな? 自分で神様って名乗ってるんだよな? なら、神様らしいことの一つくらい、してみたらいいさ。
    「遅刻……するから、話しかけんな」
     ぶっきらぼうに言ったつもりだった。
    「ごめんなさい、……ごめんなさい」
     一部の隙も与えないくらい冷たく、きっぱりと言い放っていれば、彼女は謝罪の言葉すら並べられないはずだ。
     もう一度。
    「ついて……来るな」
    「ごめんなさい。ゆる……許してなんて言わないから! ごめんなさい!」

     …………く、そっ。
    「邪魔だっ! 来るんじゃねえっ!!」
     神様は、唖然とした表情でひとり。


  • 32 燎 id:UiI8cEL0

    2011-06-04(土) 22:54:05 [削除依頼]



     …………そこまで強く言えたらいいのになぁ。

    「言えないんだよ」
     ぽつりと漏らした僕の声に反応して、幼女神が「え?」と単純な驚きの声。
     強く。
     強く、きっぱりと、隙を与えぬように。言えないってことはさ。
     心のどこかで、憎んでいる部分があったとしても。
     憎みきれてないじゃんか。
     好きなんじゃんか。
    「あっははー、聖太はピュアだなぁ」
    「バカ。あんたのがよっぽどピュアだ」
     学校に遅刻する、と小声で言ってからもう一度走り出した。
     ……今度はゆっくり。

    「ただ、ちょっとは神様らしくしてくれよ……?」
    「まかせなさいっ!」
     そう言って誇らしげに胸を叩く神様は。

    「なかなかに萌える」
     ばちんっ。


    ☆☆☆
  • 33 名前 id:c/7.TIy.

    2011-06-04(土) 23:10:26 [削除依頼]
    季節は6月、止まない雨を見て私は陰鬱としておりました。
    そろそろ、あの子は来るだろう。この雨の中を走って私に怒りをぶつけるだろう。
    けれども私は喋れないので、彼をなだめることなど出来やしない。私は彼の悲痛な叫びをただ、黙って聞くしかないのです。

     雨は止む気配を見せるどころか勢いはさらに増しています。私が止まぬ雨を見上げているとふと、鳥居の中から人影が傘も持たずにやってくるのが見えました。
    その影が近づくにつれ私は「ああ、きてしまったか」と思いました。彼の痛み悲しみを聞くだけでもせめてもの情けにはなるのでしょうか。どうか無能な私を許してください。

     その影は私の体にたどり着く最中、転んで泥まみれになってしまいました。それでも彼は私の体にたどりつき、息を整えて大声で叫びました。

     「なんで助けてくれなかったんだよ!」
     
     私を見つめる彼の目は涙に歪んでいて、その目には自分の愛する人を失った悲しみと私への憎しみが宿っていました。
     彼は中学生ですが、とても愛している女性がいました。
    愛の形は色々とありますが、彼の場合は自らの妹だったのです。
    しかし、彼が愛して止まない妹はいつの日かひどい重病におかされることとなったのです。
    彼は愛をとぎらせまいと私の元に何度も訪れては、「妹を助けてください」と祈っていきました。毎日毎日訪れる彼を見て、私は彼が本当に妹を愛しているのだと深く理解できました。例えば雪の積もった寒い日でも、彼はその雪を押しのけてまで私の元にたどり着くのです。
    しかし私は、その姿を見てとても悲しくなるのです。すみません、私にはどうにもできないのです、どうか無能な私を恨んでください。
     
     
  • 34 名前 id:c/7.TIy.

    2011-06-04(土) 23:13:23 [削除依頼]
    私はその時が来るのを恐れていました。どうせなら耳をふさいでいたい、目を閉じていたい。けれども喋りたくはあるのです。ああ、私はなんて馬鹿で愚かなのでしょうか、苦しんでいる者をどうにかして助けることは出来ないのでしょうか。
     
    そうです、あの頃は確か我が社の桜の木が満開を迎えて地には桜の花びらがたくさん落ちていました。その落ちた桜の花びらをふわふわと散らしながら彼は私の元へ近づいてきました。
    しかし、彼の顔はいつもと少し違ったのです。いつもは切羽詰まった顔で、ぎゅっと口を結び、眉はおでこに皺を作っていました。けれども今日の彼は口を緩ませ足取りはとても軽く、地に落ちている花びらを浮かしながら歩いてきます。
     私は少し嬉しく思いました。何であれ、私は結局人の困っている顔など見たくはないのです。私は何があったのかな?と少年の言葉を聞こうと耳を大きくして待っていました。
     
     「妹が退院したんだ!ありがとう!本当にありがとう」
    彼はとても嬉しそうな顔で私を見つめました。

     私は、その感謝を最初は素直に受け取ることが出来ませんでした。私が人の役に立つことなどめったにないのですから。
     最初は何かの間違いかと思いました。しかし彼は翌日、彼の妹を私の元に連れてきたのです。

    「お前をすくった神様のいる場所だぞ!」

     彼はまだ歩くことが苦しそうな妹をおぶってまで私の元に連れてきたのです。彼の妹は苦しそうにしながらも笑顔で私にありがとうを言ってくれたのです。
     その時、私は泣いてしまいました。ひどく、ひどく、泣きました。
     彼はそれからしばらく、私の元を訪ねては来ませんでした。けれども、いつか必ず、彼はもう一度やってくるはずです。彼の妹はもう一度、入院するはずです。
     
     1週間後、彼はまた私の元を訪れました。
    「一回退院したんだから……またすぐ退院できるよな!?妹は!助かるん……だよな!?」
     彼はとても焦っていました。手に入れた幸せは長くはなく、すぐに不幸はやってきたのですから。
     
     しかし、私にはどうすることもできませんでした。それから、また彼は私の元に来る日も来る日も祈り続けました。私は途中から彼が来たときには耳と目を塞いでいました。

     すみません、すみません。
     
     じめじめとした湿気が漂い、雨が降る日が増えてきたある梅雨の日。彼の愛して止まない妹はこの世を去ってしまいました。

     すみません、本当にすみません。
  • 35 名前 id:c/7.TIy.

    2011-06-04(土) 23:15:02 [削除依頼]
    私は蝉が活発に鳴き始め、太陽もその働きの時間をのばし初めていたことに気がつきました。
    もう夏なのです。少年が私にすべてをぶつけてきた日から一ヶ月は経ったのではないでしょうか。

     私は外をぼんやりと眺めていました、たまに来る人々は私の社にある木の陰で凉をとっていきます。
    私はその木をじーっと見つめていました。立っているだけで人の役に立てるあなたはなんて気が楽なのでしょうか。
    確かに立ちっぱなしはきついかもしれませんが、私から見るとそこはとても居心地のいい場所に思えます。

     返事はありませんでした。しかし周りにいた蝉が代わりに鳴いてくれていました。
     
     私は未だ木をじーっと見つめていました。するとその木に止まっていた蝉が、ぽとり、と地面に落ちてしまいました。
     蝉が鳴くのは子孫を残すためだそうです。鳴いて鳴いて自らの勇姿をを雌の蝉に届けているのです。しかしあの蝉をみるとぽとりと落ちた先でもまだ諦めきれずみんみんみんみん泣いております。
    私は無能です。地面に落ちた蝉を助けることなど出来ないし、あの雄の蝉とどこかにいる雌の蝉の出会いを叶えることも出来ません。すみません、本当にすみません。
  • 36 名前 id:c/7.TIy.

    2011-06-04(土) 23:17:05 [削除依頼]
    感じる風はすっかりと秋のものへと代わり、あの蝉が落下した木の下にはたくさんの落ち葉が落ちております。
     
     今日の空模様はどんよりとしたくもりでありました。今にも雨が降り出しそうな天気に、私は一抹の不安を感じておりました。
    雨は私の中ではひどい経験ばかりをもたらすのです。妹を亡くした彼が来た日も雨でしたし、何かしら私が耳を塞ぎたい事があるのは決まって雨の日だったのです。
     
     ぽつぽつ、と私の社の土が水に濡れて少しずつ茶色から黒にに染まっていきました。私は、人の声に耳を塞ぎたいのではなく雨の音に耳を塞ぎたいのではないか、と考えておりました。
    すると、やはり社の鳥居から走ってくる人影がありました。その人影は周りをきょろきょろと見渡しております。何かから逃げているようなその影は私の元に走って近づいて来ました。

    「神様!どうか助けてくれ、おらぁもうだめだ、捕まっちまう、助けてくれ!」
    男はちょくちょく後ろを振り向きながら私に願いをぶつけてきました。
    私は困惑しました、これ程までに切羽詰まった願いはあまり聞くことがないからです。1秒の間に願いを叶えてくれと言わんばかりの男は私の体に入り込もうとしました。

    「くそ!鍵!鍵が開いてねえ!」
    男は私の入り口を強く引いているのですが、私の体は言うことを聞きませんでした。私自身もどうにかしてこの男をかくまってあげたいと思っているのですが、この肝心なときに限っても私の体は言うことを聞きません。
    ふと、鳥居から続々と人が入ってくるのが見えました。その人々は一様に同じ服と帽子を着ておりました。その人々は男、いや私を取り囲みました。
    「もう、逃げ場はないぞ!さあ、おとなしくつかまれ!」
     私を囲んでいる内の一人が、男に近寄っていきます。
     男は、もう諦めたのか肩をがっくりと落とし、顔を地面に向けておりました。
    「17時20分、容疑者○○確保しました!」
    一人は男に手錠をはめ、びしっと敬礼をしました。
    「あの男が悪いんだ!あの男が俺の女を奪ったんだ!!!」
     手錠をつけられるとその男は声で暴れ回っておりました。
    しかし体はおとなしく、数人に引き連れられ、その男は間もなく鳥居の外へと消えてゆきました。

    すみません、あそこから消えるのは私であるはずなのに。
  • 37 名前 id:c/7.TIy.

    2011-06-04(土) 23:18:46 [削除依頼]
    日本の神々は一年に一回、10月に神議を行うために出雲の地に集まります。
    私の体もその時だけは言うことをきき、出雲の地へ向かうのです。

     私はこの少ない機会に思う存分外の世界を楽しみます。人の流れの中にはいつも愛や活力があふれておりますがその中には叶わぬ願いも混じっておることを知るととても悲しくなってしまいます。
    なので私は、出雲に向かう道中人の追い場所はなるべく避け、山の道を行くことが多いのです。しかし、あの蝉の叶わぬ恋や死を思うとこの山にも人間界と同じ事が日々繰り返されていることに気がつきます。
    結局私が思う存分世界を楽しむことができるのは、恋の終わりや人が死ぬときと同じくらいにあっけなく、短いのであります。
     
     私は神々の間では不幸者と呼ばれております。しかし、それは私自身が最初に気づいたことであり、それを一番に理解しているのは私であります。
    そしてよく「お前も大変だな、まっ頑張れよ。」と色々な神に言われるのですが、その中には私の一番望む役割を持つ神も時々混じっているのです。
    しかし、その時私はただ微笑み、期待に添えるよう頑張るとだけいい、その場を立ち去るのです。

    しかしその時私は本当に微笑んでいたのでしょうか。
     この様な私でも役に立てるときはあるのかもしれません。
     でも大抵はそれが私の為した所行だとは誰も気がつかないでしょう。
  • 38 名前 id:c/7.TIy.

    2011-06-04(土) 23:21:11 [削除依頼]
    太陽は働く時間を徐々に短くしていき、あの男が消えていった鳥居からは涼しいではなく寒々しい風が吹いてきます。

     10月は過ぎ、11月も過ぎ、12月の半ばにさしかかろうとしております。そろそろ新年の準備を私はしなければなりません。
     
     ふと、鳥居から影が現れました。私はその影の願いを聞く前から悲しみに落ちておりました。
    どうせそうなんだろう?またそうなんだろう?私は役に立つことなどできないのだろう?
    逆に私は影にそう問いかけておりました。

    「神様、俺好きな人がいるんだ。けれど、そいつには俺じゃない他に好きな人がいるんだ。どうしよう、どうしたら奴を振り向かせられるんだ?」

     彼の問いは一直線でした。私が喋れないことを知っていたでしょうが、私に願いを聞いて貰いスッキリしたかったのでしょう。
     
     (ふ、ふざけるなよ、ふざけるな、何で私はいつもこうなんだ?こうでないといけない?人間の欲を聞き、勝手に頼みこまれ、あげくは悪態をつかれる!何だ?ならどうすればいい?あの日にはすべて決まっているのに!?あの日には決めなければならないのに!?なんでだ、なんでなんだ!?)

     私は叫びたい気持ちでした。そうです、先ほどの私の葛藤は彼にはあまり関係のないことです。しかし、もう私は限界でした。もう人間の願いなどには耳を傾けることは出来ません。
    けれども私は、ふと、あの書物を手に取り文字の羅列を眺めておりました。その文字の羅列から私は信じられない名前を見つけました。

    「やっと、役に立てる」
    私はそう、呟いておりました。しかし私はその名前を見ただけで、その後は見ていなかったのです。
  • 39 名前 id:c/7.TIy.

    2011-06-04(土) 23:23:06 [削除依頼]
    数日後、彼は私の元に来ました。
     私は胸を躍らせながらその男の喜びを聞こうとしておりました。しかし私は、なぜかまた、耳を塞ぐことになったのです。

    「おい、何もそんなことは頼んでないぞ!?なんだ、諦めろってことか?俺と彼女は不釣り合いって事なのか?だからって……」

     私は彼が何を言っているのか分かりませんでした。私はもう一度あの書物をゆっくりと眺めます。
    そこには彼の恋敵である者の名前が書かれております。
     
     そうです、これで私は彼の"役に立てたはず"なのに。
    しかし、私は次のページに、彼の役に立てなかった原因であるものが目に入りました。目につけたくもなかったのに、目に入った。しかし、神はなぜあの時にページをめくらせてはくれなかったのか。あまりにも残酷すぎるのではないでしょうか。
     そうです、そのページには、彼が思いを寄せていた者の名前が書かれていたのです。私は耳をちぎりたい思いでいました。なのに私には動く手がありません。


    「……だからって、殺すことは無いじゃないか……」
  • 40 名前 id:c/7.TIy.

    2011-06-04(土) 23:24:48 [削除依頼]
    大晦日、人々は新年の始まりに、心を躍らせていることでしょう。しかし、私は一年の初めに"今年死ぬ者"を選んで神界に送らなければなりません。
     死ぬ者はもちろん人間のみではありません、蝉だってそうです。
     
     原因は様々です。無念の病死。憎しみ故の殺.害。悲しみの中、自.殺。何でもありなのです。

     さあ、私はすべて書き終えました。また、悲しみの一年が始まる。そう思いながら鐘の音を聞いております。
     しかし、ここは社です。人間共は一年の初まりに初詣なるものをします。
     私はそれが嫌いだ、嫌なんだ。

     「神様、今年も平和な一年にしてください」「元気で一年過ごせますように」
     先ほど私が、書いた名前が願います。


    すみません。すみません。本当にすみません。
  • 41 黒刀ライカ*  id:7fDymA0/

    2011-06-05(日) 00:17:28 [削除依頼]
    Prologue

    「神様って居ると思う?」
    少女は星空を見上げ、隣に居る少年に言った。
    「さぁ?俺は信じないけどね」
    夏なのに、寒さを感じる。
    「どうして?」
    不思議そうに少女は聞いた。
    「だって、迷信でしょ?人間は迷信を考えるのって好きだよね。
    神様に天使、悪魔、サンタクロース、妖精、異世界、地獄、天国。馬鹿馬鹿しい」
    少年は飽きれた様に言う。
    「どうして?」
    先ほどと同じ質問を、少年に少女はする。
    やはり不思議そうに。
    「居るわけないだろう?居るんだったら会ってみたい」
    クス、と少女は笑った。
    「居るよ?だって、私悪魔だもの。天使も居るし、異世界も、地獄も、天国も在る」
    「くだらない嘘を作るのは止めてくれる?吐き気がするんだ」
    「嘘じゃないよ、ねぇ。神様?」
  • 42 黒刀ライカ*  id:7fDymA0/

    2011-06-05(日) 00:19:37 [削除依頼]
    少年の前に少女は現われた。

    少年は家に帰る途中だった。
    その目の前に少女が現われたのである。

    日傘を差して、日傘には合わない服を着て。
    白い髪。深い闇のような目。
    面白いものでも見るような表情。

    「おにいさん、私に付き合って」
    「え?」
    「良いからさ、早く行こう」

    少年の名前は常田 螢(ときた けい)。
    県立の高校に通う普通の高校一年生だった。
    違うと言えば、クラスメイトにいじめられすべてに絶望しきっていたから青春なんてもの到底満喫出来そうに無かった事位である。

    「引っ張らないでよ、君、誰。名前は? 親御さんは? その服は一体?」
    「質問ばっかりだねおにいさん。それに人に名前を聞くときは自分から名乗るって習わな かったの?」

    「えっと、僕は常田 螢だよ。君は?所で此処は何所?」
    「また質問?まぁ良いや。私の名前はノア。んと、父母共には居なくってこの服は貰い物。アリスのコスプレ...?とか言ってたわね。此処は路地裏。見て解からないの?」
    「お母さんもお父さんも、居ないの? え、アリスのコスプレ? 路地裏なのは解かるけど僕と何をするつもり?」
    「貴方子供?自分の頭で考えたら?」
    「そんな事を言われても...」
    「まぁ良いわ。理解は出来なさそうだしね、私への質問はこれでお終い。良いわよね?おにいさん。」

    「ねぇ、おにいさん。あなた人間には使えないような力もってる?」
    「え? 人間には使えないような力?」
    「例えば、空に浮くだとか、壁を擦り抜けることが出来るとか」
    「無理でしょ、そんなの」
    「ふぅん、まだなんだねおにいさん」
  • 43 黒刀ライカ*  id:7fDymA0/

    2011-06-05(日) 00:20:05 [削除依頼]
    「ちょっとまって、何の話だい?」
    「ねぇ、おにいさん。神様に興味、ある?」
    「はぁ? 神様なんて存在しないだろう? 何の話なんだよ、さっきから」
    「もしもおにいさんが神様みたいな、なんでも出来る力があるとしたらどうする? 欲しい?」
    「そりゃあ、欲しいけど...でも神様なんて居ないだろう、なんの話なんだ」

    ニタリ、と少女は笑った。
    その笑みを螢は怖いと思った。

    「じゃあ、望んでみてよ。心の底から。“力が欲しい”って」
    「さっきから君はなんの話をしているんだ。」
    「おにいさんが神様みたいな力もってるって話?」
    「はぁ?君は一体なんなんだ」

    少女は一度無表情になり、また気味の悪い笑顔を浮かべた。

    「内緒」

    「え?」

    少女は消えてしまった
  • 44 黒刀ライカ*  id:7fDymA0/

    2011-06-05(日) 00:20:51 [削除依頼]
    螢は驚いた。
    少女は居なくなり、この場所には誰も居なくなっていたのだから。

    「馬鹿馬鹿しい。力だと?例えばこのボロボロな廃虚が燃えるとか?
    イメージ如きで出来るのならばとっくに試しているさ」

    吐き捨てるように少年は言った。

    「帰ろう」

    螢は学校指定の鞄を肩にかけ直し、自分の家に向かい歩いていった。


    ―この路地裏には誰も居ない
  • 45 黒刀ライカ*  id:7fDymA0/

    2011-06-05(日) 00:21:22 [削除依頼]
    「ただいま」

    誰も居ない部屋に螢の声は響く。

    螢は一人っ子で両親は共働き。
    父親は医者、母親は看護師。
    父は滅多に帰ってくることがなく母も深夜に帰ってくることが多い。
    家に帰っても一人が多かった。

    螢はリモコンに触れてテレビをつける。

    「え?」

    ニュース番組。
    それだけでなら驚きはしない。
    しかし問題は内容に、場所にあった。

    「火災?」

    螢はうろたえた。


    画面に映るその場所に、
    先ほどまでいたのだから。
  • 46 黒刀ライカ*  id:7fDymA0/

    2011-06-05(日) 00:21:53 [削除依頼]
    「まさかあの女の子の言うことは本当だと?」

    ―いや、まさか。

    ―でも、それが本当ならば?

    「やつらを...やれる」


    カラカラカラ、と窓を開ける。
    窓から螢は身を出した。

    「本当...みたいだな」

    浮いていた。

    「ふ...あははっ」

    螢は浮いたまま高笑いをする。
    隣の家の子が見ているのに気がつかなかった。

    「あー、なんだよ。こんな風に出来るのであればもっと早くにしてたのによぉ。まぁ良い。あいつらの居る場所なんて解かってるんだ。どうせ屋上だ。さっさとやってやる
  • 47 黒刀ライカ*  id:7fDymA0/

    2011-06-05(日) 00:22:34 [削除依頼]
    ―歩いて行こう。彼らが帰る途中ならば仕留められない。

    少しだけ、螢は冷静だった。
    自分の家に戻り、戸締りをして家から学校へと向かった。
    自分の憎き相手が、自分をいじめている奴らが部活でまだ学校に残っていることなど知っている。もう普通なら帰っているころではあるが野球部は何時も遅くてギリギリまでやっていることが多い。

    ―あぁ、やっぱり帰る途中か。

    螢の目と鼻の先には一番憎んでいる少年等がいた。
    辺りには誰も居ない。
    この場所は本来であれば通ってはいけない道だから。

    「何々、ホタルちゃんじゃんか」

    制服を着崩して金髪の少年が言った。
    5〜6人の集団である。

    「丁度良いとこに。今からゲーセン行くんだけどさ、お金貸してよ」
    「雄、返す気無いくせに」
    「あ、ばれた? まぁ、貸してくれても良いよねぇ?」

    「まれ」
    「は?なにか言った?ホタルちゃん」
    「黙れ」
    「へぇ、弱いメガネのくせに言うじゃんか」

    「消えろ。金髪」

    その場に居た螢以外の全員が驚いた。

    「うわぁぁぁぁぁぁぁ」

    金髪の少年の真下に人一人が落ちるほどの穴が出来た。
    その中はまるで闇のように、黒い。

    「嘘、だろ?」
    「逃げ、るぞ」

    まるで夢でも見たかのような、そんな顔をして逃げていく。

    「全員、消えろぉぉぉぉ」

    必死に、少年達は逃げた。
    しかし努力虚しく全員が闇へと堕ちていった。

    「だっ誰かぁぁぁぁ」

    何人もの叫び声が聞こえた。

    「ハハハハッ僕をいじめるからだ!ざまぁみろ」
  • 48 黒刀ライカ*  id:7fDymA0/

    2011-06-05(日) 00:23:02 [削除依頼]
    螢は次第にヒートアップしていった。
    次々と、関係の無い者まで闇へとおとしていったのだ。

    「アハハハッ雑魚どもめ。この僕に逆らうからだ」

    ふと、一人の少女が現われた。

    「変わってしまったのね、螢くん」
    「君は...リアス? 確か君は悪魔だった...よね? まさか君の言っていた事が本当だとは思わなかったよ。」
    「貴方が候補者だということは知っていた。でも貴方は、こんなことして良いはずがない」
    「何が言いたい?」
    「今すぐ、力を使うのをやめて。螢くん」
    「君も逆らうのか? ....残念だよ」

    螢は螢を止めようとする少女までもおとした。

    「いやぁぁぁぁぁ」
    「じゃあね、元気でいてね、リアス」

    螢の顔から笑顔は消えなかった。
  • 49 黒刀ライカ*  id:7fDymA0/

    2011-06-05(日) 00:23:35 [削除依頼]
    「あらぁ、残念ね。うん、でもまぁこんなものよねぇ」

    螢の周りには誰の姿も見えない。

    「誰だ」
    「お久しぶりねぇ、おにいさん。あ、そうでもない? それと気分はどお?」

    螢の隣に少女が現われた。
    アリスの格好をした、少女が。

    「あぁ、君はあの時の女の子か。実に気分が良いよ」

    ニタリ、と螢は笑顔をみせた。
    最初に恐ろしいと思ったはずの少女の笑みと似ていた。

    「そう、良かったわね。いい加減力を使うのをやめなさい、おにいさん」
    「君も言うのか? 君が僕を覚醒させたというのに」
    「そうね、だから私もそのことに責任をもってるわ。だからやめなさい」
    「...残念だよ」

    螢は少女は闇におとした

    はずだった。

    「何がぁ?」
    「え?」

    堕ちているのは螢の方だった。
    必死にもがく。
    しかし元の地には戻れない。

    「おにいさんはね、この世界に不必要とみなされたわ。だからね、バイバイ」

    「うわぁぁぁ、誰かっ僕を助け...」

    声は次第に聞こえなくなった。
  • 50 黒刀ライカ*  id:7fDymA0/

    2011-06-05(日) 00:25:06 [削除依頼]

    Epilogue

    「なんだ、来ていたのか」
    「あらあら、今ごろ気がついたのぉ?リク」

    少女はケタケタと笑った。

    「ノア、また候補者で遊んだらしいな。程々にしておけと言ったはずだが」
    「あらあら、良いじゃないの。暇つぶしにはもってこいよ。今回は期間が短くて残念だったけど」
    「しっかりと戻したんだろうな?」
    「えぇ。常田 螢は存在しない。そういった風に上手く書き換えてあげたわ」

    リク、と呼ばれている青年はそうか、と流した。

    「しかし人間は面白いわねぇ? これだから好きよ、人間って」
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