時間を忘れた不思議の国【純白の狂気】19コメント

1 菜乃花 id:of8DniD0

2011-05-06(金) 20:35:46 [削除依頼]



 もうずっとあなただけを見つめているのに、
  • 2 菜乃花 id:of8DniD0

    2011-05-06(金) 20:37:18 [削除依頼]

    ♯0

     真夜中――月の光以外に灯りのない薄暗い一室で、その男は窓枠に腰掛けるようにして自らの手元を見つめていた。うっすらと笑みを浮かべる男の髪は、雪のように白い。
    「ああ、本当に待ち遠しかった」
     手にした懐中時計の文字盤をうっとりと見つめながら、白髪の男はそっと囁いた。まるで、愛しい相手との逢瀬が叶ったときのような、どこまでも甘く優しい声色で。
    「もうすぐ……もうすぐ、ここに――」
     ――何百年もの間、時の止まったこの世界にまた、新たな来訪者がやってくる。
     白髪の男――白ウサギの手によって導かれた【Alice Game】の参加者が。
     自分の望みが叶うその瞬間を思い描き、白ウサギはいっそう笑みを深くした。


    「貴女は私を追いかけてはくれないから。
    ――アリス」
  • 3 菜乃花 id:of8DniD0

    2011-05-06(金) 20:48:01 [削除依頼]
    こんにちは。
    はじめまして。菜乃花と申します。

    この小説は『時間を忘れた不思議の国』の改訂版です。
    改訂版とせずに、副題を付けようとした結果、なんだかより中二臭くなってしまいました;
    なんだよ【純白の狂気】ってww

    完結させてから書き直そうと思っていたのですが、どうしても書き直したくなってしまったため、我慢できずにスレを立ててしまいました。
    推敲を重ねて、少しでも改訂前よりいいものにして行けたらと思っております。
    これを機に、新しい読者さまが増えるといいなあ……

    それでは、不思議の国にて、あなたとの出会いを心待ちにしております。
  • 4 菜乃花 id:of8DniD0

    2011-05-06(金) 21:12:51 [削除依頼]

    第一章 ようこそ不思議の国へ/Alice Game
  • 5 響夜 id:bbzeO2K/

    2011-05-06(金) 21:25:24 [削除依頼]
    菜乃花さんっっっ!!!
    えーっと、響夜です!(←見たら分かりますよね^^;
    お久しぶりですが…私のこと、覚えてくれてますか??
    前の「時間を忘れた不思議の国」一回だけコメしてた者です。
    そして菜乃花さんのお話、大好きです♪♪♪
    改訂版、楽しみにしてます(>∀<)ノシ
  • 6 菜乃花 id:of8DniD0

    2011-05-06(金) 21:34:36 [削除依頼]
    >響夜さん
    お久しぶりです!
    もちろん覚えていますよ^^
    またコメントしていただけて本当に嬉しいです。
    これに懲りずにコメントしてやってくださいねw
    響夜さんの期待を裏切らないように、頑張って更新していきたいと思います!
  • 7 菜乃花 id:of8DniD0

    2011-05-06(金) 22:19:40 [削除依頼]
    >4 ♯1 「お願い……彼を。彼……を、助けて」  声がする。  まるで必死に涙を堪えているような、少し掠れた女の声が。 「あんたは誰なんだ?」  彼は、その声を知らなかった。 「彼を助けてくれって、一体どういうことなんだよ!」  だが、彼がどんなに声を張り上げても、その声は何も応えない。ならば、声の主を探そうと必死に視線を巡らせても、ただそこには、果てのない闇が広がっているだけだった。 「お……ねが、い。彼を……あの人、を――」  ただただ懇願する女の声に、何故だか胸が張り裂けそうになった。 (どうしてだ……俺は何も知らないはずなのに、すごく、苦しい)  これは、きっと彼女の悲しみ。  あまりにも切ない、彼女の想いの結晶。  それはわかっているのに、彼には彼女の涙を拭う術がわからない。 「あんたは、いったい……」 「私は――」 「え……?」 「わ、たし……は…………」  彼女が彼の言葉に応えた気がしたのもつかの間、図ったようにノイズが混じりはじめ、その声が段々と遠のいて行く。 (駄目だ! 俺はまだ何一つ肝心なことを聞いていない)  彼女が行ってしまうことを悟った瞬間、彼が感じたのは焦りだった。 「駄目だ行くな!」  必死に呼び止めても、彼女の存在が少しずつ薄れていくのがわかる。闇雲に腕を伸ばしても、その手は虚しく空を掻くばかりで。 「行くな、――!」  無我夢中で誰かの名前を呼んだ気がしたが、それが誰かを思い出す前に、彼の意識もまた闇に飲まれた。
  • 8 ‘‘理文” id:flxHUgk1

    2011-05-07(土) 14:04:26 [削除依頼]
    なんか見たことのある題名だな〜と思ったらww

    どうする?評価。
    どっちの方を評価したほうが良い?←来てすぐその話かよ
    こっちにするなら有る程度進んでからにするけど……。

    取り敢えず、俺としては個人的にこっちから……←最初からの方が読みやすいってだけだろが。
  • 9 菜乃花 id:ez-mKs5zJW.

    2011-05-07(土) 14:59:53 [削除依頼]
    >大佐
    読みやすいならこっちが溜まってからでもいいよ(^O^)
    しばしお待たせすることになるけど
    改訂前の無駄に長いからね
    こっちにしといた方が負担はかけずにすむだろう
  • 10 菜乃花 id:ez-6Q5ZvLj0

    2011-05-08(日) 19:02:08 [削除依頼]
    あげます(^O^)
  • 11 菜乃花 id:HO9bOIv1

    2011-05-11(水) 00:00:43 [削除依頼]
    >7 「――が。くが……空閑(くが)!」 「……ん」  聞き覚えのある声に名前を呼ばれて、意識が急速に引き戻される。彼がなんとか重い瞼を押し上げると、見覚えのある顔がすぐ目の前にあった。 さっぱりとした短めの黒髪に意志の強そうな瞳、眉間に皺さえ寄せていなければきれいに整った目鼻立ち。間違いない、彼女は―― 「……佐伯?」  間違いないと思いながらも語尾が上がってしまったのは、まだ夢に引きずられていたからだろうか。彼が夢現で名前を呼ぶと、心配そうに彼の顔をのぞき込んでいた相手――佐伯凉子は大げさにため息をついた。 「そうだけど。他の誰に見えたの? 夢でも見た?」 「寝てた、のか……俺」 彼は目元にかかった前髪をかきやると、机に顔を伏せるようにして折り曲げていた上体を起こした。長い間両腕を枕代わりにしていたせいか、制服のブレザーに皺が寄ってしまっている。 「もうとっくに授業終わったよ。いつまでも居眠りしてないで、さっさと帰り支度でもしたら?」  言われて周りを見回すと、すでにクラスの大半の生徒は帰り支度を済ませ、思い思いの理由で教室を後にしようとしていた。まだ教室に残っている者は、ほとんどが掃除当番に当たっている生徒だろう。
  • 12 菜乃花 id:HO9bOIv1

    2011-05-11(水) 00:02:35 [削除依頼]

     彼がそんなクラスメイトたちの様子を見るともなしに見ていると、頭上から、気遣わし気な声が落ちてきた。
    「……ねえ、何かあった?」
     声につられて見上げると、凉子が心配そうに彼を見ていた。
    「何かって? 別に何もないけど」
    「そんなわけないよ! 最近の空閑、前にも増して笑わないし、さっきみたいにぼーっとしてることも多いし……」
    「佐伯、俺のことよく見てるんだな」
    「えっ! ……それはあの、その」 
     彼が何気なく言った言葉に対して、凉子の反応は過剰だった。咄嗟に背けた顔に赤みが差した気がするが、何の含みもなく思ったことを言っただけの彼には、その理由に見当がつかない。
    見るからに挙動不審な凉子を不審に思いつつも、彼は続けた。
    「大丈夫。本当に何もないから。ただちょっと寝不足だっただけだ」
     そう言って慣れた作り笑いを浮かべると、「別にいつも見てるわけじゃない」とか「今日は偶然気になっただけだから」と懸命に言い訳をしていた凉子の表情が再び曇った。
    「本当に、何でもないんだよね?」
    「ああ……」
     念を押す凉子に頷こうとして、彼はふと動きを止めた。自分の事を心底心配する彼女の目を見てしまったからかもしれないし、彼女に嘘をつきたくなかったからかもしれない。
     そう、彼は嘘をつこうとしていた。
    凉子に対して「何もない」と言ったものの、本当はここ最近、ずっと気になっていることがあったのだ。
     凉子は彼がよくぼーっとしていると言っていたが、彼はただぼんやりとしていたわけではない。ずっと考えていたのだ。気になること――毎日のように見る、不思議な夢について。
  • 13 菜乃花 id:xea7Mtd.

    2011-05-13(金) 20:25:07 [削除依頼]

     半月程前から見るようになったその夢の中で、彼はいつも独りだった。
    気がつくと、一人で孤独の深淵のような暗闇に佇んでいるのだ。そこには、本当に闇以外に何もなく、彼もただそこに在るだけ。ただ、不思議なことに、一切の光源がないその空間で、自分の存在だけははっきりと知覚することができた。
    そして、目が醒めるまで、そこで永遠のような時間を過ごす。ただそれだけ。
     そんな不思議な夢に変化が現れ始めたのは、数日前のことだった。
    いつもなら彼一人だけの暗闇に、ふいに声が響いたのだ。
    初めのうちは、遠くからかすかに響いてくるその声が、何を言っているのかわからなかった。そよ風のように弱々しいその声を頼りに、ひたすら闇の中を歩き続けたこともあった。そんなことをしたところで、声の主との距離が縮まらないことがわかっても、気がつけば見えない力に引き寄せられるように、探してしまう。
    そうして、何度となく夢を繰り返すうち、少しずつヴェールがはがれ落ちていくように、闇に響くその声は鮮明になっていった。女の声が彼に助けを求めているのだと気づいたのは、ごく最近になってからだ。
  • 14 菜乃花 id:xea7Mtd.

    2011-05-13(金) 20:27:06 [削除依頼]
    (さっきの夢が一番はっきりしていた。俺の言葉は、きっとあの人に届いてた)
     必死に訴える女の声を思い出して、彼は無意識に机の上で拳を握りしめていた。
     どんなにはっきりと彼女の言葉が聞こえても、たとえ向こうに自分の言葉が届いても、きっと自分は彼女を救えない。自分にそんな力はない。
     そう思うとやるせなくて、それでも最後には諦めてしまうだろう自分自身が情けなくて。
     夢について話すことで、凉子に心配をかけたくなかった。それも決して嘘ではない。だが、それ以上に、こんなにも情けない自分を晒したくなかったのだ。だから、嘘をつこうとしたのに、結局それさえも上手くできなかった。
    「……格好悪いな、ほんと」
     気がつくと、彼の口から言葉がこぼれ落ちていた。
    「え?」
     小さな呟きに反応して、凉子がぱっちりとした二重の目をさらに丸くする。その澄んだ瞳に映り込んだ自身の顔を見て、彼は自分のミスに気がついた。
     どれだけ上手く嘘をついたって、こんな顔をしていたのでは、気にするなと言う方に無理がある。それぐらい情けない顔をしていた。
    「あ……えっと悪い。何でもないんだ。今のは忘れてくれ」
     とっさにそれだけを言うと、彼は机の横にかけてあったカバンを掴んで立ち上がった。そのまま凉子に背を向けて歩き出す。後ろから自分の名を呼ぶ凉子の声が聞こえたが、彼は校門をでるまで、その歩調を緩めなかった。
  • 15 菜乃花 id:hZbTpj/0

    2011-05-14(土) 13:23:56 [削除依頼]

    #2

     校門を出てからしばらく、人の流れに身を任せ、駅へと続く道を下っていた彼は、しかし、いくらも行かないうちに人気のない横道に逸れた。このまま家に帰ろうかとも思ったが、一刻も早く、どこかで一人になりたかった。
     学校から駅までを結ぶ一番大きな通りは下校する生徒で溢れているが、その道から一本それただけで、まるで別世界に来てしまったかのように喧噪が遠くなる。
     手近な民家の塀にもたれかかると、彼は大きく息を吐き出した。
    「何やってるんだ俺は……」
     凉子に心配をかけたくないと思っていたはずなのに、結局あんな別れ方をしてしまった。彼の名を呼ぶ凉子の声が、まだ耳の奥に残っている。
    「……全部あの夢のせいだ」
     吐き出すように言った後、彼は目を閉じ思考の海に沈んだ。
  • 16 夢梅 id:klupyO//

    2011-05-14(土) 13:30:01 [削除依頼]

    久しぶり(´ω`)!

    訂正版書いてるのね
    菜乃花の書く不思議の国は大好きだから
    なんだか嬉しいよ(^p^)

    む、だけど結構違ったお話みたいになってるのかい?
    まあどちらにせよ面白くないはずがないw

    頑張って! 応援してます*
  • 17 菜乃花 id:hZbTpj/0

    2011-05-14(土) 13:50:02 [削除依頼]
    >むーめ
    久しぶり!
    大好きなんて、そんなこと言っても何も出ないんだぞ
    でもありがとう
    むしろこっちがすごく嬉しい

    がっつり書き直してはいるけど、話の筋はまったく一緒だよ
    改訂前は推敲ゼロっていう悲惨な文章投稿してたからねw
    書き直しても酷さは直ってない気もするけど←
  • 18 菜乃花 id:hZbTpj/0

    2011-05-14(土) 14:10:02 [削除依頼]
    >15  初めてあの夢を見たとき、何もない暗闇の中で、彼は自分が死んでしまったのだと思った。そこには驚きも悲しみもなく、ただ、俺は死んだんだな、とそう思っただけで、そのことに妙に納得している自分自身に気がついた。  特に死.にたいと思っていたわけではない。ただ、生きることに前向きでもなかった。  いじめや虐待にあったこともなければ、孤児だったり、生きていけないほど貧乏だったわけでもない。ごく普通の家庭に生まれ、毎日普通に高校に通い、適度に友達を作って、休みの日には遊びに出かける。そんな日々の繰り返しの中に身を置いていた。  そんな彼を幸せだと言う人もいれば、自由で羨ましいと思う人もいるだろう。しかし、彼自身は、そう思ってはいなかった。  大人や社会が信じて疑わない、常識という名の価値観に縛られ、いつだって人の目を気にしながら、代わり映えのしない日々を生きる。これが自由なのだとしたら、そんなもの、今すぐ誰かに譲っても構わない。  ずっとそう思っていたから、真綿で首を絞めるように、少しずつ息苦しさを増すこの世界で、自分でも気がつかないうちに命を絶っていたとしても、何の不思議もない。  だから、夢から醒めて、自分がまだ生きていることを知った彼は、少し落胆した。今日もまた、優しい拷.問のような一日が始まるのか、と。
  • 19 響夜 id:CdJhZNY/

    2011-05-17(火) 21:00:32 [削除依頼]
    ぉ…覚えていてくれたんですか?!
    感激です(T▽T)ありがとうございます♪

    すっごく個人的な意見ですが、
    改訂版の方が、『考え抜いた』『選び抜いた』言葉達、っていうか…
    言葉一つ一つを厳選して書いてるってカンジがして、こっち(読み手)も軽い気持ちじゃ読めない気がします。

    小説書くって、簡単な事じゃないと思いますが、これからも更新頑張って下さい!
    つづき、楽しみにしてます(≧ω≦)
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