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よくある質問掲示板ガイドキャスフィとは

アルミ缶の上にある機関

小説投稿掲示板より。

1   シャル [2007/02/13(火) 16:25:23 ID:lot]

.
1日目〆バナナはおやつに入りますか?
.
.
俺の名前は空沢順【カラサワジュン】
平凡に毛も生えないような平凡かつ凡庸な生活を送る高校一年生だ。
だが俺の素晴らしき人並み生活は見事にデストロイされることになる。
.
今時そりゃないだろうとゆう親父の転勤なんて有りがちア〜ンドお約束な理由で俺は転校することになったわけだ。
.
いつもごめんな。などと謝る親父の背中に単身赴任しろや!などと黒い電波を送る俺にほくそ笑んだのはたぶん気のせいだ。
.
ついでに紹介する母は見た目ホワホワ中身ホワホワ。作る料理はいつもホカホカ、しかしなぜか弁当に入る卵焼きだけはゴワゴワとゆうなんともアグレッシブな擬音の使い手だ。
.
この展開で俺に妹がいるんじゃないかと思った奴は甘い。俺には妹どころか弟すらいない。たとえ生き別れた血の繋がらない妹がいるとゆう万人が憧れる設定があったとしてもこの物語に出てこないことだけは確かだ。残念だ。
.
前置きはこれくらいにしよう。
とにかく俺の学園生活に幸あれ。


2  [2007/02/13(火) 16:57:27 ID:authoress]

もしかして一番乗り(・∀・)?w
新スレおめっとございますヽ(●´∇`●)ノ
ゴワゴワって……食べるの躊躇うわぁ(´Д`)ぁ
シャルさんの人生にも幸あれ(*´艸`)~♪


私のことは雨でいっすよ(´・ω・)あとタメでokっすw


3 シャル [2007/02/13(火) 17:38:18 ID:lot]

祝2作目☆イエーイ
ではこれからはタメで)^o^(
.
雨にも幸あれ(^3^)/


4 アリア [2007/02/13(火) 20:24:50]

初めまして。。

「ハンプティ//ブレイク」を
執筆中のアリアと申します

面白くてテンポが良くて
色々な面で尊敬しちゃいますよw

応援しますね☆


5 シャル [2007/02/13(火) 21:57:40 ID:lot]

ありがとうございますアリアs☆
そちらにも行かせていただきます!
『ダブルスラッシュ!!』もよろしく(*^_^*)


6 シャル [2007/02/13(火) 22:36:27 ID:lot]

.
.
俺の名前は空沢順【カラサワジュン】
平凡に毛も生えないようなへい…ってこれはさっきやったな。
高校入学二日目にして転校が決まった俺は、たいして中を良くしていない他人以上友達未満な奴らに見送られて此処にやってきた。
転校は実に五度目だ。
.
憎き親父の寝首をかこうにも、その怒りの矛先は母を伴ってとっくの昔に仕事とゆうエスケイプを実行していた。
.
用意してある弁当箱をぶらさげ玄関へゴー。
.
こういった転校生はたいてい遅刻寸前でパンを加えて走ってくる少女とぶつかって、
.
大丈夫かい?君?
え、え、あの…はい(キュン)
.
的な事になるのだろうが五度にわたる転校生活の中でそんな事はいっさいなかった。
期待はしたさ。わざと遅刻ぎりぎりに登校して曲がり角をまがった俺はオバチャンと激突した。
放たれる擬音は少女の胸の高鳴りではなく、ガンッとゆう怒りの鉄拳だ。
理不尽極まりない。
.
だから俺は欠けらも期待せずに曲がり角をまがったのさ。


7 咲拉良 [2007/02/14(水) 06:46:30]

シャルsの小説三番のり〜 

一人称小説ってちょっと新鮮かもWw


8 シャル [2007/02/14(水) 18:29:26 ID:lot]

毎度どうも咲拉良さん(^^)
これからもヨロ☆


9 アリア [2007/02/14(水) 21:09:50]

おばちゃんの鉄拳ww

確かに理不尽ですな。。

私のことはタメ呼びでいいですよ〜

更新に期待してみたりw

応援しますッッ♪


10 シャル [2007/02/15(木) 06:45:53 ID:lot]

.
.
飛んだ。何が?俺が。
俺は若干物理の法則を嘲笑うかの如く華麗に宙を舞い電柱に激突した。
出た言葉は、
.
「おふっっっ!」
.
とゆう情けないもの。
実質これが物語において初の台詞だ。それでいいのか?
そして俺を軽い走馬灯に誘った張本人は俺同様地面にへたりこんでいた。


11 古木龍之助(♂) [2007/02/15(木) 07:06:13 ID:ryunosuke]

どうもどうも♪
面白そうなのでやってきました。

みなぎる脱力感!
あふれる緊張的な描写!(まさかおばちゃんと……?的な)

更新期待しています!


12 シャル [2007/02/15(木) 07:51:41 ID:lot]

ありがとうございます龍之助さん☆
これからは龍さんと呼ばさせてもらいます(^^)


13 シャル [2007/02/15(木) 07:58:51 ID:lot]

.
.
え〜このままでは読者の皆様には何が起こったのかはわからないだろう。
それは俺の状況描写があまりにも主観的なために他ならない。
なのでここは俺の中からいつも俺の行動を客観的に見ている俺ダッシュに説明を頼もうと思う。
.
任せておけ俺オリジナル(裏声)
つまりこうゆうことだ。


14 シャル [2007/02/15(木) 15:22:42 ID:lot]

.
.
やっぱり順も男だ。
少しは期待したのだろう。一縷の望みをかけたその運命のクロスロードで確かに俺、いや順は女子とぶつかった。

亀もびっくりのベリースローリーな歩行をかましていた順は、
.
「どいてどいてどいて〜〜〜〜」
.
などと昭和後半の少女漫画の台詞をはきながら迫ってくる少女に100mを9秒代で走り抜ける頭付をくらい電柱と言う名の十字架に見事に磔にされたわけだ。
恐るべし猪娘。
.
以上客観俺(裏声)
以後主観俺(地声)


15 シャル [2007/02/15(木) 20:39:36 ID:lot]

.
.
「あの〜大丈夫ですか〜?」
.
みぞうちの痛みに屈し立てずにいる俺に不意に声をかけてきたのは短身痩躯、青い髪の少女だった。
俺の密やかな妄想の破壊者であり侵入者。
だが結構、いやかなり可愛かった。
.
「俺は今自分が知覚を持って生まれた事を猛烈に後悔している…ごほっ」
.
皮肉なことに俺の皮肉は絶好調。だがその少女は何を思ったかいきなり笑いだした。ホワッツ?ホワイ?
.
ひとしきり笑い切ると満足したようだ。彼女はこちらに向き直る。
.
「なはは〜すいません。何か…ふふっ面白かったもんで〜」
.
できれば理由をお聞かせいただきたい。四百字詰め原稿用紙一枚にまとめて。
.
「なはは〜それは無理ですよ?ほら!幽霊見える人に、何で見えるのっ?って聞いても分からないでしょ?そん感じです」
「そんなもん?」
「そう。そんなもん」
.
ニコーっと笑う顔には邪気が一点もなく追求する気にはならなかった。
ってあれ?俺の脳内ナレーションを読まれた?
.
「あっ!忘れ物…じゃあ私そろそろ行きますね〜お大事に〜〜〜〜」
.
遠ざかる背中を眺め思った。メアド聞けばよかった。


16 みけにゃん [2007/02/15(木) 21:04:41 ID:mikenyan]

きたよぉ〜☆
100パーセント純粋培養ギャグ楽しみにしてますv

やっとぶつかることが出来てよかったね、順さんw


17 トラトラ [2007/02/15(木) 21:30:33 ID:torako]


初めまして(`・ω・´)ゞ
トラと言うものです。。いいですね〜この感じ(´∀`)は
何と言うか主人公の順最高です(何
更新頑張ってくださいww


18 シャル [2007/02/15(木) 21:51:33 ID:lot]

みけ〜ようこそいやむしろウェルカム☆
こうゆう話書きやすい(^3^)/
.
トラsお初で(^^ゞ
これからもこの緩い話をよろしく(o^o^o)!


19 シャル [2007/02/16(金) 00:02:34 ID:lot]

.
.
「とゆうことで今日から1−Cの愉快な中間達に新規参入することになった原沢君だ。皆彼がこの高校に慣れるまで生暖かい目で見守ってやってくれ」
「先生、空沢です」
「すまん。その浜沢君が」
「先生、空沢です」
「すまん。その学沢君が」
「先生、もういいです」

とゆうことでの一言でかたずけられてしまったが此処に来るまでずいぶんと苦労をしたもんだ。
道に迷ったり道に迷ったり道に迷ったり。
ちなみに最後の迷ったりは学校内だ。
この学校はバカみたいに広い。世のお父さんの税金はほとんど此処に消えるのだろう。

「あぁ浜崎。お前の席は一番後ろの空席だ。迅速に行動しろよ」

ついに一文字も合ってない名で俺を呼ぶ『先生型馬鹿地球内生命体』の指示に従い席につく俺は隣の席のクラスメートに声を声をかけられた。


20  [2007/02/16(金) 13:49:17 ID:authoress]

やばい(゜Д゜;)ハワワワワ
何じゃこのシャルルンワールドは!!(´∀`。)アヒャヒャw
学校内で迷ったのか(´・ω・)気の毒だねw
しかも担任しっかりしろよ―(´Д`●)
女の子かむばっくヾ(゜皿゜ヽ)


21 シャル [2007/02/16(金) 21:02:28 ID:lot]

シャルルンワールド( ̄□ ̄;)!!
いつのまにそんなフィールドを展開していたとは…( ̄〜 ̄)ξ
.
雨サンキュー☆
たぶん先生はずっとあんな(^3^)/


22 古木龍之助(♂) [2007/02/16(金) 22:13:57 ID:ryunosuke]

シャルルンワールド……

かの有名な宮沢賢治は
イーハトーブという独自の世界感を脳に持って小説を書いたとか。
シャルさんもそういう面白い世界を構築出来る力があったり?


23 シャル [2007/02/16(金) 22:32:43 ID:lot]

.
.
転校生のありがちシチュエーションで曲がり角と双璧をなすもの。
それが隣の席だ。
俺的世界の法則によると、『転校生は無条件に隣の席の者または四方の者に話し掛ける権利を有する』だ。
.
つまりそこに座っているのが突然変異としか思えない絶世の美女でも、学校の皆が憧れる高嶺の花であっても楽勝に会話をすることが許される。
.
だが…そこに座ってんのはヤローだった。
俺。儚いよ俺。
.
「よろしく。分からない事があったら何でも聞いくれ」
.
しかもオカタイ。そんな模範に撤しなくとも!王道を進まなくとも!
なんて思っている俺の前で隣人の顔はにへらっと崩れた。
.
「ってゆうのはたぶん転校生の横に座った奴の義務だと思うんだよね〜うんうん」
「どこの国の法律だ?それは」
「ん?ん〜…俺的世界の法則第四条であります!」
.
驚いた。俺以外で『俺的(略)』を使うものが居たとは。敬礼ポーズで繰り出されるサンライトスマイルが眩しいぜ。
.
「そして君と友達になるのも僕の義務だよ。いや〜さすが転校生の隣。義務が多いこと多いこと」
「それもあれか?」
「そう!詳しいことは俺的六法全書270ページを参照だ!」
.
とりあえず茶目っ気がある奴で助かった。


24 シャル [2007/02/16(金) 22:40:15 ID:lot]

まああらゆる意味で頭の中はいつもお祭りかも(ォィ
龍さん、宮沢って(笑


25 神奈 [2007/02/16(金) 23:44:10]

初めましてッッ!!
神奈―カンナ―と言うものです。
タイトルに一目惚れしちゃいました♪
主人公の順s面白くて最高ですネ(●^ワ^●)/
これからも更新頑張って下さいッ♪
(またカキコしても良いですか???)


26 シャル [2007/02/17(土) 12:37:55 ID:lot]

もちろんです神奈さん☆
これからもヨロ!


27 トラトラ [2007/02/17(土) 14:11:19 ID:torako]


友達も良い感じなキャラですね(ノ∀`)何だそりゃ
転校してきて最初の隣の席はやはり一番大切ですネ(σ・∀・)σ


28 シャル [2007/02/17(土) 17:28:45 ID:lot]

とらさんありがとうございます…
ヤバイです…
39.6です…
頭とかめっさ痛いです…
.
これから死ぬ気で書きますが…その後…では(T□T;)!!


29 神奈 [2007/02/17(土) 21:30:40]

36.9って・・・
風邪引いたんですかッ!?!?
熱ですよねぇ???
シャルさん大丈夫ですか(+_+;)
          お大事にですッ!!


30 トラトラ [2007/02/17(土) 22:09:08 ID:torako]


39、6??!!大変じゃないですかΣ(゚Д゚;≡;゚д゚)
お大事にです(人・ω・`)無理しないでくださいね(*´・ω・)(・ω・`*)ネー


31 シャル [2007/02/18(日) 14:37:24 ID:lot]

.
.
最初の方で四方に話し掛ける権利を持つと言ったがまだ一人にしか俺は話し掛けていない。とゆうかできない。
なぜかと言えば俺の座っている席が教室の左隅だからだ。
必然的に話し掛けられる人数は二人になり、横にはスマイラー、前は空席だった。
.
「ところで…あの先公は何なんだ?このままでは俺はあゆみと呼ばれる日も遠くないんだが」
「あぁ里先生はしょうがないよ。ぼくも今だに原西って呼ばれてるから」
.
どうやらこのクラスではまともに名を呼ばれる奴はいないらしい。
それでいいのか現代教育。
.
「けど一人だけ本名でおぼえられてる人もいるよ。あの名前じゃ忘れようもないけどね」
「誰だそれ?」
「ん〜“百聞は一見に如かず”だよ」
.
じゃあ千聞を教えてくれ。しかし何故この近辺ではこんな能天気な奴が多いのか。
今朝の猪女といい、こいつといい…
.
「そういえばお前名前は…」
.
言いかけた俺の前で扉がはぜた。
そして強烈なデジャブ。
見事なジャンピング土下座をかましながら教室に入ってきたのは青髪の少女だった。


32 シャル [2007/02/18(日) 16:29:48 ID:lot]

.
.
「すぇんすぇ〜〜!!すいまっせんした〜〜!!」
.
ずざざーとゆう音で着地ののち物凄い勢いでその小柄な女子はまくしたてはじめた。
.
「不肖この波乃!布団とゆうなの独房にとらわれ空腹とゆうなの幻覚に惑わされ時間とゆうなの化け物に襲われやっとの事家をでたはいいものの私はそこであることに気付いたのであります!もしかしたら本当に大切なものはあそこにあったのではないかと!ないかと!!私は来た道を戻りました。もはやその姿は地を駆る鷹も同然!それを手に入れた後私は学校を目指しました。まさに飛ぶが如く!しかしその努力ついぞ実らず私は負け犬よろしく此処に突っ伏している所存であります!!」
.
言い終えた自称負け犬にすぇんすぇーは言い放つ。
.
「簡潔に一言でまとめてみろ」
「寝坊して忘れ物して遅刻しました。ハイ」
「よろしい席につけ」
「了解であります」
.
あきれを通り越して放心状態の俺はその女子がかすかに視界の隅を通り抜け目の前の席に座ったことを確認する。
そして振り返った青髪が話し掛けてくる。
.
「なはは〜また会いましたね〜皮肉屋さん」


33 トラ [2007/02/18(日) 20:47:19 ID:torako]


青髪の少女本当面白いですねww言葉遣いとかいいですね(ノ∀`)
無理せずに更新頑張ってくださいw


34 シャル [2007/02/19(月) 17:34:05 ID:lot]

おかげさまで復活しやした(*^_^*)
久々だあんな高熱(;^_^A


35 Y⌒((*'∀`@p健太朗q [2007/02/19(月) 19:02:02 ID:kentarou]

実ゎずっと隠れて読んでマシタwwww
面白ぃデス!!!!!めっちゃ面白ぃ!!!!!
続きが楽しみデス↑更新頑張ってくだサイ!!!!!!


36 シャル [2007/02/19(月) 20:02:00 ID:lot]

ありがとうございます健太郎さん☆
ずっと呼んでいて下さったとは( ̄□ ̄;)!!感激です!
これからもよろしくお願いしますm(__)m


37 シャル [2007/02/19(月) 20:26:14 ID:lot]

.
.
唐突だがどうやら俺は悟りを開いたようだ。
いやむしろ開いたとゆうより開かされたと書いた方が語弊は遥かに少ないだろう。
まぁとにかく俺は十五の春なる爽やか爽やかな一日の集大成として我が家に持ち込んだ唯一の経験値。
.
一日は結構長い。
.            なんでそんなに長いの?
とか聞かれても知らん。長いもんは長いんだ。
漫画や映画で何で人はバナナの皮で滑るの?って聞かれても言えんのと同じ原理だろう。
強いて言えばそれは製作者の独断と偏見によって構築された自己満足の結晶だからに他ならない。
よって現実をしっかりと受けとめて確かに情報を脳に貯蔵するがいいさ。
.
え?結構一日は短いよ。
なんて思う奴は一歩進んで歯食い縛れ。ひっぱたいてやる。
.
そんな訳で終わりゆく我が愛しき青春のワンピースは体感時間にして約一週間オーバー。
疲労感を孕ませた明日への胎動をこの胸に刻み一日目終了は静かに幕を閉じる。


38 咲拉良 [2007/02/20(火) 00:54:51]

あげ(^^)/▽☆▽\(^^)


39 シャル [2007/02/21(水) 00:50:30 ID:lot]

ハイ!とゆうことで一日目終了です!
集計した結果、誤字が十二ありました。
消えちまえって感じです★
とりあえず読んでる人も、読んでねーよって人も、詠んでる!?とかって人も今後よろしくm(__)m


40 聖歌 [2007/02/21(水) 17:49:18]

はじめまして!
超面白いです!すぇんすぇーイイですねww
私は女の子に激ラブです☆
続きがすっごく楽しみデス!更新がんばってください!!


41 シャル [2007/02/21(水) 19:10:03 ID:lot]

聖歌s初めまして☆
好評でよかったです(*^_^*)
そろそろ名前でてくると思います)^o^(


42 シャル [2007/02/21(水) 21:43:25 ID:lot]

.
2日目〆行方不明の伯父さんの到来は連帯保証人へのフラグ
.
.
桜舞う季節――
.
必然か偶然か――
.
俺たちは出会った――
.
.
なんてゆう一昔前に流行った安っぽいテロップを張りつけてはみたが、やっぱり年代物はしっくりこない。
だいたいそんな劇的な出会い方をしたわけではない俺たちは、入学直後のグループ結成イベントの際にシャッフルユニットを組んだ。
我が仲良し1−Cは男子と女子が驚くほどに仲が良く俺たちの様な例は決して少なくない。
.
様々なグループが入学ビックバン直後に多数生まれたが名前やあだ名の奇妙さで我らに適う器はいないだろう。
.
太陽の様な輝きを放ち続ける親愛なる隣人の名前は
日日和日向【ヒビヨリヒナタ】
明るく育つのも頷ける。
その後俺の『日は三つもいらん。とれ』宣言を受けとってみたところ『和向』となった。
このままでは倭寇と類似する危険のため『わこ助』、と呼ぶことにした。
もっともあいつは『ひなっち』と呼んでいるが…


43 シャル [2007/02/22(木) 00:19:36 ID:lot]

.
.
あいつって誰だって?
そんなもの決まっている。あいつはあいつであってあいつ以外のあいつではあいつたりえない。
転校初日に俺がヒットポイントレッドゾーンで登校しなければならなかった唯一にして最大にして絶対の存在自称。青髪の少女改め、
波乃波乃【ナミノハノ】
はっきり言うが名付けの親の感性を疑う。
姓と名が同じですよと突っ込んだ俺は必殺の『にらみつける』攻撃の前に黙秘を余儀なくされた。
さすがにナミノナミノと呼ぶ訳にはいかず、とりあえず『ハノ』と呼ぶことにした。
そしてわこ助は『ハノハノ』と呼ぶ。
.
そして最後に俺だがこの平凡な名前にあだ名など付ける必要なく思える。
どうしても『ジュンジュン』と呼ばせてくれとゆう二人に容赦ないデコピンを浴びせかけた結果、
わこ助が『順』
ハノが『順君』で安定を計った。
.
そしてそんな毎日が迷走の三人はこれ東京ドーム何個入るっ!?って感じの食堂で昼食をとっていた。


44 雨◆ [2007/02/23(金) 13:29:55 ID:authoress]

わこ助(´`)何
ジャンピング土下座ってあーた(´∀`)w
しかも言い訳長し(´艸`●)ウププ
2日目楽しみやわぁ(●´ω`)~♪


45 シャル [2007/02/24(土) 03:32:41 ID:lot]

レス感謝〜(^ .^)y-~~~
カオス化進行中〜☆


46 シャル [2007/02/24(土) 04:01:33 ID:lot]

.
.
「真っ赤なお鼻の〜トナカイさんは〜♪
.
いっつも皆の〜笑い者〜♪
.
いっつも泣いてた〜トナカイさんに〜♪
.
サンタのおじさんは〜言いました〜♪
.
お前はす〜でに用無しだ〜♪
.
明日の夜は〜来なくていいぞ〜♪
.
いっつも泣いてた〜トナカイさんは〜♪
.
社会の辛さを〜知りました〜♪」
.
止めてくれ飯時にそんなメランコリーな歌を歌うのは。
.
「おい」
「ん?何かな?」
「季節はずれな上にだいぶ欝な気分になってしまった俺はいったいどうしたらいいんだ?」
.
食堂の仲はがやがやと騒がしく地平線の彼方まで続くバイキングのトレイは俺の平行感覚を確実に削っていった。
わこ助は五分前にピロシキを探す旅にでたまま帰ってこない。ロシアコーナーまでいくのに軽く十五分はかかるだろう。
.
「なはは〜失礼失礼。このボルシチでも食べて元気をだしてくれたまえ」
.
それどこの料理だっけ?
.
「だいたいこの学校はでか過ぎるんだ。なぜ蕎麦を食うのに息を荒げなきゃならん」
「自分の欲しいと思う物はそれ相応の代価がいるのだよ空沢三等兵!」
.
誰が三等兵だ。
そんなシンキングタイムの間にもハノはにこにこと笑いながらボルシチをかっこむ。
最近やけに機嫌がいいな。俺は毎日知りもしない理事長のせいで筋肉痛連鎖の毎日だ。
そんなおり一本の放送が流れた。


47 咲拉良 [2007/02/24(土) 20:11:00]

学食でボルシチって…
羨ましいWw


48 シャル [2007/02/24(土) 21:53:15 ID:lot]

咲拉良sサンクス☆
たぶんこの食堂は最低2`はありますね(^-^)


49 シャル [2007/02/25(日) 16:49:00 ID:lot]

.
.
(ピンポンパンポーン
1−C波乃さん1−C波乃さん。浅神理事長がお呼びです。すぐに理事長室に来てください。繰り返します……)

なんてこった俺を毎日間接的に微弱ノイローゼにしていた張本人とコンタクトを取っている人間がこんなに近くにいるとは。
ぜひとも日本食コーナーを最前列に並べてもらおう。

「おいお呼びだぞ」

声をかけた俺のまえでハノは小刻みに震えていた。
そして目を見開き満面の笑みで一言。

「ついに時は満ち足り!喜べ順君!これは秘密だが近じかとても愉快な事がおきるぞ!!」
「お前の頭が愉快なことになったとしか思えないんだが…っておい!」

台詞を言いおわる頃には奴の姿は豆粒大。
「そのとき歴史が動いた〜!」と叫びながら廊下の影に消えていった。
何がそんなに愉快なんだか。

「ハノハノ呼ばれてたけどどうかしたの?」
「おぉわこ助か。ピロシキは見つかったか?」
「いや〜辿り着けなかったよ〜。代わりにパンチェッタが山盛りになってたからもってきたけど」

それどこの料理だっけ?


50 Y⌒((*'∀`@p健太朗q [2007/02/25(日) 20:50:11 ID:kentarou]

ああ〜。この独特の雰囲気好きデス♪
あのですねえ、ココをスレブしてもぃぃでしょぅか???


51 シャル [2007/02/25(日) 21:37:37 ID:lot]

もちOKです☆
じゃんじゃんしちゃって下さい(*^_^*)


52 シャル [2007/02/26(月) 00:39:46 ID:lot]

.
.
「それにしても…ロシアなら走れば五分でいけただろうに。なんか居たのか?」
.
片やパンチェッタなる異国の料理をついばむ少年。
片や蕎麦をすする俺。
.
「そんなたいした事じゃないんだけど……人が、四五人血だらけで倒れてたんだ」
.
ぷひゅーとゆう音をたてて蕎麦が宙を舞う。
.
「それがたいしたことじゃないのならいったい何がたいした事なんだね君」
.
ここはいったいどうゆう学校だ。道に迷うはでられなくなるは。挙げ句の果てに食堂堂々殺人事件とは。
俺は数日中に休学届けを出すことを決めた。
.
「まったまった」
「いやまたんね。俺の決意は誰にも変えられんぜ」
「?いやそうじゃなくて。演劇部が練習をしてたんだ」
「演劇部?…なんで又食堂で?ご苦労なこった」
.
そういえばそろそろ部活選びの時期だったな。俺には関係ないことだ。帰宅部でインハイを目指すのも悪くない。目標は帰宅時間半分カットだ。
.
「文化祭が近いからね。数ある演劇部が群雄割拠で競い合ってるんだよ。ほら」
.
振り向けば鬼の形相で凶器乱舞する有象無象の白昼夢が広がっていた。


53 シャル [2007/02/27(火) 20:23:54 ID:lot]

.
.
突然だか皆の集。
『ロミオとジュリエット』を知っているだろうか。
そう。『ああロミオ…どうしてあなたはロミオなの?』
『ジュリエット…わからないよジュリエット…。そんなことはボクの母さんにでも聞いてくれ…』
のアレである。
そのアレが昼間の食堂で繰り広げられていた。
死体のオプション付きで。
.
いやいや何で死体?別にその作品で出さなくてもいいじゃん。そうゆうのは『死闘…そして』みたいな作品ででればいいから。
俺の屍をこえていけとかいってろ。
.
「だからなんであんなケチャップ塗れなの?昨今の地球の状況をわかってないとしか思えないんだが…」
.
そんな俺の問いに答えてくれたのは笑顔の化身わこ助。
.
「あれは正確には『ロミオとジュリエット』じゃないんだよ」
.
と、言いますと?
.
「確か題名は…『ロミオとジュリエット・嫉妬と愛憎の果てに…追憶編』だったかな?面白そうだよね(ニコ)」
.
どろどろだ。どっろどろだ。
言われてみれば視界の隅から『アンタさえ居なければ!!』とか『こんなに…こんなに愛しているのに!!』とかって聞こえてくる。
.
「あの部の部長さんがね演劇四天王の中でも過激な表現が好きでね。あ!演劇四天王ってゆうのは…」
.
すまん。まったく興味がわかん。
.
「あーいい、いい。さっさと食堂をでよう」
.
五秒で蕎麦をすすりきり扉に向かう俺を追い掛けてきたのはわこ助と『あっちに逝けばずっといっしょだよ〜!!!』とゆう台詞とヒステリックな高笑い。
いつのまにか全速力だった俺は今後演劇部と関わりをもってしまうとは欠片も思っていなかった。


54 咲拉良 [2007/02/27(火) 21:35:59]

どろどろWW(何


55 シャル [2007/02/28(水) 06:49:05 ID:lot]

どろどろ(笑


56 笹波 [2007/02/28(水) 14:17:12]


この前は小説にコメどうもでした。。
誰かの不幸妄想論の笹波です!

ロミオとジュリエットの部分が
かなり面白かったですww
題名も凝ってますし

頑張って下さい♪


57 シャル [2007/02/28(水) 18:12:08 ID:lot]

わざわざどうも\(^O^)/
これからもヨロ☆彡


58 シャル [2007/02/28(水) 22:09:01 ID:lot]

.
.
―であるからにして…
.
時刻は三時半。わずかなトラウマを受けたあの食堂での衝撃的かつ排他的な出来事の余韻を味わう間も無く始まった授業もすでに
.
―このナトリウム水溶液のモル濃度は…
.
六時間目。凶悪に降り注ぐ五月の日光は俺のもともと少ない意欲をごっそりと奪い
.
―酸化後の物体の体積は…
.
とっていった。この誘利【イザナリ】高校にきてからの生活はこれまたどうして愉快極まりない物であったが所詮は序章。プロローグであっ
.
―ベンゼンの構造は同一平面常に…
.
たのだろう。これからバシバシとんでもない事に巻き込まれる自信がある。てゆうか心なしか先生の声が近づいて来てる気がするが気のせいだろう。それよ
.
―六角形で表される…
.
り問題なのは前の席にいる奴だ。いつも爆睡決め込む科学の授業で真面目に受けている。そして何かを書き出した。てゆうか先生どこいった?まあそんなことはどうでもいいがいったい何をか
.
「空沢ぁ!」
「はうあっ!!」
「お前…私が懇切丁寧に教えてやっている科学よりも外を眺めているほうが楽しいのか?」
「いやっ!そのっ!これは何と言いましょうか…そう!ロミオですロミオ!!血だらけのロミオが空に!」
「そうかそうか。じゃあそのロミオを…明日までにレポート百枚と共に提出だっ―――――――――!!」
.
その叫びの影で俺に渡された一切れのメモ。
.
決定。今日は厄日だ。


59 シャル [2007/03/01(木) 18:08:41 ID:lot]

小説準備板でささ様のキャラ交換所にて
わこ助レンタル中(笑


60 シャル [2007/03/01(木) 20:40:38 ID:lot]

.
.
「おめでとう!御両人は我がAPU部の部員に認定されやしたっ!!」

なんだこれ。本当なんだこれ。もっかい言うぞ。なんだこれ。

決して静かに閉じてはくれない俺の日常は序章にすらなっていなかったとゆうのか?
目の前に立つ笑顔のクラスメイトは一騎当千の迫力でたたずみ続ける。

俺は顔に?を浮かべ種類の違う笑顔を携えるわこ助と目線を交わす。

なんだこれ?

我が愛しの疑問視に塗れた平凡ライフよ…歩調を緩めたらどうですか?


61 シャル [2007/03/01(木) 21:32:08 ID:lot]

.
3日目表〆Rebelion of tha White Snow
.
.
遡ること一時間。無造作に置かれたハノからのノートをちぎった手紙にはこう書かれていた。
.
『掃除が終わりしだい二人でここに来られたし!』
.
みなぎる熱意の象徴とも思える熱い文脈の下には簡単な地図が書かれていた。
中庭の中にでかでかと記された赤い四角。
やることもない俺たちは友の招待に甘んじることにした。
告白だとは思えない。っていうか二人って書いてあるし。俺はそこまで自意識過剰なつもりはない。
.
予定時刻きっかり。
そこにあるのは奇妙な建物。
訝りながらも入った俺たちを待ち受けていたのは。もちろんあいつだった。
.
そしてこの顛末にいたる。


62 シャル [2007/03/02(金) 00:43:07 ID:lot]

3日目☆彡です!
表とゆう事で当然裏もあります(^-^)
新キャラとかも出るかも(?_?)


63 ポコタ [2007/03/03(土) 16:34:59]

上げww \(^_^ )( ^_^)/


64 咲拉良 [2007/03/13(火) 01:00:59]

アガリックス!


65 佳奈 [2007/03/13(火) 02:11:23 ID:angeltaka]

来るの遅くなりましたぁ〜(>_<。)
いやぁ、かなりおもしろいですねぇ(笑)
面白くて読みごたえがあって…最高!!
シャルさんの文才をほんの少しでいいから分けていただきたい…(;д;)
これからも期待してるので頑張って下さい☆
六道輪廻では足引っ張ると思いますけど精一杯やりますのでよろしくお願いします(*0∪0*)"
あ、今更なんですけど呼びタメしていいですか?笑


66 シャル [2007/03/13(火) 21:27:41 ID:lot]

もちろんOKです☆
これからもよろ(o^o^o)


67 シャル [2007/03/14(水) 21:19:30 ID:lot]

.
.
「ことわる」
.
なぜ俺がそんな素性もわからない部活に入らなくてはならない。だいいち…
.
「だいいち俺は」
「すとーっぷ!」「?」
「君の言いたいことなどすでに分かっておる。どうせ帰宅部、登校下校時間半分カットとかなのだろう?そんなもの、自転車に乗れば一発だ!!」
.
そうかその手があったか、なんて思っているコンマ一秒、次の言葉の弾丸もといマシンガンは容赦なく襲い掛かる。
.
「それともあれか?君は学校で塩分濃度の高い爽やかな汗をかくことより、家に引き籠もって終わったFFのレベル上げる方が楽しいのか?それでいいのか君の人生ッ!!」
「ぐっ」
.
いかん。つい口籠もってしまった。てか割と図星なのがやたら悔しい。しかし、どうやって此処を潜り抜けようか。
.
「僕はいいよ」「!?」
「どうせ放課後は暇だし」
.
わこ助…やってくれたな。これで逃げ道はなくなった。どうにでもなれ。
.
「わーったよ。取り敢えず仮入部ってことで」
.
満面の笑みを浮かべ、コバルトブルーをなびかせ放たれる部長のお言葉。
.
「よろしい!では部室を案内しよう!」
.
くぐる扉は怪しさ満点。どうか誰にも見られませんように。


68 シャル [2007/03/14(水) 22:03:59 ID:lot]

.
.
「いったい此処は何をする部なんだ?」
.
案内された部室…じゃないな。そこはもはや秘密基地だった。子供が作るダンボールでできたちゃっちいものじゃない。レベル的に言えばサンダーバードだって発進できるかもしれない。こんなAPUなんて訳わからん部のために、よくこれほどの部費が降りたもんだ。

「ああそれは、この部の初代部長が浅神理事長だからだよ。代々浅神家の人が幹部の学校で優遇されるのは当たり前とゆうわけさ!」
.
また勝手にモノローグを…
.
「だいたい…APUってなんだAPUって」
.
学校中を映し出す監視カメラをいじっていたわこ助がひっくりかえった。どうやら女子更衣室のカメラを覗いてしまったらしい。
.
「ヨクゾ聞いてくれました!APUとはつまり!
Aluminumcan(アルミ缶)
Philanthropy(博愛)
Union(連合)

アルミ缶をこよなく愛する初代が作ったありとあらゆる物を掃除する部だよ。私が前部長の曜姉から受け継いだんだ。」

だれだ曜姉って?いやそれ以前に掃除って

「つまり掃除部ってことか?」

「なはは〜半分正解」


69 シャル [2007/03/15(木) 07:21:06 ID:lot]

.
.
半分正解か…ニュアンス的にもう半分は決して喜ばしいものであるか、いやない(反語)
イレギュラー因子が入った時点で俺の運はいつも坂道を転がり落ちてゆくのだ。
.
「もちろん掃除なのだからゴミもかたずけるけど…ありとあらゆる物とゆうからにはもっと大きなものもかたずけるんだよ」
.
詳しい説明を求む。
.
「そう…例えばテスト直前に起きる“緊張感”“不安定感”“倦怠感”などを個人的または全体的に和らげたり…喧嘩などの際に互いに抱く“嫌悪感”“敵対感”等をおさえて和解させたり…まあ言ってみれば何でも屋かな?」
.
なんだそりゃ?
.
「まあ一部から、どうしうようもない生徒を文字どうり“掃除”することから“スイーパー”なんて呼ぶ人もいるからね」
.
俺はどうやらとんでもない部に入ってしまったようだ。おいっ。そこのパソコンに興奮している約一名、お前もな。
.
「なはは〜実際には“スイーパー”じゃなくて“クリーナー”なのにね〜」
.
どっちでもいいわい。どうせもうのんびりと家にかえって和む日々は終わりを告げたらしい。


70 シャル [2007/03/17(土) 15:17:49 ID:lot]

色変えマンセ〜(何


71 みけにゃん [2007/03/17(土) 15:26:37 ID:mikenyan]

全クリしてしまったFFのキャラを、せっせとレベル上げしているのは誰だ?!
とか……。
みけのこと呼びましたか((爆w


72 シャル [2007/03/17(土) 15:46:13 ID:lot]

ちなみにこっちはDQ(*_*)
やり始めると止まんにゃい…


73 シャル [2007/03/17(土) 20:58:51 ID:lot]

.
.
その後の学校生活は誠に忙しいものになった。
.
朝は掃除
昼に掃除
夕も掃除
.
俺は掃除のオバチャンか!
.
そんなこんなでする仕事だが…この部活は結構有名らしい。
.
悔しいかな日課にされてしまった毎朝の掃除の際に掛けられる
.
「アレが今年のAPUか」なる文字列を自分の名前と錯覚するまで浴びせられた。
.
大きな出来事と言っても、屋上で花見をした三年生を“掃除”したことくらいか…。
もっともそのときは穏便に事を運ぼうとした俺の横を駆け抜けたグロリアスブルーの飛び蹴が全てをおさめたのだが…
.
余談だが一部ではこの事件は『桜色の惨劇』と称され、首謀者であるあいつは『蒼纏鬼』の名を欲しいままにした。
なるほど。青い髪を纏って飛び蹴を繰り出す鬼…ソウテンキ。
.
ぴったりだ。
.
俺は絶対に食らいたくない。
.
そしてそんなこんなで過ぎ去った一ヵ月。文化祭がやってくる。


74 シャル [2007/03/18(日) 13:47:57 ID:lot]

.
.
――「白雪姫……ですか?」
.
賑やかなお祭りムードを俄かに消し去る“それ”は突然やってきた。
.
「お三方に、演劇の代役をやっていただきたい」
.
それは誰もが心湧き踊らせる文化祭の開始直後。
.
すんません部長。俺は木すらやったことがないんすよ……?


75 シャル [2007/03/18(日) 22:47:33 ID:lot]

.
.
そしてその少し前。1−Cは来たる文化祭の出し物を決める『会議』なるものを行なっていた。全く、素直にホームルームと言えんのか?
.
「そこ――っ!空沢ぁっ!何か言ったか〜!?」
.
「いえー別にー続けて続けて。音無委員長」
.
音無響【オトナシヒビキ】我がクラスの絶対のカリスマと頭脳を用いてC組を牛耳るすーぱー委員長。そんなどっかの猫型ロボット物語のヒロインみたいな名前してるくせに……
.
「何が音無だ。完全に名前負けしてんじゃねーか」
.
小うるさいったらありゃしない。
.
「順、彼女苦手だもんね」.
うるへー。
.
「――と言うことで私たちのクラスはおばけ屋敷をすることに決定されました」
.
わーとゆうやる気の無い拍手に便乗参戦。ついでに自然体でもあやかしと認められそうな前方の青い固まりを見る。気持ち良さそうに寝息たてやがってったく。
.
「各自。自分が扮するおばけを考えておいて下さい。これで今回の議題は全て終了です」
.
「ふぇ?」
起きたか。妖怪蒼鬼。
「ほぁぁあ〜〜何事かね?ずゅんくん」
.
「授業中に爆睡する不届き物をどう駆除するかどうかを話し合ってたんだ」
.
つまりお前な。
.
「それなら……ほっぺでもつねればっていだだだだだだだだだだっ!!え?だから不届きいだだっだだだだだ……」
.
まったく。一限から寝続けやがって。


76 咲拉良 [2007/03/22(木) 15:55:20]

あげ☆


77 シャル [2007/03/22(木) 22:23:00 ID:lot]

咲拉良sいつもどうも(^^ゞ


78 佳奈 [2007/03/23(金) 22:34:12 ID:angeltaka]

こんばんは★
遅くなりましたが…
じゃあこれから呼びタメしちゃうね♪
てか今久々に小説で吹き出しちゃったWw
やっぱシャルはすごいよね〜。
佳奈の憧れだわ☆
これからも頑張れ


79 シャル [2007/03/23(金) 22:40:00 ID:lot]

佳奈こちらこそ末長く宜しく☆
あと本当お大事に(^Q^)/^


80  [2007/03/24(土) 12:23:37]

おもしろい^^


81 シャル [2007/03/24(土) 14:22:58 ID:lot]

炉sレス感謝☆
面白いですか(o^o^o)よかったです!
これからも精進するので今後とも宜しく(^O^)/


82 シャル [2007/03/24(土) 18:36:12 ID:lot]

.
.
「それで、順は何のおばけにするの」
.
現在の時刻は5時。やることが無くなった俺たちはネットサーフィンを楽しんでいた。
.
「そうだな……適当にシーツでも被ればいいんじゃないか?」
.
俺の脳裏にはあの白い体に目と口だけ穴を開けた例の姿がよぎる。
名称は無いが人類皆幽霊と聞くと思い浮べてしまうあの姿。
今は仮に真白君と言う名で呼ぼうと思う。
.
「あぁ、田中もそれにするって」
.
「そうなのか?」
.
「うん。ついでに言うと……跡崎、速里、篠原、田代、託条、上坂、円山、え〜と後は……」
.
人気だな。真白君。
.
「まあいいさ。後でこの道の専門家にでも聞いてみるから」
.
「そういえば彼女、最近見ないね。どうしたんだろ?」
.
確かに。この頃あの部室を“浮遊”する鮮やかな“黒髪“を見た覚えが無い。青なら毎日見ているんだが。
.
「あらかた、文化祭に向けて準備でもしてんだろってあっ!回線切れやがった!」
.
「じゃっ、そろそろ帰ろっか」
.
しゃあないか。時間もすでに午後6時。チャリンコのランプが壊れた身としては暗闇はまずい。さっさと帰るとしよう。
.
「ちょいっとまったぁぁあっ!!」
.
ドアノブに手をかけていた俺は勢い良く開いた扉に吹き飛ばされた。
もう鼻は使い物にならないかもしれない。
対応は頼んだぞわこ助よ……
.
「どうしたの?こんな時間に……その後ろの人は?」
確かに……いつもの調子でナチュラルハイなハノの後ろには上級生と思われる人が所在なげにたたずんでいる。
つーか鼻痛い。
.
「よくぞ気付きました!ひなっち!!正解者に10ポインツっ!」
.
「この人は演劇部の部長さん。そんで……依頼人だよ」


83 リレー小説始めましたシャル [2007/03/24(土) 22:12:06 ID:lot]

.
.
―――「立川三島【タチカワミシマ】と申します。もう一度言いますが……御三方には代理の役をやってもらいたいのです」
.
なんてこった。こっちは真白君以外のおばけを見つけなくちゃならんとゆうのにこの上演劇までするはめになるとは。
ていうか、この人……
.
「なあ、わこ助。この人食堂でロミオやってた人じゃないよな?」
.
ヒステリックに叫びだすあの姿はマジでキレる5秒前。早々忘れられるものじゃない。
.
「前にも言い掛けたけど、この学校にはなぜか演劇部が四つあるんだよ。食堂であったのは逆風さん。毎年演劇部同士の激突は激しいらしいよ」
.
そんなわくわく顔で言われても困るんだが。
.
「え〜。要約すると……演劇の最中に器材が倒れて怪我をした役の代わりをして欲しいと、そうゆう訳ですか?」
.
「はい。そうゆう訳です」
.
と、言われても……中学時代は幾度となく演劇をしたが、俺はいつも舞台裏。照明やらセットやら、まともな役をしたことが無い。
気の毒だが……
.
「すいませんけど、俺らは劇なんてで「」わっかりましたぁ!!」
.
は?
.
「その依頼!見事こなしてみせます!!」
「おい!ちょっと待て!お前劇なん「」本当ですかっ!?ありがとうございます!」
.
どいつもこいつも人の台詞に中に割り込みやがって。
.
「じゃあ詳しい話はまた後日に」
.
バタンと音がして依頼人が去っていく。
おいおい、どうすんだ?やることは山ほど在るとゆうのに。
.
「そりゃあ君、あれだ。え〜と……」
.
え〜と?
.
「そう!ぶっつけ本番っ!」


84 佳奈 [2007/03/24(土) 22:59:21 ID:angeltaka]

ホントありがとう!心配掛けてごめんね;;
こちらこそよろしくだから♪
ってか・・・ぶっつけ本番て・・・笑
もう何でもありですな!!爆


85 リレー小説始めましたシャル [2007/03/24(土) 23:47:43 ID:lot]

なんてゆうか勢いって大切?(謎
そしてレス感謝(^^)ノシ


86 リレー小説始めましたシャル [2007/03/25(日) 15:38:11 ID:lot]

.
.
――あっとゆうまに時は過ぎ、文化祭当日。
.
「どうよ空沢ぁっ!なかなか似合うと思わんか?」
.
ちなみに演劇練習時間はゼロ。漢字で書くと零。ぶっちゃけぶっつけの大ピンチだ。
.
「あ〜似合ってますよ委員長。その妖狐」
.
「いちよう……猫娘なんだけど」
.
俺たちの日程は多忙の極み。午前中は人を恐がらせ、午後は喜ばせると言うなんともボランティア精神溢れるナイスデイ。
.
「えっ!?いや…その、なんか目とか釣り上がってたしてっきり狐かと…」
.
「尻尾とか見ろ尻尾とか!つーかお前の河童よりましだアホっ!」
.
「確かに河童はないかもね〜」
「あ。波乃さんに日日和君」
.
何ていうか、本当どうしよう?分かっているのは白雪姫をやるって事だけで俺にいたっては役さえ知らされていない。それに……
.
「お前らに言われたくないわ!二人してシーツ被りやがって。あのな、シーツさえ被れば異形の化け物になれる時代はとっくの昔に廃れ果ててんだよ!お分り?」
.
「ふむ……だとしたらこれは、次々とデジタル化してゆく大人達へのささやかな反発なのかもしれませんな」
.
黙らっしゃい。穴から青いの覗かせてる奴が何をゆうか。
.
「おーい空沢ー。そろそろ開店だから配置頼む。お前入り口付近だろ?」
.
「おーす円山ぁ!」
.
とりあえず今は文化祭を楽しもう。


87 リレー小説始めましたシャル [2007/03/26(月) 03:06:21 ID:lot]

.
.
――ねぇ!聞いた?あの話し
.
――聞いた聞いた!面白そうだよね!
.
――それってC組の話し?
.
――そうそう
.
――でたんでしょう?“幽霊”が!


文化祭も午前の部が終わり俺達は昼飯どき束の間の休息を楽しんでいた。
空は快晴。木陰の下で食う弁当は意味もなくうまい。
そして学校中にはC組に本物の幽霊が出るとゆう噂で持ちきり、全ての真相を知っている我々はただただ苦い笑い、縮めて苦笑を漏らしえない。
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「やってるみたいだね〜彼女」
「そのようだな」
.
ちなみにこの話は後日する事になるのであえて皆まで言うまい。
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「女子高生への恨みを今こそっ!って張り切って飛び出してっちゃったよ。ケチャップまみれで……」
.
「んな事よりお前ら練習とかいいのか?姫と王子だろ?」
.
青い髪を風になびかせ遊ばせている暇はない事を理解しろ。
.
「なはは〜。まあ、アレですよ。いまさら慌てても無駄無駄!英語で言えばナンセンス!若者語ではカッタルイ!」
.
俺的には現実逃避。
.
「こうなったら勢いで!アドリブ上等、王子を倒す勢いでッ!」
.
いやダメだから王子倒したら。
.
「みなさ〜〜〜〜ん!」
「?」
.
駈けてくるのは緑がかった髪をおさげに括った女の子。とゆーかどちらさま?
.
「あ……えと、すいません。演劇部の者です。部長、今忙しくて……呼んでくるよう言われたんです。あの……そ、そろそろ時間ですし…えとっ」
「しゃあっ!ついに来ましたかっ!」
「ふぇっ!?」
.
やって来てしまったか。俺はとりあえず部長に何の役をするかを聞かねばなるまい。それと……
.
「ええと……俺の顔に何か付いてる?」
「へ!?えっ、あっ、何でも無いです!何でも……先いってますんで……」
.
内の面子にはかなわないが……少々変な人だな。
などと呟いた俺は先を走る青髪が、
.
「王子を倒す……か」
.
とこれまた呟いた事に気付くよしもなかった。


88 リレー小説始めましたシャル [2007/03/26(月) 22:27:03 ID:lot]

.
.
《ああ、聖者様……手への接吻をお許しならば、どうか……どうか唇へもお許しください》
.
《たとえ……祈りにほだされても、聖者の心は動きません……》
.
.
始まった演劇会。正確には演闘会というこの演劇合戦は誘利の伝統行事らしい。
四つの流派の部が一斉に劇をし、一番人気が高かったところに賞状とトロフィーが渡されるらしい。
.
そしてこの四つの部にはそれぞれ特徴がある。
.
感動派
過激派
舞足派
.
そして白雪姫をやるはずの俺たちは何派だか部長は教えてくれなかった。
.
今「ロミオとジュリエット」をしているのは過激派だ。
もっとも過激派は行き過ぎた表現にとうとう生徒会のメスが入りだいぶおとなしくなっている。
.
――キャ〜〜〜〜〜ッ!!
.
甲高い女子の悲鳴が講堂に響き渡る。どうやらキスシーンのようだ。
しかし舞台裏からしっかりと俺は見ていた。微妙にずれてる。
遠近法万歳。
.
そして過激派の演技、感動派の演技も無事終了。
落雷でも落ちたらいいのにと願い続けた俺の願望は叶わず、無常にもアナウンスは鳴り響く。
.
「次の演目は立川部長率いる『白雪姫』。どうぞ入場して下さい」
.
俺はその声に促され、やけにご機嫌な姫と王子と一緒にステージに上がった。
.
.
.
小人の衣裳をまとって。


89  [2007/03/26(月) 22:29:58]

おもろいww
ファンになったww


90 リレー小説始めましたシャル [2007/03/27(火) 00:56:34 ID:lot]

ファンになってくれるとは( ̄□ ̄;)!!
嬉しい限りです(^^)v
これからも精進していきたいとおもいます☆


91  [2007/03/27(火) 01:00:19]

ここはひとつたのみますww


92 シャル [2007/03/27(火) 14:34:23 ID:lot]

いえいえ(謎


93  [2007/03/27(火) 20:02:38]

あげとくねw


94 シャル [2007/03/27(火) 23:03:39 ID:lot]

.
.
《鏡よ鏡。世界で一番美しいのは誰だ〜?》
.
《お答えしましょう王妃様。それは……》
.
パリンという情けない音が響く。
鏡が割れた音だ。
.
そんな劇中、俺はというと舞台裏から劇の進行を見守っていた。
小人の出番はまだまだ先だ。ゆっくりしていよう。
.
ところで、そんな七人の小人にはそれぞれに名前がある。右から、
.
マルオ
マルコ
マルソ
マルト
マルノ
マルホ
そして最後に俺役……ジョナソン。
.
脚本。ちょっとこい。
.
なんでジョ?いままでマル○できてんのになぜジョ!?
マルモでいいじゃん、マルモで!
いや……やっぱだめだ。マルモじゃだめだ!
なんかマリモみたいだし!.
《できた!できたわっ!この林檎を食えばあの小娘も……ふふふ》
.
てろろ〜〜んという音がして王女が魔女に変わる。
どうやら魔法の表す音らしい。
やっすいな魔法。
.
舞台は代わり森の中へ。
.
《大変だ!森に誰か倒れているぞ〜!》
.
気を失った姫をマルオが見つけるシーン。
倒れているのはもちろん倒れてなお凄まじい生命力に満ち溢れるあいつだ。
純白のドレスに身を包み笑った顔は正直かわいい。
性格があれでなければな。
.
.
何事もなく進む劇。だが俺はこの先何が起きるかを、何に巻き込まれるのかを、全く理解してはいなかった。


95 佳奈 [2007/03/27(火) 23:31:41 ID:angeltaka]

やっばぁ!!今かなりふきだしたWw
マルオ、マルコマルソ、マルト 、マルノ、マルホときてジョナソン!?
いやー、シャルは期待裏切らないから好き!!
脚本。ちょっとこい。ってとこが好き♪
冷静なとこがいいなと思います☆何
これからも楽しみにしてるから頑張ってねWw


96 シャル [2007/03/28(水) 02:20:53 ID:lot]

佳奈>あかさたな順にしたんだけどマルコ以外まともな名前がない(笑
.
実は演劇編の次のエピソードを一番楽しみにしてたりして(*_*)
.
レス感謝!


97  [2007/03/28(水) 02:31:23]

爆笑ww^^


98 シャル [2007/03/28(水) 17:07:03 ID:lot]

爆笑!?(笑


99 シャル [2007/03/28(水) 21:05:01 ID:lot]

.
.
《まあ!なんて美味しそうな林檎かしら。おひとつ頂きますわ》
.
観客から軽い悲鳴が上がる。
とさっ、とステージ上に横たわる姫。
なんというか、あいつはいったい何者だ?
渡された台本を5分で完全に看破し、完璧に演じている。
俺は《さあ、王子。姫のもとへ…》という台詞だけを今も必死で復唱しているというのに。
.
《じわじわと……苦しんで逝くといい。白雪姫よ……》
.
しかし若干気になる事がある。渡された台本には王子か来るところまでしか書かれておらず、肝心なラストは白紙なままだった。
印刷ミスか?それとも……
《姫…姫よ……あなたはもう、二度とその可憐な目蓋を開いてくださらんのか……》
.
《これは……いったい……》
.
王子登場。
どうでもいいが姫の前で台詞を言っていたマルソはたぶんナルだ。
言葉の端から自意識過剰な匂いがぷんぷんするぜ。
.
《さあ、王子。姫のもとへ…》
.
にこやかに笑いをたたえる王子、もといわこ助に台詞を投げ掛け二歩下がる。
全ての役目を終え俺は安心しきっていた。しかし……
.
《近寄るなぁっ!この下道めがぁっ!》
.
いったい何が起こった?
.
気が付けば、これから王子に呪いを解かれるであろう姫は、自身の骸を入れる棺に仁王立ちになっていた。
.
.
.
俺は後に知ることになる。
誘利に存在する四つの流派の演劇部。
その最後の一つ。“アドリブ”派を……


100 シャル [2007/03/28(水) 21:08:50 ID:lot]

百突破☆(^^)/▽☆▽\(^^)☆
.
ここまでこれたのも支えて下さった皆様のおかげですm(__)m
.
これからもどうかよろしく!


101 (人´∀`*)健太朗☆.。.:*・゜ [2007/03/28(水) 21:10:23 ID:kentarou]

100オメデトウゴザイマス!!!!ゃっぱ面白ぃですゎ↑
これからも頑張ってくださぃ!!!!


102 トラ [2007/03/28(水) 21:12:55 ID:torako]


100おめでとうございます!!
相変わらず面白くて見るたびパソコンにしがみついてますw(ぁ
これからも頑張ってくださいw


103  [2007/03/28(水) 23:27:17]

ああ〜こんな小説かいてみたい〜(−ωー`)


104 シャル [2007/03/28(水) 23:51:26 ID:lot]

健太郎s>有難うございます☆面白いといっていただけて光栄です(o^o^o)
.
トラs>応援感謝です!パソコンはお大事に(笑
.
炉s>大丈夫です。これくらいなら誰にだって(オイ


105 咲拉良 [2007/03/29(木) 13:16:35]

100オメデトウ☆
これからもガンバp(^^)q


106  [2007/03/29(木) 15:27:07]

あげ(−−)


107 シャル [2007/03/30(金) 09:30:45 ID:lot]

.
.
《ちょーっ!呪いー!まだ呪い解けてないからっ!棺に帰れ!》
.
《そんなもの、あやつの発する半径3メートルの毒電波ですでに解けたわっ!》
.
何これ?どういう展開?
.
《ふっ。うまく王子に化けているようだが、こいつこそが王妃であり魔女。止めをさしにきたか!》
.
頼むから、これ以上世界観を壊すな。ほら、わこ助困ってる!困ってるから!
.
《…ふはは!ばれては仕方ない!みな此処で消えてもらおうかっ!》
.
くっ!どいつもこいつもノリのいい奴らめ!(涙)
.
《そうはならんぞ!さあ、ジョナソンよ!この打出の小槌で巨大化しあの魔女を撃て!!》
.
《姫ぇぇええっ!!それ!それ違う!そういうのはお茶碗で旅したちっさい英雄の奴だから!》
.
《時代は何時も意外性を求めているのだよ!そらぁ!》
.
言い終わるとハノはそのハンマーらしき物を振り出した。小人の役は大きめの衣裳を着てしゃがんで劇をする。つまり、立てと。
.
《どちくしょぉぉおおっ!!不本意ながらも力が溢れていくーーっ!!》
.
こうなったらやけだ。最後までやらなければ俺は卒業までノリの悪い奴だ。
.
《小人風情が、王子兼魔女に逆らうとはっ!》
.
ここに展開する不思議演劇はついに王子VS小人のカオス極まる境地へ。
.
マジでこれからどうなんの?


108 シャル [2007/03/30(金) 10:11:10 ID:lot]

.
.
いつのまにか用意された剣を握り、俺たちは向かい合う。
観客席は謎の展開を見せるこの茶番を好意をもって受け入れたようだ。
.
《っあ!》
.
一撃はわこ助。
青眼から繰り出される袈裟切り。
俺はその剣閃を躱しつつ横凪ぎを放つ。
しかし、軽やかに身を捌き流される。
行き場を無くした剣は虚しく空彷徨う。
.
(こいつ、初心者じゃないな…)
.
俺の対親父用に道場で鍛えた剣術と同じとは。
だが、此処まできたからには負けられない。
場を盛り上げつつ決着を付けてやる。
.
《くらえっ!ヤケクソ小人さんソ〜〜ドッ!!》
.
《なんのっ!》
.
意表をついたはずの正面からの一撃も見切られ、お互いの剣が初めて交差する。.
キィン!
.
は?おい、これ……
.
《姫ぇぇええっ!!これ本物じゃないっすかぁっ!》
.
《その通りっ!生死を賭けて死合がいい!》
.
あの野郎、後で覚えてやがれ!ついでにニヤニヤ顔で傍観決め込んでるマルオ以下6名っ!
だが幸い、この剣には峰がある。命のある内に勝負を決めなくては!
.
《せいっ!》
.
右凪ぎ、逆風、唐竹、刺突。
まったく隙のない完璧な動きをするわこ助。
好機は一つ。刺突の瞬間。あいつはその一瞬だけ戻りが遅れる。そこをつくしかない。
.
《はぁっ!》きた!
.
《食らえぇっ!》
.
見事に胸をかする凪ぎ。勝負は決まった。
.
.
すて台詞を吐きステージに倒れる王子。
.
しかし、劇ははまだ終わりではなかった。


109 咲拉良 [2007/03/30(金) 17:13:50]

あ〜げ(゚_゚)(。_。)


110  [2007/03/30(金) 18:30:16]

ふはは(∀)予想外だ。
ふはははは。ww


111 シャル [2007/03/30(金) 19:48:02 ID:lot]

いつも上げてもらってすみません( ̄〜 ̄)ξ


112 シャル [2007/03/30(金) 23:37:26 ID:lot]

.
.
《ご苦労であったぞジョナソン》
.
なんか、これどうしよう?
王子とか倒しちゃったし。オチとかつくのか?
しかし、事態はそんな単純なものではなかった。
.
《後は、王子を倒したお前をほふって私がこの国を手にする!》
.
《はぁ?いや、ちょ、何言ってんの!?》
.
ご乱心だ。ご乱心なさった。
姫は床に落ちていた剣を握り高らかに叫ぶ。
.
《花は散る時が一番美しいなどと言うがっ、私はそうは思わないっ!しだれ桜の用に咲き続け、永遠にこの国を牛耳ってやるわぁ!》
.
《落ち着けぇぇええ!深呼吸しろぉぉおっ!なんか本当頼むからぁ!》
.
はらんだ殺意をゆらめかせ、光となった姫は小人に迫る。
アニメだったらここでカットが入ります。
.
《勝負はぁ、一撃ィィィ!!》
.
そんなこと言ってる場合じゃない!刺される!もいっちょ刺される!わりとマジで!
だが…
.
《っ!…やられて、たまるかぁぁあ!!》
.
鋭い金属音。一瞬の静寂。勝負は決した。
ゆっくりと姫は膝をつく。
.
《…ぐふっ…越えたなぁ…ジョナソン…よ…ぐふっ》.
《姫ぇぇええ!二回!二回ぐふっていって死んだぁぁっあ!》
.
【こうして、世界掌握を企て、計画をしていた魔女と、一国を征服しようと目論んだ姫は消えた。人々はそんなことには少しも気付かず日々を過ごしていく。その平和の影に勇者ジョナソンがいることも知らずに………終】
.


113  [2007/03/31(土) 00:28:27]

ジョナソンバンザーイ!\(w0)/ww


114 シャル [2007/03/31(土) 00:39:40 ID:lot]

.
.
――演劇その後
.
「なはは〜結構楽しかったね!演劇」
.
「お前らはな。俺は疲れた」
.
後半のほとんどをアドリブでやってのけ、小人が魔女と姫を倒すという衝撃の展開を見せたあの劇は、俺の予想を裏切り大好評だった。
そして見事に演劇部アドリブ派は演闘会にて優勝をかざり、俺たちの知名度も鰻登り。
あまり嬉しくないが。
.
「なかなかの小人ぶりだったよ」
.
「そっちこそ様になってたぜ魔女王子」
.
そんな会話もドアをノックする音にさえぎられる。
.
「おじゃまします。この間はどうも」
.
「立川先輩!えっと、わざわざお礼いいにきてくれたんすか?」
.
「うん。それもあるけど、今回は新入部員を連れてきたの」
.
いまごろ新入部員?というかなんで立川先輩が?
…なるほど確かに。部長の後ろには一年生らしき生徒が隠れるように立っている。
って、あれ?
.
「演劇の時の?」
.
時間を知らせてくれたおさげの女の子。なんでこの子が?
.
「雪桜院 藍【セツオウインアイ】といいます。どうかこの部に、いれてもらえないでしょうか?」
.
どうする?部長。なんていう必要もないな。
.
「オッケイオッケイ!この部は来るもの拒まず去るもの逃がさずだからね!よろしく、藍・ちゃん!」
「はいっ!有難うございます!」
.
.
.
夏の気配が漂う6月の終わり。
少しだけ賑やかになったこのゆるい部は、どこまで走り続けるのだろう?
そんな黄昏をともない三日目が終わる。


115 シャル [2007/03/31(土) 01:02:05 ID:lot]

.
三日目裏〆足がない幽霊はもう古い
.
.
「反小路 霞夏【カエシノコウジカスカ】です」
.
もう勘弁してくれ。俺の体は耐震設計じゃないんだ。
これ以上の心身の疲労は寿命に関わるぜ。
.
「えーと霞夏ちゃん、だっけ?もう一回だけ聞くから真面目に答えてくれ。君は……本当に?」
.
.
彼女は開く
夢の用に白く
透き通った唇を
風に乗せるように…
.
.
「はい……本当、です。私は……正真正銘の……」
.
.
.
「幽霊なんです」


116  [2007/03/31(土) 01:02:57]

ゴースト!!!(0w)


117 シャル [2007/03/31(土) 14:51:52 ID:lot]

このキャラだけは書く一年前ぐらいからきめてたんだよねWW
非常に長かった……


118 シャル [2007/03/31(土) 19:49:44 ID:lot]

.
.
 そんな魔化不思議奇想天外奇天烈かつ認識不能異世界的現象にいやいやながらも巻き込まれたのは、あの記憶にも新しいぶっとび西洋時代劇の少し前。
 新キャラがせっかく出たというのにその本人は全く出てこない。
 いわゆる過去話だ。
 とにかく俺は完全なるイレギュラー、人外なるものとの遭遇を奇跡的かつ作為的に成功させてしまった。
 それは俺たちがAPUなる理解不能な部活に半強制合併させられてからほどなくのことだった……
.
.
 「お〜いハノ。少しいいか?」
.
 「か…勘違いしないでよね!別にあんたの為に返事なんかしないんだから!」.
 「………………何それ?」
.
 「う〜ん…やっぱりしっくりこない。ほら、今噂のツンデレ!部長たるもの属性の一つや二つもたなければ……」
.
 大丈夫だ。お前の体の八割は天然属性で構築されている。いまさら増量は結構。モーマンタイだ。
.
 「で、なんか用事?」
.
 「ああ、学校にカバン忘れてきてな。もう七時になるし部室には帰らんから鍵閉めといてくれ」
.
 閉まる扉の隙間から漏れてくる「了解っす!道場長」という言葉を背中に受けながら学校に向かう。
.
 なぜに道場長?という疑問を頭のなかでリフレインしながら……


119  [2007/04/01(日) 12:15:43]

あげ(8w)


120  [2007/04/02(月) 18:30:25]

Age(0w)


121 シャル [2007/04/03(火) 13:36:40 ID:lot]

.
.
夜の学校。
それは卒業間近の生徒が集まり怪談話に勤しんだり、
肝試しとかしてきゃー!とか叫んでみたり、
佐藤くん、実は今日渡したいものがあって……
桜井……俺も、本当は……的に青春の一ページを刻んだりする場所である。
その目的のどれにも該当はしないのだが、とにかく俺は草葉の陰から誰かがシーンとか言ってそうな学校に侵入した。
.
ラップ現象。
遠くの足音。
浮かぶ人魂。
.
こんなものを聞くと対外の生徒は胸が高まってしまうものだ。
それは「怪談は苦手なんですよ〜」って人でも「すっげ〜な〜、おらわっくわくしてきたぞ〜」でもさほどの違いはない。
しかしそんな心音上昇超常現象も突き止めてみれば、宿直のおじさんだったり、プラズマだったりするのだ。
.
全く、つり橋現象を発明した人に謝れ!
俺のドキドキを返せ!
などと七不思議に八つ当りしているところで目的地に到着。
絡む奴がいないとモノローグが多くなるなぁ……
.
「っと、あったあった。カバンもあったし、さっさと帰るか……」
.
そんな時だった。
隣のクラスから怪しげな物音を聞いたのは……


122 シャル [2007/04/04(水) 19:34:45 ID:lot]

.
.
「―――――っ…」
.
絶句とはこの事だった。
俺は隣のクラスから怪しげな物音を聞き現地におもむいた。
正直に言うと、ぶっちゃけ怖かったね。足とか震えてたし……
だからもし教室の中心で机が宙を舞ってたらわざとらしく「ぎゃぁぁぁああ!!」とでも叫んでやろうと思ってたさ……
だが実際その光景を見たとき、俺は笑いを堪えるのが精一杯だった。
.
教室の中心で机が……タップダンスをしていた。
.
いや!これも一様怖い!怖いんだが……ギャップとは何と恐ろしいものか……
静まり返る教室と陽気なステップのミラクルコラボレーションは俺のツボをいとも簡単に粉砕した。
.
「ぷっ……とっ、とりあえずぶふ、止めるか」
.
半笑いで踊る机を必死で押さえ付ける高校生in夜の教室。
我ながら今年度お笑い大賞はいただきだと思う。
そんな時だった。“そいつ”が表れたのは。
.
〔あれ?おかしいな……机…っん!動かない……え?〕
.
時が止まるとは正に今の俺を形容するために生まれたのだろう。
俺は突然表れた女の子と向かい合っていた。
どこにでもいる普通の女の子。
ちょっと体が透けてて床にめりこんでいる以外は……
よし!息合わせてーせーーの……
.
「ぎゃぁぁぁああ!!」
〔きゃぁぁぁああ!!〕


123 玖有 [2007/04/04(水) 19:51:40 ID:towa1827]

来たw
時間あったらゆっくり読む´`*


124 シャル [2007/04/04(水) 21:05:13 ID:lot]

くーちゃんらっしゃい(^^)v
どうか気長に見てやって(笑


125 二藍 [2007/04/04(水) 22:40:52 ID:appleshort]

来たょ〜♪(*^▽^*)/
でもって一気読み♪
めっちゃおもろぃ…!! 演劇編とか最高やの笑 ジョナソンって…笑
これから欠かさず読ましてもらぅわぁ♪
更新がんばってね♪


126 シャル [2007/04/05(木) 01:03:41 ID:lot]

会長ぉ〜〜〜^^
好評でよかったです☆
これからもヨロ(^_^)/~


127 シャル [2007/04/05(木) 01:50:51 ID:lot]

.
.
 てなわけで、ここで冒頭に戻る。
.
 返小路霞夏と名乗るこの幽霊。
 見た目は同い年かそれ以下。
 ショートとロングの中間をいく漆黒の髪の毛。
 分かるのはそれ位だ。
 後は本人に聞いてみよう。
.
 〔私は45年前の中等部の生徒だったんです〕
 「中等部なんか…この学校になかったぞ?」
 〔まあ、昔ですし……とにかくその頃、私は誘利の二年生だったんです〕
.
 二年生か。
 中二ということは13〜14といった所か。
 斯様な年齢でこの世をさった……否、されなかった少女。
 彼女の身にいったい何が起こったというのか?
つか大丈夫?シリアス過ぎない?
.
 「それで…君はどうして幽霊なんかに?」
 「はい、実はそれには深いようで全く浅い…道端の水溜まり並の理由があったんです」
.
 浅くてどうする浅くて。
 そんな微弱な空気の震えも気にせず彼女は話しだす。
 自身の過去を……
.
 〔それは私が迂闊にもぽっくりと御臨終してしまった年の……文化祭……〕


128 アメ [2007/04/06(金) 15:42:06 ID:3]

ぽっくりてあーた(´∀`。)笑
もう電車ん中でひとりにやけて周りの人の冷めた視線が痛かったよ(´ε`*)もー(は
幽霊さん気になるわw


129 シャル [2007/04/06(金) 21:29:30 ID:lot]

.
.
〔そう…この学校が今の様に冠婚葬祭の一角、お祭りムードに包みに包まれていた時です〕
.
 そんな前置きに沈黙の対応を返す。
.
 〔文化祭当日。おばけ屋敷をすることになっていた私達のクラスは、それぞれ個々の想像上恐怖投影生物となり、来る人皆々阿鼻叫喚の断末魔をあげさせてやろうと勇んでいたんです……〕
.
 幽霊がおばけ屋敷って…皮肉がききすぎて逆に滑稽だ。
 体が空けているのにわざわざシーツを被る彼女の姿が浮かんでくる。
.
 〔そして、私も真っ白いシーツを被り意気揚揚と配置についたんですが…〕
.
 否。本当にやってた。
 ふわふわと微妙な感情の変化によって高低移動する彼女を目線で追う。
.
 〔哀れなるかな……最初にやってきた高等部女子生徒に掛けられた言葉は「ちょwwうけるんですけど(笑)」でした……〕
.
 彼女はそこまで言うと3メートル地点で一時停止。
 小刻みに震えた後、大きく息を吸い込み……
.
 〔何で会話文にダブリューが入るんですか〜〜っ!!
しかも何で二つ!?わりと笑えるの略ですか!?それともワンダーワールド!?
私はどこの異世界生命体ですか〜〜!!〕
.
 そりゃあ笑いたくもなるさ。
 後に本当に笑うことになるのだか俺はまだそれを知らない。
 そして、彼女の話はまだ続くようだ。
.
 〔とにかく、最後の(笑)で心を砕かれた私は失恋したての大学生のように脱兎のごとく教室を飛び出したんです……そして〕


130 シャル [2007/04/06(金) 21:35:15 ID:lot]

レス感謝☆
電車で酔わないよう気お付けて^^


131  [2007/04/07(土) 00:47:33]

あげ^^


132  [2007/04/08(日) 01:23:20]

あげあげw


133  [2007/04/11(水) 19:34:21]

あげ(−w)やべ…連レスしすぎた…


134 シャル [2007/04/11(水) 21:31:15 ID:lot]

.
.
 遂に明かされる真相!
 チャンネルはそのままで!
.
 〔私は走りました。野を越え山越え……まあ当然学校内に野も山もあるはずがなく、読者の興味をそそるための比喩表現に他ならないのですが……とにかく私は走り続けたたのです……〕
.
 適当な相槌が見つからないな。
 ボキャブラリーが乏しいとか言うな。
 自分の死に際を語る幽霊にかける言葉なんぞ俺は一切習っていない。神賭けて!
 文句なら俺の元担任長島に言え。
番号は番組の最後に。請うご期待!
.
 〔その時でした。校内許容歩行速度約三倍で走っていた私は、流進する景色と上下する自分の腕しか見えていなかったのです……気付けば目の前には廃材の山!時すでに遅し、いかに私が頑張ろうと等速直線運動の壁は厚かったのです……とほほ〕
.
 「それはまた……うん、」
.
 〔その後の記憶はなく……どうやら私は学校を卒業する前にめでたく現世を卒業してしまったと〕
.
 飛んで走ってハートブレイクしてついでにライフブレイクか。
 命のご利用は計画的にしようぜ。
 考えてみれば、霊柩車に乗って運ばれていく自分の体にさようならは結構なショッキング映像だな。
.
 「それはいいとして……なんで学校でタップダンスなんてしてんだ?」
.
 〔…………実は〕


135 佳奈 [2007/04/12(木) 21:33:35 ID:angeltaka]

な、なんと間抜けな死に方なの!?
そんな死に方嫌だぁ〜!!笑
てかシャル!あんたすごいよ!!
全然文章が雑にならないし☆
かなりすごいよWw


136 シャルル [2007/04/13(金) 19:44:16 ID:lot]

ちょっ!誉めすぎ!笑
そう番外編にも出てるくせに結構まぬけなのです(´`)
レス感謝☆


137 (◎'艸`+゚))⌒健太朗 [2007/04/15(日) 09:58:44 ID:kentarou]  青 

あ〜やばぃめっちゃ面白ぃです!!
死に方が素敵すぎる!!!!
えとー、ウチのコトゎ好きに呼びタメしてゃってくださぃ↑


138 元シャル//ルル [2007/04/21(土) 20:36:36 ID:lot]

いつもどーも(^.^)
それでは健ちゃんとでも(?)呼ばせていただきます☆


139 (◎'艸`+゚))⌒健太朗 [2007/04/21(土) 21:02:03 ID:kentarou]  青 

健ちゃんで夜露死苦w
なンか健ちゃんって可愛ぃ♪


140 ルル [2007/04/22(日) 07:54:28 ID:lot]

.
.
 「て〜と君は〜憎き女子高校生達と再度文化祭で恐がらせてやろうと夜な夜な教室で練習をしていたと……そゆこと?」
 〔はぁい!9割方そんな感じです。残りの1割は何かと問われますとそれは企業秘密と言いましょうか幽霊秘密と言いましょうか乙女は秘密をもってこそ一人前なのよ、てへ☆てなノリなのです〕
.
 俺が夜の学校でアンビリーバボー。日本語で信じられない事態に遭遇した次の日。
 とりあえず部室にお持ち帰りをした彼女に事情を聞いていた次第なのだ。
 たいていの主人公はどっかの亜人とか、出てくる時代を間違えた恐竜なんかをかくまってしまったとき、たいていは周りに隠してしまうだろう。
 だが!俺はそんなことはしなかった。
 なぜなら!俺の周囲の連中はその程度の事では驚かない。
 実際……ドアから入る俺の少し上、壁を通過して入ってきた彼女を見て放った
「それ誰?」
なる言葉のテンションは「今日のおかず?卵焼きだよ」と=で結ぶことができた。
俺なんて「我ら生まれは違えども死ぬ日は同じっ!!」とか言いだしそうなほどテンパったのに……
.
 「けどさ、45年もあったのにそれまで一回も文化祭出てないの?」
 と、わこ助。
 〔いえいえ。そんなことは断じて!その文化祭あるたびあるたびそりゃあもう『いざ鎌倉!』なんて御恩も奉公もへったくれも関係ないですけどそのぐらいの勢いで毎回挑んだんです!しかし……〕
 「大爆笑されて終了……か?」
 〔はい……そうなんです。だから今度こそ成功させて成仏したいんですが……〕
.
 この子のお笑いセンスでは困ったことに難しそうだ。
 そして彼女は知らない。
 今年の文化祭は往年よりさらに過酷であると。
 さらにその直接的原因である蒼纏鬼が真後ろで……
 満面の笑みを浮かべたことを……


141 咲拉良 [2007/04/23(月) 07:09:39]

あーげ↑


142 ルル [2007/04/25(水) 21:28:10 ID:lot]

.
.
 「違うっ!もっとこう顔面の筋肉をいじめぬく感じでっ!!」
 〔こうですか!?〕
 「違うっ!もっとこう顔面の筋肉がお祭騒ぎな感じでっ!!」
 〔こうですか!?〕
.
 幽霊さんお悩み相談終了後。
 部室前の中庭にて、波乃波乃監修のYYY大作戦が開始された。
 後で知った事だが意味はY愉快なY幽霊Y憂愁美だそうだ。
 つまりはみんなで協力して彼女を昇天させようって事らしい。
.
 「なあ、わこ助ぇ」
 「ん?」
 「幽霊に筋肉ってあんのか?」
 「それはね、順。触れてはいけないことなんだ。この世界にリアルを求めてしまっては駄目なんだ。まあそれは此処が某掲示板内に作られた仮想世界だからだなんてことは一言もいってないよ」
.
 わこ助……俺は断じてお前の言ってる事が分からないぞ。
 にこっと笑っても分からないものは分からない。断じて。
.
 「ここにいたのかぁ!空沢ぁ!」
 「あれ?委員長……なんでここに?」
.
 銀ぶち眼鏡をびしっとかけ、なにやら書類の束を小脇に抱えている。
 おっかしいな〜なんか俺問題起こしたっけ?
 じゃなきゃわざわざ放課後に呼びにこられるイベントをもないはずだが……はて?
.
 「なんでここに?じゃないだろ!?実行委員!」
 「え……あっ、ああ……ああ!」
 「遅ぇよ!!」
.
 そうあれは2日前。
 文化祭委員の選出の際の大ジャンケン大会の事だ。
 輪から一番に抜けてしまった俺は楽観的に残り物には福があるか。とのんびりしていた。
 そして結果的には……残り物には福がないことが判明した。
 そういえば近日中に集会があるとかないとか……
.
 「あんたのせいで3分遅刻だ!ほらさっさと立つ!」
 「へいへい」
.
 そして俺は能天気そうに手を振るわこ助と、壮絶な睨めっこを現在進行形な鬼と幽霊を背にその場を後にした。


143 紅子 [2007/04/25(水) 21:32:46 ID:appleshort]

わあぃ更新されてるぅ♪
なんかまた一波乱ありまくりそぉな予感だわ……☆(*´艸`)
更新ファイ♪


144 ルル [2007/04/29(日) 23:43:07 ID:lot]

スランプだな〜
あげ


145 紅子 [2007/04/29(日) 23:45:56 ID:appleshort]

がんばれ副会長!!


146 同じく微妙にスランプの炉 [2007/04/30(月) 00:22:54]

がんばって!
応援するから!


147 ルル [2007/05/08(火) 00:55:08 ID:lot]

.
.
結局開放されたのは日も落ちてからだった。一通り運営会議を終えてからもなんだかんだで色々と付き合わされてしまった。まあしょうがないから奢ってやるよの一言で投げ渡された缶コーヒーで誤魔化されたは気に入らないが……
.
「ハイハイハーイ!我らが空沢さんが帰還しましたよーっ……とぉあ!?」
そこには現世では絶対に拝めない地獄絵図が展開していた。
正確には顔をひきつらせてのたうち回る例の奴ら……
「どうした…ハノ?顔が面白可笑しいことになってんぞ」
「うぬぬ…仮にも花のジョシコセーに面白可笑しいなどという形容詞はないんじゃないかな!?」
〔いやはや幽霊ともあろう私がこれしきの顔面変化拾得修行で根をあげてしまうとは……有るはずもない涙腺爆発寸前です!いやまったく!!〕
.
意気消沈極まりない二人のすぐ横。
珍しくも口をへの字にまげ……笑いを堪えるわこ助がいた。


148 ルル [2007/05/09(水) 19:51:48 ID:lot]

.
.
――そうこうしてる間に文化祭当日。
.
ただ一言「そうこう」と言ってもその裏には並々ならぬ努力があったことを是非とも皆様に知っていていただきたい。(主に俺の)
そして現在。
俺達がおばけ屋敷の準備をしている裏で彼女はひたすらにチャンスをうかがっていた。
説明が遅れに遅れたが浮遊・飛行・透過の三拍子そろった幽霊の中の幽霊である彼女には普通に触れることができる。
絶対零度の中でも楽々生存できるであろう彼女の体温暖かくて冷たかった。つまりよく分からなかったのだ。
ちなみに今俺はここにいないがこの作品の構造上ナレーションがなければ成り立たないのでそこはスルーの方向で。
〔いまこそ憎き女学生にトラウマという名の精神的外傷をぉ!〕
と微妙に恐いことを言いながら意気込む彼女の姿は血塗れだった。
これは別にこの世を忍んで自決したわけでも『あんたを殺して私も死ぬ!!』とか叫んで辺りを血の海にしたわけでもない。
体を真っ赤に染めている正体はトマトを磨り潰して液状にしたものに調味料を加えたもの。つまりケチャップだ。
デフォで笑顔をたたえる彼女に恐怖を感じる事は極めて難しいと判断した我々の苦肉の策だった。
服(中等部の制服らしい)をまだらに赤く染め、顔の特殊メイクはハリウッドクラス(ハノ・わこ助作)のビフォーアフターは見事なおどろおどろしさだった。
待機している1−Cの教室の天井裏。顔だけを出し周囲を観察しながら今朝聞いた助言を思い出す。
〔狙うは一点女子生徒だけ。声の高さを考えて口は開かないほうがよい。全体を見せるように壁を通過し追い掛けるように迫る。狙うは一点女子生徒だけ…………〕
さすがは参謀わこ助。人間の心理をよく理解している。
.
ジャスト10時。開校のチャイムが鳴り響く。
.
〔直線走法一点突破一撃必殺粉骨砕身っ!!!今年の文化祭で、決着を付けます!!〕
彼女の長い一日の始まりだった。


149 玖有 [2007/05/09(水) 20:15:52 ID:towa1827]

更新ー´∀`●
ていうかやばい、
 「違うっ!もっとこう顔面の筋肉をいじめぬく感じでっ!!」
 〔こうですか!?〕
 「違うっ!もっとこう顔面の筋肉がお祭騒ぎな感じでっ!!」
 〔こうですか!?〕
がとってもツボにくる、最高!!

すきです、兄貴(告 ぇ


150 ルル [2007/05/09(水) 22:29:58 ID:lot]

.
.
 『女は千の顔を持つ化け物だ』などと人は言うがもっと言えば『女は千の舌を持つ化け物だ』
 文化祭午前の部の終了と同時に流れた1−Cに幽霊がいるという噂は口から口、耳から耳へと伝達し、エラもオヒレもくそったれの勢いで広がっていった。
 女の好物Best3は「人の噂・人の噂・人の噂」だと俺は信じて疑わない。(独断と偏見)
 そして、そんなこんなの裏表。全てを知りうる俺達はやんわりとした優越感を感じつつ、花も散り尽くした桜の梢で昼食をとっていた。
 「随分と派手にやってるね〜彼女」
 「なはは〜そうだね〜」
 クラスの連中は午後の部に向けて師も走るほど忙しく働いているが俺達は免除されていた。その後の劇に備えるためだ。(前話参照)
 なのでいそいそと飛び回る生徒達を尻目にのんびりと昼を過ごしている、とゴワゴワの卵焼きをほうばりながらの状況説明をしてみる。
 「しっかし……こんだけ噂が飛びかうくらい広まったんなら……とっくに満足して成仏してるかもな〜」
 「そうだね〜お別れぐらい言いたかったけど……」
 「ん〜……」
 重い沈黙が場を支配する。
.
 「とまあ、重い沈黙が場を支配してるところ悪いんですけどまだ成仏実行はしてないんですよ〜はい」
.
 という声が……木の中からした。


151 玖有 [2007/05/09(水) 22:34:01 ID:towa1827]

木の中?!


152 ルル [2007/05/09(水) 23:00:06 ID:lot]

.
.
 「ってええ?」
 人から見つからないためだろうか。彼女は木にめりこんで顔だけだした状態だった。
 「いきなり出てくんな!お前はアレか!?再開の約束を交わした恋人を木の下で待ち続けた挙げ句木の成長に巻き込まれちゃった少女ですか!?あんた!!」
 〔いいんですよ順さん……そんなロマンチシズムなことを言わなくても……ええぇもう分かり切ってますから!!この姿がどっかのマッチ棒売りまくる少女みたいに健気じゃないっすから!!なんつーかもうホラーですから!!直視不可能なんですよ〜〜〜!!〕
 およよと泣き崩れ(嘘)「よしよし。もう大丈夫じゃきん」〔ハノ姉さん!〕などと騒ぎ始める。
.
 「それで……なんで成仏できなかったのかな?」
.
 というわこ助の問いに答えるために残念そうに(なぜか)離れる二人。
 〔なんていうか……恐がらせるには恐がらせられたんですけど……違うんですよね……〕
 「「「違う?」」」
〔はい。何というか恐怖といっても文化祭のおばけ屋敷としての割り切った恐怖といいますか……う〜ん……〕
.
 つまり。彼女の言いたいことはジェットコースターの様なものだろう。
 落ちることが分かっているという前提のうえで坂を上がる。
 怖いことが前提でおばけ屋敷に入るのも同じ事。フラストレーションもたまるわけだ。
 だったら……
.
 「あの手を使ってみるか」
.
 一斉に集まる視線。
 「あの手って?」
 変則的かつ効果的に効率よく恐怖を与える方法。
 場所の問題があるがそれさえクリアーすれば効果は抜群だ。
 そう。それは……
.
 「つり橋効果……だ!」


153 ルル [2007/05/09(水) 23:01:34 ID:lot]

くーちゃんおひさ〜(´∀`)
レスサンクス☆


154 玖有 [2007/05/10(木) 01:13:12 ID:towa1827]

>>149にも´∀`ノ


155 ルル [2007/05/11(金) 22:36:01 ID:lot]

.
.
 『つり橋効果』
.
 それはつり橋の国のつり橋地区に住む吊橋渡さんが発見したつり橋上でしかみられないという素敵つり橋現象である、というのは冗談だ。
 本来の意味なんぞ分からんがよく聞く話しだと、一緒に高い橋を渡った男女の一方が『うわっ高っ!怖え〜』と勝手に心拍数をあげドキドキし『あれ?俺(私)こいつのこと……好きじゃー!!』みたいな壮大な勘違いの話しらしい。(と、俺は思っている)
 ファーストインプレッションを払拭したい君は試してみるといいんじゃないかな?
 ところで、なぜこんな話をしたかというと、まず俺達が今どこで何をしているかから語らねばなるまい。
 そう我々は今劇の真っ最中だったのだった。(過去形)
 魔女が王子で姫が裏切り小人最強説さえも打ち建てた極・電波のホワイトスノーはまだまだ記憶に新しい。
 できることなら即座に俺コマンド「削除」を起動したいのだが……どうしてもあの壮絶な光景は網膜に焼き付いて離れない。
 ちなみに毎晩夢にみます。あれ?悲しくないのに涙がでるよ?
 「お前にも分けてやろうか?この悲しみとやりきれなさのうなされnightを……」
 「へ?順君……なんか言った?」
 「いんや〜んでもないっすよ〜」
 その愉快な(俺以外)劇はなんの間違いか最優秀賞なる栄冠に輝いたのだが……じつはこれには続きがあった。


156 ルル [2007/05/11(金) 22:55:57 ID:lot]

.
.
 ‘それ’は最後の舞足派の劇の後に起こった。
 というか起こした。
.
 誘利に存在する四つの演劇部(なんで四つもあるの?とか聞くな)の内の一つ舞足派は情熱的な演技とダンスのミュージカル方式をとっている。
 うまいへた関わらず終始鳴り響く大音量の音楽のせいで無条件に極度の興奮状態に陥るわけだ。
 「あっ!劇が終わったみたいですよ!」
 みれば、なるほど。ジャッ・ジャッ・ジャーンと締めの音楽がなりステージに一列に並びあいさつをする役者が見えた。
 「お〜し全員配置につけ〜ぇい!」
 「いえっさー道場長!」
 全ての劇が終了し(あえてスルー)散会の準備を始める生徒達。
 俺は物置、あるスイッチの前に立つわこ助に、合図をだした。
.
 『ガコン』
.
 鈍い音が鳴り響いたその瞬間……講堂は闇に包まれた。


157 ルル [2007/05/12(土) 14:28:29 ID:lot]

.
.
 「っ!ひっあぁぁぁぁぁっーーーー!!!」
.
いきなり上がるかんだかい叫び声。
 その瞬間、連鎖反応した恐怖は全生徒に伝達した。
.
 実に単純なトリックだ。
 熱気冷めやらぬ劇終了直後に全ての電気をきる。
 カーテンから差し込むわずかな光の下、視界のはしで、ある二年生の女の子が見たものは血まみれのの幽霊だった。
 起爆さえしてしまえばそれで終わりだ。なしくずし的に波紋は広がる。
 五分前に〔霞夏、行きま〜〜す!!〕と言って人波に飛び込んでいった彼女が気がかりだが……
.
 「これは〜ちょっとやばいかもね〜」
.
 なりゆきを見守っていたハノがつぶやいた。
 首を縦にふりわこ助もうなずく。
 「事態が大きくなりすぎたんだよ……順。ばれたら大事だ」
 「バレやしないだろ?モノホンの異界の者が関わってるんだからな」
 この世の終わりですが何か?的な群衆はアリのように出口に向かい走り回っている。
 「まあ三十六計逃げるにしかず……だな」
 しかし、ステージの裏のすぐ後ろ。逃げを決め込もうとしたやさき。
.
 意外な人物があらわれた。


158 ルル [2007/05/12(土) 15:11:37 ID:lot]

.
.
 「い、委員長!?」
 「空沢っ!?」
.
 そこに立っていたのは1−Cの委員長、音無響その人だった。
 実行委員でもある彼女は外回りをしていたところ騒ぎを聞きつけやってきたのだろう。
 「なんでここに……ってかこの騒ぎは……何?」
.
 (言えない…… ブレーカー落して幽霊けしかけましたなんて死んでも言えない……)
.
 「さ、さあな…… 劇の終わりらへんからずっとこんななんだ」
 「そう…………!?」
.
 いきなり両目を見開いてある一点を凝視し始めた彼女。
 疑問に思い視線をたどったその先には……
 「えっ…… 何、あれ……亡霊?」
.
 時よ止まれ!!
.
 そこにいた人物は皆さんのご想像どうり。
 いくら念じども時間は止まるどころが俺のまわりだけは走馬灯のように流れていく。
 「いやっ、お前、我らが20世紀にそんな非科学的なもん居るわけないっしょ!疲れてんだよ委員長は!」
 叫びつつ絶妙なさり気なさで委員長の眼前を塞ぐ。
 「けどお前、あれ……」
 「疲れてる疲れてない疲れるとき疲れます疲れろ!で、何?」
 「こっちに近づいてきてるけど……」
 「!!!」
.
 見ればなるほど。この未曾有の大混乱の元凶である少女は満面の笑みでこちらに‘飛んでくる’。
 まずい!これからの学園生活に影が差す!
 「(おいっ!ハノ、わこ助!これからどうするっ……ていねぇ!)」
 いつからいなかったのか……共犯である二人はとっくに姿をくらませていた。
 呪い殺してやりたくなったが今はその気持ちをぐっと押さえこんしんのジェスチャーを彼女に向けて送信開始。
 頼む!理解してくれ!
.
 「順さ〜〜〜ん!やりました!やってやりました!作戦成功祈願成就破顔一笑極まりないです!で、こちらの方は?」
.
 瞬間砕け散った。
 ビキリとコメカミを歪ませた後ろの女人から放たれる殺意のオーラを感じ取る寸前。俺は半透明の少女の手首をつかみ走りだす。
.
 「っておい!まちやがれこのバカ野郎っ!」
 「はっ!まちやがれと言われてまちやがるバカがいるかバカ野郎っ!」
 「んだと!?先にバカって言ったやつがバカっ……てあれ?この理論だと私がバカってことに……って!おぉい!逃・げ・ん・なーー!!」
.
 今だに悲鳴があがる講堂を背に俺達は脱兎のように逃げだした。


159 咲拉良 [2007/05/12(土) 20:37:25]

あげ↑


160 ルル [2007/05/14(月) 15:00:42 ID:lot]

.
.
 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ〜ふぅ〜……」
 「どうやら逃げ切ったみたいですね。目標消失確認です!」
.
 強制カミングアウトイベントをどうにか突破し、俺達は無人の食堂に逃げ込んでいた。
 疲労困配の俺に比べて彼女が元気なのはもちろん宙に浮かんでいるからだ。
 静まり返る巨大な食堂の片隅に座り込んだとたん一抹の安堵と共に浮かんできたのは「不安」この一言につきる。
 「あ〜どうすっかな〜明日から……」
 〔どうしたんですか?〕
 それはもちろん、学校創立以来の大事件を起こした幽霊となぜ俺がお知り合いとかがうんたらかんたらのいいわけに決まっとろうが!
 ちなみに「学校創立以来の〜幽霊」とはまさに今心配顔で覗き込んでいる君のことだが……
 「これはもう妥協して……『劇仲間の女の子を連れ出しました。あ、俺ロリコンですから』とか言ったほうが面子は保たれるかもしれん」
 〔む、私は幼女にカテゴライズされるような身体的特徴は持ってません! ほら!〕
 ドーンと胸を張る少女には確かに膨らみが……無い。さしたる身長もない彼女の全体像は見事なまでに凹凸が確認できないが……いかんせん。これは言わないでおこう。彼女の名誉のために(倒置法)
 生暖かい眼差しを向ける対話人が放つ達観した沈黙感に耐えられなくなったのだろう。彼女は場をつなぐように口を開いた。
 〔それにしても、お二人はどこに行ってしまわれたのでしょうか?〕
 「めちゃくちゃに走ってきたからなぁ……いつのまにか食堂にきちまった」
 〔はぁ〜ここは食堂だったんですか!おっき〜ですね〜! けれどここ……何か見覚えがあるような……〕
 ファンタスティクなまでに巨大な食の聖地を縦横無尽に飛び回る少女。
 だがそうするとスカートの中身がアレしてコレしてしまうのだが俺は本物の幼女趣味に目覚めるつもりはない。
 そんな葛藤との戦いのせいで彼女の様子が変わったことに気付くのが遅れた。
 〔ここは……この場所は……〕
 マリア像の下にたたずむ少女は背を向けているために表情は見えなかった。
 だけど……手を組み小さく〔そっ、か……〕と、つぶやいたことだけは、なぜか知ることができた。


161 ルル [2007/05/14(月) 21:47:15 ID:lot]

.
.
 〔知ってますか?順さん……〕
 「?」
 振り返りこちらを向いた顔にはどこか淋しさを思わせる笑顔が張りついていた。
 決して戻れない昔を思い出すように……
 〔この食堂は、私の在学当時、礼拝堂だったんですよ〕
 話は聞いたことがある。
 10年前、増築にともなった改築で食堂になったらしい。
 壁に沿うように並んだマリア像はその名残なのだろう。
 私はみたことがないんですけどね、と彼女は続ける。
 〔ある人から教えてもらったんです。礼拝の時にはここにダァー!!っと、人が並んでお祈りをしたんですよ〕
 「なんだ、お前もやったのか?」
 まさか、と舌をちょろっと出して笑った彼女の顔はやっぱり嬉しそうで悲しそうだった。
 〔戦時の時はここに逃げ込んだ千人以上の人の命をまもったそうです。それってすごい奇跡ですよね!〕
 「確かに、それくらいの人数なら楽に入るかもな〜ここは」
 〔はい……〕
 “ある人”にこめられた感情から特別な人なのかな?と、勝手な想像をしてみたが……それはどうやら当たりのようだ。
 その人のことを話すときの彼女の顔は一際輝いて見える。
 〔その人はこうも言っていました。この礼拝堂が千人の人を守ったことが奇跡なら……この屋根の下ちっぽけな人間二人が出会えたことも間違いなく奇跡だね……と〕
 「ずいぶんと壮大な思考回路をお持ちの人だな。大切な……人だったのか?」
 彼女は少し驚いたような仕草を見せた。〔そんなに顔にでたのかな?〕とかって考えているのかもしれない。
 〔はい! とっても!! だから……早くその人と同じ場所にいこうと思ったんですけど、またいきそこなったみたいです〕

.
 その人と“同じ場所”それはつまり……
.
 〔こんな楽しい人たちと早々にさよならは無理そうです。な・の・で、あとちょっと、こっちにとどまっちゃいますよ!!〕
.
 刹那。差し込んだ光が窓に四角く切り取られ降り注ぐ。
 淡くそよぐ風は一日の終わりを告げた。


162 回忌 [2007/05/15(火) 21:19:07]

面白いです♪
あげますね


163 ルル [2007/05/19(土) 19:22:58 ID:lot]

ありがとうございます(´∀`)
これからもヨロ


164 ルル [2007/05/21(月) 22:19:17 ID:lot]

.
四日目〆人類皆兄弟なんて妄言を俺は絶対信じない。
.
.
 ある晴れた日の放課後。ある少女はある所に存在するある部室の中である少年にひたすらに合い槌を打っていた。
 「昨今。若者の活字離れが深刻化しているという話をよく聞く」
 「はあ……」
 大人しめの印象を抱かせる淡い緑色の髪をおさげにしている。スカートの裾が基準より少し短いのは、思春期特有の背伸びがしてみたい年頃だからだろう。
 「しかし、同時に『引用問題』というものもある。これは大学生を中心にレポートの内容を全てパソコンから引用する傾向のことなのだが……この二つは明らかに矛盾すると思うんだ」
 「そうなん、ですか……」
 彼女の名前は雪桜院藍【セツオウインアイ】。演劇部からなぜかこの学校きってのへんてこ部に電撃移籍した物好きだ。
 「引用する時点でネット上のすぐれた文章を見つけなければならないからな。加えてブログ等の普及によってむしろ活字に触れる機会は増えていると俺は思う」
 「へえ〜」
 そして親切にも読者の皆様にそれっぽく説明をしている俺の名前は空沢順。今頃んなこたぁいいとか言うな。
 「…………」
 「…………」
 三秒以上の沈黙は会話の停止を意味する。知り合って間もない擬似お見合い空間を形成させないための話のネタはすでにつき、部室内は微妙な空気に包まれる。
 沈黙が痛い。誰か助けてくれ。
 「えっと、その……皆さん、遅いですね?」
 挙げ句新人に気を使わせてしまうこの体たらく。軽く凹んでしまいそうになるがどうにか俺は重い口を開く。
 「そ、そうだな。どこまで買い出しに行ったんだか……」
 と姿の見えない彼女に返答を返す。向き合った机にはパソコンが置いてありお互いの姿が見えないのがせめてもの救いか。 
 「ですけど、そんな大量の食べ物いったいどうするんですか?保存する場所もないのに」
 「ああ、それはな、え〜と……そこの壁に電卓みたいなボタンがあるだろ?そこに0105って打ってみてくれ」
 「?」
 不審そうなそうな顔をしつつも彼女はイスを引いて立ち上がり壁に埋め込まれたボタンを押し込む。
 「えっと……0・1・0・5っと、えっ?ひゃあっ!!」
 軽く悲鳴を上げてうずくまってしまう。無理もない……俺も最初はあんなだったな〜と。
 「わっ!これ、冷蔵庫ですか?」
 「そ。冷蔵庫なのです」
 バガンと開いたその中には立派な冷蔵庫がたたずんでいた。それだけではない。ボタンの押しようによってはありとあらゆる電化製品が飛び出すだろう。
 この部室はいちいちハイテクノロジックだ。
 「なんで……こんな設計に?」
 「完全に製作者の趣味だな。そこのクー取ってくれるか?」


165 ルル [2007/05/22(火) 19:47:59 ID:lot]

.
.
 ハノ、わこ助、返小路が買い出しにいってから三十分がたった。新しく入った二人の歓迎パーティーの買い物らしい。
 二人で行く予定だったが(公正なるジャンケンの結果だ)幽霊である返小路が〔な、なんと! まさか私が学校にヒッキー決め込んでる間にここまで現代科学技術が進歩していたとわ! これはぜひとも外の世界を見に行かなくてわ、いや見ないでどうする!!〕とテンション高めについていった結果この気まずい部室が誕生した。
 これ以上この沈黙に耐えられる気がしない。
 気合いでなんとかなるのはある程度までだということを覚えておけ。
 「それにしても……雪桜院はなんでこんな部に入ったんだ? あのまま演劇部いた方が面白そうなのに」
 「え!?」
 いやっ……「え!?」とか言われても。
 顔を若干赤く染めてうつむいてしまった彼女を前に俺は軽い混乱に襲われた。
 「あ〜……えっと別に無理に言わんでもいいわ。……うん」
 「そ、そうですか? ……はい」
 「…………」
 「…………」
 ナイス逆効果。いらぬサイドエフェクトによってさらに密度を増す。
 だがそこにようやく救いの手が差し伸べられた。


166 ルル [2007/05/23(水) 00:06:24 ID:lot]

.
.
 「たっだいま〜!! お二人さん!」
 ズバンと開け放たれたドアの向かいには見知った三人が立っていた。(約一名浮遊)
 聞き慣れた軽い口調になさけないが本気で涙がでそうになる。
 部室に入ったハノ、わこ助のすぐ後ろ。返小路はなぜか顔を真っ赤にし、口ぱくぱく足ばたばた。必死でこちらに何かを伝えようとしているが呂律が回らず一種の弊害状態になっていた。
 「かっ霞夏ちゃん! どうしたんですか!?」
 錯乱状態の幽霊少女は半開きになった口から〔はまっ! はまっ!〕とよく分からない音声を発していた。何か知らんがだいぶ恐い。
 「いや〜ね、藍ちゃん。彼女は半世紀のジェネレーションギャップによって過去と現在を彷徨う哲学者になっているんだよ。にしても……いいもん見せてもらいやした!」
 「いいもんってなんだよ……」
 雪桜院の入部後。突然かつ偶発的かつ悪戯に幽霊とこんにちわしてしまった彼女の説得には思いの外骨が折れた。
 そんなことがあったが今ではすっかり打ち解けて一安心だ。
 何か二人合うもんがあったのかもしれない。
 「そりゃあもち! リアル過去から来てテレビを見た人だよ〜 〔こんなちっちゃな箱の中に人間が!? 驚天動地の大事件ですよ〜〜!!〕だってさ! やっぱり彼女は期待を裏切らなかったよ〜」
 その期待通りの人物は自らが受けた衝撃を必死に雪桜院に伝えようとしていた。だがまた合い槌モードに移行した彼女の耳にはあわあわという動揺の具現化のような言葉しか聞こえていない。それでも健気に対応するのは彼女の性格故だろう。
 「ちょっと見たい気もするがな……あ〜わこ助。あれ、買ってくれたか?」
 「クーだっけ? オレンジはなかったからタピオカ味買ってきたよ」
 「タピオカって何!?」
 「タピオカはタピオカだよ」
 「タピオカ?」
 「タピオカ」
 「タピオカ……」
.
 相変わらず、このゆるい部平和だ。


167 ルル [2007/06/01(金) 20:14:32 ID:lot]

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 ある晴れた日の午後。ある屋上に存在するある部屋にて、ある少年は大いに暇を持て余していた。
 誘利の校舎屋上右隅にポツリと備え付けられた部屋、もしくは小屋。
 そこそこ広い空間の中心には年季の入った机があり周りにはパイプイスが乱雑に転がっている。そのボロイスの一つにとある少年こと海門 梢【ミカドコズエ】はやる気なさげに座っていた。
 中途半端にたった髪の毛。
 中途半端に着くずした制服。
 中途半端に見開かれた黒目。
 だらっと背もたれに張りついた背中は90度を通り越し180度反っている。
 虚ろに天井に見上げた瞳には二文字「うつ」が浮かんでいた。
 圧倒的な睡眠効果をもつ春の光をたっぷり受けつつの授業を耐えぬいたのだ。それも当然といえる。
 彼は口を開くのも億劫なのか、数秒口元をもごつかせた後、何もない空中になげやり気味に投げ掛けた
 「だるい……」
 「なにを若いもんが人生に対してなめくさった事いっとるか――!」
 瞬間にバカでかい声にかき消された。
 善し悪しあれど初台詞を消去された少年は微妙に残念そうな顔のまま、ドアを蹴破らんばかりの勢いで入ってきた人物の方向に顔を向けた。


168 ルル [2007/06/01(金) 21:04:49 ID:lot]

.
.
 そこには同じ高校の制服に身を包んだ少女が立っていた。
 微妙な長さの髪を後ろでくくり作った無理矢理なポニーテイル。左右の手首には奇妙な色合いのミサンガをまいている。
 ちょうど落ち始めた夕日をバックになぜか顔を真っ赤に泣き腫らした状態で。
 なにかあったのだろう。今思えばさっきの言動もどこかしら八つ当りちっくだったしと、梢は考えた。
 「どうした澄希? あれか? 家出か? 家出少女なのか? 大丈夫だ。今朝喧嘩別れしたお母さんもげんかんをくぐればニコニコ顔で……」
 「……れた」
 「ん?」
 「ふられた――っ!!」
 魂の叫びが響き渡る。
 どうやらそのボリュームは梢の鼓膜の許容範囲外だったようだ。彼は無表情で耳を押さえる。
 目の前の爆発寸前少女の名前は前原 澄希【マエハラスミキ】。充電不用にして年中無休のハイテンション保てる彼女も今回はその方向性が違うようだ。
 「そんなことか。大丈夫だ。地球の半分とちょっとは男だ」
 「うるっ――さいわい!! 小学校以来の壮絶な片思いの末に告白した相手に『ごめん、俺……三次元に興味ないんだ』って! 言われた奴の気持ちが分かるか――!」
 と、オタク世界に彼を奪われた澄希は腕を振り回して暴れだす。蹴り上げられたパイプイスは空中で分解されただの廃材と成り果てた。備品がどんどん減っていく。
 「まあ、ご愁傷さまとしか言いようがないが……たとえその彼がAボーイじゃなくてもダメだったと思うけどな」
 「なぜにさ……?」
 梢はそんなこともわからんのか的な目をしたまま答え
 「それはやはり性格上の問題が……」
 ないうちにパイプイスの足が飛んできた。
 的確に頭狙ってくる足を器用に避けながらさらに追い打ちをかける。
 「まあ仮にお前がギャルゲーに出てきたとしても俺は絶対に“澄希ルート”には進まんということだ」
 「はっ! 甘い甘い。幼馴染みって自転ですでにフラグは立っているのよ! あんたに攻略できるほどやさしくはないけどね!」
 「たとえお前以外のルートがなかったとしても裏の義妹ルートを突き進んでやるよ」
 飛んでくる雑音を意識外にシャットアウトして向けた窓の外。
 夕日は完全に沈み切っていた。


169 回忌 [2007/06/02(土) 20:03:49]

あげますね


170 ルル [2007/07/19(木) 22:00:57 ID:lot]

え〜と今までケータイ壊れてて書き込めませんでした(T_T)
今は従兄のとこのパソコンから書いてます。
夏休みの間には機種変スルと思うんで……


171 玖有 [2007/07/19(木) 23:47:02]

上がってる(ノ*´∀)ノ
と思ッてきたら...
そンなコトにorz
.
卒じゃなくて
本とに良かッた
嬉しいよ(´`●)


172 咲拉良 [2007/07/21(土) 12:59:32]

復活あげ


173 ルル [2007/07/27(金) 22:48:44 ID:lot]

とりあえずは夏休み中は従兄弟の家に在中するんでたまに更新できると思います(;^_^A


174 エネルギーを蓄えに来ましたよ宇宙人 [2007/07/28(土) 06:44:16]

お初です。
読みたいのにまだ読み終わってません。
明日中に読み終わってやろうと意気満々です。
楽しみにしてます。
頑張ってください。


175 旅人 [2007/07/28(土) 20:41:37]

あげ。
面白いので頑張ってください!


176 ルル [2007/07/28(土) 23:16:23 ID:lot]

.
.
 少年達がこんな場所に集まっているのには曲がりなりにも理由があった。
 それはこの学校に入学当初、前原、海門両家の親戚である浅神家からの一本の電話が原因だった。
 その電話の主は二人に間延びした声でこういったという。
 「暇つぶしに付き合ってくんない?」
 そね原因の一端というが全端はもちろんその電話の直前に設立された“ある部活”が関係していることはいうまでもないことだが……
.
.
.
Shift
.
.
.
 「夏祭り?」
 今日も今日とて足遅に歩き去っていた夏の片鱗を感じ取っていたある晴れた昼下がり。我らが部長は何の前触れもなく夏の風物詩への参加を表明しだした。
 俺としてはこんな連日凶器と化した日光さんさんと降り注ぐ戦場へと繰り出すのは甚だ勘弁したいところなのだが……きっとそんな一個人の願望とか切実な願いとかは一泊の間も置かずにダストボックスに瞬間転移してしまうものなのだ。
 「That right! その通り! 今日霞夏ちゃん達と電気屋行ったときにこのチラシをもらったんだよ!」
 見ればなるほど典型的なB4サイズ用紙にプリントされているのは確かに祭り色。しかしながら……
 「早いだろ、いくらなんでも」


177 ルル [2007/07/28(土) 23:45:29 ID:lot]

.
.
 そう。うくら暑い暑いと唸ったところで今は所詮七月初期。あと一ヵ月もすればこの数倍の熱に喘ぐことになる。よってまだそんな浴衣着て花火を見るなんて夏真っ盛りなことをする季節でないことは周知の事実だった。
 「甘い! 甘いよ順君! これは来るサマーバケーションに向けての予行練習! 片抜き制覇は当たり前! 射的上等何でも御座れ! つまりは――――」
 「とりあえず騒ぎたいんだね」
 「いえすあいどぅーーーーーー!!」
 ハノ、わこ助のそんな漫才を皮切りに部室はお祭りモードに包まれる。とりあえずは雰囲気に乗ろうとしたのか返小路もその輪にどわ〜〜〜〜と混ざっていく。と、その光景を微妙だが楽しそうに見つめる雪桜院。
 まだぎこちないが……そうだな。きっかけがあればなんとかなりそうだ。
 あいつもそんなことを考えたのでは? などと刹那考えてみたが、否。そんなことは一切ないだろう。まあ自覚がなくてもこの際何も言わないさ。
 客観的にも主観的にもやっぱり大勢でわいわいするのは何だかんだで楽しいものだ。


178 ルル [2007/07/31(火) 22:11:12 ID:lot]

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 時はすでに夕刻。すなわちそれは下校の時刻なのであった、まる。
 などとかしこまって言う必要もなく今はお帰りのシーズン。
 カエルもカエルで夏の総攻撃に決して負けることなくゲコゲコ鳴く健気な姿にほろりと涙を流しながら俺は身仕度を始めていた。
 猛暑の名に恥じる事無くしぶとく地表に残っていた熱気もすっかり息を潜め、明日どうやって多くの生徒を熱中症で病院に叩き送るかを相談しているのではないかと本気で思う。
 さて、いつもならここで部室に残るリアル幽霊部員にわかれをつげ、
 愁傷に部室前まで迎えにくる車に乗り込む雪桜院に手を振り、
 校門で正反対の帰路に着くわこ助を見送り、
 一人淋しく帰路に着くのが常だった俺だが、今日は少し違っていた。それは……
 「今年は〜セミが多いね〜」
 冒頭から約三○分後。俺の目の前には真っ青な髪がひょこひょこ揺れていた。 「なんか周期があるっぽいぞ。なんでも、数年おき奇数年に大量発生するんだと」
 「ほぇ〜セミも大変だね〜」
 俺は普段やることがなくなればさっさと席を立つ。だけどこいつはいつも最後までピコピコやっているせいで帰りが一緒になるのはこれが初めてだ。別段それがどうしたというわけではなく、「んじゃ、帰ろっか」「ん」と済し崩しに決定し今に至る。
 「別に大変とかじゃないだろ? 示し合わせるわけでもないし、自然現象だ」
 「わかってないね〜順君。これは年々迷走を続ける人間へのサインなんだよ! セミからの」
 自然とかじゃないのか。
 「どんな?」
 「ん、え〜とーーーー……掻き揚げて食べてください?」
 パンという乾いた音が辺りに響く。ハリセンが不届き者を殴打した音だ。
 「鳴いてセミに謝れ! セミだけに!」
 「う〜ぶたれた〜しかもなんか文体でしかわかんないようなギャグを言われた〜」
 ほっとけ。セミの大群を鍋に放り込んで食らうくらいなら行きずりのオバサンに「I simply want to watch over you」とでも紡ぐほうがまだましだ。
 というかなぜ理解できた。
 さっきの言葉にかちんときたのか、それともただ退屈なのか、呆れ顔で歩く俺の足を必死で掛けようとする小動物を無視しつつ歩道を歩く。
 こんな時間でも生徒の姿をちらほら見るが、いかんせん、どういうわけかそいつらはみんな男女ペア。受験効果か修学旅行効果かは知らないがな。
 「順君順君」
 「ん〜?」
 「これはもしや……あべっく?」
 足掛けにすら飽きたのかわくわく顔でそんなことを聞いてくる小動物。
 まあ普通ならそうなのだがこの場合は……
 「そうだな、一人と一匹じゃなければ」
 行った瞬間飛んできたハリセンの速度は尋常ではなかった。


179 ルル [2007/08/03(金) 16:31:52 ID:lot]

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 などと漫才をしつつも帰りの所要時間が変化するわけでもなく、あっと言う間に家の前。
 通常ならここから飯・風呂、寝のめくるめく三連コンボが炸裂するはずだったのだが、どうやら今日はとことんイレギュラーに撤したいらしい。
 そう。俺は帰宅の瞬間意外なお隣さんの存在に気付くことになった。
 冒頭から一時間後。俺の目の前には真っ青な髪がひょこひょこ揺れていた。
 「何で今まで気付かなかったんだかな〜」
 後想像通り、我が家がいえの右隣。そのお宅の標識は某四コマ漫画と見事に一致していた。
 鰹もサザエも採り放題だ。
 ほぼ同時に自宅の扉を開けた二つの視線は見事に交差。たっぷり二秒間硬直した後……ずかずかと侵入今に至る。
 「私は朝早いからね〜爽快wake upハノとは私のことなのさ」
 「の割りには遅刻多いよな、お前は」
 「ぐ、しょうがないんだよそれは。どんなに早く出てもカバンが遅刻するから」
 「とんでもない責任転換だな」
 その会話のうちにも色とりどりの料理が所狭しと並べられていく。現状に不満があるわけではないが、親の帰りの不定期さ故にコンビニ特産物が蓄積されたマイストマックには本当にありがたい。
 「しかし、悪いな。飯作ってもらって」
 「気にしない気にしない! うちも親海外で一人だしね。デザイナーとやらも結構大変だの〜」
 おしゃべりが途切れた記憶はないはずだがいつのまにか机の上は料理で埋まっていた。
 前々から何でも器用にこなす奴だとは思っていたが、料理のスキルまであるとは。これからは男も家事をする時代だというのに。
 家庭の事情もそうだがいつも一緒にいるくせに解らんことも色々あるもんだ。こいつも、他の奴も。
 返小路なんか存在もいまいちわかってないしな。
 今度親睦ついでに映画にでも誘ってみるか。今度な。
 「しかしながら……」
 「はにゃ?」
 うちのテーブルは約一m四方。それが一杯になるということは……
 「多くないかこれ?」
 「…………………………………………………………ちゃは☆」
 チャラにはならんぞ。決して。


180 ルル [2007/08/03(金) 16:44:51 ID:lot]

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 その夜、膨大な量の食料を胃に詰め込んだ結果人間の機関には皆平等に限界があることを痛感し、万人の味方であるタッパ将軍の御力をお借りしなんとか自体の鎮静化に成功した。
 個人的にはその広い懐に数多のシチューを内包してくれたタッパ将軍にはなんかの勲章を贈呈したい気分だ。
 他愛のない会話をしながら帰っていったハノにもらったチラシには「州芹祭り」となにやら楽しげな文体が踊っていたがすぐ下に写っているマスコットには正直キモグロイとしか感想を抱けないことは少なからず問題だと俺は思う。
 その後日にいく予定の夏祭りだが、まさかあんなことになるとは夢にも思っていなかった。と、お決まりの台詞を言っておこう。
 別に余裕なわけじゃない。俺は定石が好きなんだ。
 そんなこんなの心の葛藤の後、夏祭り当日。


181 咲拉良 [2007/08/05(日) 14:23:54]

揚げ


182 咲拉良 [2007/08/09(木) 16:25:07]

挙げ


183 回忌 [2007/08/16(木) 14:50:27]

おもしろいです!
上げますね。


184 咲拉等 [2007/09/06(木) 21:29:28]

あげ


185 カル [2008/03/17(月) 01:11:17 ID:karu]

また、更新してくれる日が
来るのを願って…のあげ。


186 梨絵 [2008/12/29(月) 01:42:23 ID:harrypotter]

おもしろいと評判なのであげます。
頑張って掘り出しました。
今から読ませていただきますノ


187 鈴乃 [2009/10/28(水) 22:18:42 ID:suzuno]

今さらながら読みました、てわけであげます
ルルのギャグセンの高さにびっくり。リアルタイムで読んでいたかった←
復活してくれないかな、とせつに願います。


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