1 我流 [2006/01/03(火) 12:02:41]
人を愛せない男
人を愛すことの出来ない女
人を愛したい男
人に愛して欲しい女
そんな四人の物語。
2 我流 [2006/01/03(火) 12:04:31]
は〜い!今回『我流』になって初めての作品です。
完結できるように頑張ります!
では、スタート!
3 セバ子 [2006/01/03(火) 12:04:51]
がんばってください!
4 我流 [2006/01/03(火) 12:07:43]
【一部】
《澪の華》
朝、目が覚めると一番最初に視界に入るのは真っ白な天井だった。
時計を見ても、店に出勤する時間までは余裕があり、焦ることはなかった。
布団の重みを体全体が受けているはずなのに、片方の足にはそれを感じることはない。
でも、私には以前まであった左足が今だについているような感覚があるときがある。
しかし、布団を剥ぐとその感覚が嘘だというのがわかってしまう。
私は溜め息をつくと布団をどかし、ベッドの側に置いてある車椅子を手繰り寄せた。
私のベッドは介護用で、必要な場所に手を置ける棒がついている。
それを握ると体を持ち上げ、車椅子に腰をかけた。
そして、決まった位置に置いてある義足を手に取り、靴を履くように膝から下のない左足につける。
義足の付いた足を二・三回動かし、はずれないことを確かめる。
私は、これをしないことには立ち上がる勇気が出なかった。
車椅子でベッドに戻り、棒に手をかける。
「よいしょ!」
立ち上がろうとすると、いつもこの言葉が出てしまう。
私は立ち上がると背伸びをし、カーテンを開けに窓に歩み寄る。
ゆっくりだが、仕方ない。
義足を付けて歩きだしてからというもの、本物の足が愛しくて仕方なかった。
5 我流 [2006/01/03(火) 12:16:41]
このアパートは、障害者と健常者が住まえる便利な家だ。
足の悪い人がつまづかないように、仕切りがなかったり段差がなかったり。
壁には、手摺が所々についている。
私はカーテンを開くと、朝の光が無数に降り注いでくれた。
「う〜ん!気持ちいい〜!」
私は全てのカーテンを開け、家に明かりを灯した。
カーテンを閉めているときには気付かなかった鳥の囀り。
私は窓に耳を当てると目を閉じ、その美しい音楽に聞き入った。
そして、朝食を摂るためリビングに入った。
リビングとキッチンはつながっており、私はキッチンへと向かった。
パンをトースターに入れ、ハムエッグを作る。
卵がフライパンに乗ったときの音がたまらなく私は好きだった。
ハムエッグが焼終わった頃に、トースターからパンが跳ね上がる。
私はハムエッグを皿に乗せると、パンを片手にテーブルに腰をかけた。
パンにマーガリンを塗り、それをかじる。
毎日、朝食は変えてはいたが、パンだけははずせなかった。
6 李音 [2006/01/03(火) 12:29:30]
(/≧▽≦)/新作スタートおめでとう!!
期待して読んでいきます〜♪(ぇ
頑張ってな!
7 可変式装甲/賢作 [2006/01/03(火) 12:32:03]
前のスレでは出現率がゼロに近くてごめんニャ(ぁ
今回は一番乗り&今回も色々と期待してるニャ
正直、まともに完結する確立が高いのは涼だからニャ(オイ
↑の『色々』はそんな意味もあるニャ
全国民が期待してるから頑張ってニャー!
8 我流 [2006/01/03(火) 12:36:12]
セバ子さんに李音に賢ちゃん!
声援ありがとう〜!
頑張っていくのでよろしくね〜!
9 我流 [2006/01/03(火) 13:04:54]
朝食を済ますと時計を確認し、服を着替えることにした。
上着は普通に着るが、スカートは長めにしておく。
私の中で、左足を極力見せたくないという気持ちがあったからだ。
服を着替えると玄関まで向かい、家から出る。
車を運転することのできない私は、公共機関を使うのが唯一の交通手段だった。
バス停で待つ時間というのは暇なもので、何をしていればいいのかわからない。
私は、腕時計をにらみつけながら時間をつぶしていた。
しばらく待っていると、バスが私の前に止まる。
音を立てながら開くドアを見つめ、バスの中に入ろうとした。
しかし、いつもより段差が高いのか左足が上がってこない。
「乗るなら早く乗って。」
バスの運転手からの言葉が胸に強く突き刺さる。
「ごめんなさい!」
次第に周りの視線が私に集まり出す。
(もぅ〜!誰か助けて!)
私がそう思ったときだった。
腕を握られ、ひっぱり上げられる。
私が驚いて顔を上げると、金髪の柄の悪い男性がそこにはいた。
「あ、ありがとうございます。」
男性は聞こえていないのか、私のほうすら見なかった。
バスがゆっくりと速度を上げて走り出す。
私はその男性の後ろで吊り輪を握り、男性の様子を伺った。
体からは成人のようだが、不自然なぐらい無表情。
バスに乗っていて何もしていないのに笑っているほうが奇妙だが、何か不思議な感じがしてならなかった。
10 我流 [2006/01/03(火) 15:15:46]
バスは私の目的地じゃない所でも止まる。
それは当たり前なのだが、乗客が下りるのを待つのも私には苦痛だった。
立っていると、左足が少しだけだが痛くなるのだ。
一応、足と義足の間にはクッションが入っているがそれでも痛いときは痛かった。
バス内は、乗客が下りた分だけ席が空く。
しかし、乗って来た人達でそれは奪われていく。
私は早く席に座ろうと必死になったが、座るところはなくなってしまっていた。
11 菜枝 [2006/01/03(火) 16:16:08]
初めましてぇ「「菜枝」」と申しますww
おもしろぃですっ!!
続き頑張ってサイwww
12 春夏 [2006/01/03(火) 16:18:09]
読みましたよ!
うん、今までとかなり変わったように思います。
『恋化草』に『魔女は微笑む』は感情がストレートで
まさに(夢中になってる)学生の恋愛!って感じで
勢いがありました。
それに比べてこの作品は
やや大人な雰囲気・落ち着きが出てるように思えます。
これからの展開が楽しみですね♪
無理せずに頑張ってください☆
13 我流 [2006/01/03(火) 16:22:36]
春♪菜枝さん♪ありがとうございます!
そうですね〜、まったり恋愛にしていきたいです。
14 藍 [2006/01/03(火) 16:49:16]
りょーちゃん(´∀`人)何
今回は一番乗りぢゃなかったゎ(ソコ?
頑張ってねw
15 まぃ [2006/01/03(火) 16:53:22]
新作ォメっ♪♪ww
頑張ってねー
なんか続きが気になるょ〜((o(^-^o)(o^-^)o))
16 那智 [2006/01/03(火) 16:56:33]
新作だね〜☆おめでと(o^-')b応援してます☆
17 我流 [2006/01/03(火) 17:03:17]
藍・那智・まぃありがとう♪
頑張るよ!
18 我流 [2006/01/03(火) 17:07:44]
《聖児の華》
バスが走り出すと、俺はすかさず空いた椅子に座った。
最近買ったばかりのバイクが壊れ、修理に出していることから今回はバスしかなかった。
窓を眺めていると、ビルやら店やらが流れて行く。
なんの見所のない町並み。
それでも、俺にはいい退屈しのぎになってはいた。
「きゃっ!」
バスが急ブレーキを踏むと、隣りに吊り輪で立っていた女性がふらつきだした。
さっきのバスへの上がり方といい、今のふらつき方といい、不自然な点が多過ぎた。
バスが発進すると女性は普通に立っていたが、足を見ると小刻みに震えていた。
俺はそれを見たが再び外の風景に目を戻し、見なかったような素振りをした。
しかし、後ろ髪をひっぱるような感覚。
俺の顔は自然と女性のほうを向いていた。
女性はリップでピンクに塗った唇をかみ締め、何かを食い入るように見つめている。
足は相変わらず震え、何かに耐えているようだった。
女性の目は涙で潤み、今にも泣き出しそうだった。
19 我流 [2006/01/03(火) 18:09:17]
俺はそれを見ていてもたっていられなくなり、その女性の手を引いていた。
俺の隣りに座り込む女性。
俺は、何もなかったかのように顔を窓に向けた。
「ありがとう…ございます…。」
女性の声はか細く、俺は振り向きそうになってしまった。
しかし、なんとか自分を抑え、しばらく黙り込む。
俺の左目にかすかに入る女性の足。
それは、いたって普通で健康な足にしか見えなかった。
俺は騙されたような気分になり、小さく舌打ちをした。
バスが停車すると、隣りにいた女性は立ち上がる。
「本当にありがとうございました!」
女性はさっきとはうって変わり、明るい声で俺に言う。
俺は、外を眺めたまま何も言い返すことはなかった。
バスのドアが閉まる音がすると、俺は前を向き直した。
20 我流 [2006/01/03(火) 20:59:37]
バスのフロントガラスからは、青い空と道路の層が分かれて見える。
俺から言わせれば、青い空は金持ちの人間達で煤けた黒い道路は貧乏で苦しんでいる人間達にも見えた。
ようは幸せになる奴もいれば、不幸になる奴もいる。
ただ、それだけのこと。
恐らく、このバスに乗っている人間達は後者であろう。
俺は、そういう悲観的な考えしか出来ない人間なのだ。
一定のスピードを保つバス。
その心地よい揺れは次第に眠気を呼び起こし、まぶたを下ろそうとする。
しかし、俺はその感覚に歯向かうわけもなく、思うままに目を閉じた。
目を閉じると数分で眠りに入る。
それでも、バスの走る音が聞こえてくる。
それは、浅い眠りだということを露呈した。
しかし、俺はそれでもよかった。
無駄に暇な時間を過ごすよりは寝たほうがマシなのだから。
21 我流 [2006/01/03(火) 23:20:36]
何分眠っていただろう。
目を覚ますとバスは停車し、乗っていた客の全員が下り出している。
俺は窓から風景を確認すると席を立ち上がり、金を払うとバスから下りた。
無数に行き来する車やタクシー。
高校生やカップル・会社員の群れが動き回っていた。
空からは太陽光が嫌というほど照り付け、青い空に化粧するように白い雲が漂っていた。
「聖児。」
後ろから声をかけられると、そこには赤い髪をした女性が立っていた。
「衣緒(いお)…早いな。」
衣緒は鼻で笑うと踵を返し、近くにあったベンチに腰をかけた。
「お前が遅いんだよ…。まぁ…それ以上に遅い奴もいるけどな…。」
女性とは思えないような低い声で話す衣緒。
テンションが低いのか、地声が低いのかわからないが変わった奴に間違いはなかった。
「下唇にピアスなんかして…。どんな神経してるんだお前は…。」
俺が衣緒の隣りに座ると、衣緒は眉間にシワを寄せ、不機嫌そうにそっぽを向いた。
「どこにでもいるだろうが。」
衣緒はそう言うと、溜め息をついてうつむいてしまった。
「…アイツから連絡は?」
俺が声をかけると、衣緒はうつむきながらそっぽを向く。
まるで、ひねくれた子猫のように。
俺はそんな衣緒を尻目に、人ゴミに目を走らせた。
しかし、それらしき人はいない。
「遅れるって…。」
隣りから投げやりに言い放つ衣緒。
俺は衣緒に視線を戻すと、衣緒の赤い頭をなでた。
22 misari [2006/01/04(水) 11:45:10]
我サマ新作おめでとうございます!!
misariですよ!!この作品も更新を楽しみに待ってますよ…
ずっとずっと……フフフ…。←嘘
23 我流 [2006/01/04(水) 12:38:30]
misari久しぶり〜♪
来てくれてありがとう!
24 我流 [2006/01/04(水) 12:44:19]
《衣緒の華》
似合うよって言ってほしかった。
髪を染めても、化粧を変えても聖児は褒めてくれたためしがない。
ただ、頭の上にある手だけが聖児のぬくもりを感じることができた。
私が中学生のとき、そこらの不良に絡まれたときからだった。
聖児は一人で飛び込んで来ると、無数に群がった不良達を倒していった。
中学生で弱い私を、聖児が守るように不良達を倒してくれた後は涙が零れていた。
涙を拭う私の頭を優しくなでてくれたのも、この手だった。
「衣緒…アイツが来るまで飯でも食うか?」
私が顔を上げると、無表情に私を見つめている聖児。
その瞳が愛しくて独り占めしたくて、でも、それができなくて。
私は聖児から視線をはずすと目を閉じ、かすかに吹く風に耳を傾けた。
(いつになったら聖児は振り向いてくれるの?)
風に語りかけて、返事を待つ。
しかし、風は静かに吹くだけでその答えを返してはくれなかった。
25 まぃ [2006/01/04(水) 14:46:44]
ぃろんな目線からで面白ぃーww
“アイツ”って誰なのか気になるーww(何
更新頑張ってねッ♪♪
26 我流 [2006/01/04(水) 14:48:59]
まぃー!!久しぶり!来てくれてありがとう♪
27 我流 [2006/01/04(水) 15:03:07]
「衣緒…眠いのか…?」
目を閉じた私に、聖児の声が聞こえてくる。
それが、私の耳の奥で谺していた。
私は目を開くと、聖児を見つめた。
「下唇にピアスしてると…キスしにくいよね…?」
私の言葉を聞いても、涼しげな顔をしている聖児。
その顔に腹が立ち、それなのに愛しかった。
「何言い出すかと思えば…。」
聖児は、溜め息をつくと立ち上がる。
その視線は、いつも私ではなく遠くばかり見つめている。
私も立ち上がり、聖児の目の前に立った。
「聖児のおごりだからね。」
私が声をかけると、やっと聖児の視界に私が入る。
聖児は、何も言い返すことなく歩き出した。
28 我流 [2006/01/04(水) 17:48:49]
聖児の一歩一歩は大きく、私が急ぎ足をしないとついていけない。
聖児はそれに気づくとスピードを落としてくれたが、それでも、早歩きをしてしまう私がいた。
「ついて来てるか?」
聖児は、背中越しに私に声をかける。
「お前と横に並んだら小さく見えるだろ。」
私はそれが悔しくて、最低限の抵抗をしてみせた。
しかし、聖児はそれに気づかない。
一緒にいても、遠くにいる感覚。
その感覚が、私に孤独感を与えていた。
横断歩道の信号が赤に変わると、前を歩いていた聖児は足を止める。
私が追いつけるのは、その一瞬だった。
聖児の隣りに来ると、聖児を見上げる。
私の顔よりずいぶん高い位置に、聖児の顔がある。
私は、しばらく横顔を眺めると横断歩道に目をやった。
信号が青に変わったことを知らせる音楽が流れ出す。
それと同時に、聖児の足は進み出した。
私も急いで聖児の後を追う。
(いつになったら…私とアナタの距離は縮むの?)
あの日から聖児に心を奪われた。
アナタは華麗に舞う蝶。
私はそれを追う子供。
埋まりそうで埋まらない距離。
私は、悲しくなったが聖児の背中を追い続けた。
29 我流 [2006/01/04(水) 20:09:44]
聖児は、ある喫茶店の前に立ち止まる。
私が追いつくのを確認すると、店内に足を踏み入れた。
「いらっしゃいませ。」
入るなり店員の声が私達に降り注いぐ。
「二名で。」
聖児が店員にそう言うと、近くのテーブルに腰をかけた。
店員が水を出すと、私はそれで喉を潤した。
聖児の歩く速度に合わせるのは私には辛かった。
ただ、ついて行かないと捨てられそうで怖かったのだ。
「衣緒…何か食うか?」
私は、聖児の瞳を見つめると黙り込む。
見つめるだけ見つめ、私を聖児の視界に入れておく。
いつ、私が聖児の瞳に写らなくなるのかわからないから。
「聖児を食べたい。」
私が言うと聖児は鼻で笑い、メニューを眺めている。
「聖児。」
私が声をかけると、聖児は溜め息をついた。
「衣緒、何が言いたいんだ?」
あきれたように私を見る聖児。
私が見つめると、聖児はまたメニューに視線を落としてしまった。
「聖…」
「衣緒もオムライスでいいな。」
私の言葉を聖児がかき消す。
「聖児!」
「すいません。」
再び私の言葉を遮ると、店員に注文を言う。
店員は注文を聞き終わると、メニューを持って引っ込んで行った。
「衣緒。」
聖児の声が私の名前を呼ぶ。
私は悔しくなり、返事もせず窓から外を眺めていた。
30 我流 [2006/01/04(水) 22:59:15]
《昶(とおる)の華》
地面に落ちていた携帯電話が震え出す。
俺は、それを拾い上げると開いて見た。
メールが一件入っている。
「衣緒からか〜?!」
期待を胸に、決定キーを押す。
しかし、次の画面に移った途端、俺の期待は儚く消えた。
「聖児からかよ〜…。」
俺は、中身を見ずにそのメールを消す。
踵を返すと、足元に倒れている三人の男。
胸ぐらを掴み顔を見ると、目は白目を向いている。
俺は、その男を仰向けにすると内ポケットを漁る。
すると、高級メーカーのマークが入った財布が俺に挨拶をする。
「いいもん持ってんじゃ〜ん!」
俺は、気絶している男の肩を叩き財布の中身を抜き取った。
「覚えとけよ〜。悪銭身に着かずって言葉!聞いてるわけないかぁ〜!残念!」
俺は、残り二人の財布から中身を取ると自分の財布に入れた。
細いビルの間を抜けると、一気に太陽の光とご対面した。
「いいねぇ〜!爽やかだ!」
俺は止めておいたバイクに跨がると、マフラーを吹かせ、発進させた。
「これ以上の遅刻はやべぇよな!」
俺から言わせても、聖児には逆らえない。
それは脅されてるとか、弱みを握られているからじゃない。
純粋に力の差。
一対一(サシ)でやったとしても勝ち目がないことぐらい、俺にはわかっていた。
31 明日羽 [2006/01/05(木) 00:18:00]
ってことで、遊びにきた♪
読んでないのに…。
これから、読みます故、しばらく
時間くださいねぇ。
ちなみに、読むの遅いから覚悟して
ください!(何を?)
32 我流 [2006/01/05(木) 00:20:31]
読んで下さるだけいいです♪→明日羽
33 たまご [2006/01/05(木) 00:23:22]
最初のほうだけ、ちらりと読ませていただきました。
とても面白そうですが…この量を読めるかどうか…
34 明日羽 [2006/01/05(木) 00:41:34]
よーみました☆
やっぱ、時間かかったナァ…。
リンクしてるンやね♪
面白いっス!!
これからも頑張れぃ!!
ってか、文章うまいなぁ…。
羨ましいよ!これからも、コレ読んで
技術盗みます(えぇ…)
35 我流 [2006/01/05(木) 01:24:08]
明日羽♪たまごさん♪ありがとう!
技術のあるところは盗んでいって下さいな(笑)。
36 我流 [2006/01/05(木) 12:31:31]
薄汚い煤けた道路を走り抜ける。
ヘルメットの隙間から、容赦なく風を切る音が聞こえてくる。
その音は、俺から言わせればハードロックのギターの音にしか聞こえなかった。
バイクを吹かすたび、歩道を歩く人達がこっちを見る。
俺は、その視線を感じるのがとても快感だった。
「行くぜぇ!」
信号が青に変わると同時にスタートを切る。
周りにいる車やバイクは、いわば俺のレース相手だった。
わざわざ狭い車間を蛇行するように抜き去る。
その度、鳴らされるクラクションに中指を立てて返事を返した。
駅の辺りまで来ると人の行き来が増える。
さすがの俺も人をひく気にはならず、スピードを落とした。
すると、ズボンのポケットに入れた携帯電話が震え出す。
「おっ!今度は衣緒からか?!」
俺は赤信号で止まっている車の間を抜け、コンビニの駐車場に止まった。
急いで携帯電話をポケットから取り出そうとすると、手がからまわりし携帯電話は地面に落ちた。
「あちゃーっ!」
俺は、額を叩くと携帯電話を拾い上げた。
携帯電話を開き、息を飲む。
「衣緒からでありますように!」
期待を込め、決定キーを力強く押した。
すると、携帯電話のディスプレイの中央に『衣緒』の文字が映し出された。
「やった〜っ!」
急いでメールを開き、文を読む。
しかし、俺はそれを読むやいなや首をうなだれずにはいられなかった。
37 まぃ [2006/01/05(木) 12:48:14]
“昶”なんて漢字ぁったんだぁーww(馬鹿
知らなかった……ww
昶みたぃなキャラ好きだなww(何。。
38 春夏 [2006/01/05(木) 12:57:40]
《昶の華》が今のところお気に入り♪
うん、短い文章で作り出される読みやすさが
昶の勢いを感じさせますね〜♪
これからも更新頑張ってください!
ファイトだ涼ちゃん!!
39 我流 [2006/01/05(木) 12:57:54]
まぃ〜!昶は変換で発見しました!
40 我流 [2006/01/05(木) 13:00:17]
昶が人気!以外!
春きてくれてありがとう!
41 我流 [2006/01/05(木) 18:45:30]
「何が『多分、俺のメールには返事がないと思うから衣緒の携帯からメールした。駅の近くの喫茶店にいるから、着いたら電話かメールをするように。by聖児』だよ〜…。衣緒の携帯からメールすんなよ〜…。期待すんだろうがぁ〜…。」
俺はとりあえず二人の居場所を掴むため、電話をしようとした。
もちろん、衣緒に。
メモリを開き、『受話器上げる』のボタンを押す。
すると、一定の音を刻みながら呼び出し音が鳴る。
俺は、衣緒が出るに違いないと踏んで電話をかけたのだ。
「はい…。」
その声は間違いなく衣緒だった。
「あっ!俺!昶!」
「わかってるよ…。今どこにいるの…?」
俺は、衣緒の声を聞いた途端テンションが一気に上がった。
バイクのエンジンを無駄に吹かし、周りに自分の喜びをアピールした。
「今ね!駅前のコンビニ!」
「わかった…。」
衣緒は、そういうとすぐに電話を切ってしまった。
「衣緒ったら!恥ずかしいがり屋さん!」
俺はメモリの衣緒の名前にキスをすると、向かい側の喫茶店から衣緒と聖児が出て来るのが見えた。
「せ、聖児の野郎〜っ!衣緒を独り占めしやがって〜!」
言葉では怒って見たものの、衣緒がこっちに向かっているのを見ると顔が勝手に綻んでしまった。
横断歩道を渡る聖児と衣緒。
「衣緒〜、俺はここだよ〜。」
俺は、自分の位置を示そうと手を大きく振る。
しかし、衣緒はおろか聖児すら手を振り返してくれなかった。
42 那智 [2006/01/05(木) 18:46:52]
聖児いいねぇー(何)
43 明日羽 [2006/01/05(木) 19:01:54]
知らぬ間に更新…。
昶人気かぁー。
アタシの小説の昶は、漢字が一緒でも
読み方違うんよね〜(何)
引き続き、更新頑張ってください☆
44 我流 [2006/01/05(木) 19:05:44]
那智!明日羽!
いらっしゃ〜い!
明日羽の小説では何て読むの?
45 春夏 [2006/01/05(木) 19:05:52]
ん〜、ちょっと昶くんは涼さまに似てるかな笑))
46 我流 [2006/01/05(木) 19:06:40]
はい(笑)?→春
47 明日羽 [2006/01/05(木) 19:08:44]
>>涼サン
昶で「アキラ」って読むんスよ☆
48 我流 [2006/01/05(木) 19:10:59]
なるほど…。初耳!→明日羽
49 明日羽 [2006/01/05(木) 19:13:38]
>>涼サン
普通じゃ、出てこないんだけどね〜…。
ってか、アタシの携帯では「アキラ」で
検索しても出てきません(えぇ)
アタシも、他に読み方あったのか!?って
驚きましたヨ。
50 我流 [2006/01/05(木) 19:17:58]
あきらと昶って全然違う気がするのは、僕だけ?→明日羽
51 明日羽 [2006/01/05(木) 19:21:00]
>>涼サン
アタシは違う気はしません;;
慣れましたから…。
何十回と「アキラ」って打ちましたから…。
メシ食って、更新しにいこう(何)
ってことで、落ち。
52 我流 [2006/01/05(木) 21:13:17]
《衣緒の華》
横断歩道を渡ると、バイクの前で手を振っている男性がいる。
前に歩く聖児は、何のためらいもなく近寄って行く。
「昶…遅いぞ…。」
「悪い悪い!っていうかお前衣緒の携帯からメールするなんて卑怯だぞ?!なぁ?!衣緒?!」
昶は、私のほうを見ると満面の笑みで言う。
声は怒っているのに、私を見る顔だけは笑っていた。
「何が卑怯なの。」
私は昶と言葉を交わすのがめんどくさく、適当に相槌を打った。
「衣緒?機嫌悪いの?」
昶が私の顔を心配そうに見る。
私は、昶の顔を見ると心配されている自分に腹が立ち、昶から目をそらした。
「今日の衣緒はいつにも増しておかしくてな…。」
冗談なのか本気で言っているのか、聖児が生真面目な声で言う。
(お前のせいだよ!)
私はそう思うと、地面にあった小石を蹴った。
53 楝華 [2006/01/05(木) 21:24:43]
(*゚ω゚)涼チャンガンバ
54 我流 [2006/01/05(木) 21:25:34]
Σ(゜ロ゜)<楝ちゃん!来てくれた!
55 我流 [2006/01/06(金) 10:57:30]
「聖児、今日はこんな昼間から何の用だよ?」
昶は不思議そうに聖児に問う。
普通、私もそれを聞くべきだったのだろうが、聖児に会えるなら理由はなんでもよかった。
「引っ越しするんだ。それでお前達にも手伝ってほしくてな。」
「はぁ?!マジで?!」
昶は嫌そうに聖児に返事をした。
聖児は、昶を説得するように話している。
(聖児は、私には説得しないんだ…。)
昶を説得する聖児を見ると、信頼されていると取っていいのか召使いとでも思われているのかわからなくなってくる。
私は、二人の話が終わるまで走っている車を眺めていた。
色々な車があり、親子連れや恋人が相乗りしている。
私もその車に聖児と自分が乗っていることを想像し、思いを馳せていた。
「衣緒、お前もバイクだろう?」
私が振り向くと、聖児と昶が私を見ている。
聖児は無表情に。
昶は満面の笑みで。
私は、二人に歩み寄ると溜め息をついて二人を見直した。
「バイクだけど…?」
「なら、お前のバイクを貸してくれ。」
聖児は、無表情のまま私を見つめる。
私は聖児をにらみつけると踵を返し、背を向けた。
「どうしても?」
私の問いに、黙り込む聖児。
私がこういう態度を取ったときは、交換条件があるときだとわかっているようだ。
56 我流 [2006/01/06(金) 15:49:30]
「何が条件だ?」
聖児のあきれたような声が聞こえて来る。
「なんならさ!衣緒が俺のバイクの後ろに乗れば?!」
昶の余計な口出しに、私はすかさずにらみを効かした。
「い、今のなしで…。」
昶をにらみで威圧すると、再び聖児に視線を戻す。
聖児は、無表情ながらも困っているようだった。
「引っ越しを手伝ってから決める…。それでもいい?」
私が聖児に聞くと、聖児は渋々うなずいた。
「お前が運転するんだからな。」
私が付け加えて言うと、聖児は溜め息で返事をした。
「バイク取って来るから二人共ここで待ってて。」
私は、二人にそう言い残すと駐輪場に足を運んだ。
バイクのロックをはずすとエンジンをかけ、そのまま引いて二人の元へ戻った。
バイクを聖児の前まで持っていくと、聖児は私を見る。
「行くんでしょ?乗りなよ。」
聖児がバイクに跨がるのを見て、私はその後ろに乗り込んだ。
聖児の腰に手を回すと手から聖児の温かさが伝わってくる。
私の胸は、小さく脈を打ち始めた。
57 misari [2006/01/06(金) 16:28:01]
昶の花が好きです!あと、衣緒の花も!!
58 我流 [2006/01/06(金) 17:01:35]
misari〜!!
久しぶりんこ!
59 misari [2006/01/06(金) 17:02:51]
久しぶりんこ!!です!
60 我流 [2006/01/06(金) 17:04:33]
mi゚_゚)ヽ(´∀`)
61 我流 [2006/01/06(金) 18:20:58]
バイクは音を立て道路に出る。
私は、後ろにいる昶を感じないくらい聖児を感じようとしていた。
こんな機会はめったになく、最初で最後かもしれない。
私は、聖児と接している部分全てから温もりを得ようとした。
「おい…、衣緒。」
「何…?」
「体調でも悪いのか?」
赤信号で止まると、聖児は奇妙なぐらい私に気を使う。
私は目閉じると、フルフェイスの中の聖児の顔を想像した。
フルフェイスの中の聖児は、相変わらず無表情で本当に心配しているかわからないような顔をしているのだろう。
でも、私はそれでよかった。
「衣緒。」って名前を読んでもらえるだけで幸せなのだから。
「体調…悪くない…。」
「そうか。」
聖児はそれだけ言うと、バイクを発進させた。
風が、バイクに乗る二人を包み込むようだった。
そう感じてるのは、恐らく私だけだろう。
一度でいいから、聖児の心のドアを叩いて見たかった。
62 藍 [2006/01/06(金) 18:22:32]
るるる〜りょーちゃんヽ(*´∀`)ノ(何
みんなそれぞれの華があって面白ぃ★
あたし的には澪の華が好きなんだけどw何
引き続き頑張れぃ★何
63 我流 [2006/01/06(金) 18:24:10]
あら!珍しい(笑)!
まだ、聖児と澪は展開してないからね〜。。→藍
64 藍 [2006/01/06(金) 18:25:52]
珍しぃね〜(何
澪ちゃん見たいな子は好きやけどなぁ。何
まぁ皆好きでふょ♪笑
65 まぃ [2006/01/06(金) 19:41:56]
衣緒がけなげ(?)で可愛ぃーww(何
昶ゎ悲しすぎるッww
66 我流 [2006/01/06(金) 21:42:15]
そうね〜。昶は今可哀相ねw
67 我流 [2006/01/06(金) 22:11:30]
《聖児の華》
しばらく走っているとトラックが一台、建物の前に止まっている。
そのトラックの横にバイクを止めると、トラックの窓が開いた。
「葛城さんですか?!」
「はい。」
「引っ越しセンターの宮城ですが、お荷物運び入れてよろしいですか?」
俺は浅くうなずくと、従業員は後ろの荷台を開けた。
荷台の中には大した物は入っていないが、その割に数は多い。
従業員は荷台に乗ると重そうな荷物を持ち上げていた。
「俺達も手伝います…。」
俺がそう言うと、従業員は呆気に取られた顔をする。
「いいから!いいから!」
俺の後ろから昶が荷台に飛び乗ると、従業員の持っていた荷物を奪い取った。
「すいません!小さな会社ですから人数がいなくて!」
従業員は、俺達に頭を何回も下げる。
俺も荷台に乗り込み、奥にある物から引っ張り出した。
「私も持つよ…。」
俺が荷物を持ち上げようとすると、衣緒が目の前に立ち塞がった。
「いいから、お前はあの小さいのを持っていけ。」
俺を見つめる衣緒の目はいつも反抗的で、今も何か言いたそうに立ちすくんでいる。
「衣緒、そこをどけ。」
俺の言葉に衣緒は舌打ちをし、横にずれる。
衣緒の舌打ちはいつものことだから、俺には気にならなかった。
荷台から飛び下りると荷物の重さが腕に加わる。
俺は状態を立て直すと、新しく住む家にそれを運び入れた。
「ここ、最近できたアパートですよね?」
従業員が物珍しそうに部屋を見渡す。
「はい。」
俺は適当に相槌を打つと、他の荷物を運び入れるべく家から出ようとした。
68 明日羽 [2006/01/06(金) 22:19:25]
更新お疲れサマでした。
何気に澪の華が気になったりして…。
とりあえず、これからもファイト☆
69 我流 [2006/01/06(金) 22:23:32]
あ〜…ごめん。順番が変わってくるからさぁ…。
待っててね♪→明日羽
70 明日羽 [2006/01/06(金) 22:24:34]
大丈夫☆気長に待ってるヨ!!
それまでは他の華を楽しんでるからぁ♪
71 我流 [2006/01/06(金) 22:48:49]
明日羽サンキュー!
その言葉が元気の源♪
72 明日羽 [2006/01/06(金) 22:52:52]
元気の源か☆
元気になって、いっぱい
更新してもらわなければネ♪
続き、楽しみにしてるヨ!!
どのように完結するのか
楽しみですな…(もぅ、完結に目が
いくアタシww)
73 我流 [2006/01/06(金) 22:54:59]
秘密じゃけぇ(ニヤリ
74 明日羽 [2006/01/06(金) 22:59:08]
だから、ドキドキワクワク
なんスよ☆
これからも読み続け、妄想を
膨らませておきます♪♪
76 我流 [2006/01/06(金) 23:06:34]
すると、前から重そうな荷物を運んでくる衣緒の姿がある。
たびたび荷物を下ろしては、姿勢を立て直し持ち上げる。
俺はそれに見兼ねて、衣緒に歩み寄った。
「…衣緒…たまには俺の言うことを聞いたらどうだ?」
衣緒は荷物の横から顔を出すと、俺の横を通り抜けようとした。
「衣緒!」
俺が声を怒らせて言うと、衣緒の足は止まる。
荷物を下ろし、踵を返す。
衣緒は俺をにらみつけると、腰に手を置いた。
「いいじゃねぇか!私だって意思があんだよ!お前の言うことばっかり聞いてられるか!」
「何?!」
さすがの俺も衣緒の言い草に腹が立ち始めた。
あの日衣緒を助けてから、親猫を亡くした子猫のようについて回っていた衣緒が牙を剥いて見せる。
最近の衣緒は、特にそういう態度ばかりとっていた。
77 我流 [2006/01/07(土) 11:15:56]
「何やってんだよ!二人共!衣緒!それ運んじゃいな!」
昶が俺と衣緒の間に割って入る。
衣緒は、舌打ちをすると荷物を運び入れに行ってしまった。
「おい〜、どうしたんだ?」
「…衣緒の態度が最近悪い。」
「仕方ないだろう?年頃の女の子だぜ?反抗的でも不思議じゃないさ。」
昶は外見よりもまっとうな意見を言う。
俺は昶の意見を聞くと、黙り込むしかなかった。
「聖児!早いとこ荷物入れちまおうぜ?その後は引っ張りパーティでもやりましょうや!」
昶は、俺の背中を叩くと荷台に飛び乗り荷物を運び出す。
俺は溜め息を一つ付き、荷台へ向かった。
四人でやったからか、予想より早く荷物を運び入れることができた。
「それじゃ、ありがとうございました!」
従業員は、頭を下げるとトラックを走らせ帰って行った。
早く終わったとは言え、空は既に夜が見え始めていた。
よく周りを見ると、そこには昶の姿しかない。
「衣緒は?」
昶は俺に目をやると、親指で方向を示した。
「ったく…。あの小娘が…。」
俺と昶は、引っ越したばかりのアパートの中に入った。
78 misari [2006/01/07(土) 11:59:33]
衣緒cかわいそう…。。・゚゚・(>_<)・゚゚・。
聖児kもっと優しくしてあげてぇ〜〜。
79 我流 [2006/01/07(土) 13:39:46]
misari(笑)。
涙飛ばしですな(笑)。
80 我流 [2006/01/07(土) 17:07:22]
すると、ベットの上に小さく丸まる衣緒がいた。
大きい態度の割りには、寝相は小さくまとまっている。
俺はそれを見て、鼻で笑ってしまった。
「背伸びしたい歳なんだって!俺やアンタは二十歳だけど、衣緒は十八だ。精一杯ついて来ようとしてるんだって!」
「そうか…。」
妙に説得力のある昶の言葉。
俺は、いつも昶の話に耳を傾けずにはいられなかった。
「聖児!何飲みたい?!」
昶は、俺の肩に手を置くと無邪気に笑う。
「そうだな…。チューハイを買って来てくれるか?」
「あいよっ!食べ物は俺が決めるからね〜!」
昶はそう言い残すと、家から出て行ってしまった。
81 春夏 [2006/01/07(土) 18:17:41]
背伸びしたいのは今の春も同じです。
年は関係ないと思ってみても、
でもやっぱり気にしちゃうんですよね。
…またこうも涼ちゃんの作る登場人物と
気持ちが被ってしまうと、なんだか本当に不思議ですね笑))
82 我流 [2006/01/07(土) 18:27:32]
オゥ!わざとじゃないよ!
たまたま、偶然!
…にしては回数が多いのはなぜ?
83 我流 [2006/01/07(土) 19:56:36]
《澪の華》
低床バスが私の下りるべきバス停で止まる。
低床のバスだけはあり、私の左足でも簡単に下りることができた。
夜に染まりそうな桜並木が、私の視界を楽しませてくれる。
暗くなっても、その淡いピンクは際立って見えた。
しばらく歩くと、私の住むアパートが見えて来る。
すると、暗がりにバイクに跨がった人と話をしている人がいる。
私は、その様子を遠目から見ていた。
「気をつけて行けよ。」
「わかってる!」
夜にもわかりやすい銀髪の男性は、フルフェイスをかぶりバイクを走らせて行った。
私はそのバイクを目だけで追った後、視線を元に戻した。
すると、そこには朝見た金髪の男性が立っている。
私は、それを見て駆け出していた。
しかし、左足は義足。
足があったときの様には走れない。
男性は踵を返すと、家に入ろうとしていた。
私の走るスピードでは追いつけない。
朝、助けてもらったことをなんとか御礼を言いたかった。
男性は、自分の部屋のドアノブに手をかける。
「待って下さい!」
私は、無意識のうちに声を出していた。
男性は、ゆっくりと振り向いた。
その外見は、まさに朝助けてもらった男性だった。
84 我流 [2006/01/07(土) 21:07:16]
「何か?」
男性の低い声が私の耳に入ってくる。
私は、左足を引きずりながら男性の前まで駆け寄った。
走ることの慣れてない私は、脈が上がり、息が切れている。
膝に手をあて、呼吸を整えると顔を上げた。
「今朝は…!ありがとうございます…!」
言葉を喋ると、整えたはずの呼吸が再び乱れた。
「はぁ…?」
男性は、何のことかわからないと言った口調だった。
私は息を整え直すと、深呼吸をして男性を見た。
「今朝!私がバスに乗れなかったときと座りたいときに助けてくれましたよね?!」
私がそう言うと、男性は目を細め悩み出した。
「あぁ…。」
男性は思い出した思い出していないのかわからないような声を出し、私のことを見る。
「…どこか悪いの?」
男性は、私の足を見る。
私がスカートを両手で抑えると、男性は不快そうな顔をして見せた。
「あ、あぁ!そういうつもりじゃなくて…。」
私は恥ずかしくなり、うつむかずにはいられなかった。
男性の溜め息が私の頭の上から聞こえる。
「すいません!」
私は、悪いことをしたと思い頭を下げた。
しばらく、重い沈黙が続く。
「あ、あの!このアパートに何か用ですか…?」
私は、沈黙を破ろうと声を出す。
男性は、首を回すとゆっくりドアに指を指した。
「そこに住むことにしたんです…。」
「えっ?!」
男性の指指す先は、私の部屋の隣りだったのだ。
「本当ですか?!私!その隣りなんです!」
男性は、無表情に私を見たまま顎に手を当てる。
その仕草に、私はなぜか目を放せなかった。
85 我流 [2006/01/07(土) 23:28:14]
「すいません…今日は挨拶の品持って来てないんです…。」
男性は顎から手を放すと、トーンを変えず私に言う。
「いいですよ!気にしなくて!あっ!私は如月澪(きさらぎ みお)って言います!」
男性は浅くうなずき、私の顔を見る。
私が何気なく微笑むと、男性はすぐ目をそらした。
「…じゃぁ…そういうことで…。」
男性は、踵を返すと私に背中を向ける。
「ま、待って下さい!」
私はつい男性の手を握り、制止させてしまった。
「…何か…?」
顔は相変わらず無表情だが、声は迷惑そうだった。
私は、その声を聞くとなぜ男性を制止したか考えた。
「あっ…!あの!…アナタのお名前を聞いてないんですけど…。」
私が恐る恐る言うと男性は小さな声で「あっ。」と言い、私の方を向き直した。
「葛城聖児です。」
私の耳の中に、聖児という響きが心地よく残る。
「聖児さん…か…。」
私は無意識のうちに、聖児の名前を口ずさんでいた。
「いい名前…。」
「えっ?」
「あぁ!なんでもないんです!すいません!あっ、ちなみに!私のことは澪でも如月でも好きなほうで呼んで下さい!」
私の一人走りで、聖児はあきれたように私を見ていた。
私は恥ずかしくなり、聖児から目をそらした。
「では…今後よろしくお願いします…。如月さん…。」
「あっ!はい!こちらこそ!」
聖児は私に浅く頭を下げると、自分の部屋に入って行ってしまった。
86 我流 [2006/01/08(日) 17:01:28]
《昶の華》
俺は、近くのコンビニに入ると籠を手に取った。
まずは弁当のある所へ行き、旨そうな物がないか物色する。
そして、自分の好きな物を籠に入れ、次は衣緒に何を買おうか考えた。
「衣緒は何が好きかな〜?」
上下左右にある弁当やおにぎり・サンドウィッチを見て回る。
しかし、俺には衣緒が何が好きかわからなかった。
「先に聖児の選ぶか〜。」
俺は、適当な弁当を手に取ると籠に投げ入れた。
その後も衣緒が好きな食べ物が何か考えたが、結局わからなかった。
俺は、携帯電話を開くと衣緒に電話をかける。
衣緒の寝起きの声が聞けると期待してのことだった。
呼び出し音が鳴る間、胸を踊らせる。
そして、電話を取る音がした。
「はい。」
俺は電話に出た人がわかった瞬間、携帯電話から耳を離した。
「ノォ〜!!衣緒の可愛い声じゃな〜い!」
俺は渋々携帯電話を耳につけ直すと、お互い黙り込んだ。
「昶?どうした。」
「どうしたじゃないわ!何で聖児が衣緒の携帯に出るんだって!」
半ば怒り気味の俺を怒らせるように鼻で笑う聖児。
「悪い悪い。いつもお前、俺じゃなくて衣緒にかけるからさ。」
「たりめぇだろ!何が好きで男に電話かけるんじゃい!」
俺は腹を立てて、聖児の返事を聞く前に電話を切った。
87 春夏 [2006/01/08(日) 19:46:01]
澪ちゃんかわいいですね〜♪
あたふたしているところが初々しい♪♪
88 我流 [2006/01/08(日) 19:56:51]
澪はまだ展開しないからしばらく待っててね。。
89 我流 [2006/01/08(日) 20:08:08]
そして、肩を落としながら酒のある所に通りかかった。
「ん?」
何気なく見る色とりどりの酒達。
「あ〜…、聖児がチューハイ飲みたいって言ってたしな〜…。」
俺は、チューハイを手に取ると籠に入れた。
そして、自分の分の酒を入れようとしたときだった。
俺の脳裏に素晴らしいインスピレーションが過ぎる。
俺は一缶酒を取ると、インスピレーションの通りに想像して見た。
「まず、三人で乾杯をする。そこで衣緒にバンバン酒を飲ませて…衣緒がベロベロに酔う…。そして…そこで俺がこう言う。もうこんな時間だ!帰らなきゃ!すると、聖児が時計を見て一言!そうだな…昶、衣緒を家まで送ってやれ…。そしてそして!俺が仕方ないなぁ〜、行くぞ!と衣緒に言う。ベロベロに酔った衣緒をバイクに乗せ、走り出す。すると、酔っている衣緒は熱いよ〜!っと言う!そして、俺が優しく衣緒に言う。そうか〜、なら休むか?衣緒はうん、そうしてくれと言う。さらに衣緒の酔いを回すために遠回りしながらホテルを探す〜!いい感じになったらそのままホテルイ〜ン!よっしゃ!決まった!」
俺はガッツポーズを決めると、籠の中にたくさん酒を入れた。
90 まぃ [2006/01/08(日) 21:35:08]
ぉ久ーww
ゎぁ、すっごぃ進んでるゃんー
91 我流 [2006/01/08(日) 23:32:30]
あっ!ごめん!まぃ!
92 コロロ//仔爾 [2006/01/09(月) 13:10:49]
涼ちゃぁぁんww
93 那智 [2006/01/09(月) 13:16:28]
やっぱ聖児好きだ〜!無表情なとこがグッド☆(何)
94 春夏 [2006/01/09(月) 15:58:58]
昶くん……素直な子だわ…笑))
95 我流 [2006/01/09(月) 17:37:55]
やべぇ〜…。。今日更新少ないなぁ。。
96 我流 [2006/01/09(月) 17:42:14]
そして、つまみを買うとレジに入った。
店員がレジ打ちをしている間も、計画を頭で繰り返し描きシュミレーションをし、成功だけを胸に店から出た。
バイクに荷物を入れ跨がると、携帯電話を取り出す。
「衣緒!今から帰るぜ!」
言葉と同じことをメールに打つ。
すると、フルフェイスをかぶっている間にメールが返ってきた。
俺は、急いで携帯電話を取り出すとディスプレイを見た。
『メールが届いています。』という画面を見ると、無性にテンションが上がる。
「衣緒〜!イン!」
力強く決定キーを押すと衣緒の名前が出る。
「なんだい?衣緒。僕がいなくて寂しいのか〜い?」
携帯電話に映る衣緒の文字にキスをすると、すばやくメールを開いた。
「何々〜?どこをふらついてるんだ、早く帰って来い。こっちは、腹減ってるんだ。by聖児?ハハッ!聖児からだよ〜。嬉しくてたまんな〜い…。」
俺はそれを見てしばらくしてから、急いで地面に 唾を吐いた。
「何で聖児にキスしなきゃいけないんだよ!勿体ない!大体衣緒の携帯はアイツの携帯かよっ!」
俺はそのメールを急いで消すと、バイクにエンジンをかけ道路に入った。
聖児からのメールで下がったテンションも、あの計画を思い出すと下がっていたテンションも上がってくる。
「待ってろよ!マ〜イハニィ〜!アンドホテ〜ル!」
俺はバイクのスピードを上げ、衣緒の待つ場所へ急いだ。
97 我流 [2006/01/09(月) 19:56:33]
《澪の華》
私は自分の家に飛び込むと、左足を引きずりながらキッチンへ向かった。
冷蔵庫を漁り、ある物全てを確認する。
そして、料理の本を開くと有り合わせでできるおいしいものを作ることにした。
レシピを決めると、材料を手に取り作業を始める。
急いでいるからか、上手く手が動いてくれない。
私は一度手を休め、深呼吸をした後作業をし直した。
次第にそれらしい匂いが立ち上ぼる。
私は味見をするとすぐ皿に盛り付け、玄関へ急いだ。
すると、不意に目に入る写真立て。
そこには、私と私の愛した男性が写っている。
「勘違いしないでよ?浮気じゃないんだから。」
私は、写真に映る彼にそう言うと写真立てを伏せた。
98 明日羽 [2006/01/09(月) 20:02:07]
おぉ!澪の華だ☆
ってか、行動おもしれぇ(笑)
そして、何より、昶が…笑えるよ、
色々と♪♪
さて、更新頑張ってくださいネっ!
99 我流 [2006/01/09(月) 20:14:29]
明日羽〜♪センキュー!
100 我流 [2006/01/09(月) 20:35:00]
100いった。
101 明日羽 [2006/01/09(月) 20:36:25]
おめでとーございまぁす!!
102 春夏 [2006/01/09(月) 20:38:45]
100おめでとうございます♪
涼さま早いですね〜、うん、頑張っていますもんね♪
これからも無理せずマイペースに更新頑張ってください☆
春はいつでも応援しています!笑))
103 アジテーター/賢作 [2006/01/09(月) 20:40:41]
(*≧∀≦)ノ100おめニャー!
いや〜、涼の更新速度には頭が下がって埋まってしまうニャ(笑
埋まり切ったまま応援を続けるニャ
104 我流 [2006/01/09(月) 20:42:24]
明日羽!春!賢ちゃん!ありがとう!
学校始まるから若干遅くなるけど。
105 那智 [2006/01/09(月) 20:44:40]
おっ、100じゃん!超おめ☆何
更新がむば〜♪応援してます☆
106 まぃ [2006/01/09(月) 20:45:37]
面白ぃー♪♪ww
視点が変ゎって、喋り方(?)も変ゎるから、楽しぃo(>▽<*)o
107 まぃ [2006/01/09(月) 20:46:17]
@◎◎ォメっ♪♪(↑に入れるの忘れてたー。。(馬鹿
108 我流 [2006/01/09(月) 21:26:42]
外に出ると横を向き、聖児の家の前に立つ。
私は、そこでも深呼吸をするとインターフォンをにらみつけ、気合いを入れた。
インターフォンを押すと、同じ音が三回ぐらい鳴る。
私の胸がその音を聞いた瞬間から小さく高鳴りだした。
しばらく、返事がなく私は立ちすくんでいた。
待っている間も、緊張で足が震える。
すると、インターフォンを取った音がした。
それがわかると、私の胸は、バスケットボールが跳ねるように高鳴りだした。
「はい…。」
「わわわ私!…如月です!」
「はい…?どうしました…?」
「あの!晩ご飯が余ってしまったのでどうかなって思いまして!」
聖児の声が聞こえなくなる。
私はそれがわかると、小さく溜め息をついた。
すると急にドアが開き、聖児が現れた。
私は驚き、つい後ろに退いてしまった。
聖児は、私のことを冷ややかな目で見ている。
私はそれを感じ取ると、手に持っていた料理を聖児に差し出した。
「これ…なんですけど…。いらないですよね…?」
聖児は、私の料理を見ると無表情に私に視線を戻す。
私はいたたまれなくなり、逃げ出したくなった。
「…すいません…。俺が挨拶の品持って行かなきゃいけない立場なのに…。」
私を見る聖児は、一瞬だけ申し訳なさそうな表情をした。
私はそれを見た瞬間、静まり返っていた鼓動が甦ってくる。
私は、そんな聖児を食い入るように見つめていた。
聖児が私の手から料理を盛った皿を取る。
私は我に返ると、聖児から目をそらした。
「ありがたく頂きますね…。ちょうど腹が減ってて…。」
私は聖児からその言葉を聞いた瞬間、嬉しくてたまらなかった。
踊るように高鳴る鼓動が、それを証明しているようだった。
109 我流 [2006/01/09(月) 21:27:43]
那智もまぃもありがとう!
これからも頑張るね!
110 plum sound//李音 [2006/01/09(月) 21:39:42]
100おめ〜♪
早い早い早い早いww何
これからも更新ファイトー!!(笑
111 藍 [2006/01/09(月) 22:22:38]
100おめでとぅ★
間違えて1000って打ったさ。笑
澪ちゃんの華!何
頑張れ〜♪
早いな。笑
112 我流 [2006/01/10(火) 15:05:33]
「お、おいしくなかったら!無理して食べないで下さいね!」
私がそう言うと、聖児は私の作った料理を一口食べてしまった。
私の鼓動が一気に不安の鼓動に変わる。
聖児は料理を飲み込むと、私を見つめた。
私は何を言われるか恐くなり、目を閉じてしまった。
「旨いですよ…。食べ終わったら皿返しに行きますんで…。」
「えっ…?」
私は、幻聴を聞いたような気分になっていた。
「旨い」って言ってくれたことが嬉しかった。
私は、高い所にある聖児の瞳を見つめていた。
聖児は、それに気づくとすかさず目をそらす。
私は、それを見てまた笑ってしまった。
聖児はそれに気づいたのか、再び不快な顔をする。
私は顔を整えると、聖児の顔を見直した。
「よかったら食べた後、料理の感想聞かせて下さいますか?」
私がそう言うと、聖児は無表情ながら困ったような顔をした。
私は、そういう仕草も見逃さずに見ていた。
「俺なんかでよければ…。」
「ありがとうございます!」
聖児は、私が頭を下げ終わるのを見ると家に入ろうとする。
「おやすみなさい!」
私が最後に声をかけると、一瞬聖児のドアを閉める手 が止まり、それからドアは閉まってしまった。
私は、それを見届けると自分の家に戻ることにした。
113 まぃ [2006/01/10(火) 16:35:50]
澪可愛ぃーww(何
でも衣緒もぃるし。。どーなるんだぁっ ((o(^-^o)(o^-^)o))
114 我流 [2006/01/10(火) 18:19:38]
まぃ〜♪毎回ありがとうね〜!
澪も衣緒も頑張れ(笑)!
115 我流 [2006/01/10(火) 20:44:22]
《昶の華》
バイクを走らせると次第に聖児の家が見えてくる。
「聖児の家イ〜ン!」
俺は、聖児の家の駐車場にバイクを止めると荷物を持つ。
計画のことを考えると、歩いているはずなのにスキップになってしまった。
「たっだいま〜!お待たせ〜!」
聖児の家に入ると、聖児が一人何かを食べている。
「お前、それ何よ?」
俺が聖児に詰め寄ると、聖児は俺に料理を掬ったスプーン向ける。
俺は、それを迷わず口に入れた。
「うんま〜い!えっ?!これお前が作ったの?!」
「いや…隣りの家の人がくれた…。」
「よかったな〜!…っていうかお前人が買い出し行ってんのにそりゃないべ!」
「悪い。」
しばらく聖児と会話をした後、買ってきた物をテーブルに並べた。
「衣緒…起きろ。」
「う〜ん!」
聖児が衣緒の体を揺すると、衣緒の小さな寝相は更に小さくなった。
「聖児、俺に任せろって!衣緒〜、ご飯だよ〜。」
「触るなぁ〜!!」
「えっ?何…?俺ってそんなに嫌われてんの…?」
俺は、衣緒の本音を聞かされたような気がして少し悲しくなった。
俺が悲しんでいる横で、聖児が衣緒を起こそうとする。
俺は、聖児が俺以上にひどい言葉を言われることを期待していた。
「う〜ん…。聖児…?」
俺の期待とは裏腹に、衣緒は聖児に向かって甘えたような声を出す。
これには俺も、首をうなだれてしまった。
「飯だ、早くベットから下りろ。」
聖児に言われ、渋々ベットから下りる衣緒。
テーブルの前に座る衣緒を見ていたら、計画のことを思い出し、俺は一人ハイテンションになった。
116 コロロ//仔爾 [2006/01/10(火) 21:20:35]
涼ぉ。
100までぉめれdww
コロロそのぅち追いつかれちゃぃそぉだゎww
117 我流 [2006/01/10(火) 21:41:01]
(´∀`)<コロちゃ〜ん♪
焦らなくていいから自分のペースでやりな?
118 我流 [2006/01/10(火) 21:53:55]
「衣緒!飲めよ!」
俺が缶を開け、衣緒の前に差し出す。
衣緒はそれを見ると、缶を手に取り一口飲んだ。
すると、衣緒の顔が見る見る赤くなっていく。
衣緒は俺の期待以上の酒に弱いようだ。
「ほら!衣緒!もっとイケよ!」
俺が衣緒に畳み掛けると、衣緒は素直に酒を飲む。
俺はそれを見て更にテンションが上がってきていた。
隣りでは、聖児が何か考えながらチューハイを飲んでいて、文句の一つも言わない。
俺はこれを好機と、衣緒に酒を飲まし続けた。
「もう無理〜。」
衣緒は、缶二本を飲んだところで横になった。
俺は、すかさずそこで計画通りに時計に目をやった。
「おっと!そろそろ帰らないといけないぜ!」
俺が言うと、聖児も時計に目を向ける。
「そうだな…。衣緒、お前も帰れ。」
聖児が計画通りの台詞を言う。
(よっしゃ〜!聖児ナイス!)
俺は心の中でガッツポーズを決めると、衣緒の様子を見た。
衣緒は、髪の色と同じような顔をしたまま上体を上げると俺を顔を見た。
「昶、お前衣緒を送ってやれ。」
ここで聖児のアシストがきて、俺の計画の後押しをした。
後は、俺が衣緒を抱えて外に出るだけ。
「衣緒!行くぞ!」
俺が衣緒の腕を握ると衣緒は素直に立ち上がり、俺に肩を抱かれながら外に出る。
119 春夏 [2006/01/10(火) 22:37:26]
こらこら笑))送り狼は最低だぞ!笑))
120 我流 [2006/01/10(火) 22:45:15]
春〜!十代にカモン!
121 春夏 [2006/01/10(火) 22:45:55]
了解です!
122 チャ〜 [2006/01/11(水) 16:42:05]
初めましてm○m
読ませて頂きました。イイですねぇ〜
この小説!!更新待ってますv
123 我流 [2006/01/11(水) 16:46:21]
チャ〜さんありがとうございます!
読みにくいかもしれませんが。。
124 misari [2006/01/11(水) 16:49:18]
我サマ〜〜!!新小説始めましたよ!!
125 我流 [2006/01/11(水) 16:51:04]
おぉ!おめでとう!
126 我流 [2006/01/11(水) 17:17:07]
というのが計画の予定だった。
しかし、衣緒の腕を握ると衣緒はすかさず俺の手を振りはらった。
「やだ!帰らない!」
衣緒は眉間にシワを寄せ、聖児のほうを見つめている。
俺は、計画と違った状況にどうしたらいいのか迷いだした。
「衣緒、言うことを聞け…。帰るんだ。」
聖児の説得が俺の計画を進める唯一の手立てだった。
(聖児!頑張れ!)
俺は心の中で聖児を必死に応援する。
しかし、衣緒は聖児の横に座ると聖児の肩に顔をもたれかける。
俺はそれを見た瞬間、一気にテンションが下がった。
「交換条件〜…。私を、ここに泊めなさい!」
衣緒は、目を閉じたまま聖児に言う。
「聖児!そりゃないだろ?!」
俺は計画を押し通すため、聖児に言う。
しかし、聖児は無表情に困ったような顔をすると俺のほうを見た。
「交換条件聞かなかったら、コイツ何するかわからないから…。今日は泊めてやることにする…。」
(えぇ?!)
聖児の言葉を聞いた瞬間、俺の計画はもろくも崩れ去った。
「そうだよねー…。じゃぁ、僕は帰ります。」
俺は、聖児にそう言うと聖児の家を後にした。
128 まぃ [2006/01/11(水) 19:45:45]
昶悲しーww
でもなんかぅヶるww(何
129 我流 [2006/01/11(水) 20:14:11]
まぃ〜♪
130 まぃ [2006/01/11(水) 20:17:18]
更新頑張ってねーッ☆★ww(何
131 我流 [2006/01/11(水) 20:19:30]
うぃ。
今から更新するべ。
132 我流 [2006/01/11(水) 20:25:16]
《聖児の華》
肩にもたれかかり、眠りについている衣緒。
あの日からずっと一緒に衣緒といて、衣緒の気持ちがわかっていないわけもなく、むしろ衣緒の気持ちは気づいていた。
変な言動をするのも、反抗的な態度を取るのも俺にアピールしているのだろう。
しかし、俺には衣緒を愛せるかどうか、いや、愛し方がわからないのだ。
「聖児…。」
寝言のつぶやく衣緒。
夢の中の俺は、衣緒を愛しているのだろうか。
俺自分自身に問いたが、その答えは見つかるはずもなかった。
何気なくテーブルにある皿を見て、澪のことを思い出す。
無邪気に微笑む姿を、俺の視界に入れてはいけないような気がしていた。
人の愛し方をわからない俺は、神様がきっと恋をするな人を愛すなと言っているに違いない。
俺は、そう思うと溜め息をついた。
時計を見ると、八時を過ぎている。
皿を返すのに、遅くなるのはまずいと俺は思った。
隣りで寝ている衣緒を起こすのも酷だと思う。
しかし、衣緒をどかさなければ皿を返せない。
俺は衣緒の肩を揺さぶり、起こすことにした。
衣緒は、肩をすくめると俺の腕にしがみつく。
俺は、どうすればいいのかわからなくなっていた。
しかし、澪の言葉を思い出すと皿をどうしても今日中に返せなければいけないような気がした。
俺は衣緒を抱き抱えると、ベットの上に下ろした。
髪のような真っ赤な顔は、気持ちよさそうな表情をする。
布団を衣緒に掛けると皿を持ち、家から出た。
133 春夏 [2006/01/11(水) 20:47:37]
ん〜、聖児くんは優しいですね。
この手のタイプに弱い春はもう聖児さんにメロメロです笑))
134 我流 [2006/01/11(水) 20:55:26]
春…また春を裏切ることになるやも(笑)!
135 我流 [2006/01/11(水) 22:42:49]
そして、澪の家の前に立つ。
しかし、インターフォンを押すに押せない。
(インターフォンを押して、まず何て言えばいい?)
俺は、その段階から悩み出した。
しばらく悩んだあげく、結局どうするべきか決まらないままインターフォンを押した。
インターフォンが鳴り止むと、少しの間が空く。
俺は、できることなら澪に出てきてほしくなかった。
「はい。」
しかし、期待と違い、澪の声が聞こえてくる。
俺は覚悟を決めると、言葉を発しようとした。
「聖児さん?」
俺が言葉を発する前に、澪は俺の名前を言う。
「そうです…。」
俺がまだ何も言わないうちからわかったことに、俺は驚いてしまっていた。
「やっぱり。ここのアパート、まだ私と聖児さんしか入居してないんですよ。」
インターフォンの向こうから、澪の笑う声が聞こえてくる。
俺はそれに納得すると、驚いていた自分が恥ずかしくなった。
「あっ!待ってて頂いていいですか?すぐ出ますので。」
「はぁ…。」
澪の声や笑顔を見ると、自分の中で何かが狂う。
俺はその感覚に、戸惑いを覚えていた。
しばらくするとドアが開き、澪が顔を出した。
澪は笑顔で俺を見るが、俺は澪を見れなかった。
「旨かったです…。なんと言うか…まろやかで…。」
俺がもらった料理の感想を言うと、澪は目を丸くして俺を見ていた。
「な、何か…?」
俺は、少し澪を見るとすぐ目をそらす。
澪に自分を乱されたくはなかったのだ。
「いや…聖児さんって…。やっぱり可愛いですよ!」
「…はっ?」
澪の予想もできない返事に、俺は戸惑ってしまう。
澪は、そんな俺の戸惑いを察したのか小さく笑う。
俺の心は、すぐ澪に乱されてしまった。
136 我流 [2006/01/12(木) 16:31:06]
「なんかね!聖児さんって、見た目は恐いけど中身が素直でこうなんていうかな〜?うん!とりあえず、可愛い!」
澪の表情が悩んだり微笑んだりして、それを見ていると羨ましくなってくる。
俺の中にもあるはずの感情を澪は素直に表現できるのに、それをできない自分が悔しかった。
「…怒っちゃいました…?」
俺の顔を澪が心配そうに覗き込む。
俺が横に首を振ると、澪は嬉しそうに微笑んだ。
「男の人って可愛いって言われるの嫌なんですかね?」
澪の真っ直ぐの視線が俺に注がれる。
俺は、条件反射で目をそらしそうになった。
「恥ずかしいの?」
「そんなわけ…!」
澪のほうを見ると、澪はしてやったりと微笑む。
俺の狂ってしまった心の歯車を、その笑顔を更に狂わせた。
「私の顔、可愛くも綺麗でもないけど…私は聖児さんの顔見たいんです。」
俺はその言葉を聞き、再び澪のほうを見てしまった。
照れるように微笑む澪。
俺もなぜか恥ずかしくなったが、澪から目を離さなかった。
「如月さんの顔…可愛いっすよ…。」
「えっ?!」
俺は自分で何を言ったかわからなかったが、頬を赤く染める澪を見るとそれなりのことを言ったのだと気づかされた。
「いや…、今のは」
「嬉しいな…。そんな風に言ってもらえて…。」
澪は、頬を赤く染めたまま俺を見つめる。
俺は、澪の瞳を見ていられなくなりうつむいてしまった。
「聖児さん…。また、差し入れさせてもらっていいですか…?」
「えっ…?まぁ…いいですけど…。」
俺の言葉を聞いた澪は、頭を下げると俺に微笑みかける。
「じゃぁ…おやすみなさい。」
澪はそう言うと俺に手を振り、家に入って行った。
俺は、しばらくその場を動けなかった。
澪と話していると、時間の感覚すら狂わせられる。
俺は溜め息をつくと、自分の家に戻ることにした。
137 misari [2006/01/12(木) 16:34:07]
澪と聖児……どうなるのぉ!?
138 まぃ [2006/01/12(木) 18:59:45]
澪ゎ可愛ぃけど、、衣緒が可哀想だょー(´_`。)
139 我流 [2006/01/12(木) 19:24:29]
まぃにmisari来てくれてありがとう♪
140 我流 [2006/01/12(木) 21:07:44]
《衣緒の華》
目が覚めると、そこには聖児の姿はない。
私はベットから下りると、周りを見渡した。
「聖児…?」
時計を見ても、飲んでからそう時間は経っていない。
私はふらつく足で立ち上がり、家の中を見て回った。
しかし、どこにも聖児の姿はない。
私はその場で立ち尽くし、あの日のことを思い出していた―
聖児と出会ったあの日。
家に戻った私を出迎えてくれる人がいなくなっていた。
「お母さん?ただいま。」
当時十四歳だった私には、その現実は受け止めきれなかった。
「お母さん…どこにいるの…?」
真っ暗になった部屋。
全ての部屋に電気を灯しても、母の姿はなくなっていた。
そして、母の部屋に入ると私は状況を理解した。
何もなくなった部屋。
引っ越して来たときみたいだった。
「私…捨てられたんだ…。」
小さくつぶやいた私。
それでも、母が帰って来ることを期待し待ち続けた。
141 春夏 [2006/01/13(金) 18:36:53]
衣緒ちゃんの過去ですね……気になります!
更新無理せずに頑張ってください♪
応援しています☆
142 まぃ [2006/01/13(金) 19:33:04]
衣緒……(ノд・。)
ぅち、こーゅーの弱ぃー。。。泣きそぅ……(何
143 我流 [2006/01/13(金) 21:15:41]
まぃ、春サンキュー!
144 我流 [2006/01/13(金) 23:22:40]
いつになっても帰って来ない母。
私は寂しくなり、家を飛び出した。
制服のまま駅を歩く。
「お母さん?お母さん、どこ?」
暗闇に染まる駅前には不良が溜まり、私を気味悪く見ていた。
しかし、私は母を捜すことで一生懸命で気にもならなかった。
しかし、不良達は私を取り囲んだ。
餌に群がるハイエナみたいな不良達。
私は恐くなり、逃げ出そうとした。
しかし、一時的に逃げれても逆にそれは逃げ場のない場所に追いやられただけだった。
獣と化した不良達は私に詰め寄ってきた。
私は恐くて恐くて、どうしていいかわからなかった。
「やめろ!触るなぁ!」
必死に応戦しても、女一人では歯も立たなかった。
「何をしてる…。」
そのとき、私の目の前に現れたのが聖児だった。
群がる不良達を難なく倒していく聖児は、まるで獅子のようだった。
「大丈夫か…?」
優しく聖児は私の頭をなでてくれた。
私は安心してしまい、涙を流していた―
それから、私は聖児に頼りきりだった。
聖児がいれば、母なんていらないとさえ思ったぐらいだった。
145 春夏 [2006/01/14(土) 13:11:58]
ん〜、聖児くん素敵過ぎて
これから裏切られると思うと切ないですね苦笑>>
更新頑張ってください♪
146 まぃ [2006/01/14(土) 13:19:42]
聖児カッコィィょーww
ぅち惚れるからww(歯?
147 那智 [2006/01/14(土) 13:28:46]
聖児バリかっこいい……(誰)
148 我流 [2006/01/14(土) 15:06:54]
お三方同じような感想ですな(笑)。
149 我流 [2006/01/14(土) 20:37:37]
「聖児…。」
我に返ると、私は外に飛び出した。
すると、そこに聖児はいた。
聖児は、私に気がついたのか踵を返す。
「起きたのか…。さっきまで部屋にいたんだが…。これを吸いたくなってな…。」
聖児は、煙草を持った手を少し上げる。
「そう…。」
私は捨てられてないとわかると、聖児が愛しくなった。
聖児の隣りは、私の居場所。
自分で勝手に決めた。
私は聖児から煙草を奪うと、それを吸った。
「おい…。」
「間接キス。」
私は煙を吐くと、煙草を聖児の口に戻した。
聖児は、何食わぬ顔でそれを吸う。
(少しはためらえよ…。)
私はそう思ったが、何も言わなかった。
「聖児…私ね…。」
「うん?」
「…聖児がいなくて…捨てられたと思った…。」
「…そうか…悪かったな…。」
聖児の隣りは私の場所。
例え、聖児がそうは思っていなくても私の居場所はそこだと思っている。
誰がなんて言おうと、私は譲る気はない。
150 我流 [2006/01/14(土) 21:08:52]
150。
151 藍 [2006/01/14(土) 23:41:37]
澪ちゃん(´・ω・`)何
更新頑張れw
152 我流 [2006/01/15(日) 01:13:39]
えぇ?!衣緒の話だったのに(笑)!→藍
153 まぃ [2006/01/15(日) 11:13:22]
ぅちゎ衣緒を応援するーッww(何
だって可哀想だもん。。。
でも、澪がなんで義足なのかも気になる……ww
154 我流 [2006/01/15(日) 11:16:04]
まぃ!応援ありがとう!
155 misari [2006/01/15(日) 11:17:43]
我サマがんばー!!d(*⌒▽⌒*)b
156 我流 [2006/01/15(日) 12:16:43]
《澪の華》
いつもと違うような朝が来る。
目が覚めた瞬間から、爽やかで暖かい陽気なのに眠気すらない。
布団から出ると、左足を見る。
思い出すのは、あの人のこと。
私は思い直し、車椅子を手繰り寄せた。
いつもの過程でカーテンを開けて回る。
義足をつけるたび、気が滅入りそうになるが朝の光で癒された。
朝食のパンを焼いて、ふとカレンダーを見る。
すると、『休み』という字が目に入った。
「あっ!今日休みじゃん!早起きして損した〜…。」
私は独り言を言うと、手に持っていたパンを皿に戻した。
(寝起きがよかったのはこういうことね…。)
椅子の背もたれに背中をあずけ、思いにふける。
私一人しかいない部屋。
朝の光で明るくなっているリビングも、どこか寂しく見えた。
「散歩にでも行こうかな!」
私はパンを食べ切ると、私服に着替え家から出ようとした。
そこで、玄関に伏せてある写真立てに気づいた。
私はそれを手に取ると、それをしばらく眺めていた。
「ごめんね…、私だけ…。」
私の中に悲しみが甦りそうになり、写真立てを立て直すと外に出た。
157 misari [2006/01/15(日) 12:19:15]
あげ。
158 我流 [2006/01/15(日) 12:40:57]
misari♪あげサンキュー。
159 藍 [2006/01/15(日) 16:29:29]
澪ちゃん好きやもん(ィミフ
皆好きです(*´∀`)笑 >涼
160 我流 [2006/01/15(日) 16:34:44]
藍♪澪好きですな(笑)。
161 我流 [2006/01/15(日) 16:39:56]
すると、そこには見知らぬトラックが一台止まっている。
トラックの運転席から従業員らしき人が降りて来ると、聖児の家のインターフォンを鳴らした。
聖児は、家から出て来るなり従業員と話していた。
私の視界には聖児を中心として、その他の花壇や建物がバックとなって一つの絵のように見えていた。
聖児と従業員はトラックに近づくと話を続け、それからトラックの荷台に乗っているバイクを下ろし出した。
聖児が従業員に浅く頭を下げると従業員も頭を下げ帰って行く。
そこで、私の中の絵画は終わってしまった。
聖児は、下ろしたバイクに触れると跨ぎ出した。
跨いだまま、回りを見ると何かを確認しているようだった。
「聖児さん…?」
私の口が勝手に聖児の名を発している。
しかし、振り向いた聖児を見ると聖児のほうが私に気づいてくれたようだった。
聖児はバイクから降りると、私に浅く頭を下げる。
私も頭を下げると、しばらく話すことなく沈黙が続く。
「えっと…朝食…食べました?」
私は黙り込んでしらけた雰囲気が嫌になり、思いついた言葉を発してみた。
聖児は言葉にはせず、首を横に振るだけだった。
「そっか…。私、暇なので作りましょうか?!」
私が言うと聖児は頭をかき、腕を組むと悩み出した。
そんな、聖児の仕草を私は観察する。
私の本能としてなのか、視線を聖児からはずせないでいた。
162 我流 [2006/01/15(日) 19:36:19]
「そんな…気を使ってもらわなくても」
「聖児さん、朝はいつも何食べてるんですか?」
聖児が、何か言おうとするのを私は防いだ。
なぜなら、聖児から断られると次がなくなるような気がしたから。
ただの隣人だけど、私と何か近いモノがあるような気がしていた。
それが勘違いでも、私にしては何の問題でもない。
「…コンビニで…」
「ダメですよ!栄養偏っちゃうよ?体大切にしなきゃ!」
聖児の返事は、返ってくる前からわかっていた。
それも、なぜかわからないけど私にはわかっていた気がする。
「じゃぁ!出来たら持って行きますので待ってて下さいね!」
「はぁ…。」
ほぼ強引だったが、押し切ってしまった。
163 我流 [2006/01/16(月) 17:46:30]
私は、寂しくもあった。
左足を失って、義足なしでは歩けなくなった。
愛すべき人をなくし、自由をなくした。
したいこともできない。
してほしいとも言いにくい。
私はそんな中、一人でやってきた。
本当は寂しくて仕方ない。
人と繋がりたい一方で、恐かった。
同情や可哀相と思われるのが嫌なのだ。
「健常者の人ならそんな目で見ないでしょ?!」
そう皆に言ってやりたくて仕方なかった。
私は家に入ると、キッチンに立つ。
フライパンで食材を炒めたり、聖児のことを考えるだけで寂しさは抑えられた。
仕事があれば仕事に没頭できたが、休日はそうはいかない。
私は一品作ることに、聖児の感想を聞くのが楽しみになってきていた。
ふとキッチンからリビングを見る。
さっきは少し変わり、どこか活気づいて見える。
寂しがり屋な私を元気づける光達。
その光達を見ると、私も誰かの光になりたいと思わずにはいられなかった。
164 まぃ [2006/01/16(月) 21:07:23]
そっかぁ。。。澪にそんなことがぁったのか。。(何
165 我流 [2006/01/16(月) 21:16:29]
まぃ〜(泣)。
きてくれてありがとう〜!
166 我流 [2006/01/16(月) 23:07:56]
《衣緒の華》
ドアの閉まる音で目を覚ますと、聖児を見つけた。
「どこ行ってたの…?」
私の問いに、聖児は返事を返してくれなかった。
私は、布団から出ると聖児を見つめた。
聖児は、何も言わず私を見てくれる。
昨日の夜、男女二人きりならするべきことも聖児はしてくれなかった。
私をベットに寝かせると、聖児は座って寝てしまったのだ。
「聖児はさー…女に興味ないの?」
聖児は、あきれたように溜め息をつくとテレビのリモコンに手を伸ばす。
私は、それを奪い取ると背中の後ろに隠した。
「衣緒…返せ…。」
「やだよ、私の話を聞いて。これは交換条件だよ。」
私の言葉を聞くと、聖児は大きく溜め息をついて私を睨みつける。
私も睨み返し、臆さないようにした。
「聖児は女に興味ないの?これ一つの質問。」
「何個あるんだ…?」
「さぁ?」
聖児の瞳に次第に怒りが乗ってくる。
私は、それを感じ取るとすかさず目をそらした。
「…質問に答えてよ…。」
私の言葉に、返ってくるのは溜め息だけ。
私の心は、寂しさで潰れそうだった。
167 我流 [2006/01/17(火) 19:41:19]
「興味ないわけではない…。」
聖児が溜め息混じりに言う。
そこに、私は隙間なく返事を返した。
「そう、次の質問ね。なんで昨日何もしてくれなかったの?」
「はっ?」
私は聖児の瞳を見直した。
しっかり見て、聖児の思いを知ろうとした。
しばらく、聖児は黙り込むと目を閉じてしまった。
悟られたくないのか、私を視界に入れたくないのか。
いずれにせよ、私は聖児から目を離さなかった。
「衣緒…何を言ってるんだ…。」
「わかるでしょ?女の子に言わせないで。」
聖児は溜め息をつき、立ち上がった。
無表情のまま、私を上から見下ろしている。
「質問に答えなよ!」
私は、一緒の目線で話してほしかった。
聖児は私を見て首を横に振り、どこか行ってしまった。
誰もいなくなってしまった部屋。
私の心を一層寂しさと不安で溢れさせる。
私は聖児がどこ行ったのか、部屋を捜し回った。
168 春夏 [2006/01/17(火) 19:44:52]
ん〜、聖児くん……この色男め笑))
169 我流 [2006/01/17(火) 19:51:23]
最近、話がおかしい気がします(笑)。
170 まぃ [2006/01/17(火) 19:52:46]
衣緒……(何
ぅぅー、展開が気になるねーww
171 我流 [2006/01/17(火) 20:03:00]
まぃ!まぃの言葉がありがたい!
172 我流 [2006/01/18(水) 20:48:55]
すると、家のインターフォンが鳴る。
私が取ろうとすると、聖児が現れインターフォンを取ってしまった。
「はい…ありがとうございます…。」
聖児はそう言うと、玄関に向かって歩き出す。
「ねぇ?誰が来たの?昶?」
私は聖児の後ろからついて行く。
しかし、いくら呼びかけても聖児は振り向いてくれなかった。
聖児がドアを開けると、そこには女性が立っていた。
胸まで伸びた髪に、清楚な装い。
甘いコロンの匂いは、大人そのものだった。
「彼女さん?」
その女性は、私を見ると微笑みかける。
私は目を合わせることが出来ず、目をそらした。
「いえ…。それよりすいません…。料理…。」
「うぅん!いいの!よかった、多めに作っておいて。」
私から見る二人は理想のカップルで、私はそれを眺めていることしか出来なかった。
「皿…食べたら返しに行きます。」
「わかりました。そのときはまた感想下さいね!」
聖児と女性のやりとりが終わると、聖児は、女性から受け取った料理を手にリビングに向かって行った。
「聖児!あの人は誰?!」
私の焦りと裏腹に、聖児は落ち着いて見せる。
聖児は私の質問にも答えず、あの女性からの料理を食べ始めた。
「聖児!あの人は誰なの?!」
聖児は、溜め息をつくと手を休めた。
「隣りの人。」
それだけ言うと、聖児はまた手を動かし始める。
私の心は、怒りより先に悲しみが出てきてしまいそうになる。
私が聖児の食べていた皿を手ではたくと、皿は床に落ちて割れてしまった。
173 春夏 [2006/01/18(水) 23:06:53]
衣緒ちゃん…切ないね。
女は嫉妬のかたまりですから……苦笑>>
174 まぃ [2006/01/18(水) 23:21:28]
衣緒……。。。
なんかなんか……(何
続きが読みたぃww
175 カイ [2006/01/18(水) 23:48:22]
今の今までりょーちゃんの新連載に気がつかなかった自分って何!?
頑張れー今から読む!(爆
176 カイ [2006/01/19(木) 00:19:05]
え、何々!?
何か昶がウケるよ!?
ってか俺ついていけない!
恋愛についていけない!
取り敢えず昶がウケる!(爆
じゃ!(何しに来たよ
177 我流 [2006/01/19(木) 07:23:52]
カイちゅん久しぶり♪最近、更新できてないからついてきて(笑)。
178 我流 [2006/01/19(木) 19:33:19]
「衣緒!!」
聖児は、立ち上がると私の肩を握る。
怒りのこもった手は、私の肩に痛みを伴わせる。
その痛みが心まで届くようで、私は悲しかった。
「聖児が悪いんだよ?!私の質問に答えてくれないから!」
「だからと言ってやっていいことと悪いことがあるだろ?!」
「じゃぁ!何で私を相手にしてくれないの?!寂しいの!聖児のそばにいたいの!」
私は胸に溜めていたモノを吐き出していた。
無我夢中。
気づけば、頬を涙が伝っていた。
179 まぃ [2006/01/19(木) 22:23:41]
衣緒……でも澪も。。(何
微妙なトコだねー。。
180 我流 [2006/01/19(木) 22:36:05]
まぃを複雑な心境にしてみた(笑)♪
181 まぃ [2006/01/19(木) 22:41:37]
だってこれ複雑だょーww(何
続き……ww(歯
182 コロロ//仔爾 [2006/01/20(金) 13:39:47]
涼ぉぉぉぉぉ
183 我流 [2006/01/20(金) 18:42:59]
コロちゃん♪
184 我流 [2006/01/20(金) 20:24:09]
《聖児の華》
わかっていたのに、泣かせてしまった。
いつも一緒にいれば、いくら鈍感な奴でも気づく。
衣緒の言動に、いつも怯えている自分がいるのがわかる。
告白されても、絶対意にそってやれない気がしていた。
小さく震える衣緒は、涙も拭かずうつむいている。
俺は床に落ちた皿の破片を拾い集め、それを見ようとはしなかった。
卑怯な自分。
はっきり言っていれば、衣緒の気持ちを少しは楽にしてやれるだろう。
しかし、それは反対に衣緒を捨てることになる。
捨てられる恐怖を知る衣緒に、そんなことは断じて出来なかった。
破片を拾い集めていると、何かが落ちてくる。
「衣緒…?」
顔を上げると、衣緒は衣服を脱ぎ出していた。
「衣緒!何してる?!」
衣緒の手を握ると、衣緒が俺の顔を見る。
衣緒は、ピアスを付けた下唇を噛み締めると俺を睨みつける。
涙で潤ませた目では、いつもの反抗的な目つきにはなりきれないでいた。
「だって…!こうでもしないと…!聖児が近くにいるって…!感じられないんだもん…!」
不意に衣緒の手を握る手に、涙が落ちる。
それは俺の手の上で降り注ぎ、落ちていった。
「抱いて!お願いだよ…!寂しいよ…!お願い…!」
衣緒にもう自分を保とうとする意識はなく、肩を震わせ、つぶやいていた。
その小さなつぶやきを聞いていると、俺は俺に対する怒りが沸いてきてしまった。
衣緒の頭を抱き寄せても、何も感じ取れない。
恋や愛の類いのモノは、衣緒に対して持てていなかった。
強く握り締められる服からは、衣緒の必死な思いが浮かび上がっていた。
185 春夏 [2006/01/21(土) 09:03:21]
女の子を泣かせる男は最低です。
でもいつも優しいだけの男も最低です。
何が言いたいのかわからなくなっちゃった笑))
186 我流 [2006/01/21(土) 11:15:12]
春の言うとおりだ!
187 我流 [2006/01/21(土) 14:49:41]
「ごめん…衣緒…。」
「嫌だ!聖児…!そんなこと言わないで!お願い…捨てないで…!」
衣緒の本音を聞いた。
『捨てないで』という言葉から、あの日の痛みが伝わってくる。
必要とされていないとわかったあの日。
衣緒は、どんな気持ちで母を捜したのだろう。
ぬくもりを欲し、ついて来ても俺は衣緒の中の孤独を増やすだけだった。
胸の中で泣く衣緒に、俺は何もしてやれなかった。
「ごめん…帰るね…。」
衣緒はそう言うと服を拾い上げ、逃げるように出て行ってしまった。
俺はその背中を目で追うばかりで、追いかけてやることすら出来なかった。
音を立ててしまるドア。
耳に余韻が残り、部屋中を悲しみで包み込む。
俺はしばらく立ち尽くすと、再び皿を拾い集め始めた。
割れた皿を拾い終わると、澪にどうやって謝ろうか考え始める。
何も考えないと、衣緒のこと考えそうで何か考えてそれを打ち消していた。
考えた結果、俺は素直に謝ることにした。
ただ、衣緒が割ったとは言わず自分の責任として。
188 我流 [2006/01/21(土) 19:03:45]
澪の家の前に立つと、インターフォンを押す。
俺は小さく深呼吸をし、澪が出るのを待った。
「聖児さん?食べ終わりました?」
「あ、あぁ…はい…。それでですね…謝りたいことがありまして…。」
俺はそこまで言うと、なぜか衣緒のことを思い出してしまった。
しかし、今考えるのはそんなことではないと思い直し、言葉を発しようとした。
「皿…割れちゃいました…?」
「えっ…?!……はい…すいません…。」
澪の言葉には、いつも驚されていた。
自分の気持ちを読まれているような感覚。
それは、とても奇妙な感じすらした。
「そっか…。仕方ないですね…。」
澪の寂しそうな声を聞くと、罪悪感が沸いてくる。
もしかしたら、大切な物だったのかもしれないと心の隅で思うだけで焦ってきてしまった。
「弁償します…!すいません!」
「えっ…?」
俺の心で、こんなに焦ったのは初めてだった。
人を殴ったりしても、悪いと思ったことがなかったのに澪の寂しそうな顔を想像するだけで罪悪感は膨らんでいた。
189 我流 [2006/01/22(日) 07:53:36]
しばらくしても、澪からの返事はない。
俺がインターフォンを押し直そうとしたときだった。
急にドアが開き、澪が顔を出したのだ。
「さっきぶりです。」
澪が微笑みながら言う。
そんな澪を見ていると、自分の顔も綻びそうになった。
「あー…皿見事に粉々ですね。」
澪が俺の手にある割れた皿の袋を見て言う。
それを俺は、なぜか背中の後ろに隠してしまった。
「聖児さーん。隠してもダメですよー。」
澪は俺に笑いかけると、俺のバイクに指を指した。
「聖児さんのバイクに乗せて下さい!そしたら許しますよ!あっ!皿は私がもらいますね!」
澪は、俺の手から割れた皿の入った袋を取ると家に入れた。
「バイクー…。ダメ?」
俺は澪に顔を覗き込まれ、つい後退りしてしまった。
「わかりました…。乗せて上げます…。どこに皿が売ってるんですか…?」
俺は、早くも澪のペースにはまっていた。
澪は、俺に笑いかけるとバイクに歩み寄った。
「皿はいらないから、ドライブに行きたいんです!あれ?バイクはツーリングかな?」
首を傾げる澪を見て、俺の顔の力が抜ける。
澪は驚いた顔をすると、俺に駆け寄って来た。
「あーっ、笑ったぁ!そっちのほうがいいですよ!可愛いし!」
澪といると、自分が変われる気がした。
自分にないもの全てを持つ澪。
俺の心の中で、何か熱いモノが沸き上がってくる。
初めての感覚に、俺は戸惑ってしまっていた。
190 コロロ//仔爾 [2006/01/22(日) 12:27:19]
澪ちゃんと聖児がぃぃ感じゃゎww
191 那智 [2006/01/22(日) 13:22:46]
ぐぁー、複雑なとこ来たなぁ。せつねぇ(涙)
聖児〜……。
誰応援しようワラ
192 我流 [2006/01/22(日) 15:24:20]
コロちゃん〜、お久〜♪
誰にする(笑)?→那智
193 コロロ//仔爾 [2006/01/22(日) 15:39:15]
ぉ久!!
澪チャン×聖児は結構好きゃ`
衣緒チャンなんかかゎぃそぉで…(泣
ちなみにコロロゎたぶん衣緒チャンファンだゎ。
194 我流 [2006/01/22(日) 15:43:09]
コロちゃんは衣緒派で(笑)。
195 我流 [2006/01/22(日) 15:48:26]
《昶の華》
「1・2!よっしゃ〜っ!」
俺は、自宅のサンドバックを殴りつける。
計画通りにいかなかった昨日を思い出すと腹が立って仕方なかった。
「何でだよ〜!うまくいかないな…。恋は…。」
ベットに寝転ぶと天井を見上げる。
小さな工場を借り、改造して作った家。
屋根はボロボロで、黒ずんできていた。
すると、携帯電話が不意に鳴る。
「はいはい〜。」
それを開き、決定キーを叩くと衣緒の文字が出ている。
「どうせ、聖児なんだろ?」
俺の期待は薄く、適当に決定キーを押していく。
しかし、よい期待の裏切りに俺は驚いてしまった。
「きょ、今日家に行っていい?!返事待ってます?!お〜!衣緒よ〜!」
俺は、急いでメールを打とうとした。
しかし、思い止まり少し考えて見た。
(これが聖児からの悪戯だったら嫌だな…。ここはいっちょ電話だろ?!)
俺はそう思い直すと衣緒のメモリを開き、『受話器上げる』のボタンを押した。
「衣緒!衣緒!」
呼び出し音がなるたび、俺の鼓動は高鳴る。
早く衣緒に電話に出て欲しいという気持ちで一杯だった。
196 まぃ [2006/01/22(日) 19:39:22]
何も知らない澪を責めるゎけにもぃかなぃし。。
でも衣緒もかゎぃそぅだし。。。(何
ぅー、微妙ッww(歯
197 我流 [2006/01/22(日) 19:58:22]
まぃちゃ♪みんな困惑ぎみ(笑)。
198 我流 [2006/01/22(日) 20:02:07]
「はい…。」
俺は衣緒ということは第一声でわかったが、どこか違う。
いつものわざと低くした声ではなく、本当に低くなり涙声になっていた。
「今からそっちに行っていい?」
携帯電話の向こうから、衣緒の鼻をすするのがわかる。
何があったのかわからないが、衣緒が泣くようなことだとわかった。
「あぁ…気をつけて来いよ…。」
「うん…ありがとう…。」
いつも、衣緒には除け者扱いされていたりしたが相手にされていないわけではなかった。
聖児がいなければ二人で話すし、割りに真剣な話もした。
しかし、話すたびに俺の中で衣緒は大きくなっていた。
「衣緒に元気を分けてやるかぁ!」
サンドバックを殴ると、サンドバックは左右に揺れる。
俺はそれを止めると、緊張しきった鼓動を落ち着かせるように深呼吸をした。
199 那智 [2006/01/22(日) 20:06:39]
やっぱ聖児だな(爆)
複雑だぁ……(何)
200 我流 [2006/01/22(日) 20:22:58]
200〜♪
201 我流 [2006/01/23(月) 21:19:57]
しばらくすると、軽快なバイク音がする。
そして、シャッターで出来たドアをノックする音が聞こえた。
「カモーン!衣緒!」
俺が呼ぶとシャッターが上がり、衣緒の姿が見え始める。
俺は、それを見ただけで落ち着いていられなかった。
「何?カモーンって!」
衣緒は、俺に歩み寄ると笑いかける。
やはり、携帯電話で話していたときのようにどこか元気がない。
衣緒は、俺の手作りベットに腰をかけると俺のほうを向き直した。
「どうしたんだ?元気ないぞ?」
俺は、出来るだけ神妙な雰囲気にならないように軽く言ってみせた。
すると、衣緒は似合わないぐらいに表情を笑顔にしている。
俺のわかりやすい気遣いを気遣ってか、逆にぎくしゃくしてしまっていた。
「どうしたの?衣緒らしくしかめっ面のほうが俺は好きよ?」
「何それ!私、そんなにしかめっ面してないよ!」
楽しそうに笑う衣緒だが、目だけは嘘をつけない。
泣いてしまったのか、目が充血していたのだ。
「衣緒!俺に話してみろよ!楽になるぜ?!」
俺の言葉に、衣緒の表情が一気に暗くなる。
口元は微笑んでいても、伏し目がち。
衣緒は立ち上がると俺の前に立ち、うつむいていた。
「う〜ん…昶にはね〜。何話そうかな〜…?小さい頃のことでいいかな?」
顔を上げると、衣緒はまた微笑んでいた。
「衣緒、ふざけてないでさ。話してみろよ。」
俺が相槌を打つと、衣緒は踵を返しサンドバックの前に立った。
衣緒はサンドバックをリズムよく殴ると、揺れるサンドバックを止める。
そして、それに額をつけると目を閉じていた。
「今日ねー…。私、やっぱり弱いんだなって思った。」
「いや!衣緒は強いだろ?!そこらの不良には負けないだろ?!」
俺がふざけて言うと、衣緒は便乗して笑ってくれる。
でも、笑ったらすぐ暗い表情になっていた。
「昶…聞いてくれる?」
「あぁ、俺でよければ。」
聖児のいない、俺と衣緒だけの時間。
それは、俺にとって喧嘩よりもビッグイベントだった。
202 まぃ [2006/01/23(月) 21:47:14]
昶チャーンス……ww(何
衣緒も落ち込んでるみたぃだしー、、、
どーなっちゃぅんだろー ((o(^-^o)(o^-^)o))
203 まぃ [2006/01/23(月) 21:47:40]
ぁ、A◎◎ォメっ♪♪ww
最近ボヶてるゎww(歯
204 我流 [2006/01/23(月) 21:53:32]
まぃちゃ〜♪ありがとうね♪
205 那智 [2006/01/23(月) 22:41:55]
200おめだわさ☆★☆
206 我流 [2006/01/23(月) 23:12:21]
ナッチセンキュー!
207 春夏 [2006/01/24(火) 17:55:18]
200おめでとうございます♪
早いですね〜笑))
これからも無理せず頑張ってください!応援しています☆
208 我流 [2006/01/24(火) 18:57:39]
春〜♪体調よくしてよ〜!
209 すずね [2006/01/24(火) 19:15:15]
長いなぁ…やっと半分読みおわたよぉヽ(;´Д`)ノけっこう面白いねぇ!!澪可愛い♪♪
210 我流 [2006/01/24(火) 19:18:38]
すずね〜♪悪いわ〜…長くて。。
211 すずね [2006/01/24(火) 19:31:59]
我流しゃん(*´艸`)
140までいったよぉ!!大丈夫♪全部よむから(o^-’)b
212 我流 [2006/01/24(火) 19:34:34]
読むの早いな!
213 すずね [2006/01/24(火) 19:37:31]
ハハハ( ̄ω ̄)何
けっこう読むの早かったりw10代のスレァゲといた☆
またきまつ(´ー`)ノ
214 我流 [2006/01/24(火) 20:31:39]
《昶の華》
衣緒は、俺の隣りに座ると溜め息をつく。
首を回し、長めに息を吐いた。
「昶にも話したよね?私が親に捨てられたこと。」
「あぁ、聞いた聞いた!」
まだ昼ということもあり、窓からは光が差し込んでいた。
隣りにいる衣緒もそれを感じるのか、目を閉じ涼しげな顔をしていた。
「衣緒〜。話の続きは?」
「あぁ、ごめん。…私ね…一人だった…真っ暗な部屋で…誰もいなくなってて…。」
「親父さんもいなかったんだっけ?」
「うん!離婚して私とお母さんだけだった…。でも…私はお母さんが必要だったけど…お母さんはそうじゃなかったのかも…。」
俺にはわかっていた。
衣緒は、こんなことを話に来たわけではないということを。
何かもっと別のことを聞いてほしいのではないのか。
俺は、衣緒の本当の気持ちを聞かせてもらえないことが悲しかった。
「昶…人は一人じゃ生きられないよ…寂しすぎるもん…。」
「…だな…。」
しばらく、俺と衣緒は黙り込む。
それは、話題がなくなったからではない。
この小さな工場の雰囲気を楽しんでいたのだ。
215 すずね [2006/01/25(水) 06:49:45]
読み終わった(・∀・)
めっちゃ複雑ねぇ〜 うちゎ聖児と澪を応援するわぁ☆
216 我流 [2006/01/25(水) 07:23:58]
Σ(゜ロ゜)<朝に読んでくれたの?!頑張ったな(笑)!
217 我流 [2006/01/25(水) 15:16:17]
「そうだ!衣緒!遊びに行こうぜ?!」
「え〜、どこに?」
「どこでもいいから!スカッとしようぜ!」
衣緒は悩み出すと、すぐに俺のほうを向き微笑んだ。
「私、ゲーセン行きたい!」
「OK!よしっ!行くか!」
衣緒と俺は、立ち上がるとシャッターを上げ外に出た。
フルフェイスをかぶると、バイクに跨がる。
衣緒が合図を出すとバイクを走らせ、ゲームセンターに向かった。
前を走る衣緒の背中は小さく、まだ幼さがあるように見える。
それは、俺の概念からなのかもしれない。
しかし、衣緒は精一杯背伸びをして俺達についてくる。
そういうところからも、衣緒の幼さを感じていた。
218 まぃ [2006/01/25(水) 16:55:25]
衣緒ー……。。。
負けるなッ(何
219 我流 [2006/01/25(水) 16:57:59]
負けるな〜…。。。
俺。。
220 まぃ [2006/01/25(水) 16:59:10]
頑張れ涼ッ☆★
221 すずね [2006/01/25(水) 18:10:48]
衣緒わ自分に素直でイィ子ねぇ(*´艸`)
朝早く起きすぎたからよぉ♪
222 我流 [2006/01/25(水) 18:24:21]
すずねにまぃ〜!
ありがとう!元気出たさ!
223 すずね [2006/01/25(水) 18:46:26]
落ち込んでたの??(´・ω・`)我流しゃん
224 我流 [2006/01/25(水) 20:51:58]
ゲームセンターの駐車場に入り、バイクを止める。
衣緒がフルフェイスを取ると、髪を左右に揺らす。
俺は、衣緒の仕草に見とれていた。
「おい!昶!」
「あ、あぁ…!ごめんごめん…。」
俺の中で、衣緒が幼く見えてもそれが衣緒であることには変わりなかった。
だから、衣緒が無理して背伸びする姿を見ると切なくなる。
その背伸びは、誰のためなのか。
「昶!何してんだよ!」
衣緒の声で思考が、ストップする。
目の前にいる衣緒は、不機嫌そうに眉間にシワを寄せていた。
「ごめん!行こうか!」
「ったく。」
衣緒は、舌打ちするとゲームセンターに入る。
しかし、その歩く姿はどこか身軽でスキップしているようにも見えた。
225 まぃ [2006/01/25(水) 20:55:52]
昶と衣緒って可能性もぁるかもーww(何
226 我流 [2006/01/25(水) 21:57:19]
(´⊇`)<どうかな〜(笑)。
227 我流 [2006/01/25(水) 22:00:39]
ゲームセンターに入ると、すでに衣緒の姿はなかった。
目で周りを見渡すと、衣緒はあるゲーム機の前で立っていた。
「…衣緒…パンチングマシーンやんの…?」
「うん!昶!百円くれ!」
「あっ!はい、どうぞ!」
衣緒が百円を入れると、ミットが上がってくる。
衣緒はグローブをつけた手を回すと、ミットを殴りつけた。
ミットは勢いよく後ろに倒れ、ゲーム機の画面には『98』の文字が出ていた。
「…衣緒…お前女…?」
「あっ?何か言った?」
「いや…別に…。」
俺は『98』出たことも驚いたが、次に殴りつけたときには『100』を超し、更に度肝を抜かれた。
「昶!やった!100出たよ!」
「う、うん…やったね…。」
「よしっ!頑張るぞ!」
俺の家にいるときとは違い、衣緒は自然に笑顔になれている気がする。
俺でもこんな風に笑顔にできるんだと、衣緒の笑顔は自信をくれるようだった。
「昶!次行こっ!次!」
「おう!今度はどれだ?!」
「あれ!あれやりたい!」
衣緒から笑顔は途切れなかった。
いつもはそんなに笑わないのに、今日はよく笑顔になる。
それが素なのか偽りなのかわからないが、俺は衣緒といれるだけでよかった。
228 すずね [2006/01/25(水) 22:02:39]
複雑なのが憎いわぁ(*´艸`)ぇ
みんな上手くいっちゃえばイィのにぃ
229 我流 [2006/01/25(水) 22:21:41]
すずね〜(笑)。そうだよね〜!
うまくいけばいいのに!
230 すずね [2006/01/25(水) 22:53:37]
そぉ書いたらみんなHappyendだ(・∀・)イィね♪
231 春夏 [2006/01/25(水) 23:01:07]
入れるだけでいいなんて、初々しいですね〜♪
青春ですね〜笑))
232 我流 [2006/01/25(水) 23:03:06]
春ちゃ〜ん!久しぶり!
遅い青春(笑)!
233 我流 [2006/01/26(木) 16:12:07]
「う〜ん!遊んだな〜!」
「そうだね…。」
ご機嫌な衣緒とは反対に、俺の財布の中身はなくなっていた。
(衣緒…加減しろよ…。)
そう思ったが、すっきりしたような顔をする衣緒を見るとよかったような気がした。
「う〜ん!」
衣緒が隣りで背伸びをしたと思ったら、いきなり目つきが変わりだした。
「衣緒?」
「お母さん…。」
「えっ…?」
衣緒は勢いよく走り出すと、俺もそれを追った。
俺が全力で追っても衣緒には追いつかない。
衣緒は外に出ると、立ち止まっていた。
「衣緒…!どうしたんだ…?」
俺が衣緒の顔を見ると、衣緒は何かを見つめている。
俺もそれを見ると、黒い車とそれに乗り込む人達がいた。
「お母さん!待って!」
再び衣緒が走り出す。
しかし、それを振り切るように車はゲームセンターから出て行ってしまった。
234 我流 [2006/01/26(木) 20:42:56]
《衣緒の華》
間違いなく母だった。
少し痩せた印象はあったが、見間違いじゃない。
私は急いでバイクに跨がるとフルフェイスをかぶり、エンジンをかけて走り出した。
「衣緒?!」
昶の声が聞こえたがそれどころではない。
道路に出ると黒い車を探す。
「あれだ!」
私は、方向転換すると信号で止まる車に向かって行った。
黒い車の横につけ、助手席の窓を覗き込む。
黒いビニールで隠された窓から見える女性の顔。
それは、私を捨てた母の顔だった。
「お母さん!私!衣緒だよ?!」
私は助手席の窓を叩いていた。
驚いた顔をする母は何かを運転手に伝え、車を急発進させた。
「待って!」
私は後を追おうとしたが、行き交う車に邪魔をされ車は先へ行ってしまう。
信号が青になった瞬間に、速度規制を大きく破り走り出した。
いつの間にか空は更け、暗くなっている。
風を切って走り、あの黒い車の後を追った。
黒い車が止まっている場所に辿り着き、母が建物に入るのを見届けた。
235 まぃ [2006/01/27(金) 16:25:06]
衣緒のぉ母さん……?!
ゎぁー、悲しぃ。。(´_`。)(何
236 我流 [2006/01/27(金) 16:42:45]
まぃ!いや〜、毎回ありがとうね♪
237 我流 [2006/01/27(金) 17:01:16]
門の前に、警備員らしき人が二人。
力で押せば、いけないわけではない。
私はバイクを止め、様子を伺うことにした。
がたいのいい警備員が二人を相手に、私にどこまでできるか。
よく考えると、難しいとわかった。
しかし、あの日私を置いていった理由を聞きたかった。
ただ、それだけを。
私は思い直すと、フルフェイスのまま玄関まで歩いて行った。
「おい、貴様!止まれ!」
案の定、一人の警備員に腕を掴まれる。
私はすかさず裏拳で鼻を折り、もう一人の警備員の足に蹴りを入れた。
のたうち回る二人を置いて、建物の中に入る。
外の異変に気づいたのか、黒いスーツに身を包んだ男達が現れた。
右から五人。
左から五人。
うまくいっても、どちらかの五人しか倒せない。
それでも、私は母に会いたかった。
「オラァ!」
まず、右側の男の一人の脛を割り、それを見て周りの男達が憤慨し襲いかかって来る。
私は外に出ると、急いでバイクに乗った。
それから走って来る男達に向かって突っ込んで行った。
男達の群れは一気に建物への道を開け、私はその中に入っていった。
フロアにスピードをそのままにドリフトしバイクを止める。
すると、階段やエレベーターに鉄柵がかかってしまった。
「くそ!」
周りを見ると、入って来た玄関にも鉄柵がかかっている。
気づけば私は、閉じ込められていたのだ。
238 すずね [2006/01/27(金) 18:24:41]
ぇ!!せっかく会えたと思ったらワナ??Σ(・ω・;)
めっちゃ切ないよぉ(泣)
239 我流 [2006/01/27(金) 20:16:26]
すずねちゃま♪
240 春夏 [2006/01/27(金) 20:33:46]
衣緒ちゃんピンチですね!
やぁ〜…助けてあげたいけど助けられないこのもどかしさ!笑))
241 すずね [2006/01/27(金) 20:36:26]
なぁに??(・∀・)我流しゃん♪
なんか複数で上手くいかなぃわ…ぇ
242 我流 [2006/01/27(金) 20:50:02]
複数…。。読みにくいわね。。
243 すずね [2006/01/27(金) 21:11:10]
複雑だった(‖゜Д゜))ゴメン!!我流しゃん!!変換間違いだから落ち込まなぃでっ!!(x_x;)
244 我流 [2006/01/27(金) 21:58:16]
(´∀`)<よかった〜♪
245 すずね [2006/01/27(金) 22:02:53]
我流しゃぁん.+(PД`q)+.よかったぁ!!まぢで悪いコトしちゃったかなぁって心配だった(´・ω・`)
246 我流 [2006/01/27(金) 23:01:18]
「全く…小鼠が一匹何しに来たんですか…?」
声が聞こえると、前からさっきの男達とは違う男が現れた。
黒く伸ばした髪に、細い目。
体の線は細いが、明らかに雰囲気が違っている。
殺意に満ちた雰囲気は、私の喉を乾かせる。
しかし、ここまで来て逃げることも出来ない。
私はバイクのエンジンを吹かすと、その男に向かって突っ込んで行った。
しかし、次の瞬間には私の体が宙を舞い、床に体を打ちつけていた。
「野暮!考えが野暮すぎます。」
男はゆっくりと私に近づいて来る。
私は体を起こそうとしたが、打ちつけ方がひどいのか体が動かない。
そうしている間に、男は私の首を手で握り締めていた。
「何しに来たか知りませんが…可哀想に…。」
男は、そういうと私の首を持ち上げる。
首が締まり、息が出来ない。
「くそ…!放せ!」
「無理。」
締まっていく首。
次第に意識が遠くなり、視界が狭くなっていく。
しかし、そのときだった。
鉄柵を破り、一台のバイクが入って来た。
「何事?」
男は、私を放すとそっちに気を取られ出した。
私はむせていたが、すかさず男の足の甲に持ち合わせていたダーツの針を刺した。
「ぐわっ!この鼠が!」
男がのたうち回っているうちにバイクに乗り、入口へ向かった。
「大丈夫か?!衣緒!?」
「ごめん!昶!助かった!」
「今は逃げるぞ!」
私と昶は破れた鉄柵の穴から抜け、建物から出て行った。
バイクで走りながら建物を見る。
そこに、間違いなく母がいる。
私は聞かなければならない。
母に会って、私を捨てた理由を。
247 春夏 [2006/01/27(金) 23:03:36]
ヒーロー現る!って感じですね笑))
昶くんかっこいいじゃないですか……ふふっ♪
248 我流 [2006/01/27(金) 23:11:55]
勉強がえらいの。。
249 藍 [2006/01/27(金) 23:27:42]
うん!忙しくて読めなかったがやっと読めたよ!!遅
つヵ最初から読んだ(・∀・)
ぅん。澪チャンは大好きョゥ。
でも昶は本当に面白ぃよ??笑
1つ1つの行動と喋りが ぅん。笑
衣緒チャンの過去も悲すぃしお母さんもよぅ・・・・・・
澪チャンと聖児も良い感じで良いんだけど、衣緒さんも気になるしッ♪
一気に感想語りました。笑
更新頑張ってねーw
250 まぃ [2006/01/27(金) 23:34:08]
昶が衣緒を助けたッヽ(゚∀゚*)ノ
ぅーん、これからどーなるんだろー((o(^-^o)(o^-^)o))
251 すずね [2006/01/27(金) 23:42:19]
昶がヒーローとか(*人∪`*)衣緒のキモチが動ぃたりするのかなぁ??
252 我流 [2006/01/28(土) 00:32:40]
(´∀`)<まぃに藍、すずね〜♪
ありがとう〜♪
心の栄養剤だね〜、君達の言葉は!(ハムハム
253 すずね [2006/01/28(土) 01:05:46]
ぢゃぁいっぱい言うと食べきれなくなる??ぇ
更新がめっちゃ気になる(゜∀゜*)
254 我流 [2006/01/28(土) 11:24:49]
《澪の華》
行く当てもなく、二人は適当な場所に行き着いていた。
聖児は文句一つ言わず、私を後ろに乗せていてくれた。
聖児の腰に手を回すと、少しだけ彼の体温を感じられた。
桜が舞う公園に辿り着き、二人でしばらく歩いていた。
着いた時間が遅く、すでに桜は夜に更け込んでいる。
しかし、薄桃色に色づいた花びら達は夜に関係なく輝いて見えた。
「…何年ぶりかな…。花見に来たの…。」
私は桜の花を見ると、聖児に話かける。
聖児のほうを見ると、聖児は桜も見ず私を見ていた。
「聖児さん?」
聖児は驚いたような顔をすると、目をそらすように桜を見出した。
今のは、誰が見ても不自然。
私は、聖児の仕草を見て笑ってしまった。
「聖児さん!私に何か言いたいことでも?」
私が近寄ると、聖児はうつむき加減に頬を掻く。
どこまでも感情の表し方が下手だと、私は心の中で笑ってしまった。
「いえ…そういうわけじゃ…。」
「え〜?私を見てたよ〜?」
「そんなことは…。」
聖児の可愛いところを見ようと言葉であぶり出す。
聖児は、そのことに気づくはずもなかった。
語尾が小さくなるところを聞くと、今のは恥ずかしかったのかもしれない。
私は一人でそう思い、微笑んでいた。
255 コロロ//仔爾 [2006/01/28(土) 15:16:55]
涼ちゃぁぁぁn
256 すずね [2006/01/28(土) 16:25:00]
◯´∀`)o聖児の恋やぁ♪可愛い☆
257 我流 [2006/01/28(土) 16:29:29]
コロちゃんにすずねちゃま♪
258 すずね [2006/01/28(土) 16:31:12]
聖児がっ…!!゜+。:.゜(ノ∀・`●)☆゜+。゜
大人になったね☆我流しゃん
259 misari [2006/01/28(土) 16:31:32]
我さま☆
260 misari [2006/01/28(土) 16:37:35]
そしてさよなら☆我サマ♪
261 我流 [2006/01/28(土) 17:35:52]
更新しなきゃな〜…。。忙しいのよな〜…。。
262 我流 [2006/01/28(土) 18:43:46]
「聖児さんから質問はないの〜?あっ!この際!一対一の合コンしましょう!」
私の言葉を聞いた瞬間、聖児は少し眉を下げて見せる。
(あっ!今困ってる〜!)
私は、聖児の細かい仕草を見ていくのが好きだった。
ただでさえ、無表情な聖児から感情を読み取るのは難しい。
私は、彼の少ない表情を読み取るのに夢中だった。
すると、ちょうどよく桜の木の下にベンチがある。
私はそれに座ると、聖児に隣りに座るよう促した。
渋々腰をかける聖児。
二人の横からは、桜のシャワーが降ってきていた。
「じゃぁ!自己紹介からね!」
「いや…知ってるじゃないっすか…。」
「合コンなの〜!普通合コンだったら自己紹介するじゃないですか!私は如月澪です!澪って呼んでね?!」
私が微笑みかけると、聖児は表情も変えず私を見ている。
何の反応もしない彼に、私は少し腹が立った。
「そこはイエーイ!でしょ?!ほら!聖児さん!イエーイ!」
「イエーイ…。」
「OK!今度は聖児さんが自己紹介!」
聖児は、また眉を少し下げて腕を組みだした。
「葛城…聖児です…。聖児って呼んで下さい…。」
「イエーイ!聖児さん!やれば出来るじゃないですか!じゃぁ!今だけでいいから、私は澪って呼んで下さい。私は聖児さんを聖児って呼びますから!いい?!」
「はぁ…。」
私はきっかけがほしかった。
また、誰かに『澪』って呼んでもらえること。
寂しいものだ。
名前があるのに名前で呼んでもらえないことは。
263 すずね [2006/01/28(土) 18:49:13]
澪が一生懸命でめっちゃ可愛い゜+。:.゜(ノ∀・`●)☆゜+。゜
我流しゃんのペースで大丈夫だょお♪
264 我流 [2006/01/28(土) 18:57:15]
(´∀`)<すまんのぅ。。いつもはめっさ早いんだけどね。。
265 春夏 [2006/01/28(土) 19:17:37]
誰かに、ですか。
何だか無性に泣きたい気分笑))
澪ちゃんは出来ることなら、今胸の中にいるある人に、
ある人の声で呼んでもらいたいって感じですかね笑))
266 我流 [2006/01/28(土) 19:20:32]
春ったら詩人♪
267 すずね [2006/01/28(土) 19:23:18]
更新できるときまでァゲておくから大丈夫よぉ(´ー`)ノ
268 我流 [2006/01/28(土) 20:58:55]
桜がゆっくり私達の周りを舞う。
私達の『合コン』を盛り上げるように。
「聖児から質問して!」
「えっ!……如月さんは…。」
「澪!」
「は、はい…。…澪は…何歳…ですか…?」
私はその質問に聖児を睨みつけた。
聖児は目を丸くして、何で睨まれてるかわからないようだった。
「普通レディに歳から聞くかな?!」
「あっ…!すいません…。」
「嘘だよ〜!私は二十一歳。聖児は?」
「俺もです…。」
「同い年?!わ〜い!イエーイ!」
私が両手を出しタッチを求めると、聖児はぎこちなくタッチする。
私は、それを見て笑ってしまった。
笑われて目をそらす聖児。
そんな彼といて、私は愛していた人のことを思い出してしまっていた。
目を閉じ、それをかき消す。
今は、聖児と一緒に。
それだけを考えることにした。
「じゃぁ!私から質問ね!もしかして、彼女いる?!」
私は、聖児に彼女がいることを知っていて聞いた。
こんないい男性に彼女がいないわけない。
私の中で、そう決めていたのだ。
「…いないです…。」
「……嘘ばっかり〜!前来てたじゃないですか!」
「いや!あれは違う…。」
「…そうなんだぁ…。」
意外だったけど、なぜか私の心は歓喜に満ちていた。
小さな歓喜だったが、それは桜の花びらのように切なく愛しいモノだった。
269 まぃ [2006/01/28(土) 22:01:32]
澪って明るぃねww
聖児もなんか可愛ぃww(爆
270 すずね [2006/01/28(土) 22:25:33]
澪ぉ!!めっちゃ可愛いよぉ(≧怐*)
憧れゃし☆LoveAしちゃってぇ♪
271 我流 [2006/01/28(土) 22:57:38]
まぃ〜!すずね〜!
イチャります(笑)♪
272 すずね [2006/01/29(日) 00:04:18]
仲良しとかLoveAイィね(*人∪`*)
我流しゃんの妄想も入ってるのしら??酷
273 我流 [2006/01/29(日) 00:57:24]
(´∀`)<妄想天国ですわ(笑)。
274 すずね [2006/01/29(日) 01:01:37]
妄想天国かぁ〜
我流しゃんの頭んなかゎスゴいことになってそぉ(*´艸`)
275 我流 [2006/01/29(日) 11:04:01]
《聖児の華》
少しうつむく澪。
その後ろでは桜が舞い、澪の可憐な姿を際立たせて見せる。
もう、いつもの俺じゃない。
澪の雰囲気に包み込まれていた。
「じゃぁ!聖児の好みは?!」
澪の表情は、常に笑顔を含んでいた。
その優しい笑顔に、いつも惑わされていた。
「そうですね……澪みたいな人がいいかな…。」
俺の口から自然に零れ出てしまった言葉。
俺は、急いで口を塞ぐと横目で澪を見た。
「も〜う、私本気にするよ?どうするの〜!聖児に惚れたら!」
澪の頬が、桜の色に染まる。
精一杯に恥ずかしさを隠そうとしているのが見て取れた。
「すいません…。あ〜…何言ってるんだ俺…。」
澪といると話さずにはいられない。
澪を無視出来ないのと、澪に流されるから。
いつもの自分なら、まずここにいないはず。
俺の中の何かが蠢き、俺を俺でいさせてくれないでいた。
「でも〜、私は聖児となら付き合っていいよ?!」
「はっ?!」
「嫌?」
笑顔のまま澪に見つめられ、俺は正直恥ずかしかった。
しかし、澪は俺の返事を待っている。
俺は思考をフル回転させ、返事を考えた。
「え〜っと…これは架空のことなんで…。」
「え〜っ!じゃぁ嘘なんですか〜?!」
澪は、溜め息をつくとうつむいてしまった。
その悲しそうな横顔を見ると、悪いことをしてしまったと思わずにはいられなかった。
「ひどいよー…聖児ー…。」
澪は、つぶやくように言うと俺を見る。
しかし、その顔は笑顔で言葉とは逆の表情していた。
276 那智 [2006/01/29(日) 11:07:30]
よっしゃ行け澪、ガンガン押しまくれ!!!(爆)
277 我流 [2006/01/29(日) 12:12:01]
(;゚⊇゚)<なっち…。。
278 那智 [2006/01/29(日) 12:39:44]
聖児がやっぱ可愛いワラ
澪みたいな押し方できないから憧れるワラワラ(キイテナイ)
279 我流 [2006/01/29(日) 13:47:40]
なっちも押せ押せだよ(笑)?!
280 我流 [2006/01/29(日) 15:09:36]
「私さ!秘密があるんだ!聖児に言ったら私のこと嫌いになるだろうし、めんどくさいと思うだろうし。」
ふと澪はまた寂しそうな顔をする。
桜を背景にすると、更に寂しく見えた。
「もう、聖児からの質問はないの?」
澪は、またすぐ寂しさを隠すように笑顔になる。
俺は、それを見ると愛しくなってしまった。
「その秘密を…教えてくれませんか…?」
澪は驚いたように目を見開く、そして少し笑うと溜め息をついた。
「うまいなー…、聖児は…。」
「嫌なら…いいですよ…?」
澪は、申し訳なさそうに頭を軽く下げると顔を上げた。
「ごめんなさい。まだ…言いたくないし……聖児さんに知られたくないの…。さっ!そろそろ帰りましょう?!合コンはお開きで〜す!」
澪はそう言うと立ち上がり、桜の花びらと戯れてみせた。
俺は、その姿を見て目を離せなくなっていく。
澪を知るたび話すたび、澪をもっと知りたくなる。
俺の中から沸き上がる思いに、俺は勝てそうになかった。
281 すずね [2006/01/29(日) 17:42:53]
聖児がぁ〜!!
恋に夢中ねぇ(・∀・*)澪もカマかけしてるっぽくてイィ♪
282 とんぼ [2006/01/29(日) 17:46:59]
(・∀・)涼、少し文体変わったねwアソ
283 すずね [2006/01/29(日) 17:50:31]
とんぼ!!(ノ∀'*)σ何
284 我流 [2006/01/29(日) 18:05:24]
それはいい風に?→とんぽ
285 とんぼ [2006/01/29(日) 18:07:30]
うん。まぁ、少ししか見てないから具体的には言えんけど。
それと「ぼ」ね「とん“ぼ”」w(`∀´*)
286 我流 [2006/01/29(日) 18:13:34]
(´⊇`)<TOMPO?
287 我流 [2006/01/29(日) 18:18:39]
「如月さん…。」
「はい?」
「澪って呼んでいいですか…?合コンじゃなくても…。」
「えっ?」
そのとき、風が吹き桜を舞い上げる。
二人の間を、無数の桜が通り抜けて行く。
澪は胸まで伸びた髪を押さえ、俺を見つめていた。
「澪って呼んでいいですか…?」
「じゃぁ…私は聖児って呼ぶよ?いい?」
「はい。」
澪が嬉しそうに微笑む。
俺も自然と笑みが浮かび、澪に返す。
澪は、俺に歩み寄ると俺を見つめてくれた。
「帰りましょう?聖児。」
「帰ろうか…澪。」
二人は隣り合って歩き、他愛のない話をしている。
その横を桜が彩りを添え、二人を盛り上げていく。
夜の桜の道を、二人は歩いて行った。
気がつけば、公園の駐車場にいた。
バイクを見ると、澪といられなくなるような気がして嫌になる。
隣りにいる澪を見ると、澪もバイクを見つめていた。
「嫌だなー…。聖児とまだ話したいのに…。」
澪は俺を見ると、寂しそうに笑いかける。
俺は自分のズボンのポケットから携帯電話を取り出し、澪に見せた。
「隣りに住んでるけど、澪が仕事のときも話せるように。」
俺は自分のメモリを開き、澪に渡した。
澪は目を丸くすると、頬を桃色に染める。
「やったー…聖児とメールも電話も出来るー…。」
澪は、自分の携帯電話を取り出すと俺の携帯電話を見ながら文字を打ち出す。
打つ文字が間違うと、小さく文句を言う澪。
出来れば、澪とずっとにいたかった。
そこに、バイクさえなければ二人の時間は伸びただろうに。
俺は、自分のバイクの存在を今すぐ消し去りたかった―
288 春夏 [2006/01/29(日) 18:20:56]
聖児くん、春も澪ちゃんも裏切ったらダメですよ……
心の底から恨みますからね…笑))
289 すずね [2006/01/29(日) 18:21:15]
はぁ...(*´∪`*)
290 我流 [2006/01/29(日) 18:21:54]
(´⊇`)<ふふっ♪
291 すずね [2006/01/29(日) 18:25:09]
なんで、こんなにはかないのかなぁ(*´艸`)我流の文才ゎスゴいわねぇ...
292 我流 [2006/01/29(日) 18:26:37]
(´∀`)<すずね〜♪ありがとう〜♪うれしいです♪
293 すずね [2006/01/29(日) 18:28:33]
音符がいっぱいとんでるわぁ(ノ∀'*)σ
盗みたぃくらいだしw
294 まぃ [2006/01/29(日) 19:49:03]
聖児ー。。(何
澪の秘密ってもしかして……(歯
更新頑張れッ☆★
295 我流 [2006/01/29(日) 19:58:47]
まぃ〜!更新頑張るよ!
296 我流 [2006/01/30(月) 16:09:32]
《衣緒の華》
(お母さん…どうして私を捨てたの…。)
闇で包まれた道を、母は私を振りはらうように歩いていく。
いくら追いかけても追いつかない。
そして、私を置いて母は闇に消えた。
「お母さん!」
体を起こすと、そこは工場みたいだった。
「目、覚めた?」
「昶…。」
昶は私の横に座ると、私を元気づけるように笑う。
そして、私に飲み物を渡した。
「相当、お腹強くやられたみたいね。寝てる間ずっとお腹押さえてうめいてたから。」
バイクであの男に突っ込んだとき、すぐに地面に叩きつけられたからわからなかったが、確かに言われてみると腹部に痛みがあった。
「何考えてるのかね〜?衣緒はこれからお母さんにならなきゃいけないのに。」
「……何言ってるの。」
痛む腹部をさすると、母の顔を思い出す。
なぜか、母の顔を思い出すと安心してしまった。
「私さ…お母さんに捨てられても…お母さんのこと好きなんだよね…。」
昶は私の顔をしっかり見て、笑顔のままうなずく。
昶と聖児の違いは、そういうとこだった。
昶はしっかり話を聞いてくれて、それに合った返事をくれる。
聖児と昶。
外見は聖児が大人に見えても、中身は昶のほうが大人だと私は思う。
「どうする?場所がわかったんだし、明日も行く?」
私は、昶のその言葉を聞くと少し悩んだ。
すぐに母に会いたい気持ちはあるが、事を起こしただけにすぐには行けない状況だった。
「…ダメ…。事が納まって…忘れた頃に行くの…。」
「そうだな。」
昶の返事は、やけに早かった。
私が昶の顔を見るとウインクをする。
どうやら、最初から答えはわかっていたようだ。
297 我流 [2006/01/30(月) 18:04:52]
「聖児に言わないとな〜…。アイツいたほうが喧嘩は早い!」
「ダメ!聖児には言わないで!」
昶の腕にしがみつくと、昶は私の両肩を掴んだ。
「…聖児と何かあったの…?」
「…ないよ…。何も…。」
「嘘でしょ?今日、俺に話をしたかったのはお母さんのことじゃないよね…?」
昶は、人の心を読むのに長けている。
いくら隠そうとしても、何を考えてるかバレてしまう。
私が目をそらすと、昶は私の頬に手を当てた。
「衣緒…こっち見て…。一人で悩んだって解決しないときもあるんだよ?」
私は昶の手に邪魔され、目をそらすことは出来なかった。
しばらく黙り込むと、昶は私の頭をなでた。
「ゆっくりでいいから〜話せるところから話そ〜。」
「…キャラ…違くない…。」
「いいから!俺のキャラなんて気にしなくていいの!」
昶なら私の悩みに合った答えをくれると思う。
でも、その答えが聖児をあきらめろとか言う答えなら私は拒否しなければならない。
あきらめられない、聖児のこと。
「何でもないの!ただ…恋…してるから…。」
「嘘?!その相手はまさか?!」
「秘密!そんな簡単に言えないよ!」
私は、昶を突き飛ばすと腰を上げた。
そして、サンドバックの横まで行き、そこにあるダーツの的を見る。
距離を取ると手持ちのダーツの針を手に取り、それを投げた。
針は、ダーツの的の中心から少し横の黄色いところに当たってしまった。
「残念〜!ここに聖児がいたら怒るぞ〜!衣緒!集中しろ!ってね!」
「そう…だね…。」
聖児の顔を思い出すと、胸が締めつけられるように高鳴る。
聖児に会いたくなり、足がうずく。
でも、どこかで今日のことを考えてしまい、それを抑制した。
昶の顔を見ると笑顔で、いつもはその横に聖児の仏頂顔がある。
私の近くには、二人がいてくれる。
それを思うと、寂しさは少し減った。
298 我流 [2006/01/30(月) 20:50:36]
「昶!今日はありがとう!楽しかったし助かった!」
「おう!衣緒!その…また…遊びに来いよ!?」
「うん!」
私は、手を振りながら出入り口のシャッターを開けた。
外は真っ暗で、何も見えないぐらいだった。
「衣緒!」
踵を返すと、昶が私を見ている。
「んっ?何?」
昶は、うつむくと頭を掻いて何を言うか迷ってるようだった。
「おやすみ…。」
「おやすみ!」
昶が考えた結果がこの発言というのに、私は笑えてしまった。
昶といると笑顔になれる。
ただ、私の中では聖児の存在が大きかった。
昶は私の友人。
それ以上でもそれ以下でもないのだ。
299 春夏 [2006/01/30(月) 21:08:10]
「一人で悩んだって解決しないときもあるんだよ?」
↑何だか自分に対しての言葉みたいに受け取ってしまう笑))
300 我流 [2006/01/30(月) 22:06:32]
一人で悩んでダメだったら相談ね♪→春
301 我流 [2006/01/31(火) 14:03:19]
《澪の華》
「ありがとうございました。」
アパートに着き、バイクから降りる。
聖児は、フルフェイスをはずすと軽く息を吐き出す。
その姿は自然で、バイクに乗り馴れているのがわかった。
「あっ!聖児!お礼に、晩ご飯作るよ!」
「いい…悪いから。」
「いいから!じゃぁ、待ってね!」
私は、聖児に手を振ると家に入る。
キッチンに立つと、あることに気づく。
たった数日で仲良くなれる人などそういないはず。
私は、それを思うと嬉しくなってしまった。
鼻歌混じりに、冷蔵庫を開ける。
大した物はないが、作れないことはない。
私は早く聖児に料理を食べてもらいたくて、自然に手が早く動いた。
普段のんびり物事を進めることが多い私だが、今回はやけにテンポよく作れた。
302 我流 [2006/01/31(火) 18:38:11]
料理を持って家を出る。
インターフォンの前に立つと、いいことを思いついた。
携帯電話を取り出すと聖児のメモリを引き出す。
そして、メールを打つとしばらく待った。
すると、ドアが開き聖児が出て来る。
私が聖児を見ていると、聖児は溜め息をついて見せた。
「隣りなんだから…メールしなくてもいいでしょ…?」
「いいじゃな〜い!それに、本当に聖児のメモリかもチェックしたかったし!」
聖児は、あきれたように唇を突き上げる。
その表情は笑顔にも見えた。
「あと〜!聖児!敬語はやめよ?敬語は人との距離を作っちゃうらしいから!」
「はぁ…。」
もう聖児の表情は読み取れる。
今の表情は困った顔だった。
気づくと、聖児が私の手にある料理を見ている。
「あっ!ごめんね?話し過ぎた!」
「いいで……いいけど…。」
「うん!じゃぁ、失礼しま〜す!」
「えっ!ちょっと!」
私は聖児の脇をぬい、家に入った。
部屋の中は無駄な物は何一つなく、まとまっている。
私はテーブルを見つけると料理をそこに置き、私も床に座った。
「…何…やってるの…?」
聖児の方を見ると、聖児は柱に肘をつけ私をあきれたように見ている。
「私も一緒に食べるの!ほら!座りなよ!食べるよ!」
聖児は、首を傾げると私の向かいの床に座る。
私が聖児に笑いかけると、聖児はすぐ目をそらした。
「今日はね!上手に出来たはずだよ?!」
私は、聖児が食べる姿を見つめていた。
聖児が何て言ってくれるか、私は楽しみだった。
303 すずね [2006/01/31(火) 19:06:04]
新婚みたぁい(*人∪`*)
聖児みたぃな人もこうなっちゃうのね (何
304 我流 [2006/01/31(火) 19:41:22]
すずね〜!感想ありがとう♪
305 我流 [2006/01/31(火) 23:55:31]
「…うん…旨い…。」
「やったね〜!作ってよかった!」
私は、安心して自分の作った料理を頬張った。
食べてる間は、二人共言葉は交わさない。
二人共、食べてことに集中していたのだ。
食べ終わると、聖児は目のやりどころに困るのか目を泳がしていた。
私はそれに気づき、わざと聖児の視界に入るように動いてみた。
「澪…。」
「うん?」
聖児は、小さく溜め息をつく。
私はそれを見ると、聖児の横に四つん這いに近づいた。
「な、何…?」
困った顔になる聖児。
私が笑いかけると照れ隠しに他を見る。
私は、それを見ると笑ってしまわずにいられなかった。
「ごめん…!聖児が!あまりに可愛いから…!」
私の笑いはなかなか止まらず、部屋中に私の笑い声が響いていた。
「あー…!ごめん!」
「…いいけど…。」
聖児が声を低くして言う。
まるで、機嫌を損ねた子犬のように見えた。
306 コロロ//仔爾 [2006/02/01(水) 14:55:20]
涼チャン。。。
ゃっぱ衣緒チャンゎかゎゅぃ仔だょぅ。
307 我流 [2006/02/01(水) 16:26:22]
衣緒か…(笑)。→コロちゃん
308 謌第オ [2006/02/01(水) 17:34:34]
縲瑚*蜈舌懶シ溘
閨門舌ッ縲∫嶌讒後r謇薙▽縺縺代〒謖ッ繧雁髄縺九↑縺縲
遘√ッ縲∵・縺縺ァ閨門舌ョ豁」髱「縺ォ蜃コ縺溘
閨門舌ョ逶ョ縺碁ゥ壹>縺溘h縺縺ォ螟ァ縺阪¥縺ェ繧九
遘√′隕九▽繧√k縺ィ縲√∪縺溽岼繧偵◎繧峨@縺ヲ縺励∪縺」縺溘
縲瑚*蜈舌懶シ√%縺」縺。蜷代>縺ヲシ√⊇繧会シ鬘碑ヲ九○縺ヲシ√
遘√ッ閨門舌ョ鬆ャ縺ォ謇九r蠖薙※縲∫┌逅遏「逅縺薙▲縺。繧貞髄縺九○繧九
閨門舌ッ逶ョ繧偵▽縺カ繧翫∝ソ豁サ縺ョ謚オ謚励r縺励※隕九○縺溘
シ医h縲懊@シ∬*蜈舌′縺昴ョ豌励↑繧会シシ
遘√ッ閨門舌↓豌励▼縺九l縺ェ縺繧医≧縺ォ霑代▼縺阪∬*蜈舌ョ蜚縺ォ莠コ蟾ョ縺玲欠繧貞ス薙※縺溘
鬩壹¥閨門舌
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309 春夏 [2006/02/01(水) 19:16:50]
あらら、文字化け笑))
310 我流 [2006/02/01(水) 20:29:41]
Σ(゜ロ゜)<な、なんじゃこりゃぁ!!
311 我流 [2006/02/01(水) 20:30:12]
「聖児〜?」
聖児は、相槌を打つだけで振り向かない。
私は、急いで聖児の正面に出た。
聖児の目が驚いたように大きくなる。
私が見つめると、また目をそらしてしまった。
「聖児〜!こっち向いて!ほら!顔見せて!」
私は聖児の頬に手を当て、無理矢理こっちを向かせる。
聖児は目をつぶり、必死の抵抗をして見せた。
(よ〜し!聖児がその気なら!)
私は聖児に気づかれないように近づき、聖児の唇に人差し指を当てた。
驚く聖児。
目を素早く開けると、瞬きもせず私を見つめていた。
「あっ!キスされたと思ったでしょ?!残念でした!指だよ〜。聖児が私を見てくれないから仕返しだもん。」
すると、また聖児が溜め息をつく。
私は、すかさず詰め寄ると聖児を見つめた。
「溜め息はダメ…。幸せ逃げちゃうから…。」
私は、しばらく聖児を見つめていた。
少しずつ芽生える、あの懐かしい感覚に水を上げるように。
312 我流 [2006/02/01(水) 20:31:03]
(´⊇`)<書けるなら文字化けすんなよ。。
313 すずね [2006/02/01(水) 20:51:53]
澪ぉ!!めっちゃ大胆゜+。:.゜(ノ∀・`●)☆゜+。゜一途だゎ
314 我流 [2006/02/01(水) 20:55:39]
すずねちゃま〜♪
315 すずね [2006/02/01(水) 20:56:59]
(・∀・)ノやほぃ
10代に居るわぁ♪
316 我流 [2006/02/01(水) 23:05:56]
《聖児の華》
すぐ目の前に、澪の顔がある。
唇を触れられたからか、澪の唇に視線が行ってしまう。
ピンクに塗った唇は適度に潤い、魅力的だった。
すると、澪の唇が孤を描く。
「聖児〜…?今何考えた?」
「いや…何も…。」
澪に見透かされているようだった。
俺の考えたことが、澪にはわかってしまうのだろうか。
俺はそれを考えると、どうしていいのかわからなかった。
「よしっ!私帰るね!」
「えっ?!」
立ち上がった澪は、俺の反応に驚いたのかまた腰を下ろした。
「何?!聖児はまだ私といたいの?!」
「…まぁ…。」
俺は、感情に逆らったことがなかった。
怒るときは怒る。
眠いときは寝る。
やる気が出なければ何もしない。
俺は、思うがままに言葉にしたのだ。
「うわー…今胸がキュンってしたよー…。」
澪に視線を戻すと澪の瞳は輝き、俺から視線をはずそうとしないでいる。
「澪…。」
何気なく澪の名前を口ずさむ。
「何…?」
それは澪に聞こえ、澪も小さく返事をする。
変な雰囲気だった。
今まで感じたことのない雰囲気。
心臓を鷲掴みにされたよう。
澪の顔を見ると、澪の顔は赤くなっていた。
「何でもない…。」
「あっ…うん…そっか…。」
俺の腹の底から、恥ずかしさが沸いて来る。
こんなこと、今までなかったのに。
次第に澪に飲まれていく。
澪独特の雰囲気に。
それは居心地がよく、ときに俺を無防備にする。
彼女の前では、俺はただの男になってしまっていた。
317 我流 [2006/02/02(木) 17:11:33]
「あっつー…。」
澪は赤くなる顔を手で仰ぐと、俺の視線に気づき笑いかける。
俺は再び、澪を見つめていた。
「聖児、ダメだよ…!私…おかしくなりそうだから…。お願い…見つめないで…。」
澪は両手で顔を覆うと、両手の中指と薬指の間から覗いている。
俺の中で、今までなかった感覚が芽生え出した。
小さく高鳴り出す鼓動。
これが何なのかわからない。
しかし、ずっと澪と一緒にいたいという感覚だけは感じていた。
「わ、私!帰るね!」
澪はそう言うと皿を手に取ると、逃げるように駆けて行く。
俺が澪の背中を目で追っていると、出て行く間際に手を振っていってくれた。
318 藍 [2006/02/02(木) 17:17:03]
澪ちゃぁーん!ウルサイ
えッ〜・・・なんかあたしの想像する澪像がガラガラと崩れてくのは
気のせいか?笑
聖児が裏切ったらどうしよぅ・・・・・・(今カラ?
更新頑張れw
319 我流 [2006/02/02(木) 17:23:54]
澪は皆にどう見られてるんだ(笑)?!
320 藍 [2006/02/02(木) 17:27:02]
んー。
最初の澪の華を読んだ時には、
「大人しくて可愛くてちょっと好奇心が強いかしら」位?爆笑
読むたびに
「好奇心が強くて、めっさ強くて、健気」みたいな。何>涼
321 我流 [2006/02/02(木) 17:37:02]
なるへそ…(笑)。
322 我流 [2006/02/02(木) 17:49:11]
澪がいなくなった部屋は、澪の余韻を残している。
澪のつけているコロンの甘い香りが部屋に残っていた。
俺はそれを嗅ぐと、澪を感じられる気がした。
しばらく、動けなくなる。
澪を心が求めていた。
小さく高鳴る鼓動が、それに拍車をかけてみせる。
俺は、携帯電話を手に取ると澪のメールに返信をした。
不意に、壁の向こうから着信音がかすかに聞こえる。
それが鳴り止み、数分後に返事が返って来る。
メールの内容は些細なもの。
それでも、澪と繋がっていられる気がした。
メールを返すと、壁を二・三回叩く音がする。
俺は壁にもたれかかると、同じように返した。
今度は、リズムを変えて叩いて来る。
俺もリズムを変えて返した。
壁の向こうで、澪が笑っている顔が想像できる。
俺は、胸に手をあてた。
神様がチャンスをくれたのかもしれない。
人を愛すチャンスを。
「神様…ありがとうございます…。」
もう、俺はわかってしまった。
澪が俺の中で大きくなっていくのを。
衣緒にはなかった感覚。
俺は、澪が好きなのだろう。
この気持ちにも、俺は逆らう気はなかった。
すると、メールが一通入る。
俺はそれを見ると、ベランダに出た。
「さっきぶり!」
声がするほうを見ると、そこには澪がいる。
「さっきぶり…。」
澪が俺に笑いかけてくれる。
俺の中で、この笑顔を独り占めしたいという気持ちが沸き出す。
そう思うだけで、鼓動は高鳴った。
「飲もう?今日は二人が仲良くなれたから、記念に!」
澪が俺にビールを渡す。
それを受け取ると、蓋を開ける。
「カンパ〜イ!」
「乾杯…。」
ビールを一口口に入れる。
いつもと何かが違うように感じた。
「おいしいね!」
「あぁ…おいしい…。」
それは、澪がいるから。
澪がそばにいるから、一層旨く感じたのだ。
323 すずね [2006/02/02(木) 19:25:20]
キャ〜!!ドラマチックね(*´艸`)
さすが大人だ☆
324 春夏 [2006/02/02(木) 21:15:08]
ん〜、何だかだんだんと
澪ちゃんが聖羅ちゃんに見えてくる…笑))
魔女ではないけど、純粋だけど……って感じです笑))
325 我流 [2006/02/02(木) 23:23:42]
確かに…(笑)。現段階では仕方ないか。。
326 我流 [2006/02/02(木) 23:28:04]
《昶の華》
不意に風で揺れるサンドバック。
俺は、隙間の空いたシャッターを下ろすとベッドの横になった。
聖児と出会った頃にいた一人の少女、それが衣緒だった。
目を閉じれば簡単に思い出すことの出来る、聖児と衣緒に会った日のことを―
「おい…!わかってんだろ?早く出せよ…。」
当時の俺は高校にもいかず、駅付近で恐喝とスロットで食いつないでいた。
駅から出て来る柄のいい悪い関係なく学生を捕まえては脅し、言うことを聞かない奴は気絶するまで殴りつけて金を奪っていた。
「でも…!これがないと…!」
「はい!残念!あの世逝き〜!」
人を殴っても、悪いなんて感じない。
悪いのは世の中であり、俺じゃない。
ずっと、そう思い生きてきた。
「ったくよ〜。早いとこ出しとけば痛い目見なくて済んだのに。」
泡をふく相手の財布を取ると金を取る。
簡単に金を手に入れられる方法だった。
ときには荒稼ぎしようと不良に手をかける。
大体不良というのは、三人一組かそれ以上。
まずは、発破をかけて一目のかからないところに行き待ち伏せする。
そして、来た奴の首に木刀をフルスイング。
一人は地面に平伏す。
あとの二人は、殴りかかってきたところを改造スタンガンでお寝んねだ。
すると大概の不良は金を俺みたいに稼いでるのだろう。
信じられないぐらいある。
一回で学生六人分以上の金額だ。
「ちょろいね!不良さん!またよろしくね!」
こうして、俺は日中夜稼いでいった。
327 我流 [2006/02/03(金) 12:52:16]
そして、ある日のことだった。
いつものように学生を建物の陰に連れ込み、恐喝する。
学生は恐怖で震え、泣きそうな顔をしていた。
俺が恐喝をするには金稼ぎともう一つ理由があった。
人の怖がった顔や殴られ腫れ上がった顔を見るのが好きだったのだ。
その日も反抗した学生を叩きのめし、財布を奪っていた。
すると、後ろから足音がする。
俺が振り向くと、そこにはでかい男と後ろに少女が一人いる。
「なんだい?用があるならそこでいいな〜。」
太陽の光が逆光になり、男の顔は見えない。
しかし、少女の顔はぼんやり見えていた。
「…何している…。」
「あ?何?見りゃわかんじゃんよ!恐喝して反抗したからボコったんだよ!」
俺は、その男に金をひらつかせる。
しかし、男の目を見た瞬間体中に寒気が走った。
俺は、素早く後ろに下がると身構える。
そこら辺の不良とは違う殺気。
俺はナイフを取り出し、身構えた。
328 misari [2006/02/03(金) 13:10:37]
我サマ〜〜〜〜!!
329 我流 [2006/02/03(金) 17:56:17]
「衣緒…服を頼む…。」
「うん。」
男は、次第に俺に近寄って来る。
威圧感があり、足がすくむ。
(くそ!なんだってんだよ!)
我に返ると、男の姿がない。
急いで周りを見渡すと、意識が飛んだ。
いつの間にか、壁に叩きつけられている。
口の中に一気に血の味が広がる。
俺は立ち上がると、ナイフを突き立て男に向かって行った。
「オラッ!」
しかし、手を掴まれナイフを落とされる。
俺は距離を離し、今度はスタンガンで向かって行った。
しかし、痛みが走ると壁に叩きつけられていた。
「なんなんだ…お前…。」
俺は痛みの走る体を持ち上げると、殴りかかって行こうとした。
しかし、体が恐怖を覚え、足が前に進まない。
俺は、それでも何とか一矢報いたかった。
「クソォ!!」
恐怖にすくむ足を無理矢理動かし向かって行った。
そこで記憶が飛び、何が起きたかわからなくなってしまった。
330 我流 [2006/02/03(金) 18:20:03]
気がつけば、どこかの建物にいた。
天井は夕日で照らされ、オレンジ色に染まっている。
「気がついた?」
次の瞬間には、天井が少女の顔に変わっていた。
俺は、驚き跳ね上がる。
それと同時に、少女の額と俺の額が当たってしまった。
「イッタァ…、何してくれてんの…。」
少女は額をさすりながら眉間にシワを寄せ、俺を睨みつける。
俺は謝る気にもなれず、すぐ目をそらした。
すると、怪我しているところを触れられる。
「痛いわ!!」
俺が少女にツッコむと少女は少し笑い、どこかに行く。
「だったら安静にしろよ。」
少女は言葉使いは悪かったが、そこから優しさは感じられた。
「消毒するからしみるよ?」
少女は貼ってあるガーゼを剥すと、消毒液をかける。
それが傷にしみ、とてつもない痛みを伴わせる。
「くっ!」
俺はその痛みを感じるたび、戦った男に怒りを覚えていった。
「よし!OK!あとはお話しよっ?」
「あぁ?!ふざけ」
「私!衣緒!八坂(やさか)衣緒っていうの!お前は?」
少女の黒い髪が俺の顔の前を通り抜ける。
こんな俺に、話しかけてくれる奴はいなかった。
俺は嬉しかった。
それは、衣緒が話し相手だからではなく純粋に人と話せることが。
「俺は…昶…。西崎(にしざき)昶。」
「昶!よろしくね!」
そこから、聖児と衣緒、そして俺の関係は始まったのだった―
331 まぃ [2006/02/03(金) 21:33:56]
久しぶりに文字化け見たww(爆
……なんか字が太ぃ。。なんでだろww(何
聖児が恋してるとなんかカッコィィww
……昶の過去ってそんなだったんだww(何
332 我流 [2006/02/03(金) 21:44:59]
まぃちゃ!なんか会うたび久しぶりだわ〜(ナニ?
333 我流 [2006/02/03(金) 21:51:46]
「あぁー…今思えばあのときから衣緒のこと好きになってたのかも。」
独り言を言うと上体を上げる。
ベットを見ると、衣緒の顔が甦ってくる。
「衣緒…。」
あれから、何年も過ぎた。
時が経つにつれ、衣緒が好きになる。
人を愛すと物の見方が変わってくる。
それはいいほうにも悪いほうにも。
しかし、それだからこそ毎日を楽しむことが出来た。
俺は、またベットの上に寝転んだ。
目を閉じても、そこに衣緒がいる。
俺は、衣緒に思いを馳せたまま眠りについた―
334 我流 [2006/02/03(金) 21:54:07]
これで【一部】が終わりました〜。
…長っ!200ぐらいで終わる予定が300に!
335 まぃ [2006/02/04(土) 16:03:53]
ぅん、ちょっと風邪ひぃてたんさぁ。。ww
……字さ、なんか太くなぃ??(何
これからも頑張って☆★
336 我流 [2006/02/04(土) 16:04:51]
携帯だと字の太さ変わらないさ〜。。
337 すずね [2006/02/04(土) 16:37:32]
進むの早いなぁ…
後から追いつくかぁ(。・勍)何
338 コロロ//仔爾 [2006/02/05(日) 10:53:58]
衣緒タン。。。
339 我流 [2006/02/05(日) 11:11:22]
コロタン。。(ワラ
340 春夏 [2006/02/05(日) 16:46:09]
涼ちゃ〜ん、何だかさびしいよ〜笑))
昶くんはあるひとつのものに対しては真っ直ぐなんですね。
いいな、そうゆう人。
341 我流 [2006/02/05(日) 16:57:11]
どうして寂しいのか?!→春
342 我流 [2006/02/06(月) 15:18:20]
テスト終了しました〜!
+自由登校になりますゆえ、更新スピードが上がります!
343 我流 [2006/02/06(月) 16:30:34]
【二部】
《澪の華》
聖児と仲良くなってから、桜の花は緑の葉に姿を変えていく。
夜は、時間が許す限り一緒に夕食を食べるようになっていった。
ただ、会う度に聖児が好きになっていく自分がいる。
あの人は私のせいで死んだのに、私は―
「悪いな、澪。お前に運転させて。」
「いいのいいの〜!伸治は疲れてるでしょ〜?ゆっくり休んでて!」
「ありがとう。」
あの日、私と伸治(しんじ)はドライブに来ていた。
ドライブがてらに、伸治の両親に挨拶しに行くつもりで。
夏の前の暖かい空気が、開けた窓から入ってくる。
車内に流れる音楽は、ゆっくりとしたテンポで心を和ませてくれる。
その曲は、伸治が好きで私のMDに入れてくれたものだった。
その音楽に混じって鼻歌が聞こえる。
それは伸治のもの。
私もつい口づさんでしまった。
信号で止まると、車内は二人のデュオができていた。
伸治と目を合わせると微笑み合い、歌を歌った。
その曲が終わると、二人でハモったときの打ち合わせ。
そこはもっと低くとか延ばせとか。
伸治といると、どんなときも穏やかでいれた。
344 藍 [2006/02/06(月) 17:23:43]
自由登校ェェなー(´_ゝ`)誰
伸治って、澪チャの・・・!何 にょー!誰
更新頑張れ〜(・∀・)
345 我流 [2006/02/06(月) 17:24:52]
藍ちゃむ!
更新がんぼるよ!
346 我流 [2006/02/06(月) 17:30:14]
「澪!そこ左!」
「え?何で?」
「いいからさ!」
ハンドルを左に切ると、正面に山が見えてきていた。
何があるのか不安で、伸治に聞いても「秘密。」の一点張り。
私は少し苛立ち、言葉を発するのをやめた。
すると、道はなくなり公園らしきものが見えてくる。
「ここでいいの?」
伸治の顔を見ると、伸治は嬉しそうに微笑む。
公園の駐車場に入ると、車を止めた。
「伸治〜!何があるの?」
「秘密だって。まぁ、ついて来てよ。」
「…わかった〜。」
先を行く伸治の背中を眺めていると、伸治が踵を返す。
伸治は、笑顔で私に手を差し延べてくれた。
私が手を握るとそこから伸治の体温が伝わり、私の鼓動に火をつける。
この人とずっと一緒に。
私は、将来そうなるものだと信じていた―
347 まぃ [2006/02/06(月) 19:59:52]
高校ゎぃーなー。。自由登校とかー(何
澪の過去だぁ。。
なんか悲しそぅー……(歯
348 我流 [2006/02/06(月) 20:08:17]
まぃ!この小説面白いか?
349 まぃ [2006/02/06(月) 21:00:34]
面白ぃょッww 何を今更ーww(何
350 我流 [2006/02/06(月) 21:01:44]
(´∀`)<サンキュー!!まぃはいい子ね♪
351 まぃ [2006/02/06(月) 21:06:50]
ぃぃ子でゎなぃさーww(何
今日も……(ぁ
ぁ、ぁんまり雑談しちゃ悪ぃね。。
更新待ってるょ♪♪
352 我流 [2006/02/06(月) 21:54:43]
携帯電話の着信音で引き戻される。
着信音が鳴り切ると、私は自分の手に視線をやった。
あの日握った、伸治の手のぬくもりが甦って来る。
それを振りはらうように、私は握り拳を作った。
携帯電話を取ると、そこには聖児の名前が表示されている。
私は、メールを返信すると携帯電話を鞄にしまった。
仕事先の店では、基本的にレジ打ちをしていた。
左足が痛むときはあったが、それでもよかった。
レジの前で立つ。
いつもより集中できず、惚けていた。
このぐらいの時期だった。
その雰囲気を感じると、伸治と思い出が頭に浮かんできてしまった―
353 我流 [2006/02/07(火) 11:36:12]
公園に入ると、二人で並んで歩く。
他愛のない会話で、笑顔が零れた。
「伸治!そろそろ何があるか教えてよ!」
「待ってろって。もうすぐだから。」
伸治の優しい顔を見ると、何でも許したくなる。
それは彼に対して甘いわけではなく、彼が私にそうさせるのだ。
すると、伸治は立ち止まり私に微笑みかける。
公園内なのは確かだが、人気がなくなっていた。
そして、伸治はどこかに向かって指を指した。
「何?」
私が覗き込むと、そこには小さな花が二輪。
「何よ〜?あれだけ?」
私が伸治に言うと伸治は体を正面に向け、真剣な顔をする。
「澪、俺はね。あの花みたいになりたいんだ。」
「えっ?」
伸治は私から視線を外すと、二輪の花の方を向く。
「信じられないかもしれないけど、あの花は毎年あの場所で枯れるまで寄り添っている。」
「そうなんだ…。」
「花畑もいいけど…俺はあの二輪のほうが好きでさ…。ごめんな!?こんなので?」
「ううん!いいよ!綺麗だよ…?あの花達…。」
微風に、花達が揺れる。
弱々しい茎は、今にも折れそうで心配になった。
まるで、支え合う夫婦のよう。
花達が私に見せつけるようだった。
「アナタがいればそれでいいって言ってそうだね?あの花達。」
私が伸治に言うと伸治は笑い、私の肩を抱いた。
「俺も澪がいればいいよ?」
「私も!」
二人で手を出し、天に翳す。
二人の薬指には、指輪が輝いていた。
「結婚するんだよね〜!」
「あぁ、一緒に幸せになろうな?」
「うん!」―
あの日も今日みたいな天気だった。
この時期、聖児といると伸治のことを思い出す。
私はわがままで、聖児とはいたいのに聖児といてはいけないのではないかと思ってしまっていた。
「許してくれないよね…伸治…。」
私の闇は、いつ光が指すのだろう。
太陽の陽すら私の闇には届かない。
深く、暗い闇。
私は未だ伸治の幻影を抱えていた。
354 すずね [2006/02/07(火) 16:31:44]
澪ぉ!!(*тт)なんとなく展開分かってたけど…そんな過去があったなんて(´・ω・`)
355 鶴 [2006/02/07(火) 17:22:16]
ふぅ。
読みました。
一気読みって辛いけどこの話はスラスラ読めました。
澪、好きです。
356 我流 [2006/02/07(火) 17:22:19]
(´⊇`)<ありきたりですから。
357 我流 [2006/02/07(火) 17:23:27]
鶴〜♪ありがとうね〜、無理させて。。
358 我流 [2006/02/07(火) 17:32:21]
《衣緒の華》
私は、ある建設現場にいた。
まだ、建てられていない骨組みだけの建物がそこにはある。
威勢のいい声や鉄が削れる音、現場は慌ただしかった。
「おい!休みに入るぞ!」
「ウィッス!」
現場には棟梁が一人いて、棟梁の声に全員が反応して返事をする。
私の見たことのある運動系の部活に似ている気がした。
皆一斉に一ヵ所に集まり、円を作るように座る。
すると、そう内の一人が私に気づいた。
私はその人に頭を下げる。
「おい!聖児!衣緒ちゃん来てるぞ!」
聖児はその人に頭を下げると、私に歩み寄って来た。
近づいて来るのがわかると、胸が高鳴る。
普段の聖児も好きだけど、仕事している姿も好きだった。
しかし、喧嘩した後と言うこともあり、二人は黙り込んでしまう。
私は謝りたくて、何度も考えては思い直した。
「今日は…どうする…?」
聖児は、無表情のまま私を見ている。
それはまるで、喧嘩したことを忘れているようで私は悲しかった。
「あっ…うん…。手伝っていく…。」
「そうか…。なら棟梁に俺から言っておく。」
「ありがとう…。」
中学校を卒業してから、私は高校への進学は出来なかった。
私は、一緒にいてくれた聖児を頼って生活をしてきていた。
中学校までは聖児に言われた家事や料理をしていたが、聖児が仕事に行っている間は一人。
私は寂しくなり、聖児の側にいたくなった。
悪いこととはわかっていても、私は聖児の職場に行ってしまったのだ。
そこでは、嫌な顔せず棟梁が私を受け入れてくれた。
雑用だったけど、私は聖児の働く姿を見ていることができて嬉しくて毎日のように通い詰めた。
359 すずね [2006/02/07(火) 17:43:25]
まだA先が見えて来ないわぁ…
楽しみぃ〜♪◯´∀`)
360 鶴 [2006/02/07(火) 17:52:09]
聖児も好き。
361 我流 [2006/02/07(火) 19:23:59]
「衣緒ちゃん!」
我に返ると、棟梁が手招きしている。
「はい!今行きます!」
私は急いで棟梁の元へ向かい、頭を下げた。
「衣緒ちゃん!元気?」
「相変わらず可愛いねぇ〜!」
現場の人達は、優しい。
私が女だからかわからないが、怒られたことはない。
「お前ら!休めたらささっと仕事しろい!」
「まだ、二分しか休んでないっすよ〜?」
「衣緒ちゃん!今度家来ない?」
「働かねぇか!お前ら!」
「へぇ〜い。」
現場の人達は表情が豊かで、生き生きしている。
しかし、聖児だけは無表情で覇気もない。
こんな元気のいい現場で、聖児がやれていることに感心した。
「衣緒ちゃんは、お茶汲みと小道具運びな!」
「はい。」
こうやって、私は現場で聖児と一緒に働いてきた。
忙しく動く人達のアシストが、私の仕事。
その仕事は、私にとって一番よかった。
なぜなら、聖児と話せるから。
一緒にいられるから。
363 すずね [2006/02/07(火) 20:02:57]
はぁ(*´∪`*)大人だなぁ… 何
364 我流 [2006/02/07(火) 20:12:32]
まぃとすずねありがとう〜♪
365 我流 [2006/02/07(火) 22:30:24]
「お疲れ…。」
タンクトップからはみ出す肩は、筋肉が動いて見える。
聖児は振り向くと何も言わず、お盆から飲み物を取りすぐ作業に戻る。
「衣緒。」
背を向けたまま、私にコップを渡そうとする。
私はそれを受け取ると、聖児の働く背中を見つめた。
たくましい背中。
そのまま抱きしめたかった。
中学生からの恋は膨らむばかり。
愛しくてたまらなかった。
「聖児…ごめんなさい…。」
「…何が…?」
「あの日のこと…。」
思い出してほしかった。
私があの日言ったこと。
謝ったのはついで。
思い出させることが目的だった。
「…釘…取ってくれ…。」
「今日…!聖児の家に行っていい?」
「釘!」
「聖児!聞いて?!話が!」
「衣緒!!」
聖児はいつもそう。
都合が悪くなると怒って見せる。
私が聖児に怒られることが嫌いなの知っていて。
私は釘を渡すと、釘を打ち始める。
その音が、私の心にやけに響く。
私は、次第に悲しくなって来た。
聖児にとって私は何なのか。
もうわからなかった。
「聖児…!」
私の声が、釘を打つ音でかき消される。
聖児の背中。
私には、聖児の瞳を見つめる権利はないのだろうか。
今の状況が私には辛く、苦しかった。
366 鶴 [2006/02/07(火) 22:35:27]
美体、好き。
華って部分が良い。
367 我流 [2006/02/08(水) 12:57:46]
《聖児の華》
背中から衣緒の気配は消えた。
衣緒は、俺の中で一人の女性として見れなかった。
身寄りの妹ぐらいとしか思えなかったのだ。
「聖児!手動かせ!休んでるぞ!」
「すいません!」
現場は、俺にとってはいい場所だ。
衣緒がいても、忙しくて話すときは休憩時間のみ。
それ以外は、大工の作業をしていた。
しかも、騒がしい音が広がることで考えることをさせてもらえない。
もちろん、俺にとっては好都合だった。
「おい!休憩だ!下りて来い!」
「あいよ!」
梯子を下り、円になって座る。
この方が作業について話しやすく、皆の顔が見えていいと棟梁は言っていた。
「聖児!お前はここだ!」
棟梁が俺に隣りに来るように促してくる。
俺は断ることも出来ず、棟梁の隣りに座った。
「お茶とお菓子です…!」
衣緒が円の中に入り、茶と菓子を置いていく。
俺は、衣緒が俺の場所まで回って来るのを見て目を閉じた。
「お疲れ様です…。」
明らかに俺のときだけ声が小さくなる。
しかし、その理由がわかっている以上何も言うことはなかった。
368 すずね [2006/02/08(水) 15:35:27]
聖児ぃ!!澪一筋でいっちゃうのねぇ(ノд;涙)
369 まなみ [2006/02/08(水) 16:56:43]
あの、はじめましてぇ!!
すっごく、面白いですね!このお話。
我流さん、すごいです!!
これからもがんばってさぁぁい!!
370 misari [2006/02/08(水) 17:44:33]
ああ聖児ぃ!!てゆうか衣緒cかわいそぅ……(;_;)
371 我流 [2006/02/08(水) 18:08:21]
(;゚⊇゚)<あらあら!まなみさん、初めまして!わざわざすいませんね〜、こんな長い話を読んで下さって!
372 我流 [2006/02/08(水) 18:15:55]
misariもすずねもありがとう〜♪
パワーアップだよ(ナニ?
373 misari [2006/02/08(水) 18:17:12]
パワーーアッッーーーーップゥゥゥゥ!!\(◎o◎)/
374 すずね [2006/02/08(水) 18:18:14]
まぢ!?パワーUPしたら元気になるわ(*人∪`*)我流
375 我流 [2006/02/08(水) 18:22:50]
「衣緒ちゃん!お前さんは聖児の隣りだ!」
「…はい…。」
余計な棟梁のお節介のせいで、衣緒が隣りになる。
不意に足が当たると、衣緒は小さく謝ってきた。
複雑な心境。
俺では衣緒を愛せない。
今、俺の中には澪がいる。
冷たくしても、衣緒はあきらめずにいる。
その姿が、俺の心を苦しめた。
「衣緒ちゃんは、やっぱり聖児と結婚したかったりするわけ?」
棟梁の口から、思いもしない言葉が発せられる。
「ちょ…!棟梁!」
「聖児は黙ってろ!衣緒ちゃん、どうなの?」
隣りにいる衣緒を見ると、うつむき悲しそうな目をしている。
小さく溜め息をつき、俺を見る。
俺は何も言わず目を閉じて、衣緒の言葉を待った。
376 misari [2006/02/08(水) 18:26:13]
衣緒ぉ!!
377 まなみ [2006/02/08(水) 18:29:40]
ほんとにすごく、面白いお話ですよ!!
あ、私のことなど、「さん」付けしないでください!!
呼び捨てでいいです!
378 すずね [2006/02/08(水) 18:29:49]
キャー!!!!(ノ∀'*)衣緒ゎ言っちゃうの!?!?
379 我流 [2006/02/08(水) 18:32:02]
(;゚⊇゚)<そう…?まなみさんもタメでいいんでね。これからもよければ読んで下さいね。
380 まなみ [2006/02/08(水) 18:43:06]
はい!!
ぜひ、そうさせてください!!
更新読むのが、楽しみですから!
てゆーか、私言ってることが変?ですね(^_^;)
381 我流 [2006/02/08(水) 18:44:47]
(´∀`)<落ち着いて下さい♪読んでもらえて僕は幸せですよ♪
382 まなみ [2006/02/08(水) 18:54:08]
はいっ!
落ち着きますね☆
あ、あと『敬語はナシ』ですからね♪
我流さんの小説の中にもありましたし(^-^)
383 我流 [2006/02/08(水) 19:03:01]
こんなところで引用されるとは(笑)。
そうだね!
まなみ仲良くしよう!(ハッ?
384 まなみ [2006/02/08(水) 19:08:04]
うん!
こちらこそ、仲良くしてね♪
嬉しいな☆我流と仲良くなれて
あ、てか私、我流さんのこと呼び捨てでいいのかな?
385 我流 [2006/02/08(水) 19:21:45]
もちろんいいよ〜。
あと、感想はここに書いてね♪
だけど、雑談になると怒られるから十代板の『卍爾のいる街卍』っていうとこに来てね♪
386 我流 [2006/02/08(水) 19:25:41]
「私は…出来ればそうしたいです…。」
衣緒の言葉に、現場の男達からは歓声が上がる。
俺は、衣緒に聞こえるように溜め息を大きくついた。
「でも…!聖児は…嫌みたいで…。」
今度は、歓声がブーイングに変わる。
俺は次第に気分が悪くなり、腰を上げた。
「おい!どうした聖児!」
「まだ…やり残した箇所あるんで…。」
俺はそう言い、その場から離れた。
それから、仕事が終わるまで苛立ちは続いた。
(衣緒の奴…何を考えてる!あんな公の場で!)
怒りが増し、釘を打つ手にも力が入ってしまった。
そして、仕事が終わると俺は帰ろうとしていた。
「聖児!」
踵を返すと、そこには衣緒がいる。
俺は溜め息をつくと、フルフェイスを被りバイクに乗った。
そして、衣緒を待たずしてバイクを走らせ始めた。
アパートに着くまで、後ろに衣緒がいるかを確認しなかった。
衣緒を思うと腹が立ち、顔も見たくない状態まできていたのだ。
387 すずね [2006/02/08(水) 19:28:01]
聖児ぃ!!そこまでしなくっても(´・ω・`)衣緒ゎどうなるのかなぁ…
388 我流 [2006/02/08(水) 19:29:36]
アパートに着き、バイクを降りるとすぐ後からバイクが入って来る。
俺はそれでも振り向かず、家に入ろうとした。
「待って!聖児!待ってよ!」
背中越しに、足音が聞こえる。
俺はドアノブに手をかけ、家の中に入ろうとした。
そのとき、後ろから衣緒が抱きついてくる。
小さい子が、親を引き止めるように。
「ごめんなさい…!聖児…!でもね…!あれは本音だよ?!聖児と結婚したい!ずっと一緒にいたい!」
もう、態度の悪い衣緒じゃない。
中学生の頃の衣緒に戻っていた。
泣き虫で、寂しがり屋。
俺が帰って来るまで泣いていたときの衣緒だった。
「衣緒…。」
俺は衣緒のほうを向き、衣緒を抱きしめた。
出会った頃のように、胸で泣きじゃくる衣緒。
これが、本来の衣緒の姿だった。
389 すずね [2006/02/08(水) 19:31:42]
ぅ。+゜(つд・o)゜+。衣緒…
390 まなみ [2006/02/08(水) 19:34:29]
ごめん、我流。
それと、十代板の『卍爾のいる街卍』って
どこ?
391 我流 [2006/02/08(水) 19:35:30]
あぁ〜、あげとくよ〜。
392 まなみ [2006/02/08(水) 19:40:00]
ありがと☆&
衣緒チャンかわいい♪
393 まぃ [2006/02/08(水) 19:46:37]
衣緒……(何
聖児ゎどーするんだぁッ。。
続きが気になるーww((o(^-^o)(o^-^)o))
394 我流 [2006/02/08(水) 20:50:15]
衣緒が急に顔を上げると俺の手を取り、そのまま胸に押し当てる。
「衣緒!何してる」
「わかる?!私の心臓!ドキドキしてる!!」
衣緒の胸からは、確かに心臓が脈打つのがわかった。
大きく、それでいて早い。
衣緒は両手で俺の手を握ると、更に強く押し当ててくる。
まるで、衣緒の心臓を直に触っている気さえした。
「聖児がいないとダメなの…!聖児のことが好き!会ってから私の支えは聖児だった!聖児がいてくれれば他の人なんかいなくていい!」
大粒の涙が、衣緒の頬を伝って行く。
俺は、再び衣緒の体を抱き寄せた。
「衣緒…下唇のピアスを取れ…。」
「えっ……?うん…。」
衣緒を少し引き離すと、衣緒はピアスを外す。
俺はそれを確認すると、衣緒の唇を奪った。
急なことにも関わらず、衣緒は俺の頬に手を当てて離そうとしない。
衣緒の温度が、否応なしに伝わってくる。
しかし、俺の中に衣緒に対しての愛はない。
衣緒の気を休めるためだけの偽りのキスだった。
395 鶴 [2006/02/08(水) 20:53:09]
あぁ、聖児の行為は優しいのか酷いのかわからない。
396 すずね [2006/02/08(水) 20:55:04]
悪い男だな( ̄ω ̄)ぇ
聖児ゎモテちゃって
397 我流 [2006/02/08(水) 21:00:20]
(´⊇`)<今回更新ペース早過ぎたべ。。
398 すずね [2006/02/08(水) 21:05:14]
確かに…
続きを10代で議論中よ(o^-’)b
うちのスレゎ 大嫌い。ってやつね!!
399 我流 [2006/02/08(水) 22:18:46]
(´⊇`)<え〜、読者の皆さんこんばんにちわ。
『愛の華』についてですが、読んで頂いた感想はこちらのスレで構いませんが、その他書評の場合は十代板の『卍爾のいる街卍』で受付ていますのでそちらへお願いします。
400 とんぼ [2006/02/08(水) 22:46:17]
了解(´ー`)ゞ
んで400おめでとw
401 我流 [2006/02/09(木) 01:00:49]
(´∀`)<とんちゃんありがとう♪
あと、十代板『卍友遊卍』に変わりました♪
402 我流 [2006/02/09(木) 11:52:59]
《昶の華》
最近は、心が穏やかだ。
人を殴りたいなんて、思うことが少なくなった。
それは、恋のいい方が出ているからだ。
俺はバイクを軽快に走らせ、聖児の家に向かった。
夜を明るく照らすビルの光や車のランプ。
列を連らない、線を作る。
それさえ眩しく、美しく見えた。
聖児のアパートが見え出すとスピードを上げる。
駐車場にドリフトで入れた。
これは自己満足の世界だ。
フルフェイスをはずすと、そこに立ちすくむ二人の姿。
「おい!聖児!衣緒!」
俺が手を振ると、二人共驚いたように振り向いた。
衣緒は小さく手を振っているが、聖児は相変わらず。
俺は、二人に駆け寄った。
「悪りぃな!聖児!連絡なしで来ちまって!」
「いや…気にするな…。」
「はっ?……えっ?…あっ!そう…?」
いつもの聖児なら、無表情に「まったく迷惑だ。」などと言うはずなのに今の聖児はおかしかった。
「衣緒!聖児の奴どうしたの?!」
小さい声で衣緒に聞くと、衣緒は首を傾げるばかりだった。
「入るなら入れ…。」
いつもよりトーンの低い聖児。
俺は、不思議に思いながら聖児の家に入った。
403 すずね [2006/02/09(木) 11:55:44]
やっと昶が登場ね(*人∪`*)どぅなるのかなぁ〜
404 まなみ [2006/02/09(木) 12:11:31]
わお!
どうなるんだろ〜
澪と聖児がくっつくのかな?
それとも衣緒と聖児?
405 謌第オ [2006/02/09(木) 14:09:20]
荳我ココ縺ァ蠎ァ繧九→縲√Μ繝薙Φ繧ー縺ッ蟆上&縺剰ヲ九∴繧九
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菫コ縺ッ縲√%縺ョ蝣エ縺ォ縺縺ヲ縺ッ縺縺代↑縺豌励′縺励※縺縺溘
縲檎ァ√∝ォ蝮り。」邱偵ゅ
陦」邱偵′縺昴≧險縺縺ィ遶九■荳翫′繧翫∵セェ縺ョ逶ョ縺ョ蜑阪↓遶九▲縺溘
縺ゅ°繧峨&縺セ縺ォ逹ィ縺ソ縺、縺代∝密蝌ゥ繧貞」イ縺」縺ヲ繧九h縺縺ォ隕九∴縺溘
406 我流 [2006/02/09(木) 14:10:05]
スーパー文字化け!はい!書き直し!
407 我流 [2006/02/09(木) 14:10:43]
三人で座ると、リビングは小さく見える。
聖児は壁にもたれ、衣緒はベットに座る。
俺は、その二人のおかしな様子を立ちながら見ていた。
「…何かあったお二人さん…?」
俺が二人に言うと、衣緒も聖児も驚いたように俺を見る。
「わかりやすいね…。衣緒、ピアスは?」
「えっ?!あ!膿んできたからはずしたの…。」
これもおかしなことに気づいた。
衣緒の声の高さだ。
いつもはわざと低くしている声が、今は昔の衣緒に戻っていた。
(何?この状況…?)
俺は、この絶妙な雰囲気をどうしようか迷った。
すると、インターフォンが鳴る。
聖児は立ち上がると何かを話し、一人玄関へ向かった。
「衣緒、何があったの?」
「何も!何もないよ!?」
衣緒の顔を見ると、頬が淡赤く染まっている。
俺はそれを見て、なおわけがわからなくなった。
「お邪魔しま〜す。」
すると、俺の耳に幻聴が聞こえる。
不思議に思い振り向くと、聖児の後ろに女性が立っていた。
「聖児の友達さん達?」
「あぁ…。」
俺は開いた口が塞がらなかった。
あの堅物聖児が女を連れ込んでいる。
「私、如月澪って言います!」
俺は、その大人の女性の雰囲気を醸し出している澪に魅入っていた。
「澪は俺の家の隣りの人だ…。」
聖児と澪は顔を向き合わせると楽しそうに話している。
俺は、この場にいてはいけない気がしていた。
「私、八坂衣緒。」
衣緒がそう言うと立ち上がり、澪の目の前に立った。
あからさまに睨みつけ、喧嘩を売ってるように見えた。
408 我流 [2006/02/09(木) 16:19:24]
「衣緒…!」
「あら!以前いた子?可愛いね!」
澪は衣緒の頭をなでると俺のほうを向き、微笑みかける。
俺はそれに気づき、自己紹介をした。
「衣緒ちゃん!昶さん!よろしくお願いしますね!」
澪は深く頭を下げると、皆の顔を見て回る。
そして、聖児の促しで聖児と隣り合って座る。
二人と向かい合う俺は、まるで嫁にやることを承諾しなければいけない父親みたいな心境になった。
衣緒は衣緒で、膝を抱えながら澪を睨みつけている。
目の前では、澪と聖児が寄り添っていた。
(何…?これ…?俺はどうすれば…?)
部屋の中は微妙な雰囲気。
怒っている衣緒にいちゃつく澪と聖児、そして俺。
俺も二人に対抗して衣緒の隣りに座ってみた。
しかし、衣緒があからさまに俺に睨みを効かせる。
俺は急いでベットから下り、聖児と澪を見直した。
聖児達二人と俺と衣緒には、台風が出来そうなぐらいの温度差があった。
409 すずね [2006/02/09(木) 16:31:53]
微妙な雰囲気になってきたわぁ(´・ω・`)
やっと4人がそろったねぇ!
410 misari [2006/02/09(木) 17:01:45]
おおお!4人がそろっちゃったよぅ!!
このあとどうなるの!?
411 まぃ [2006/02/09(木) 17:36:05]
文字化け神ょりランク上だょね、もぅww(ぇ
ぁー、みんなの気持ちが痛ぃほどゎかるー。。(何
これからどーなるんだろッ♪♪ww
412 我流 [2006/02/09(木) 18:28:24]
すずね♪misariにまぃ♪
毎回ありがとうございます!
これからも頑張ります!
413 鶴 [2006/02/09(木) 19:59:41]
んー。
なんか我流恩師、私のレス、スルーしてません?
414 謌第オ [2006/02/09(木) 20:09:17]
ホ」(繧懊Ο繧)シ懊せ繝ォ繝シ縺励※縺滂シ滂シ√#繧√s縺ュシ滂シ
415 鶴 [2006/02/09(木) 20:10:30]
文字バケ!!
416 我流 [2006/02/09(木) 20:15:14]
《衣緒の華》
唇が火傷したように熱い。
脈を打ち、唇が一つの生き物のよう。
しかし、私の喜びは見事にかき消された。
聖児の隣りに座る女。
如月澪。
聖児の隣りは、私の特等席だ。
ずっと、聖児の隣りにいたのは私。
その場所に、澪は当たり前のように座っている。
胸くそ悪い。
沸いて出るような怒り。
聖児と昶がいなければ、澪は私のダーツの針の餌食になっているところだ。
楽しそうに笑う顔も聖児を見る目も何もかも許せなかった。
「アンタ…何しに来たの…?」
私の一言で、部屋は静まり返る。
「私のことかな?」
笑顔で私を見る澪。
この場で場違いなのはお前しかいない。
私はそういう意味を乗せ、澪を睨みつけた。
「だよね、私だよね。ごめんなさい、衣緒ちゃん。聖児、また後でメールするね。」
大人を気取る澪。
私の怒りをかり立たせるような仕草。
澪が出て行くまで、私は視線で攻撃していた。
「衣緒…恐っ…。」
「何が…?」
見送りに行ってしまった聖児のいない部屋は、私と昶しかいない。
私は昶を睨みつけ、八つ当たりしてしまった。
「大体!動物って物はテリトリーに入られたら怒るでしょ?!」
怒鳴り声が、部屋に響き渡る。
私のあのキスの余韻は、怒りで消えていた。
それがさらに怒りを増させ、昶にそれをぶちまける。
悪いことでも、聖児にはそんなことしたくないから仕方ない。
私の中では、昶の役回りはそういうものだった。
417 我流 [2006/02/09(木) 20:16:20]
Σ(゜ロ゜)<あぁ!スルーしてるわけじゃないよ?!ごめんね?!→鶴
418 鶴 [2006/02/09(木) 20:19:09]
ふふっ(何
いいのですよ(鬱
419 春夏 [2006/02/09(木) 21:46:27]
ああ、こんなにたくさん更新されてる…♪
今日は全部読めそうにないので明日じっくり読みます♪
420 我流 [2006/02/09(木) 21:47:57]
(´∀`)<春〜♪パソコン直ったのね♪
421 まぃ [2006/02/09(木) 21:52:37]
衣緒の気持ちゎかるー。。(´_`。)
昶も可哀想なゃつww(何
422 我流 [2006/02/09(木) 21:54:06]
(人´∀`)<まぃ〜♪
423 我流 [2006/02/10(金) 18:31:28]
「衣緒。」
名前を呼ばれ、そこには聖児が立っていた。
あきれたように私を見るのは相変わらず。
私にそんな顔しても無駄だとわからないらしい。
「あの女は何?!」
「おい、衣緒!落ち着けよ!」
「昶は黙ってろ!」
「はいっ!」
私は怒りにまかせ、聖児に詰め寄った。
聖児の涼しい顔に爪で傷をつけてやりたくなる。
しかし、聖児の目を見ると怒りより恋しくなった。
もう一度、キスがしたい。
私の中から沸き出る思い。
私は思い直すと、聖児を睨み直した。
「さっきのキス!嬉しかった!でも、アンタが連れて来た奴のせいで台無しだよ!!」
聖児を睨みつけているつもりでも、キスのことを思い出すと笑顔になりそうになる。
私はベットに飛び込むと、泣いたふりをして綻ぶ顔を隠した。
424 まなみ [2006/02/10(金) 18:43:25]
あ〜衣緒が昶の前で言っちゃた。
昶はどうなるの?
425 我流 [2006/02/10(金) 19:01:10]
まなみの察しの良さにお手上げ(笑)♪
426 まなみ [2006/02/10(金) 19:34:41]
どうも←意味不ダネ
私、察しはよくないよぉ。
427 春夏 [2006/02/10(金) 22:08:31]
読みました。
結婚か……今一番見たくない文字かもしれない苦笑>>
ってゆうのは冗談で、好きな人と結婚したいと思うことは
自然のことで、素敵ですよね。
でも、やっぱり恋愛と結婚はまったくの別物だから、
軽々しく言っちゃいけないと私は思っています。
あっ、涼ちゃんを批判しているわけではないですよ。
衣緒ちゃんは聖児くんを男として好きなんですよね…。
でも、離れたくない、そばにいてほしいは
親としてとかもっと人間的に広い範囲で
愛情を求めているような気がします。
と意味不明に主観が入り混じって感想書いてしまいました。
すみません!
これからも更新頑張ってください♪
428 我流 [2006/02/10(金) 22:11:07]
春ちゃん。。
429 我流 [2006/02/10(金) 23:15:53]
「聖児…お前…マジで衣緒にキスを…?」
「あぁ。」
「マジで?!」
聖児の返事を聞くだけで、私の頬は熱くなる。
私の思いが通じた気がして、私の心は歓喜で満ちていた。
澪は正直邪魔だった。
ついでに昶も。
二人きりになりたかった。
もっと、キスしてほしかった。
私は、聖児と二人きりになったときのことを考えると胸が高鳴った。
「そっか…、俺帰るわ…。」
「昶?」
足音がしばらく鳴ると、ドアが閉まる音がする。
私はそれを確認すると上体を持ち上げ、聖児を見つめた。
「聖児!もう一回キスして?!」
聖児に言うと、聖児は溜め息をつく。
しかし、今の私は止められない。
私は聖児に歩み寄り、背中に抱きついた。
「早く!」
聖児の背中は温かい。
私の心も温めてくれる。
その熱を感じると、唇がうずいた。
430 まなみ [2006/02/10(金) 23:22:00]
昶・・・可哀想・・・。
でも、衣緒の気持ちも分からなくはない・・・。
聖児はこのあとキスするのかなぁ?
ねぇ、我流、聖児って、
澪のことが好きっていうか気になってるんだっけ?
431 我流 [2006/02/10(金) 23:24:26]
聖児は澪に惹かれてる設定だよ(笑)→まなみ
432 まなみ [2006/02/11(土) 10:36:29]
そっかぁ!
そうだったね!
有り難う♪
433 我流 [2006/02/11(土) 11:35:08]
最近、話がつながってないような気がする。。
434 我流 [2006/02/11(土) 14:40:27]
聖児は、私の手を放すと踵を返す。
そして、私を軽々持ち上げるとベットに下ろした。
高鳴る鼓動。
聖児の顔が、私のすぐ近くにある。
私は期待に胸を膨らませ、目を閉じ聖児を待った。
重なる唇。
聖児の首に手を回す。
より熱く、より確かに聖児を感じ取れた。
柔らかい唇。
私の悲しみを拭い去ってくれる。
ずっと、こうしていたかった。
しかし、私が感覚を楽しんでいると聖児は唇を離してしまった。
「聖児…?」
私の顔がほてったように熱く、思考は止まっていた。
「これで満足か?」
私の思いとは裏腹に、聖児の声は冷静だった。
「聖児…?続きはしないの?」
無意識に私の口から言葉が出る。
しかし、聖児の目を見た瞬間私の熱は一気に冷めた。
「勘違いするな…。お前の気が済むようにしたまでだ。」
軽蔑した瞳。
その冷たい瞳は、私の喜びをかき消した。
「せ、聖児…?」
大きな背中を私に見せる。
私には何が起きたのかわからなくなった。
「衣緒…いつまでも甘えるな…。」
「えっ…?」
一粒ずつ落ちてくる雨が次第に強く降り出すように、私の心にも再び悲しみの雨が降り出してしまった。
435 まなみ [2006/02/11(土) 15:33:19]
そんなことないよっ!我流。
ちゃ〜んと話つながってるから大丈夫っ!!
436 我流 [2006/02/11(土) 16:16:52]
そう?ありがとうまなみ。
437 まなみ [2006/02/11(土) 16:18:39]
いえいえ、どういたしましてぇ♪”
438 コロロ//仔爾 [2006/02/11(土) 18:47:26]
涼ぉぉチャンww
439 我流 [2006/02/11(土) 18:48:46]
コロちゃんとのコラボスレ4個目までいったさ!
440 我流 [2006/02/11(土) 19:14:39]
《澪の華》
義足をはずし、車椅子に座る。
聖児と一緒にいても、私は考え事をしていた。
聖児の友達がいて、冷静を装っていたが一人になりたかった。
考えても、伸治は戻ってこないことぐらいわかる。
しかし、それでも私は立ち止まり記憶の中の伸治に会いに行ってしまう。
伸治の幻影が、私を振り向かせる。
私はその度、後悔していた。
なぜ、生き残ってしまったのか。
なぜ、伸治だけだったのか。
いくら答えを探しても、見つかることはなかった。
衣緒が出て行けって言ってくれて、正直助かった。
今は、聖児といると逆につらい。
好きになっていく自分が怖かった。
このまま、聖児を好きになれば伸治を忘れてしまうのではないか。
そんなことをしたら、伸治に申し訳が立たない。
私はいつからか、人を愛することが出来なくなっていた。
明るいのは表面だけ。
中身は暗く、後ろ向きな考えしか出来ないでいた。
私はただ部屋の車椅子に座ったまま、惚けていた。
441 まぃ [2006/02/12(日) 10:53:21]
ぁー、みんなの気持ちがすっごぃ伝ゎってくる。。(何
思ぃが交錯しまくってるょー(´_`。)
これからどーなっちゃぅんだろッww
更新頑張れッ☆★
442 コロロ//仔爾 [2006/02/12(日) 11:50:38]
涼タぁぁぁぁン(o´ω`o)
質問なんす`涼タンって今Q歳ゃっけ?!
十代にぃれるのもぁと数年なのぉぅ?!Σ(;д;)
443 我流 [2006/02/12(日) 11:56:01]
(人´∀`)<まぃちゃんの感想ってなんだか胸キュンね(ハッ?
444 我流 [2006/02/12(日) 12:34:20]
すると、聖児の家のドアが閉まる音がする。
三人で、飲みにでも行くのだろうか。
そう考えても、今の私は一緒に行きたいとは思わなかった。
すると、携帯電話の着信音がする。
携帯電話を手に取ると、聖児の名前が表示されている。
私ははずした義足を履き直し、ベランダへ出た。
私が出ると同時に、聖児も出て来る。
「さっきぶり…。」
「さっきぶり。」
気は落ち込んで来ているのに、鼓動だけは高鳴り出す。
涼し気な顔で空を見上げる聖児。
しかし、私はうつむいてしまっていた。
「元気ないな…?」
「えっ?!…そうかな…?」
聖児はいつの頃からか、私の顔を見てくれるようになっていた。
透き通るような眼差しは、私の胸を締めつける。
恋をしたいと叫ぶ鼓動と伸治を見捨ててはいけないという罪悪感。
私の心は、複雑な気持ちではち切れそうだった。
「澪…合コンしようか…?」
「…聖児?」
「俺から質問な。何を悩んでる?」
聖児の言葉に、私の鼓動は激しく反応する。
聖児の目や耳、鼻全てが私には魅力的に見える。
悩んでるはずなのに、顔が熱くなり思考を止める。
私は、聖児を視界からはずせなくなっていた。
「澪?」
「ご、ごめん…!悩み…?そうだね…聖児には言えないよ…言いたくない…。」
「そっか…。」
私がいつも聖児に質問して、聖児の質問には答えないのに聖児は怒りもしない。
気持ちよさそうに風に吹かれ、煙草を口にしていた。
煙草も火をつけず、口に咥えているだけ。
私のことを気遣っていてくれることに気づいた。
445 まなみ [2006/02/12(日) 12:45:44]
聖児やっさし〜
なんか我流の小説読んでると感動しちゃうなぁ。
446 すずね [2006/02/12(日) 12:54:24]
聖児がなんか変わってきたみたぃ(*人∪`*)澪に恋したからかなぁ??
澪の複雑な心境めっちゃわかる(´Д`)ァソ
447 我流 [2006/02/12(日) 13:21:41]
(人´∀`)<すずねちゃま〜♪感想ありがとうございます〜♪
(;゚Д゚)<エェ〜?感動ですか〜w→まなみ
448 まなみ [2006/02/12(日) 13:27:25]
うん!
なんかね〜じ〜んってなるの!>>我流
449 我流 [2006/02/12(日) 13:40:55]
(人´∀`)<そんな〜♪まなみっち(ナニ?
450 我流 [2006/02/12(日) 14:20:16]
「私ね…好きな人がいて…。その人を殺しちゃったの…。」
「えっ…?」
信じられないといった顔で私を見る聖児。
しかし、私が伸治を殺してしまったも同然だった―
公園から出た私達は、伸治の家へ向かっていた。
昼を過ぎ、夕陽に空が色ずいてくる。
周りを囲む山々の後ろからオレンジ色の光が差し込んでくる。
私は、庇を出すと光を遮る運転を続けた。
軽快に話していた伸治も、いつの間にか隣りで寝息を立てていた。
信号で車を止めると、伸治の寝顔を見て癒される。
もうすぐ結婚。
そう思うだけで夢が沸いてきた。
(子供は何人がいいかな〜?二人は欲しいな〜。男の子一人と女の子一人。)
胸は夢で膨らみ、楽しくなってくる。
幸せな家庭にしたい。
そう思えることが、私の今の幸せだった。
夜も更け、辺りは暗くなる。
「ふぁ〜…。うぅん…眠いな…。」
伸治は、あれからずっと寝ている。
別に伸治の家には何度か訪れており、私には道程がわかっていたから伸治を寝かせておいてもよかったのだ。
信号が変わると、ゆっくり発進させる。
次第に山道はカーブが増え、速度を緩めていた。
「う〜ん!澪〜、ごめん…。」
「いいよ〜、伸治は鼾あんまりかかないからいいの。」
伸治の声を聞けるだけで嬉しくなり、眠気も覚めてきた。
伸治の家までは遠い。
山道を登り、峠を下るの繰り返し。
私からすれば、その長い道程も伸治がいれば苦にならなかった。
峠を下り町に出る。
すると、自然に車が増えてきていた。
私は、伸治との会話を楽しんでいた。
しかし、そんなときだった。
前の車が急ブレーキを踏み、私は焦ってハンドルを切った。
そこで、対向車線に飛び出してしまい、前から来ていたトラックにぶつかってしまった―
「…気づいたら病院で…伸治が死んだことを聞かされた…。伸治は!私を守るように覆い被さった状態で見つかったって……!私があのとき!落ち着いて対処してれば伸治は…!」
悲しみで言葉が出ない。
頬に涙が伝い、落ちていく。
伸治、私も一緒に逝きたかった。
だって、いくら泣いても貴方はいないんだもん。
451 春夏 [2006/02/12(日) 14:52:35]
今好きな人ができて一緒にいれて、
でも前好きだった人の事は今でもしっかり覚えています。
それはやっぱり私自身が
ちゃんと真剣にあの人を見ていたからだと思います。
忘れてしまうことは絶対にない。
何らかの形で記憶の隅っこに残っているはずです。
それに、過去を忘れてしまうくらい今幸せになることが、
死んだ人にとっては嬉しいことなんじゃないかな〜と思います。
ああ、また主観的に感想を書いてしまって…すみません!
ついつい感情移入しちゃうんですよね、涼ちゃんの小説は苦笑))
これからも涼ちゃんのペースで無理せず頑張ってください。
応援しています☆
452 我流 [2006/02/12(日) 14:54:21]
(||´⊇`)<びっくりしたよ…。。誰かがリレーと間違えて書いたかと思った(笑)。。
453 すずね [2006/02/12(日) 14:56:20]
ぅわぁ.+(PД`q)+.
辛い過去を引きずっていたのねぇ!!
前に好きだった人って忘れられなぃよね...
めっちゃ共感できる(ノд;涙)
454 我流 [2006/02/12(日) 14:58:14]
(ノ´∀`)σ<すずねちゃまったら♪
455 すずね [2006/02/12(日) 15:01:18]
ホントやもん。+゜(つд・o)゜+。
人生いろいろよ!!ぇ
書き溜めするかぁ♪ァソ
456 我流 [2006/02/12(日) 16:25:14]
《聖児の華》
座り込み、泣いている澪。
顔を両手で覆っているが、押し殺している声でさえ俺には聞こえていた。
「澪…。」
声をかけたが、何を言っていいのかわからない。
澪は両手を放すと、涙を流したまま俺を見る。
その瞳には、俺にはわからないほどの悲しみを含んでいる。
それがわかると、俺は自分の無力さを痛感した。
夜だけ澪と一緒にいて、全てわかっている気でいた。
しかし、何も知らなかった。
明るい性格でいつも笑っていると勝手に思い込んでいた。
その笑顔の裏には、大きな悲しみがあることも知らずに。
457 まぃ [2006/02/12(日) 17:47:46]
悲しぃー+゚・。+。+゚・(ノД`)・゚+(何
そんな過去がぁったなんてっ。。
澪もつらかったんだね……
458 我流 [2006/02/12(日) 17:50:24]
まぃの涙が飛び散っています(笑)!
459 カイ [2006/02/12(日) 17:54:42]
澪ーっ(何
460 我流 [2006/02/12(日) 18:08:04]
カイーっ(ナニ?
461 我流 [2006/02/12(日) 20:09:25]
俺は、泣いている澪を見ていることしか出来なかった。
ただ、立ち尽くすだけ。
何していいのかわからない。
「……辛いよ…!」
澪がそうつぶやいたときだった。
俺の体が自然に動き、ベランダの柵を飛び越えていた。
澪の家の柵も飛び越え、澪の近くに立っていた。
澪は俺に気づくと、小さく「ごめんね。」と言う。
俺の胸を、何かが過ぎる。
俺は無意識の内に、澪を抱きしめていた。
「…聖児…!」
肩の辺りを強く握る澪。
微かに震えていることがわかる。
「澪…。」
気が利いたことは言えない。
自分が体験したわけではないから。
すぎたことを言えば、澪に怒られるに違いない。
「聖児…!辛いよ…!苦しいよ…!」
澪の気持ちが流れ込んでくるようだった。
不意に頬に暖かいモノが伝い、落ちていく。
こんな感覚初めてだった。
それは一粒ずつ落ちて行き、ベランダの床を濡らしていた。
「聖児…?アナタ…」
「澪、俺がいるから…俺が側にいるから…。」
澪の体を抱き寄せる。
俺は、澪の悲しみを取り除いてやりたかった。
しっかり抱きしめて、澪を感じたかった。
462 まなみ [2006/02/12(日) 20:22:33]
う〜澪ちゃん、聖児ク〜ン・・・。
なんか・・・やっぱりカンドーするぅ・・・。
463 我流 [2006/02/12(日) 20:24:00]
(´∀`)<まなみの言葉が嬉しいです♪
464 夏穂 [2006/02/12(日) 21:41:23]
どぉも〜夏穂です。
はじめまして。
我流さんうまいですね!!
澪ちゃんかわいいです。
465 我流 [2006/02/12(日) 23:43:52]
(人´∀`)<あら♪夏穂さん初めまして♪こんな長文よく読んで下さいましたね♪ありがとうございます♪
466 鶴 [2006/02/13(月) 11:58:53]
澪〜(泣
聖児、頑張って澪を支えてくれっ!!
恩師の小説は面白い(泣
467 我流 [2006/02/13(月) 12:21:12]
ヽ(゚∀゚ヽ)=3<鶴ちゃん発見♪食いついてみる(笑)♪
468 我流 [2006/02/13(月) 15:54:42]
「澪…ツーリングに行こう?」
「えっ…?」
「俺は…澪の笑顔が見たい…。」
俺は、俺の気持ちを伝えた。
いつも通りに。
澪を立ち上がらせると、涙を拭いてやる。
自分の出来ているであろう笑顔で澪を見つめた。
「笑ってる…つもり…?」
澪が涙を拭きながら微笑む。
俺がうなずくと、澪は俺の胸に頭を当てた。
俺はその頭を抱き寄せ、澪の髪をなでた。
「行こう…?ツーリング…。」
澪はそうつぶやくと、俺の胸の中で顔を上げる。
俺は澪を見つめ、うなずいた。
469 コロロ//仔爾 [2006/02/13(月) 16:00:16]
涼ちゃぁぁぁぁん
470 鶴 [2006/02/13(月) 16:09:25]
ツーリングの意味を親父に訊いたわ(ォイ
私もツーリング行こうかな(誰と
聖児、かっこいいよ♪
471 我流 [2006/02/13(月) 17:05:18]
鶴ちゃん(笑)。。
親父様に聞いたんだ(笑)
472 我流 [2006/02/13(月) 17:15:09]
お互いの家に戻ると、支度をする。
携帯電話が鳴ると、俺は家から出た。
「さっきぶり!」
澪は鼻の詰まった声で言う。
「さっきぶり。」
俺が返事を返すと、澪が少し笑う。
その少しの微笑みが、俺には嬉しかった。
「行こう。」
俺がバイクに跨がると、続いて澪が乗る。
澪が俺の腰に手を回したのを確認するとバイクを走らせた。
夜風が歌を歌う。
どこか悲しいようなそうでないような。
しかし、俺にはそんなことはどうでもいい。
澪がいれば。
しばらく走ると、あの公園が見えてきた。
駐車場にバイクを止めると、澪を見る。
澪はフルフェイスをはずすと、俺に笑いかけた。
俺がフルフェイスをはずすと、澪がバイクから降りる。
澪は一人駆け出すと、周りを見渡し出した。
「うわ〜っ!前まで桜の花がついてたのに!何にもないよ!葉っぱだけ!」
澪は、振り向くと木を指差して見せる。
「毛虫いるから気をつけて…。」
「えっ?!」
俺の戯言を信じたのか、焦ったように地面を見渡す澪。
その姿が愛しく、俺の気持ちを高ぶらせた。
「聖児!ここ!」
澪が指差す先には、二人で合コンをやったベンチがある。
澪は腰をかけると、あの日のように隣りに座るように促した。
「あのね!あのとき、聖児が私みたいな子がタイプって言ったよね?!」
「そうだっけ…?」
「言ったの〜っ!でね!そのときね!本当に嬉しかった!」
「……それは今でも同じだよ…。」
「聖児…。」
うつむく澪。
その横顔は赤く染まり、微笑んでいた。
俺が澪に出来ること。
それを見つけたような気がした。
473 まなみ [2006/02/13(月) 17:19:05]
きゃ〜!!なんか聖児クンかっこい〜!!
澪チャンも可愛い〜♪
474 我流 [2006/02/13(月) 18:04:09]
(´∀`)<まなみ〜♪毎回ありがとうね♪
475 我流 [2006/02/13(月) 20:31:40]
《昶の華》
俺は一人、駅の裏を歩いていた。
集団でたむろする不良共が俺を睨みつけている。
「おい、何か文句あんのか?コラ?」
一人の不良が立ち上がり、俺に詰め寄ってきた。
俺は何も言わず、そいつを殴り飛ばす。
地面の転がると、のびてしまった。
「何やってんだ!テメェ!」
次から次へと不良がやってくる。
不良共の攻撃は単純すぎる。
突進して来て、大きく振りかぶる。
その隙をついてボディやら顔を殴り込めば、それで終わりだ。
道路の横たわる不良達。
俺は無意識のうちに、気絶している奴の顔を原形がなくなるまで殴っていた。
「あっ…やっちまったな…。」
俺は我に返ると、一人ずつ財布を抜いていった。
駅裏から出ると、携帯電話が震え出す。
それを開くと、衣緒からの電話だった。
「はい…。」
今回だけは、衣緒からの電話も嬉しくなかった。
聖児と衣緒の関係。
それは、俺より深いことはわかっていた。
それでも、俺の中で認められず腹が立っていた。
476 まなみ [2006/02/13(月) 22:33:23]
昶クン・・・やっぱりやけくそ?になっちゃてるんだぁ・・・。
可哀想に・・・。
477 我流 [2006/02/13(月) 22:56:14]
(´∀`)<まなみ〜♪毎回ありがとうね♪
478 まなみ [2006/02/13(月) 23:11:43]
そんな・・・ありがとうなんか言わんでいいよ♪
だって、私我流の小説のファンだもん☆★
479 我流 [2006/02/13(月) 23:13:48]
「昶?!今暇かな?!」
また涙声。
俺に連絡取るときは大概泣いている。
俺は溜め息をつき、返事を返そうとした。
「っていうか…昶発見!」
「えっ?」
前を見ると、携帯電話を手に笑顔の衣緒がいた。
「衣緒…。」
衣緒を見ると、沈んでいた心が高ぶってくる。
衣緒は、ゆっくり俺に歩み寄ると微笑みかける。
その微笑みはやはりどこか元気がなく、俺を切なくさせた。
「こんばんは!」
「何言ってんだよ…今更…。」
今の衣緒は、どことなく昔の衣緒に見える。
悲しみを含んだ瞳に、それを隠そうとする笑顔。
俺の前で、そんな顔されても俺には何もしてやれることはない。
自然と顔が下を向く。
衣緒の力にも恋人にもなれない俺は、弱く無力なことを理解せざるえなかった。
481 まぃ [2006/02/13(月) 23:33:55]
昶……(何
ぁー、もぅなんで涼ゎこんなに小説上手なのッww(歯
みんなの気持ちが痛ぃくらぃゎかるょぅ。。(これ何回目ww
482 我流 [2006/02/13(月) 23:37:07]
(;゚Д゚)<まぃちゃ(笑)。。なんと言っていいのか嬉し恥ずかしです(笑)。
483 我流 [2006/02/14(火) 15:01:41]
「昶…?元気ないね?」
衣緒が俺の顔を覗き込む。
その顔を見て、小さく鼓動が打ち始める。
しかし、その唇はもう聖児に奪われてしまった。
俺はそれを思うだけで、空しくなった。
「昶〜…。元気出して?」
頭をなでられ、顔を上げる。
背伸びをし、必死で俺のことを慰めてくれている。
その姿を見て、俺の胸は苦しくなる。
届かない思いに、胸が詰まった。
「昶…?どうしちゃったの…?」
俺の頬を、涙が伝う。
切なくて苦しくてどうしようもない気持ち。
衣緒が一緒にいて、嬉しいはずなのに。
「昶…泣かないで…!」
衣緒に抱きしめられる。
衣緒も俺の胸の中で泣いている。
すると、不意に俺達の頭に水滴が落ちる。
ゆっくりと、しかし徐々に強くなり俺達を濡らした。
雨に立ち尽くす二人。
涙は雨と一緒に落ちていく。
俺は思った。
恋って何でこんなに辛いんだろうと―
484 鶴 [2006/02/14(火) 15:03:23]
泣くな、ジョー(誰
485 我流 [2006/02/14(火) 18:10:48]
鶴子(笑)♪
486 すずね [2006/02/14(火) 18:13:41]
ぅ.+(PД`q)+.切ないなぁ…
487 まなみ [2006/02/14(火) 18:32:36]
昶・・・衣緒ぉ〜〜・・・。
なんだかじ〜んってきまくり!だよ我流。
しっかし、我流って本当に文の作り方って言うのかなぁ?上手だよね!
特に!
『衣緒も俺の胸の中で泣いている。 すると、不意に俺達の頭に水滴が落ちる。 ゆっくりと、
しかし徐々に強くなり俺達を濡らした。 雨に立ち尽くす二人。 涙は雨と一緒に落ちていく。』
のところが!
なんか二人の感情を表してるみたいで私は好きだな!
488 我流 [2006/02/14(火) 19:05:39]
(*´⊇`)<ぶ、文章抜粋して褒められるなんて…(ハズカシイ。。
ありがとう、まなみ♪
489 鶴 [2006/02/14(火) 19:10:10]
訴えてやる(誰
490 我流 [2006/02/14(火) 19:22:10]
(;´⊇`)<ん?感想(笑)??→鶴
491 鶴 [2006/02/14(火) 19:24:10]
ラブラブだから(ォイ
後、鶴○って。
492 我流 [2006/02/14(火) 19:24:58]
「衣緒…これ…。」
「ありがとう!」
衣緒を連れて、俺の家に来ていた。
髪を拭く姿も俺には可愛らしく見える。
衣緒は髪を拭き終わると、溜め息をついた。
「私…誰からも必要とされないや…。」
衣緒の言葉が、小さな工場内を駆け巡る。
その言葉は、どこか重さがあった。
「何でそう思うの?」
衣緒の横顔に問いかける。
衣緒は大きく息を吸うと、大きく吐いた。
「だってさ…お母さんに…!捨てられるし…!聖児にも……!嫌われちゃった…!」
衣緒の瞳からは、外で降る雨のような涙が零れていた。
俺は衣緒の頭を抱き寄せ、胸に押し当てた。
「俺は…衣緒が必要だよ…?衣緒がいると安心する。」
「昶…!」
俺の胸の中で泣きじゃくる衣緒。
どんなにつらいだろう。
必要とされていないとわかったら。
こんなに泣いてばかりの女の子がいるのだろうか。
なぜこんなに、辛い思いをしなければいけないのだろうか。
衣緒を抱きしめる腕に力が入る。
しかし、衣緒も強く抱きしめ返してきた。
神様がいるとしたら、俺は不幸になってもいいから、どうか衣緒を幸せにしてあげてほしい。
衣緒を衣緒だけを愛して―
493 鶴 [2006/02/14(火) 19:27:35]
昶っ!!
なんて、純粋な気持ちっ!!
私は汚れていたんだー(どんな風に
494 まなみ [2006/02/14(火) 19:32:26]
昶って・・・良いヤツ!!
ほんとにほんとに良い人だよっ!
こんな人・・・実際にいるのかなぁ・・・。
495 那智 [2006/02/14(火) 19:32:47]
皆に感情移入してますヮラ
496 我流 [2006/02/14(火) 19:52:27]
鶴子(笑)。
まなちゃん、これフィクションだから(笑)。
ナッチ久しぶりんこ(笑)。
497 まぃ [2006/02/14(火) 20:27:13]
衣緒……(´_`。)(何
昶も切なぃゃつだな。。。(ノд・。)
498 春夏 [2006/02/14(火) 21:38:16]
読みました♪
衣緒ちゃん…自分の信念曲げちゃダメだよ。
って言いたいところですけどそんな厳しいことは言いません笑))
寄りかかれる存在があるならそこで軽く休んでいけばいいし、
女の子の特権フルに使ってしまえ笑))
でも、甘えすぎないようにしないとね…、うん。
499 我流 [2006/02/14(火) 22:02:38]
春ちゃんの感想聞くと確かに!ってことだ多々あるね。。
500 我流 [2006/02/14(火) 22:03:46]
まぃちゃ〜ん!毎度です♪
501 我流 [2006/02/14(火) 22:05:00]
(;゚Д゚)<やばいな…もう500ですか。。
更新頑張ろう。。
502 我流 [2006/02/14(火) 22:07:45]
《昶の華》
衣緒が眠ったのを確認する。
泣き疲れたのだろう。
眠る顔が心なしか、寂しげだった。
「衣緒…俺がいるよ…。」
衣緒が起きてたら言えない言葉。
俺は、衣緒に布団を被せると工場から出た。
レインコートを着ると、静かにバイクを走らせる。
雨で視界は悪かったが、沸いてくる怒りに任せスピードを上げた。
行き着く場所は、聖児の家。
駐車場に入って行くと、聖児のバイクがない。
俺はバイクから降りると、屋根の下に入った。
しばらくすると、マフラーの音がしてくる。
雨で乱反射するライトの光を隠すように手を翳す。
そこには、聖児ともう一人誰かいるようだった。
503 鶴 [2006/02/14(火) 22:08:53]
五百おめ♪です。
恩師
504 我流 [2006/02/14(火) 22:10:25]
「わ〜っ!すごい雨〜!」
「澪、大丈夫か?」
「うん!でも、早くお風呂入りた〜い。」
「早く温まってこい…。」
「わかった!お風呂から上がったらメールするね!」
どうやら、聖児と一緒にいたは澪だったらしい。
聖児は澪を見送ると踵を返す。
「昶…。」
驚きもせず俺を見る。
俺は聖児に歩み寄った。
「どこ行ってたんだ…?」
「あぁ…少しな。」
「衣緒を泣かせておいて自分は楽しんできたわけかい…。」
「とお…」
聖児が俺の名を言い終わる前に殴りつける。
聖児は二、三歩後ろに退くと、俺はもう一発加えようとした。
相手は聖児。
そう簡単に受けることなくかわされた。
しかし、かわされるのは予想済み。
俺はすばやく切り返し、聖児のボディに一発打ち込んだ。
雨の降る駐車場によろめく聖児。
上体が低くなったところをハイキックを入れる。
聖児の口から血が滲み出てくる。
それを見て、更に左フックを加えてやった。
聖児は無様に崩れ落ちる。
あのときよりはマシになったようだ。
一発も食らわすことの出来なかった聖児に地面に手をつかせたのだから。
505 我流 [2006/02/14(火) 22:12:05]
(´∀`)<鶴ちゃんサンキュー♪
エンディングまでの書き溜めしなきゃいけないからこれで失礼しますよ♪
506 春夏 [2006/02/14(火) 22:20:25]
「確かに!」ですか笑))何だか嬉しいです♪
あっ、500おめでとうございます♪
早いですね〜、もう500ですか!
これも涼ちゃんが頑張っているからこそですね。
書き溜めお疲れ様です♪
頑張ってください!
507 まなみ [2006/02/14(火) 22:45:09]
あらら〜?
喧嘩?喧嘩はよくないぞ〜
昶が怒る気持ちもわかるけどさぁ。
508 我流 [2006/02/15(水) 13:41:34]
「聖児…お前…何やったかわかってんのか…?」
「…何…?」
「お前は…衣緒を捨てたんだ…。」
聖児は、よろめきながら立ち上がるとうつむいて見せる。
しかし、その表情は無表情だった。
「俺では…衣緒を愛せない…。」
「何…?」
「衣緒の求める物を与えてやれない…。」
聖児は血の混じった唾は地面に吐くと、俺を見る。
俺は聖児に向かって走り、その勢いで殴り飛ばした。
倒れると、すぐ立ち上がり俺を睨みつける。
聖児の口角は切れ、血が流れている。
だが、衣緒の受けた悲しみに比べればまだ足りないぐらいだった。
「俺のしたことが…殴られて済むなら殴ってくれ…。」
聖児は両手を広げ、ノーガードをアピールする。
俺の中で、泣いている衣緒を思うと怒りがおさまらなかった。
俺は、再び助走をつけると殴ろうとした。
「やめて!」
聖児の頬にあたる寸前だった。
澪が左足を引きずりながら走ってくる。
そして、聖児の前に出ると大きく手を広げた。
「お願い…!これ以上…聖児イジメないで…!」
雨は強くなり、一粒一粒が大きかった。
澪の言葉もそのせいで、かすれがすれに聞こえる。
澪を睨みつける。
しかし、澪は憶することなく目を向けていた。
「メールしても返事がないからおかしいと思ったら!」
「澪…俺は殴られて当たり前のことをしたんだ…。」
制止する澪を押し退け、聖児は俺の前に出た。
「昶…殴れ…。」
聖児がそう言った瞬間、俺は思いきり殴りつけた。
衣緒の悲しみが伝わるように。
倒れる聖児に澪が寄り添う。
俺はそれを見ないように目を背け、バイクに跨がり走り出した。
509 コロロ//仔爾 [2006/02/15(水) 18:50:03]
涼ちゃぁん
最近ちゃんとコロロ十代スレに出没する`ぁんまり
涼チャンとぉ時間合ゎなくてしょっくぅ。
まぁ休みの日ゎ被るさぁ☆★
510 まなみ [2006/02/15(水) 18:52:29]
昶・・・優しいね・・・。
聖児もいいヤツ!
511 藍 [2006/02/15(水) 19:33:41]
500おめでとー♪
ごめ、まだ全部読みきってない;;
更新頑張れーw
512 まぃ [2006/02/15(水) 19:38:52]
D◎◎ォメっ♪♪
500ぃくとかすごぃょねww(何
ぅちなんてぃっても300だったww
昶もそこまでしなくてもー。。
513 我流 [2006/02/15(水) 19:54:04]
まなみ、藍、コロちゃん、まぃ♪皆ありがとう〜♪
コロちゃん、僕はいつも休日です(笑)。
514 我流 [2006/02/15(水) 20:13:47]
(衣緒…何でアイツなんだ…。何で…俺じゃないんだ…?)
雨が空しく降りつける。
この雨のように、衣緒の悲しみもつらさも流してやることが出来たら。
そう考えるだけで、切なくなった。
家代わりの工場が見えてくる。
そのシャッターの前で誰かが立っていた。
「衣緒!」
わずかな屋根の下で、衣緒が立っている。
「おかえり。」
笑う衣緒は、やはり寂しそうに見える。
「何してるんだ?」
「起きたら…昶がいなかったから…寂しくて…。」
うつむきながら、それでいて俺を元気づけるように微笑む衣緒。
雨の音もどこか寂しく、衣緒を彩る背景も色を失いかけていた。
「昶、風邪ひいちゃうよ?」
衣緒の一言一言が俺には優しく、雨で濡れた体を温める。
外見は変わっても、衣緒の優しさは変わっていない。
気づけば、俺は衣緒を抱き寄せていた。
515 まなみ [2006/02/15(水) 20:32:58]
やっぱ我流って文の作り方(?)
上手だわ〜
『雨が空しく降りつける。 この雨のように、衣緒の悲しみもつらさも流してやることが出来たら。そう考えるだけで、切なくなった。』
が特に良い!!
ってごめん。えらそうなことばっかり言ってるね(>_<)
516 我流 [2006/02/15(水) 20:37:57]
(*´⊇`)<まなちゃんがね〜、真剣に読んでくれてるのわかる♪
517 すずね [2006/02/15(水) 20:40:50]
んわぁ〜ん.+(PД`q)+.衣緒ゎ聖児を諦めちゃうの!?
昶の出番が増えたわぁww
518 我流 [2006/02/15(水) 20:44:40]
(´∀`)<すずねに喜んでもらっちゃったw
519 すずね [2006/02/15(水) 20:50:01]
昶を幸せにしてください(・∀・)ぇ
520 まなみ [2006/02/15(水) 21:09:03]
我流、まなちゃんって、私?
521 我流 [2006/02/15(水) 21:16:24]
(人´∀`)<そうです(笑)→まなみ
522 我流 [2006/02/15(水) 23:54:14]
《聖児の華》
無言で俺に手当をする澪。
眉間にシワを寄せ、瞳には涙を含んでいる。
俺には、澪にどういう思いがあるのかわからなかった。
「澪…悪かったな…折角風呂入ったのに…。」
「…いいよ…別に…。」
澪の声を聞くと、ふてくされたよう。
それでも、澪は黙ったまま手当を続けてくれる。
澪といるだけで、痛みが和らぐようだった。
「はい!治療終わり!」
澪はそういうと立ち上がり、俺に背を向ける。
澪の背中を見ると、心なしか震えている。
「澪…?」
「澪じゃない!何考えてるの!?下手したら死んでるよ?!」
澪は、振り向くと勢いよく俺に詰め寄る。
澪の目を見つめていると、澪の瞳から涙が零れ出した。
「心配したんだから…!聖児は平気でも…!私は怖かった!聖児も伸治みたいにって思うと怖くなるの!」
涙で訴える澪。
何で澪が俺に死んだ彼のことを話したかを考えると、俺は後悔した。
「ごめん…澪…。」
「ごめんで済まない!もう!聖児のバカ!」
涙が滝のように零れて落ちる。
澪はそれを一生懸命拭ってはいるが、顔は涙で濡れていた。
523 鶴 [2006/02/15(水) 23:57:42]
聖児っ、澪を泣かせるなー(勝手な言い分
524 我流 [2006/02/16(木) 00:02:05]
(´∀`)<鶴ちゃんの食い付きのよさに感動(笑)
525 鶴 [2006/02/16(木) 00:03:15]
澪の涙は恩師の涙(謎
526 我流 [2006/02/16(木) 00:04:01]
ェェ?!(゚Д゚)
527 鶴 [2006/02/16(木) 00:06:22]
否ね、作った物に作ってる人の気持ちが表れるって言うじゃん。
以上
528 我流 [2006/02/16(木) 00:10:03]
ナットクゥ(゚Д゚)
529 我流 [2006/02/16(木) 13:29:22]
「あ〜!何気に私スッピンじゃ〜ん!最悪だよ〜!」
俺は、澪が急に言い出したことに吹き出してしまった。
「笑うなぁ!」
両手で顔を隠し怒る澪。
笑ったり怒ったり泣いたり喜んだり。
澪の感情の四季に、俺は魅了されていた。
「澪…顔見せて…。」
「いや〜っ!スッピンだもん!しかも、泣いたから顔変になってるだろうし!」
俺は澪の手をとると、手をどけた。
鼻と目を真っ赤にし、涙が止まっていなかった。
俺が手で口を塞いで笑ったフリをして見せると、澪は怒ったようにそっぽを向いた。
俺が澪にタオルを渡す。
すると、澪はそれで鼻をかんでしまった。
「…おい…澪…。それ…涙拭くために渡したのに…。」
「えっ?!ごめん!鼻水ついちゃった!」
二人で顔を見合わせると、静かな空気が流れる。
そして、澪が笑い出すと同時に俺も声を出して笑ってしまった。
「ごめん…!わざとじゃないよ…!」
「わかってる…!わかってるけど…!チーンって!」
俺の家が笑いで溢れていた。
澪がいるだけで、今まで出来なかったことが出来るようになった。
笑うこと泣くこと。
今まで、怒ることしか出来なかった俺が少し変われた気がした。
530 我流 [2006/02/16(木) 16:12:42]
「はぁー…笑ったなぁー…。お腹痛い…。」
澪は、天井を少し見てすぐ俺に視線をやる。
目が合った瞬間、二人でまた笑い合った。
「聖児ー…笑えるようになったね。」
「あぁ…澪のおかげだ…。」
笑いが止まると、二人で壁にもたれ余韻を楽しんだ。
すると、不意に肩に何かが乗る。
その方向に目をやると、肩に澪の頭が乗っていた。
「聖児が殴られてるの見たときねー…私焦ったの…。」
「何で?」
「うん?何でってそれは…聖児が…その…何て言うかな…?へへっ!恥ずかしいから言わない!」
俺の中には、もう澪しかいない。
澪がいて、俺が成長できる。
そして、澪に似合う男になりたいと思った。
531 鶴 [2006/02/16(木) 16:16:03]
聖児の性格が前より良くなった!
澪=恩師に似合う男になってくれー。
澪が可愛いー♪
532 我流 [2006/02/16(木) 16:36:15]
?(゚Д゚)<なんか鶴ちゃん不思議っ子。
533 まぃ [2006/02/16(木) 17:51:27]
ぁーでも聖児と澪もぉ似合ぃだー。。(何
この際もぅ衣緒と昶でょくなぃー??(歯。。
更新ファイトッ
534 我流 [2006/02/16(木) 18:03:42]
(´⊇`)<まぃがまさかの投げやりです(笑)
535 すずね [2006/02/16(木) 18:52:06]
わきあいあいでなんかイィ感じね(*´ω`)
昶の活躍が見たいゎwwぇ
536 我流 [2006/02/16(木) 19:19:04]
(´⊇`)<すずねは昶派なんだ。。
537 春夏 [2006/02/16(木) 19:21:18]
心配しますよね、自分の好きな人がケンカで怪我したら。
怖くて仕方ないでしょうね、うん。
538 すずね [2006/02/16(木) 19:23:06]
昶派よ(*人∪`*)
衣緒と昶がくっつくのかなぁ??
539 我流 [2006/02/16(木) 19:36:40]
(人´∀`)<春〜ちゃん!すずねちゃま!
感想サンキュ!
540 我流 [2006/02/16(木) 19:41:39]
「聖児!しりとりしよう!しりとり!」
「しりとり?わかった、しりとり」
「りんご。」
「ゴリラ。」
しりとりなんて、他愛のないことだ。
やって小学生や中学生ぐらいまでだろう。
それでも、澪と一緒にいられるなら俺はなんでもしたかった。
「…アイス。」
「す?す…す…。」
黙り込む澪。
悩むところでもないのに止まっている。
俺が不思議に思い、澪を見ると澪も俺に目を向けた。
「す…好き…。」
「…えっ…?」
俺は、澪の言葉をしっかり聞き取れなかった。
澪を見ると、澪は微笑むばかりで何もわからなかった。
「もう!次!きだよ!」
「その前の…言葉は…?」
澪は恥ずかしいそうにうつむくと、顔を上げ俺を見つめる。
「好・き!だよ!」
「澪…。」
「聖児!次の言葉!」
澪はそう言うと、自分の唇を指差した。
そして、目を閉じる。
「…キス…。」
初めての恋。
重なる唇。
衣緒のときとは違う、胸の高鳴り。
ゆっくり唇を離すと、澪は恥ずかしそうに俺に笑いかけた。
「澪…好き…だよ…。」
「うん!私も!」
隣り合って座る。
すでに、殴られたことや怪我をしたことを忘れていた。
澪の存在が、俺を癒してくれた。
541 すずね [2006/02/16(木) 20:56:37]
キャー(*>ω<)
澪やるねぇ♪♪
LoveAしちゃってぇ〜
542 我流 [2006/02/16(木) 21:18:40]
('A')<すずねもLoveAしちゃいなよ(ハッ?
543 すずね [2006/02/16(木) 21:27:28]
相手いなぃわよ(´Д`)ァソ
544 まなみ [2006/02/16(木) 21:43:06]
きゃ〜っ!!
とうとうラブラブになりましたぁ!!嬉し〜!!
衣緒&昶もそうなるといいな!!
545 我流 [2006/02/16(木) 22:25:32]
(人´∀`)<まなみん♪(ナニ?
546 我流 [2006/02/16(木) 22:30:30]
《衣緒の華》
胸に穴が空いた感覚。
大切な何かをなくしてしまった。
ふと母を捜しに駅を彷徨ったときのことを思い出す。
暗くて、弱々しく吹く風も私には怖く感じたのを覚えている。
いつからだろう。
夜が怖く感じるようになったのは。
いつからだろう。
一人になるのが怖いと感じるようになったのは。
「ほら、衣緒。」
甘い香りが漂ってくる。
昶が作ってくれたカプチーノ。
ふわふわ浮かぶ泡が気持ちよさそうで、羨ましかった。
「何考えてるの?聖児のこと?それともお母さんのこと?」
昶の笑みはいつも明るく、三人でいるときは気づかないほどの優しさを持っている。
私を温かく包み込むような笑顔。
私には眩しすぎるぐらいだった。
「両方ともはずれ…。私ね…夜になると寂しくなるの…。今でも…電気を消して寝れない…。」
最近、溜め息ばかりついている。
癖になってしまったのかもしれない。
誰といても距離を感じる。
もっと、近くで寄り添ってほしかった。
もっと、私を求めてほしいんだ。
「俺が…いるよ…。」
「えっ?」
私の心を読んだかのような言葉。
昶は、顔に満面の笑みを浮かべている。
私は、その光を遮るように目をそらした。
「寂しいときは会いに来ていいから。もしくは呼んで?飛んで行く。」
昶の言葉が胸に染み渡り、体を温めていく。
誰かに言ってほしかった言葉だった。
547 我流 [2006/02/17(金) 08:02:51]
「そうだ、俺の好きな人の話聞く?」
「好きな…人?」
「うん!大好きでたまらない。いつも一緒にいたいと思うんだ。」
昶には、悩み事や愚痴をよく聞いてもらっていた。
だから、たまには昶の話も聞いてみたくなった。
「それで…?どんな人?」
「彼女はね、わざと声低くしてて赤い髪に下唇にはピアスなんかしちゃってて。まだ、十八歳なのに俺達に近づこうと背伸びしてるんだ。いつも泣きたいときには俺に会いに来て、涙だけを置いていっちゃう。こっちは笑顔が見たいのに。だから、彼女に言いたいんだ。背伸びなんかしなくていいよ、ありのままの君でって!」
私は、その子に聞き覚えがある。
外見は強く見せようとしてるけど、中身は弱虫の寂しがり屋。
大好きな人と一緒の目線でいたくて、頑張って背伸びをしている。
不意に、私の頭を昶が抱き寄せる。
昶を見ると、昶は優しく微笑んだ。
「背伸びしなくていいんだよ?ありのままで。」
一気の胸が熱くなり、涙が溢れ出てくる。
背伸びしても、二人には追いつけない。
わかっていたけど、意地を張っていた。
「衣緒…俺じゃダメかな…?聖児みたいに強くないけど…。」
昶に抱き寄せられると、体温を感じとれた。
その温かさが嬉しくて、私は昶を強く抱きしめていた。
548 我流 [2006/02/17(金) 17:36:20]
「嬉しいよ…昶…。でも…私ね…」
「何で?何で俺じゃダメなの?」
「ダメじゃないよ…?私…前に進みたいの…。だから…もう少し待って?」
昶は私の顔を見ると、小さくうなずいた。
私は昶に必要とされてるとわかり、嬉しかった。
しかし、前に進むには解決しなければならないことがある。
母のこと、聖児のこと。
この二つが終われば、私は前に進める気がした。
「昶…お願いがあるの…。お母さんに…会いたい…。」
私がそう言うのをわかっていたかのように微笑む昶。
見透かされてるのとは違う、心が繋がってるような感覚。
初めて、人が近くにいると感じられた。
「衣緒が俺を必要としてくれるなら、いくらでも協力するよ?」
私は、いつの間にか昶の手を握っていた。
大きくて、何もかも包み込んでくれそうな手。
私の悲しみも孤独も包み込んでくれるだろうか。
「衣緒?」
不意に名前を呼ばれ、昶を見る。
握る手とは逆の手で私の頬を優しく触れる。
「何…?」
「ただ、呼んだだけ…。」
気持ちがいい。
人に必要とされるってことは。
私は頬に触れている手も握り、昶を見つめた。
「ありがとう!昶!」
再び、昶に抱きしめられていた。
昶の広い背に手を回し、昶を感じた。
雨の音。
風の音。
木の葉がこすれる音。
私は今、全てに抱きしめてられている気がした。
549 我流 [2006/02/17(金) 21:41:39]
《澪の華》
夜が長く感じられる。
私達の夜明けまでは、まだ時間があった。
部屋に響くテレビの音。
私はそのテレビ番組を楽しんでいるわけではなく、二人きりという雰囲気を楽しんでいた。
私の中の闇に、小さく輝く星が光を照らす。
伸治のことを忘れようとしているわけではない。
伸治のためにも、幸せになろうと思い始めていたのだ。
時計の針が十二時で重なる。
私はそれに気づくと、少し寂しくなった。
昨日は今日という橋を渡っていく。
昨日は幸せだったのに、今日には不幸になっているかもしれない。
私がそう思うことで、光を照らしていた星が一つずつ消えていった。
550 まなみ [2006/02/17(金) 22:01:30]
お〜!!
なんかすごいことになってきたぁ!!
うれしいなぁ!これからどういうことになるのかな?
551 我流 [2006/02/17(金) 22:05:02]
(人´∀`)<まなみ〜ん♪寂しかったわい。
552 まなみ [2006/02/17(金) 22:12:53]
なんで寂しかったの?
553 我流 [2006/02/17(金) 22:22:15]
(´⊇`)<今日、小説板に人いなくて。。
554 まぃ [2006/02/17(金) 22:29:42]
澪と聖児がッww(何
ょかったA♪♪
衣緒と昶もぃぃ感じぢゃんww(歯
555 我流 [2006/02/17(金) 22:48:06]
(人´∀`)<まぃちゃん♪
556 まなみ [2006/02/17(金) 22:57:42]
>>553
私もね〜誰〜もいないとき私、書いてる意味あるのかなぁ。
って考えちゃうんだよね!やっぱり、寂しいよね!
わかるよ!そのキモチ!
557 我流 [2006/02/17(金) 23:18:33]
(´⊇`)<そうなのよね〜。。→まなみん
558 春夏 [2006/02/17(金) 23:34:30]
恋をすれば自ずと不安も生まれるんですよね〜。
なんとまぁ、都合の悪い笑))
ちゃんと読んでますよ♪
寂しかったら呼んで下さい!
スーパーマンのように駆けつけますから笑))
559 我流 [2006/02/18(土) 00:26:16]
(人´∀`)<春ちゃんありがとう♪
560 我流 [2006/02/18(土) 18:55:10]
聖児は、考え事をするかのように目を閉じている。
私は、もう一度光を照らし直そうと聖児の横に来た。
それに気づいたように聖児が目を開く。
覚えたばかりのぎこちない笑顔で私を見る。
私は聖児の肩に頭を乗せ、聖児の方を見た。
すると目が合い、お互い微笑み合う。
私の心に、再び星が光出してくれた。
目を静かに閉じる。
鼓動が小さく、しかし確実に高鳴っていた。
「聖児…。」
「うん?」
「今日も一緒にいて?」
「…澪がそれを望むなら…。」
笑顔は覚えたのに、言葉は相変わらず。
そんなところも、私の心をときめかせる。
一緒にいたい。
このまま。
しかし、気づけば眠ってしまい、朝が来ていた。
隣りを見ると、気持ちよさそうに眠る聖児。
私がしばらく見つめていると、聖児が目を覚ましてしまった。
「おはよう。」
「おはよう…。」
私が聖児に笑いかければ、聖児も返してくれる。
溜め息よりも笑顔を。
溜め息の多い聖児を、笑顔でいっぱいにしてあげたい。
私は聖児の、聖児は私の光で。
そういう関係になりたい。
私はそう思っていた。
561 すずね [2006/02/18(土) 19:09:20]
大人の恋だ…(*´ω`)
562 まなみ [2006/02/18(土) 19:48:33]
本当だ・・・
やっぱり、大人だからロマンティック〜!
563 鶴 [2006/02/18(土) 19:50:43]
求めるだけでなく、与えたいとか、お互いを想いあってる関係っていいですね。
564 我流 [2006/02/18(土) 20:01:25]
(人´∀`)<すずねもまなみも鶴も毎回ありがとうね♪
565 鶴 [2006/02/18(土) 20:13:39]
吃驚!!
私は恩師の小説が好きだから、こうやって感想を書くのも楽しいのさ♪
566 我流 [2006/02/18(土) 20:18:31]
(゚Д゚)<鶴ちゃんありがとう!!
567 我流 [2006/02/18(土) 21:13:35]
「朝食作るね!」
私が立ち上がろうとすると、聖児がそれを制止する。
驚き振り返ると、聖児は目をそらしてしまった。
私は、聖児の隣りに座り直し肩に頭を乗せる。
すると、聖児の頭が私の頭に当たる。
胸を温かい風が流れて行く。
それは、まるで時間を止めてくれるようだった。
「澪といると…離したくなくなる…ずっと…一緒にいたくなる…。」
「私もだよ?一緒にいたい…。」
昨日、開けっ放しにしていた窓から陽が零れる。
その陽も、私の心のように温かい。
私はいつの間にか、聖児の手を握っていた。
「ごめん…聖児!今日、仕事なんだ!ごめんね?!」
聖児は首を横に振ると、私の髪を優しくなでる。
「終わったら…メールしろ…迎えに行くから…。」
「ありがとう…。」
私は立ち上がると、聖児に手を振り部屋を出た。
568 我流 [2006/02/18(土) 23:35:29]
外から見える太陽は昨日降った雨を温め、蒸し暑くさせる。
私は太陽を少し見上げ、部屋に入ろうとした。
すると、黒い車が一台駐車場に止まった。
助手席から男性が出てくると後ろのドアを開ける。
すると、黒いスーツの男性が出て来て私の方に歩いて来ていた。
そして、私の前で立ち止まるとかけていたサングラスを外した。
「久しぶりです。澪さん。」
「あなたは…。」
オールバックに細い目。
その男性に私は見覚えがあった。
「覚えているでしょうか?私のこと?久野一(ひさの はじめ)です。」
「交際は…断ったはずです。」
久野は伸治の友達だったこともあり、一度三人で飲みに行ったぐらいだった。
しかし、久野は伸治と付き合ってることを知っているのか知らないのか私に言い寄ってきた。
私が断ると、そのときはひいたが久野はまだあきらめていなかったのだ。
久野は不気味に微笑み、私の回りを歩き出した。
「あのときは、残念でしたね。神崎さんが亡くなられて。」
私には感じ取れた。
久野は、残念だなんて思っていない。
表情からも言い方からも、まるで私にあの日のことを思い出させるようだった。
「何なんですか?急に来て。」
「そう怒らないで下さい。今日、なぜここに来たかというとですね。澪さんに交際を申込に来たのです。」
「その話はとっくにことわ…」
背中に寒気が走った。
久野の目が私を睨みつけ、その目から圧迫感が生じる。
異様な感覚。
唇が乾いて、膝が微かに震えて来ていた。
不意に、左足がついていたときの感覚を思い出す。
それが、何を示すのか私にはわからなかった。
569 鶴 [2006/02/18(土) 23:39:55]
澪ってモテモテじゃん♪
さすが、私の澪だね♪
570 我流 [2006/02/18(土) 23:58:20]
(゚Д゚)<鶴のだったのw?!
571 まなみ [2006/02/19(日) 09:50:24]
澪チャンピンチ!!
なんか私的に久野サンは好きじゃないなァ。
聖児クンはどうするのぉ???
572 我流 [2006/02/19(日) 12:29:45]
《聖児の華》
澪がいなくなって部屋は、色を塗ってもらえない絵のように味気ない。
ただ、澪がいたことがわかるのは少しだけ残る澪のぬくもりだった。
その感覚を呼び戻すように目を閉じる。
そうするだけで、澪を体が欲し始めていた。
「やめて下さい!!」
外から澪の声がする。
俺は素早く腰を上げると、家から飛び出した。
一気に太陽の光が俺を照らす。
俺はそれを手で遮ると、澪を捜した。
すると、澪が黒い車に乗せられかけている。
俺の体は自然に走り出していた。
澪を押し込もうとしている男を殴り飛ばすと、澪を抱き抱え車から離れた。
「聖児!」
「大丈夫か?」
「うん…!」
澪は、恐怖から体を震わせていた。
俺は、それを見ると怒りが体の中から沸き始めるのがわかった。
「おやおや…、澪さん…。あなたの頭は石より固いようだ…。」
開いているドアから、気取った喋り方をする男が出てくる。
俺はそれを見た瞬間、その男の胸ぐらを掴み車に押しつけた。
「お前は…!澪のなんだ…!」
男を掴む手に力が入る。
男は苦しむわけでもなく、俺の手を振りはらった。
「下衆が…気安く触るな…。」
男は、乱れたスーツを直すと澪のほうを向く。
俺は男の視界を遮り、睨みつけた。
「澪さん…アナタは寂しさのあまりこんな下衆に手をつけてしまったのですか…?」
男は俺を見ると、地面に唾を吐き捨てる。
俺の怒りは、最高潮まで達していた。
素早く男の懐に潜り込み、顔に一発入れようとした。
しかし、男はそれをあっさりかわし、澪に歩み寄っていた。
「私と来なさい、損はしませんよ。」
「嫌です!大体!損得でついていくいかないを決めるなんて馬鹿げてます!人は!欠点を補い合って生きていくものです!」
俺は攻撃をかわされたことも気にせず、二人の間に割って入った。
「澪の言う通りだ…。」
男は俺の顔を見ると舌打ちをし、不気味に唇を弧につり上げた。
「下衆君…澪さんのことを知らないアナタにいい事を教えて上げましょう…。」
「俺は!澪のことを知っている!」
男は俺の言う事を無視し、指を指すとその先には澪の左足がある。
俺はそれを見ると、すぐに男に視線を戻した。
「足がどうした?!」
「やはり…何も知らないみたいですね…。澪さんの左足は…」
「久野さん!」
男の言葉を遮る澪。
その目は、必死で何かを隠そうとしていた。
573 我流 [2006/02/19(日) 12:30:43]
(´⊇`)=3<こっからがグダグダなんだよね…。。
574 まなみ [2006/02/19(日) 12:32:13]
澪の言葉にじ〜んときた。
やっぱり大人!
聖児・・・。どうなっちゃうの?
久野って人!最悪かも・・・。
575 我流 [2006/02/19(日) 12:46:09]
+(PД`q)+<まなみん!話が思いつかないよう!
576 まなみ [2006/02/19(日) 12:48:01]
頑張れ!!
私には応援することしかできないよう!
577 我流 [2006/02/19(日) 12:57:02]
そして、澪は足早に自分の家の中に入って行ってしまった。
「…邪魔が入ってしまったことだし、私達も帰りましょう。」
男は車に近づき、車内に入ろうとした。
しかし、入る直前で立ち止まると踵を返し、俺を見た。
「いいことを教えて上げましょう。」
男は、そう言うと俺に歩み寄って来た。
そして、耳を貸すように指で促す。
俺は、まだ知らない澪を知りたくなり耳を貸してしまった。
「澪さんの彼…私が殺したんです…。」
男はそう言うと俺に笑いかけ、車に乗ってしまった。
俺は何を言われたか頭の中で整理をし、男を追おうとしたが男の車は既になかった。
俺は、その場から動けないでいた。
澪と男の関係。
左足のこと。
澪の彼の死亡理由。
俺は確かに澪と心が通じ合えていたはず。
しかし、俺は澪のことを本当に何も知らなかったのだ。
578 すずね [2006/02/19(日) 13:19:08]
ぐわぁ.+(PД`q)+.
なんだよぉ… 聖児と澪の間に割り込みして来ちゃってよぉ… 何
澪ゎ聖児に全部話すのかなぁ??
579 我流 [2006/02/19(日) 13:43:37]
+(PД`q)+<どうかなぁ!!→すずね
580 まなみ [2006/02/19(日) 13:45:05]
久野め・・・!
やっぱり、気にくわない!!
聖児・・・やっぱり、悩んでる?
581 我流 [2006/02/19(日) 13:59:20]
俺の心は、何かを失っていた。
俺が惚けていると、澪の家から凄まじい音がする。
俺は思考を止めると澪の家の前に行き、ドアを叩いた。
「澪?!どうした!?」
俺がドアを叩いても、反応がない。
インターフォンを鳴らしても返事がなかった。
「澪!?」
「来ないで!!」
中から聞いた事のないような荒れた声がする。
俺は耳を疑ったが、気を取り直し澪を落ち着かせるような言葉を探した。
「澪…どうしたんだ…?」
出来るだけ、澪を刺激しないように優しく言う。
しかし、いくら待っても返事がない。
俺は、澪が返事をするまでしばらく待つ事にした。
「私が…伸治を裏切ろうとしたからバチが当たったんだね…。」
澪の消えてしまいそうな声がする。
今すぐ澪の家に入り、抱きしめてやりたかった。
微かに聞こえるすすり泣く声も、俺の心を切なくさせた。
俺が何気なくドアノブに手をかけると、ドアノブは回り、ドアが開いてしまった。
582 まなみ [2006/02/19(日) 14:14:30]
え〜!!
開いちゃったの!!?
聖児、どうするつもりっ!?
583 我流 [2006/02/19(日) 15:23:38]
(`⊇´)<更新ペース上げなきゃ!
584 謌第オ [2006/02/19(日) 15:27:32]
縲頑セェ縺ョ闖ッ縲
縺。繧縺」縺ィ縺励◆谿オ蟾ョ縺ォ蟾ヲ雜ウ繧偵イ縺」縺九¢縺ヲ縺励∪縺縲∫セゥ雜ウ縺後ッ縺壹l縺ヲ縺励∪縺」縺溘
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585 まなみ [2006/02/19(日) 15:27:39]
がんば〜☆
586 我流 [2006/02/19(日) 15:27:56]
《澪の華》
ちょっとした段差に左足をひっかけてしまい、義足がはずれてしまった。
ベッドに下に潜り込んでしまい、手を伸ばしても取れなかった。
私はあきらめ、その場で座り込んで独り言をつぶやいていた。
「伸治…ごめんなさい…。」
私は、人を愛してはダメなのかもしれない。
これは、伸治をおいて幸せになろうとした罰なのだ。
私は心の中で懺悔し、伸治に謝り続けていた。
すると、ドアが開く音がする。
「澪?」
私を優しく呼ぶ声。
私はその声に焦り、這いずりながら身を隠そうとした。
「澪!」
振り返ると、そこには聖児がいる。
私の左足を見ると、驚いたような顔をしていた。
「ごめんね…私…左足が…ないの…。あの事故で…潰れた車体に挟まれて…。」
聖児の顔が、涙で歪んで見える。
左足を見られたショックより、聖児を騙していたつらさが大きかった。
私はうつむき、顔を合わせないようにしてしまった。
587 鶴 [2006/02/19(日) 15:28:01]
思いつかないんじゃなかったの?
588 我流 [2006/02/19(日) 15:29:08]
('A')<モジバだよ。まったく困ったもんだ。
589 まなみ [2006/02/19(日) 15:32:16]
なんか字が・・・太くない・・・?
590 我流 [2006/02/19(日) 15:32:32]
(人´∀`)<エンディングが思いつかないの♪→ちゅる
591 我流 [2006/02/19(日) 15:33:36]
(`⊇´)<モジバの後遺症です!→まなみん
592 鶴 [2006/02/19(日) 15:34:42]
恩師ときたら、文字バケだね。
エンディングか……。
593 まなみ [2006/02/19(日) 15:36:10]
あ、そーなんだ・・・。
594 我流 [2006/02/19(日) 15:36:36]
(´⊇`)<文字化けコスモですよ?僕は。
595 謌第オ [2006/02/19(日) 15:44:26]
縺吶k縺ィ縲∬*蜈舌′驛ィ螻九ョ荳ュ繧呈シ√j蜃コ縺励◆縲
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閨門舌ョ螢ー繧定◇縺上→縲∫スェ謔ェ諢溘〒閭ク縺檎李縺縲
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縺昴≧諤昴≧縺ィ縲∵第「縺励※縺縺滓カ吶′蜃コ縺ヲ縺阪※縺励∪縺」縺溘
596 我流 [2006/02/19(日) 15:44:51]
すると、聖児が部屋の中を漁り出した。
何かを探すように、床や家具の下を覗き込む。
「聖児…?」
「…義足は?」
「えっ…?」
「義足はどこだ?!」
聖児が私に怒鳴ったのは初めてだった。
しかし、私の胸の中に悲しみとは違う熱さが沸き上がる。
必死に探し回る聖児の姿を見ると、優しさを感じられずにはいられなかった。
聖児がベッドの下の覗くと、必死に手を伸ばしている。
やはりとどかないのか、今度はベッドを動かそうとする。
しかし、私のベッドは動かないように固定してあるため一人では動かせない。
聖児は回りを見ると長い棒を入れ、探り出す。
そして、義足を取ると私に駆け寄って来てくれた。
「澪!足を出せ!」
私が膝から下のない左足を出すと、聖児は顔をしかめた。
そして、私の左足に義足をはめると優しく私を抱きしめてくれる。
そのまま私を抱き上げると、ベッドの上に下ろしてくれた。
しばらく、私達は黙り込んでいた。
私は聖児を騙していたことをどう説明していいのか悩み、聖児は何から聞いていいのかわからないようだった。
「聖児…ごめんなさい…。私…聖児を騙してた…。健常者のフリ…してた…。」
私は聖児の顔を真っ直ぐ見られなかった。
聖児がどんな顔をしてるのか、想像しただけで辛かった。
「…それより…何で言ってくれなかった…?義足だってことを…。」
聖児の声を聞くと、罪悪感で胸が痛い。
黙っていればわからないとか思っていた自分がいた。
しかし、そのせいで聖児を傷つけてしまった。
そう思うと、我慢していた涙が出てきてしまった。
597 我流 [2006/02/19(日) 15:45:46]
(´⊇`)<モジバ入りました♪
598 まなみ [2006/02/19(日) 15:51:28]
うぅっ!
澪ちゃぁん・・・。
泣ける・・・!
599 我流 [2006/02/19(日) 15:52:41]
+(PД`q)+<ありがとう!まなみん(泣)!
600 我流 [2006/02/19(日) 15:56:14]
(`⊇´)<600いってまったがね!
601 まなみ [2006/02/19(日) 16:00:40]
おっめーでとっ☆
これからもがんばー!!
602 我流 [2006/02/19(日) 16:02:04]
(((;゚Д゚)))<まだ二部の後半入ったとこなのに。。
603 鶴 [2006/02/19(日) 16:02:26]
六百、いったー♪
おめでとー♪
母さん、頑張ってね♪
604 我流 [2006/02/19(日) 16:13:30]
「ごめんなさい…!私…!聖児に知られたくなかったの…!聖児が知ったら特別扱いされそうで!障害者扱いされそうで!恐かったの…!ごめんなさい…!」
最近の私の中の小さな幸せ。
それが、聖児といることだった。
聖児が私を見てくれるようになって、笑えるようになって。
一緒にいて、心が和んだ。
唯一、私の闇を照らしてくれる光が聖児だったのに、私は聖児を騙していたのだ。
許されぬ過ち。
いくら謝っても許してはくれないだろう。
そう思うと、悲しかった。
自分が悪いのに。
「澪…。」
私の考えを裏切り、聖児は私を優しく抱きしめる。
聖児の体温が私の中に染み渡る。
私は無我夢中で聖児を抱きしめていた―
605 まぃ [2006/02/19(日) 16:25:34]
E◎◎ォメっ♪♪
ぅちがこなぃ間に文字化けが2つもww
文字化けコスモの次ゎ…??ww(何
澪と聖児…ぉ似合ぃすぎるww(歯
何なんだッ、ぁの男…
でもこれで、もっと2人の絆が深まった気がする♪♪
更新頑張れ☆★
606 我流 [2006/02/19(日) 16:27:40]
(人´∀`)<まぃちゃんありがとう♪
607 我流 [2006/02/19(日) 16:49:03]
結局、私は仕事を休んでしまった。
電話をしている間待って聖児の背中を見ていると心を癒される。
でも、私は決めた。
もう人を愛さないと。
「聖児…聞いて?」
聖児の背中に話しかけると、聖児は私を見ずに小さくうなずいた。
「もう…聖児の家に行かない。」
聖児は、驚いたように振り向く。
私はそんな聖児を見つめ、続けて話した。
「私…こんな体だから…聖児と付き合っても聖児が疲れちゃうだけだし…。何よりね…私といると聖児は幸せになれないと思うの…。」
聖児は目を閉じると、私に背中を向ける。
まるで、遊園地に行けなかった子供みたいに。
「聖児?聞いて?」
私の言葉に、聖児は反応しない。
私はあきらめ、そのまま話を続けようとした。
「勝手に決めるな…。」
「えっ…?」
「お前が義足だからなんだ?俺が苦労する?何でそんなことがわかる。」
聖児は立ち上がり、振り返る。
そして、私に歩み寄ると肩を掴んだ。
「俺は…澪と一緒にいたい…。」
「だけど…!」
「澪が嫌でも…俺はお前といる…!」
ごめんね。
伸治。
私、この人が好き。
ずっと、この人と一緒にいたいんだ。
これから先、ずっと。
アナタを愛したように、聖児を愛したい――
608 すずね [2006/02/19(日) 16:59:50]
.+(PД`q)+.ぅ。澪ー!!何
聖児とハッピーエンドになっちゃえよぉ!!
609 我流 [2006/02/19(日) 17:01:11]
+(PД`q)+<すずねちゃまもハッピーかい?!
610 まなみ [2006/02/19(日) 17:20:00]
すっごぉ〜い!
感動&喜び!!
だよ!
611 すずね [2006/02/19(日) 17:22:34]
ハッピーじゃありませぬ(´Д`)ぁ
昶のハッピーエンドわ…??
612 春夏 [2006/02/19(日) 17:28:47]
読みました!
澪ちゃん謝らなくてもいいと思うよ。あっ、個人的意見です笑))
そんなに心狭い人とは思えないからな〜、伸治くん。
決意なんて目の前に幸せが転がってきたら
簡単に壊れちゃうものだったりするんですよね。あっ、否定的笑))
これからも頑張ってください♪
613 我流 [2006/02/19(日) 18:39:09]
(´⊇`)<春ちゃんは恋に悲観的ですなw
614 謌第オ [2006/02/19(日) 18:48:58]
縲願。」邱偵ョ闖ッ縲
鬮ェ繧呈據縺ュ縲√ざ繝縺ァ縺ィ繧√k縲
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荳謚輔↓縺九¢繧区凾髢薙ッ謨ー遘偵
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縲後d繧シ√&縺吶′陦」邱抵シ∬ヲ倶コ具シ√
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縲後o縺九▲縺溪ヲ縲ゅ
譏カ縺ョ螳カ縺ッ縲∫ァ驕斐ョ菫ョ陦悟エ縺縺」縺溘
荳ュ蟄ヲ逕溘ョ縺ィ縺阪ッ縲驕翫ウ蝣エ縺縺」縺溘ョ縺縺瑚*蜈舌↓繝繝シ繝繧呈蕗縺郁セシ縺セ繧後◆縲
閻募鴨縺後↑縺縺ェ繧画橿陦薙〒陬懊∴縺ィ縲∬*蜈舌↓繧医¥險繧上l縺溘
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遘√ッ縲√%縺ョ諠縺代↑縺邨先棡縺ォ貅懊a諱ッ繧偵▽縺縺ヲ縺励∪縺」縺溘
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遘√ッ豈阪↓莨壹>縺ォ陦後¥縲
莨壹>縺ォ陦後▲縺ヲ縲∫ァ√r謐ィ縺ヲ縺溽炊逕ア繧定◇縺阪◆縺縲
縺昴ョ縺溘a縺ォ縺ッ縲髫懷ョウ迚ゥ繧堤洒縺譎る俣縺ァ蛟偵@縺ヲ縺縺九↑縺縺ィ縺縺代↑縺縺ョ縺縲
縲後♀豈阪&繧薙↓莨壹>縺ォ陦後¥繧薙□繧搾シ溘
譏カ縺ョ螢ー縺ァ蠢繧貞・ョ縺襍キ縺薙@縲∫ァ√ッ繝槭ロ繧ュ繝ウ繧定ヲ狗峩縺励◆縲
縲後b縺荳蠎ヲシ√
縲鯉シッシォシ√§繧縺シ√∪縺夐昴r髮繧√h縺縺具シシ√
縲後≠縺」窶ヲ縲√◎縺」縺具シ√
遘√→譏カ縺ッ縲∵・ス縺励∩縺ェ縺後i迚ケ險薙@縺ヲ縺縺溘
辟ヲ繧峨↑縺縺薙→縺ォ縺励◆縺ョ縺縲
豈阪ョ縺薙→繧り*蜈舌ョ縺薙→繧ゅ
615 春夏 [2006/02/19(日) 18:50:10]
きゃー!笑))文字化け笑))
616 我流 [2006/02/19(日) 18:50:56]
《衣緒の華》
髪を束ね、ゴムでとめる。
そして、四方八方にあるダーツの的の位置を確認する。
精神を集中すると、昶に目で合図をした。
「よし、スタート!」
昶の声を皮切りに、的に向かって投げていく。
一投にかける時間は数秒。
一瞬で複数の敵を倒すための技術だ。
「やめ!さすが衣緒!見事!」
ダーツの針は、全ての的の中心に刺さっていた。
「こんなの朝飯前だけど…何か意味あるの?」
昶は私に笑いかけると、今度はマネキンを数体持って来ていた。
「今度はこの人形の膝を狙うんだ。もちろん、出来るだけ早く正確に。」
「わかった…。」
昶の家は、私達の修行場だった。
中学生のときは、遊び場だったのだが聖児にダーツを教え込まれた。
腕力がないなら技術で補えと、聖児によく言われた。
一人のことが多かった私に、聖児が身を守る術を教えくれたのだ。
「衣緒!また考え事か?」
昶の声で思考を止めるとマネキンを睨みつけた。
そして、昶のスタートの声でダーツを投げる。
しかし、的と違い、マネキンの格好の違いで調子を狂わされてしまった。
「ストップ!衣緒!集中しろ!」
「…ごめん…。」
ダーツの針はマネキンの膝ではなく、脛や太股に刺さっていた。
私は、この情けない結果に溜め息をついてしまった。
「相手は複数かつ防具をつけてる可能性がある。確実にやるなら顔か関節。頭や顔は殺してしまう可能性があるから狙えない。だから、防具をつけにくい膝や肘を狙うしかないんだ。」
私は母に会いに行く。
会いに行って、私を捨てた理由を聞きたい。
そのためには、障害物を短い時間で倒していかないといけないのだ。
「お母さんに会いに行くんだろ?」
昶の声で心を奮い起こし、私はマネキンを見直した。
「もう一度!」
「OK!じゃぁ!まず針を集めようか!!」
「あっ…、そっか!」
私と昶は、楽しみながら特訓していた。
焦らないことにしたのだ。
母のことも聖児のことも。
617 我流 [2006/02/19(日) 18:51:37]
(´⊇`)<3度目。。
618 まなみ [2006/02/19(日) 18:55:23]
お〜!!
昶&衣緒もいい感じに!
衣緒・・・お母さんに、会えるといいね。
619 謌第オ [2006/02/19(日) 18:56:25]
(ツエ竓ス)シ懊%縺」縺九i縺後げ繝繧ー繝縺ェ繧薙□繧医ュ縲ゅ(セ擾セ?
620 我流 [2006/02/19(日) 18:56:46]
(´⊇`)<こっからがグダグダなんだよね。。(マタ?
621 我流 [2006/02/19(日) 18:57:39]
(´⊇`)<今日…文字化けフェスティバルやな…。。
622 那智 [2006/02/19(日) 19:03:42]
文字化けか……(何)
衣緒かっけぇ♪ダーツ武器っていいな〜。
623 すずね [2006/02/19(日) 19:10:52]
衣緒って強がりなのよね(*´ω`)何
お母様に無事会って欲しいわぁ…
ダーツの武器ってなかなかカッコイイ(*人∪`*)
624 我流 [2006/02/19(日) 19:19:43]
(人´∀`)<ナッチにすずね♪
625 藍 [2006/02/19(日) 19:45:23]
600おでめとー♪ 【日本語と違
今読もうと思ったら、何処まで読んだか分かんなくて
400から読み出したんだよね。何
文字化け率、日々高くなってきたかぃ?何
更新がばれー♪
626 我流 [2006/02/19(日) 19:50:51]
(´⊇`)<藍ちゃ、今日は高いよw
627 我流 [2006/02/19(日) 20:42:22]
私は建設現場の手伝いがあるため、その日の特訓は昼頃で切り上げた。
バイクの乗りながら鼻歌を歌う。
しかし、現場に近づくにつれて聖児のことを思い出してしまった。
現場に着いたとき、気持ちはひどく重かった。
出来れば聖児がいないでほしい、そう思わずにはいられなかった。
すると、棟梁が私に気づき、手招きをする。
私は重い気持ちのまま、棟梁に頭を下げた。
「衣緒ちゃ〜ん!よく来たね〜!」
「衣緒ちゃん!聖児とじゃなくて俺と結婚しない?!」
上の方向から、明るい声が飛び回る。
私は皆に返事は返さず、愛想笑いをしていた。
「お前ら!口説いてる暇あったら手を動かしやがれ!」
「うぃ〜す。」
現場の人達は見ているだけで面白い。
しかし、一人だけ私の気持ちを滅入らせる。
それは、聖児だった。
聖児は私がいることを気づいているはずなのに、こっちを見ようともしない。
私はその態度といい、前の言い草といい腹が立ってきていた。
「棟梁!私にも何か作らせてくれませんか?!」
私の一言で、作業の音が止む。
上からも視線が降り注いでいるのがわかるぐらいだった。
「お前ら!何してんだ!」
棟梁の一言で、再び作業の音が戻ってきた。
「そうだな〜…。いっちょ、簡単なテーブルでも作って見るか?」
「はいっ!」
今の私には、母に会うことしか頭にない。
大工仕事で、少しでも腕力を強くしたかったのだ。
628 まなみ [2006/02/19(日) 20:51:18]
がんばれ!衣緒チャン!
私は応援する!
もち、我流も頑張って!!
629 我流 [2006/02/19(日) 23:05:43]
棟梁に促され、現場から少し離れた場所に移動した。
「まずは、木が切れないとダメだ!この紙を見ながら、長さと大きさを合わせて作るんだぞ!」
「わかりました!」
棟梁は嬉しそうに笑うと、私に鉛筆と定規を渡した。
紙には、小さな机の作り方が書いてあった。
私は、それを見ながら板に線を引いていった。
630 謌第オ [2006/02/19(日) 23:06:59]
(||ツエ竓ス)シ懈峩譁ー驥上☆縺上↑縲ゅ
631 我流 [2006/02/19(日) 23:07:34]
(||´⊇`)<更新量すくな。。
632 鶴 [2006/02/19(日) 23:08:00]
文字バケ、ファイトー(謎
633 我流 [2006/02/20(月) 12:04:36]
《昶の華》
衣緒が仕事に行った後、俺は一人衣緒の母がいる建物に張り込みをしていた。
二階建てのビル。
とても大きいとは言えなかったが、前入ったときの設備を考えると裏があるような気がした。
フルフェイスで顔を隠し、地図を見るフリをしながら様子を伺う。
すると、黒いスーツの男を先頭に派手に着飾った女性と制服姿の少女が一人。
俺は目を細め、その奇妙な列を確認した。
派手に着飾った女性は、恐らく衣緒の母のはず。
しかし、制服姿の少女が誰なのかわからなかった。
少女と女性は、別々の車に乗り込んで行く。
俺はそれを見ると、バイクのマフラーを吹き、つける用意をした。
「衣緒のためだ〜。役に立たなきゃね!」
黒い車が二台道路に出るのを見ると、俺も少し間を置いて道路に出た。
しかし、よく考えると二台共同じ車種に同じ色。
俺には、どちらが衣緒の母が乗る車かわからなくなってしまっていた。
(うわ〜…。どっちよ?これ?)
車の横に付けるわけにも行かず、俺は悩んでいた。
すると、一台は右折、もう一台は左折してしまった。
(なんてこったい!)
俺は瞬時に車線を乗換え、左折してみた。
しばらく車の後を追っていると、大きな公園が見えてくる。
そこに車が止まってしまい、俺は慌てて車を追い抜いた。
すぐ曲がったところでバイクを止め、様子を伺う。
すると、後ろのドアが開くと制服の少女が出てきてしまった。
(ノォ!衣緒ママじゃな〜いっ!やっちまった!)
俺は、頭を抱え溜め息をついた。
しかし、今から衣緒の母を追うのは無理だとはわかっていたので、そのまま少女の様子を見ていた。
634 我流 [2006/02/20(月) 15:24:21]
少女は車の運転手に頭を下げると、公園内に入っていく。
俺は不自然じゃないようにまた地図を開き、車が通り過ぎるのを見送った。
そして、バイクを公園に止め、フルフェイスをはずしてから少女の後をつけて行く。
木に隠れながら、ベンチに座りながら様子を伺っていた。
すると、少女に向かって走ってくる男がいた。
その男は、後ろから少女の口を塞ぐと抵抗されながらも俺が入った出入り口とは違う出入り口で、公園から出て行ってしまった。
(何?この状況…?)
俺はそう思ったが急いで引き返し、バイクに跨がると走り始めた。
すると、ワンボックスカーが走り出すのが見える。
俺はスピードを上げ、後を追った。
635 すずね [2006/02/20(月) 17:11:47]
.+(PД`q)+.昶ー!!
衣緒のために一生懸命てカッコイイよぉ!!何
636 我流 [2006/02/20(月) 17:18:04]
+(PД`q)+<ありがとう!すずね!
637 すずね [2006/02/20(月) 17:20:57]
(・∀・)どもA♪♪
濁点抜けてた…ワラ
一生懸命で、だった(*ノω`)
うちも更新するかな♪♪
638 我流 [2006/02/20(月) 17:30:10]
次第に人通りの少ない道に入って行く。
そして、煤けた建物の前に来るとワンボックスカーは止まった。
俺はバレないように身を隠し、様子を伺った。
男が一人運転席から下りてくると、後部のドアを開ける。
そこから、手と口を塞がれた少女が必死に抵抗しながら出てきた。
その瞬間、俺達はバイクのマフラーを吹かし、その男達の前に出て行った。
「なんだ?!お前は?!」
男が声を怒らし俺に言う。
俺は、バイクから降りると首を傾げて見せた。
「ふざけやがって!さっさとうせろ!おい、先に入ってろ!」
男が仲間の男に少女を連れて行くように言う。
俺は素早く仲間の男の前に行くと、人差し指を立て左右に振った。
「行かせないよ〜。」
「いつの間に!」
仲間の男は、腰からナイフを取り出すと少女の首に突きつけてしまった。
(やばいなぁ〜…。)
俺はそう思いながら、男を見ていた。
すると、さっきまで俺に怒鳴りつけていた男も駆け寄ってくる。
ますます悪くなる状況に、俺は悩んでしまった。
639 我流 [2006/02/20(月) 18:43:13]
「う〜ん…。」
俺は、二人の前で悩んで見せる。
すると、男達に一瞬だが隙が出来るのがわかった。
俺は素早くナイフを蹴り落とすと男の顔面を殴り、気絶させた。
そして、少女の手首を握り抱き寄せる。
「大丈夫?」
少女は涙を流しながらうなずく。
それを確認すると、もう一人の男に目をやった。
「くそがっ!」
男は、ナイフをめちゃくちゃに振り回す。
俺は、少女を抱き寄せながら避けてみせる。
「この野郎!馬鹿にしやがって!」
男は怒り狂い、突進してきた。
まさに俺の狙い通りの動き。
俺はそれをかわすと男の腹に蹴りを入れると、男は地面に崩れ落ちた。
「ふ〜…、危なかった…。」
俺は、わざとフルフェイスを被ったまま頭を拭ってみせる。
そして、少女のほうを見ると少女は呆気にとられているだけだった。
(はいはいはい!スベりましたよ!)
少女の視線が冷たく感じ、俺はなんだか悲しくなった。
「あの…!ありがとうございます…!」
少女に視線を戻すと、少女は涙を拭き笑ってみせる。
俺はその笑顔を見た瞬間、妙な違和感を覚えた。
(誰かに…似てる?)
少女をよく見れば見るほど奇妙に感じる。
それが何なのか、俺にはわからなかった。
「とりあえず…ここから離れようか。」
俺が少女に言うと、少女は浅くうなずいた。
そして、俺は少女を引き連れながらバイクの前まで行った。
荷物を入れるところからもう一つフルフェイスを出すと、それを少女に渡した。
そして、俺がバイクに跨がると少女に後ろに乗るように促す。
少女は不安気な顔をしながらも、フルフェイスを被り後ろに乗った。
640 すずね [2006/02/20(月) 19:02:34]
女の子の正体わ一体なんなのかしら??(*´ω`)
641 我流 [2006/02/20(月) 19:06:11]
(´⊇`)<次の更新でわかりますわ。
642 我流 [2006/02/20(月) 21:57:05]
《昶の華》
俺は少女を後ろに乗せ、喫茶店に入ることにした。
落ち着かせる意味と、話を聞く意味で。
バイクを駐車場に止め、バイクから降りる。
少女もフルフェイスをはずすと、バイクから降りた。
「メットはそこに置いといてくれればいいから。」
俺が少女に言うと少女は浅くうなずき、フルフェイスをバイクに置いた。
俺がフルフェイスをはずすと、少女は食い入るように俺を見つめる。
「どうしたの?何かついてる?」
「いえ!…何でもありません…。」
少女は、俺から目をそらすとうつむいてしまった。
俺は、少女の目線まで屈むと笑いかけてみた。
少女は驚いたように目を見開くと、今度は背を向けてしまった。
(どないやねん…。)
俺には少女をどうしていいのかわからず、とりあえず少女の肩を叩いてこっちを見させた。
「俺、怪しい奴じゃないから!…って言っても無理だよな〜!まぁ!とりあえず落ち着くまで寄っていこう?」
俺が少女に言うと、少女は浅くうなずいた。
643 すずね [2006/02/20(月) 22:05:06]
女の子から見たら、怪しいおじさんよね(・∀・)ぁ
644 鶴 [2006/02/20(月) 22:07:08]
すずねぇの言葉に爆笑!!
年下から見たら少しでも、その差は大きいかもね。
645 まなみ [2006/02/20(月) 22:10:02]
誰だーっ!!
この女の子は!!?
646 我流 [2006/02/20(月) 22:30:59]
(人´∀`)<まなみんにすずねにちゅる♪
647 我流 [2006/02/20(月) 23:12:24]
喫茶店に入り、向かい合うように座れるようにとテーブルを選んだ。
そして、俺が座り少女は向かい合うように座る。はずだったが、少女は何故か俺の隣りに座ってしまった。
(…おかしいだろ?)
俺は、少女の行動に戸惑ってしまった。
「あのさ…喫茶店とか来たことない…?」
少女の横顔に話しかけると、少女は少し俺を見てうなずいた。
(ボンボンかよーっ!)
少し羨ましくなったが思い直し、隣りに座る少女を眺めていた。
「あの…!何か?!」
物静かだった少女が、声を大きくして言う。
俺は少し驚いたが、一つ咳をつき少女を見直した。
「うん、本来ね。君はあっちに座るものなんだよね。」
少女は、俺が指さす方に視線をやると俺に視線を戻す。
そして、見る見るうちに顔が赤くなってきているのがわかった。
「ごめんなさい…!知らなくて!」
少女は立ち上がると、焦るように向かいの椅子に腰をかけた。
恥ずかしいそうにうつむく少女。
俺はその初々しさに、顔が綻んでしまった。
「君、名前は?」
うつむく少女に聞くと、少女は俺を見てまたうつむいてしまった。
「葛城…真由(かつらぎ まゆ)です…。」
俺はその苗字を聞いたとき、どこかで聞いたことがある気がしたが全く思い出せなかった。
「俺は昶。呼び捨てでいいからね!ところで、あの男達はなんだったわけ?」
真由は困ったような顔をすると、首を横に振った。
「わかりません…。ただ…父の会社は大きいので…。」
「なるほど…。」
大きい会社。
そこには金の動きが大きく関わっている。
そして、今回真由をさらった奴等もその金が目当てだったのかもしれない。
真由を見ると、そんな危険にさらされていることを気の毒に感じた。
648 すずね [2006/02/20(月) 23:16:28]
真由ちゃんカワイィ(*´ω`)
謎がうごめいているわ… 何
649 鶴 [2006/02/20(月) 23:17:49]
ボンボンかよーっ!(パクリ
か、葛城?
650 まなみ [2006/02/20(月) 23:18:38]
真由ちゃん、可哀想・・・
651 我流 [2006/02/20(月) 23:27:08]
(人´∀`)<この三姉妹は食い付きがいいから好きだわ♪
652 まなみ [2006/02/20(月) 23:42:19]
三姉妹〜〜?
食いつきって、私何かに食いついてる〜???
653 鶴 [2006/02/20(月) 23:43:35]
誰が、長女で次女で三女?
654 我流 [2006/02/20(月) 23:45:59]
(人´∀`)~♪<一番上がまなみ♪一番下がすずね♪間に挟まれ鶴子♪鶴子♪
『愛華』三姉妹♪
655 すずね [2006/02/21(火) 05:02:30]
確かにww
うち一番上がイィぷ(・ε・)何
656 我流 [2006/02/21(火) 13:05:25]
(そろそろ…衣緒のママについて聞くか…。)
そう思ったが、とりあえず少女の緊張をほぐしてやることにした。
「真由、何か食べたい物あるか?」
俺はメニューを広げると、真由の前に差し出した。
真由は俺の顔を少し見て、すぐメニューに視線を移した。
「私…お腹は一杯なので…。飲み物を…。」
「うん!好きなのにしていいから!」
「じゃぁ…これで…。」
真由の指差す先には、チューハイの文字。
(…天然…か?)
俺が視線を真由に戻すと、真由は首を傾げている。
俺は真由の人差し指をつまむと、ジュースの欄に指を置いた。
「さっきのはお酒だから…この中から選んでくれる?」
「これお酒なんですか?!すいません!知りませんでした!」
真由は頬を赤く染めながら、飲み物を選んでいる。
そのちょっとした仕草も、誰かに似ている気がした。
「じゃぁ!これで!」
真由は満足気な顔をして指を差している。
それを見ると、俺は唖然としてしまった。
「おしるこ?!」
「ダメ…ですか…?」
「いや…いいけど…。」
俺はウエイトレスを呼ぶと、おしるこを頼む。
それを聞いたウエイトレスに、俺が変な目で見られてしまった。
657 すずね [2006/02/21(火) 14:42:35]
真由ちゃんめっちゃ天然だぁ(*人∪`*)カワイィ♪♪
658 鶴 [2006/02/21(火) 14:46:55]
昶がおしるこを頼んでるとこが容易に想像できる♪
659 我流 [2006/02/21(火) 14:48:48]
(人´∀`)<鶴ちゃん、すずね♪ありがとう♪
660 我流 [2006/02/21(火) 16:03:31]
「…ところで…真由のお母さんの名前は何て言うの?」
俺は神妙な雰囲気にならないように、砕けた態度で聞いてみた。
「お母様は、葛城忍(かつらぎ しのぶ)って言います。」
「旧名は…わかるかな?」
「旧名…ですか…。確か…八坂だった気がします…。」
そこで、注文していたおしるこが来て真由は嬉しそうにそれを飲み始める。
俺はその間、頭を整理することにした。
確かに衣緒の母はあそこにいる。
しかし、よく考えるとおかしなことに気づいた。
真由の存在だ。
衣緒が母に捨てられた日にちと、真由の年齢が合わないということだ。
真由の制服から見ると、恐らく高校生ぐらい。
衣緒の母が、衣緒を捨てた後産んだ子ならば高校生にまではなっていないはず。
そう考えると、俺の頭の中では整理しきれなくなってしまった。
661 鶴 [2006/02/21(火) 16:05:08]
洗面器に小豆粒ね(失礼
662 我流 [2006/02/21(火) 16:06:46]
('A')?→鶴
663 すずね [2006/02/21(火) 16:07:44]
昶が刑事みたぃだ(*´ω`)
664 鶴 [2006/02/21(火) 16:07:55]
らっかせいとも言うね。
665 我流 [2006/02/21(火) 16:09:06]
(´⊇`)<昶はそんな頭よくないわけで…w→すずね
666 すずね [2006/02/21(火) 16:10:19]
うちの頭の中ではそぅなのよ(*人∪`*)ァソ>我流
667 我流 [2006/02/21(火) 16:14:22]
《聖児の華》
日が暮れ始め、釘を打つ音もどこか疲れてきていた。
「疲れたなぁ…聖児ぃ…。」
先輩の大工師が、溜め息をついてみせる。
俺は適当に相槌を打つと、釘を打つことに専念した。
「おい!お前ら!今日はこれぐらいにすっぞ!」
下から棟梁の掛け声が聞こえる。
それと同時に返事をし、全員で下へ下りた。
円になり、反省と次にやることの説明。
それが終わると、後は帰るだけだった。
俺は帰る準備を済ませると、バイクの前まで来た。
しかし、忘れ物をしているような感覚を覚え、引き返すことにした。
すると、終わったはずの現場から釘を打つ音がする。
俺は、その音のするほうへ足を運んだ。
そこには、衣緒がどかたの格好をして何かを作っている。
俺は自分が衣緒にしたことを考えると、この場にいてはいけない気がした。
そして、衣緒に気づかれないように帰ろうとしたときだった。
「いったいーっ!クソッ!」
振り向いて見ると、衣緒が人差し指を抑えている。
金槌で打ってしまったのか、その瞳には涙が浮かんでいた。
衣緒は俺に気づくと、あからさまに嫌そうな顔をしてみせる。
俺は、衣緒に何も言わずその場を立ち去ろうとした。
「ファーストキスもあげたし、告白もしたのになーっ。反応があれじゃぁね…。」
衣緒の声がしたが、俺は振り返らなかった。
すると、背中に何かが当たる。
「あー、タオルが飛んでっちゃった!誰か取ってくれないかなぁ?」
俺が足下に転がるタオルを手に取ると、手を叩く音がする。
俺がその方向を見ると、不機嫌そうな衣緒の顔が視界に入ってきてしまった。
「持って来て?」
衣緒は、両手を広げながら俺を待っている。
俺は仕方なく衣緒の近くまで行くと、タオルを衣緒に渡した。
668 すずね [2006/02/21(火) 16:55:44]
衣緒ー!!.+(PД`q)+.
聖児に気付いてもらぃたいのよねぇ!!何
ぅ。+゜(つд・o)゜+。
669 鶴 [2006/02/21(火) 16:58:39]
この後の衣緒の行動はっ?!
670 まぃ [2006/02/21(火) 17:11:40]
ぇ、ぃつの間に真由なんて子がッ…(何
これからの展開が気になるッww
671 我流 [2006/02/21(火) 22:14:20]
(´⊇`)<すんまそ。。澪描いてました。。
672 我流 [2006/02/21(火) 22:50:14]
そして、そのまま帰ろうとすると手首を握られてしまった。
「どこ行くの?」
「…帰る…。」
「あぁ?乙女の心を傷つけたのは誰かなぁ?」
衣緒の言葉が心にのしかかる。
「…許してあげようか…?」
衣緒のほうを見ると、衣緒は真剣な目で俺を見つめる。
いつにも増して、俺に訴えかけるようだった。
「もちろん!交換条件だよ?そうだな〜、一日私とデート!どう?」
衣緒の表情は、断れないことをわかっているのか笑みを含んでいる。
しかし、悪いのは悪魔で俺だとわかっていた。
「わかった…。」
衣緒は嬉しそうに微笑むと、立ち上がり大きく背伸びをした。
「二十四時間だからね?離れたりしたら許さないから。」
衣緒はそう言うと、回りに散らかるゴミを片付け始めた。
「今日はいいよ?先帰ってて?」
そう言うと、物置に道具を入れに行ってしまった。
673 鶴 [2006/02/22(水) 00:09:33]
きゃーーー(煩
気になる。
澪は?澪は?
674 我流 [2006/02/22(水) 00:45:30]
(||´⊇`)<澪Loveだな…マブでw
675 鶴 [2006/02/22(水) 00:47:21]
ありゃ、これ以上言ったら誤解されるわ。
676 我流 [2006/02/22(水) 08:53:23]
俺はバイクまで戻ると煙草に火をつける。
すると、白い煙が夕暮れに空に舞い上がった。
しばらくすると、煙は姿を消してしまう。
その代わり、衣緒の姿が俺には見えていた。
「待ってたの?」
「いや…これを吸ってた…。」
「私にも頂戴?」
俺が煙草の箱を出すのを見ると、衣緒は素早く俺の口にあった煙草を取り上げた。
そして、俺に微笑みかけるとそれを口にした。
衣緒が煙を吐き出すと、煙はさっきみたいに上に昇ってすぐ消えてしまった。
「私の気持ちは…そう簡単に消えないから…。」
衣緒はそう言うと煙草を地面に捨て、足で踏んで火を消した。
不意に虫達の鳴き声が響き渡る。
それと同時に、暖かい風が二人をなでた。
「もう…夏だね…。」
衣緒が独り言のように呟く。
「あぁ…そうだな…。」
衣緒と顔を合わせると微笑み合い、そして、俺達は各自の帰路に着いた。
677 我流 [2006/02/22(水) 13:58:26]
《衣緒の華》
自宅の駐車場に入り、携帯電話を何気なく見ると昶からメールが来ていた。
「話したいことがある?」
昶のメールにはそれだけしか書いていない。
落ち合う場所とか話の内容すらも書いていないだけに、私にはどうすることも出来なかった。
とりあえずメールを返し、アパートの階段を上って行く。
すると、どこかから着信音が響き始めた。
消えかけたライトの下に、人影が見える。
私は目をこらして、よく見てみた。
片手で何かを操作しているようだ。
すると、今度は私の携帯電話が鳴り出した。
それに人影は気づき、下ろしていた腰を上げる。
そして、私に歩み寄って来た。
「…昶…?」
「衣緒!待ってたぜ!」
人影にライトが当たると、それは昶だった。
しかし、私は特に驚かなかったが言いたいことがあった。
「…何で私の家知ってるの…?」
私が昶に聞くと、昶は不自然なぐらい瞬きをして見せる。
何故かそれを見ていると、私は次第に腹が立ってきてしまった。
「おい、昶。聞いてんのか?」
「うん?僕は衣緒のことなら全て知ってるよ?」
笑顔の昶。
私は溜め息をつくと、昶の横を抜け、自宅のドアの前まで来た。
しかし、私の後ろを昶は我が物顔でついてくる。
私はドアノブを背に、昶を睨みつけた。
「まさか…入るつもり…?」
「つもりも何も」
「ボケがっ!」
私は昶の横顔を殴りつけると、そのまま家に入った。
678 我流 [2006/02/22(水) 16:14:54]
ドアに鍵を閉めると同時に、ドアを叩く音がする。
私はそのまま無視してしまおうと考えた。
「衣緒〜、お母さんについてわかったんだよ〜。」
ドア越しに昶が言った言葉に、私は考え直した。
ドアの前まで行き、チェーンをかける。
そして、鍵を開けるとドアを開いた。
それと同時に昶の笑顔が現れる。
さっき殴った箇所が赤くなっていたが、私は見て見ぬフリをした。
「何がわかったの?」
私が聞くと、昶がチェーンを指さした。
「入れて?」
「無理、そこで話せ。」
「そんな理不尽な〜!」
情けない声を出す昶をみかね、私は仕方なしにチェーンを外した。
すると、昶は勢いよくドアを開けるとすぐドアを閉め、鍵をかけた。
「お邪魔しまっす!」
昶はそう言うと勝手に玄関に靴を脱ぎ捨て、堂々と人の家に上がり込んだ。
そして、おもむろに回りを見渡すと箪笥に手をかけた。
私はそれを見た瞬間、昶に飛び蹴りを食らわせていた。
昶は勢いよく吹っ飛び、頭を窓に当て床にのたうち回る。
「警察呼ぶぞ、コラ?」
「ごめん!わざとじゃない!」
「人の箪笥漁ろうとしてよく言えたね?」
「えへっ。」
舌を出し、ふざけて見せる昶。
私は、その顔に鉄拳をお見舞いしてやった。
679 我流 [2006/02/22(水) 16:16:24]
+(PД`q)+<ごめんなさい!
読者の皆様!更新急がないと三月前に終われないの!
680 すずね [2006/02/22(水) 18:06:29]
(・∀・)衣緒の家に侵入かwぇ
ファイツ(*´ω`)b我流
681 我流 [2006/02/22(水) 19:02:56]
(`⊇´)<すずねちゃま!頑張る!
682 藍 [2006/02/22(水) 19:25:28]
こんちわーv何
澪ー…? 義足って事聖児知らなかったン!? ゥチ今読んで
やっと分かったンだけど…(滝汗;;
もうすぐ700ですのコト?!何
更新頑張ってねーw
683 まぃ [2006/02/22(水) 19:43:21]
ぃつもの衣緒に戻った♪♪ww(何
…聖児も大変だな。。w
更新頑張れッ☆★
684 我流 [2006/02/22(水) 20:23:24]
(人´∀`)<藍ちゃんにまぃちゃんありがとう♪僕も頑張るわ♪
685 我流 [2006/02/22(水) 21:43:19]
(*´∀`)<『愛の華』のキャラ『澪』をすずね様と那智様に描いて頂きました!
その画像は『学生写メBBS板』に載ってますので見てみてください!
686 我流 [2006/02/22(水) 22:17:23]
「…で?何がわかったの?」
私が昶に優しく言うと、昶は何かを私に差し出した。
昶と誰かが写るプリクラが数枚。
私はすかさず昶の顔面に鉄拳を食らわせた。
再びのたうち回る昶。
私は昶の胸ぐらを掴むと、ドアを指さした。
「用がないなら帰れ。」
「いやいや!そのプリクラに写ってる子!かわい…じゃなくて誰だと思う?!」
私はプリクラを手に取ると、そこに写る少女を見て昶を見直した。
「ナンパしたの?」
私が昶に微笑みかけると、昶は勢いよく顔を横に振った。
「衣緒!落ち着け!この子は衣緒の母さんのいた建物から出て来たんだ!」
「えっ?!」
しばらく静かな空気が流れる。
二人は目を合わせると、昶がうなずいた。
「アンタ…誘拐したの…?」
「そうそう!あまりの可愛さに…。ってなんでやねんっ!違〜う!誘拐されそうになったところを助けて、話を聞いたんだ!」
次第に昶の顔が真剣になるのが見て取れる。
私と昶は座り直すと、昶の話を真剣に聞いた。
687 春夏 [2006/02/22(水) 22:20:43]
少しここに来れないと何だか取り残されちゃいますね苦笑>>
春は昶くんみたいな真っ直ぐな人に惹かれますね、うん笑))
しかも女の子助けちゃうなんて…ど真ん中ストレートですよ笑))
あと、真由ちゃん。
「飲み物を…」でおしるこ……笑))なんて可愛い子なのかしら♪
688 まなみ [2006/02/22(水) 22:22:21]
どうなるの!!?
楽しみ!更新ファイト!
689 我流 [2006/02/22(水) 22:24:15]
(*´∀`)<春〜♪まなみ〜♪かなりハイな我流です♪
更新がんぼるぜ!
690 春夏 [2006/02/22(水) 22:24:48]
なんでやねん…久しぶりに聞いた(見た)かも笑))
そのあとの「違〜う!」が何だかかわいい♪
ガーちゃま頑張りますね、偉いな〜。
無理はしないで下さいよ!
691 我流 [2006/02/22(水) 22:30:44]
(´∀`)<頑張りますよ〜!読んでくれる方々がいる限り!
無理はしないように頑張りますw
692 すずね [2006/02/23(木) 08:34:56]
真由ちゃんは一体何者かしら(*´`)
衣緒と姉妹だったらイィなぁ♪♪ォイ
693 我流 [2006/02/23(木) 12:50:23]
「やっぱり…お母さんだ…。」
「だろ?!でも!気になることがあるんだ!だから、明日この子に会ってみないか?!」
昶の口調に力が入る。
私はそれに押され、うなずくしかなかった。
「でも…そんな簡単に会えるの?」
「あぁ!携帯のアドレスと番号聞いたんだ!」
昶は自慢そうな顔で私を見る。
私は昶を見つめると、鉄拳を食らわせた。
「ちゃっかり携番とアドレス聞いてんじゃねぇ!!」
「ごめんっ!」
三度のたうち回る昶。
しかし、私は感謝していた。
私のためによくしてくれる昶。
まるで、二人三脚しているよう。
昶といると、寂しさなんか感じなかった。
694 すずね [2006/02/23(木) 14:04:17]
(*´`)やるねぇ!!昶!!
(人∪`*)衣緒が素直になってるわぁ♪
695 我流 [2006/02/23(木) 14:15:05]
《澪の華》
ソファの上、私はある音が聞こえてくるのを待っていた。
鼓動はまだかまだかとダダをこねている。
すると、待ちわびたバイクの音が私の耳に入ってきた。
私は急いで玄関まで行き、靴を履く。
勢いよく家から出ると、バイクのライトが近づいて来るのがわかる。
それが消えると、フルフェイスをかぶったままバイクから降りた。
私は、早く顔を見たくて仕方なかった。
早く早くと気持ちが高ぶる。
そして、フルフェイスを取った瞬間、私の鼓動はしっかりと動き出した。
「お帰りなさい!」
「わざわざ、出迎えてくれなくても…。」
聖児の顔。
出来るだけ近くで見たい。
その頬に手を当てたい。
心から沸き上がる欲望に、私は必死で闘っていた。
「いいじゃん!私、聖児の顔見たかったし!」
聖児が照れ隠しに頭をかく。
そんな仕草が可愛くて、愛しくて。
出来れば、いつでも毎日、いや毎秒まで一緒にいたい。
ずっと側にいて、その仕草を見ていたかった。
696 我流 [2006/02/23(木) 14:31:35]
(*´∀`)<すずねちゃ〜ま♪
697 我流 [2006/02/23(木) 16:47:58]
「今日の晩ご飯ね!焼き魚と味噌汁に和え物だけど、食べれる?」
聖児は私を見ると小さく微笑み、うなずいた。
体の中心から、マグマより熱い熱が体中へとかき巡る。
今すぐ、聖児を感じたかった。
「じゃ、じゃぁ!持って行くね!」
私は自分の感情を抑えるため、家に入ろうとした。
しかし、手を握られ、私は振り返えってしまった。
聖児の顔を見るだけで、頭がおかしくなりそうになるぐらい胸が高鳴る。
私は恥ずかしくなり、聖児から目をそらした。
「今日は、俺が澪の家に行く…。」
「えっ?!何で?!」
聖児は私を見ると、少しうつむく。
その視線の先には、左足があるような気がした。
私はもしその予感が合っていたら怒ってやろうと、私は聖児の返事を待った。
「澪の側に…いたいから…。」
聖児の言葉は数少ないけれど、私の心はひどく揺さぶられた。
顔が熱を帯び、赤潮するのがわかる。
二人はしばらく黙り込み、お互いの目を見れないでいた。
698 鶴 [2006/02/23(木) 16:50:06]
熱いねぇ。
こっちが赤面しちゃうわ♪
699 すずね [2006/02/23(木) 16:52:53]
(人∪`*)熱いお二人サンね!
新婚生活同然だわw
700 まぃ [2006/02/23(木) 16:57:27]
澪と聖児ラブラブッww(何
衣緒のぉ母さんのコトも気になる…ww
ぁ、澪の絵がぁるーww 上手だな…(何
更新ファイト♪♪
701 まぃ [2006/02/23(木) 16:58:26]
ぁ、F◎◎とっちゃった…
ごめんなさぃ。。。(何
F◎◎ォメっ♪♪
702 鶴 [2006/02/23(木) 16:59:15]
七百、おめっ♪
703 すずね [2006/02/23(木) 17:03:47]
(*´艸`)おめ☆
更新ペース早いね!スレ終わりそ…
704 我流 [2006/02/23(木) 19:15:50]
(人´∀`)<まぃ〜!すずね〜!鶴〜!ありがとうね♪
705 我流 [2006/02/23(木) 19:20:54]
「嬉しい…よ?!早く…ご飯にしよっか?!」
胸の高鳴りを抑え切れず、言葉が詰まる。
聖児が浅くうなずくのを確認すると、私は自分の家のドアを開けた。
「どうぞ…。」
「お邪魔します…。」
初めて家に入れるわけじゃないのに、緊張で喉が渇く。
聖児をテーブルまで案内すると、料理を運んだ。
向かい合って座る。
「いただきます。」
「いただきます…!」
箸を握る手が、緊張で震えている。
恋をすることは、こんなに大変だったのかと痛感する。
しかし、体は正直ですぐ聖児に目が行ってしまう。
聖児は私の視線に気づかないのか、黙々と食べている。
私は胸に手を当て、自分を落ち着かせた。
震える手でゆっくり料理を摘んだ。
「澪。」
「はいっ!」
私の返事に、聖児は目を丸くする。
私は、いつもの自分でいられなくなるのが身に染みてわかっていた。
「今日は…何してた…?」
「えっ…?」
聖児は、覚え立ての笑顔で私を見る。
それを見た瞬間、緊張がほぐれ、鼓動を少し治まった。
706 我流 [2006/02/23(木) 20:16:24]
「今日はね、あの後掃除とか洗濯してたよ。そしたらね〜、黄金虫さんがいたから黄金虫さんと会話したの!私、小金より大金が欲しいよって!」
「それで…?黄金虫は何て言ったんだ…?」
聖児は微笑んだまま、私の下らない話を聞いてくれる。
私はそのまま下らない話を続けたが、聖児は楽しそうに聞いてくれた。
夕食を食べ終え、皿を洗った。
エプロンで手を拭き、リビングに目をやる。
すると、聖児と目が合い、微笑み合った。
私はエプロンをはずし、聖児の隣りに座った。
そして、肩に頭を乗せ、目を閉じる。
私の鼓動が、一つの歌を奏でる。
それが恋しくて、私は聞きいっていた。
「澪?」
「うん?」
「…なんでもない…。」
「そっか…。」
私にはわかってしまった。
他愛のない会話や何でもない仕草。
日常的に過ぎる時間達が、何よりの一番幸せだということを。
これから先もこうでありたいと私は思った。
707 すずね [2006/02/23(木) 21:26:02]
黄金虫さん…(人∪`*)
澪可愛い♪♪
708 まなみ [2006/02/23(木) 22:00:34]
700オメ☆★
遅くなっちゃってごめんよぉ・・・。
やっぱり澪チャン可愛いなりぃ!!
709 鶴 [2006/02/23(木) 22:10:13]
澪の考えが可愛い♪
何だか、気になる存在も居るし。
これから先がドキどきだね。
710 我流 [2006/02/23(木) 22:19:44]
(人´∀`)<すずね♪まなみ♪鶴ちゃ♪
毎回感想あざ〜すw
711 我流 [2006/02/23(木) 22:29:48]
《澪の華》
日差しが強くなってきて、毎朝カーテンを開けるのが楽しみになった。
ベットの上から車椅子に降りて、義足を履く。
最近では、左足が痛むことはなかった。
パジャマから仕事着に着替え、エプロンをしてキッチンに立つ。
野菜を切る音も軽快で、私の気分を盛り上げてくれる。
出来上がった料理を皿に盛る。
二人分ある皿を見ると、更に気分がよくなった。
お盆に乗せ、玄関まで行くと靴に履き替える。
外へ出ると、元気のいい日差しを手で隠し見上げた。
そして、インターフォンを鳴らすと聖児が顔を出す。
眠気眼の聖児。
私がそれを見て微笑むと、聖児もつられて微笑む。
私の朝は、こうやって始まるようになったのだ。
「おはよう!聖児!」
「あぁ…、悪いな…毎日…。」
聖児は背伸びをすると、ドアを大きく開け、私を中へ導いてくれる。
私の部屋とどこか違う香り。
私はお盆をテーブルに置き、そのまま座らず聖児に歩み寄った。
私が聖児を見ると、聖児は恥ずかしそうな顔をする。
私は聖児に抱きつくと、聖児の匂いを嗅いだ。
「澪…?」
「やっぱり!聖児の匂いがする!」
「…当たり前だろ…?」
「違うの!部屋の匂い!」
聖児の胸から顔を見上げると、聖児は私を見ながら眉間にシワを寄せる。
この顔をしたときは、困った顔だと私にはわかっていた。
「…臭いか…?」
「うぅん!何かね!柔らかい感じ!聖児の匂い嗅ぐとね…安心するの。」
少しの間、二人で抱きしめ合っていた。
聖児の鼓動は規則正しく響き、私を包み込むかのよう。
このまま世界が終わっても、私はそれでいいと思うぐらいだった。
712 すずね [2006/02/23(木) 23:06:22]
いつまでも二人はLoveAしちゃうんですかね(*´`)何
713 まなみ [2006/02/23(木) 23:26:46]
き、近所の人とかみてたらどぉすんのぉぉ!!
ラブラブはいいんだけどね♪
714 我流 [2006/02/23(木) 23:29:00]
(人´∀`)<イチャるのもここまでよ!!(ナニ?
715 我流 [2006/02/23(木) 23:36:58]
「聖児、今日は何時に帰ってくる?」
テーブルの料理をつつきながら聖児に話しかける。
聖児は、口にある物を飲み込むと腕を組みうなり出した。
「わからない…。でも、どうしてだ?」
「デートしたいの。だから、今日は早目に帰って来てほしいな…。」
聖児は目を丸くすると、すぐ微笑んだ。
「いいよ、今日は早く帰るようにする。」
「じゃぁ!どこか食べに行こう?!私の料理ばっかじゃ飽きるだろうし!」
「そんなことないけどな…。」
聖児は皿を叩き、私に皿の方に視線を向けさせる。
洗ったように何もなくなった皿。
聖児に視線を戻すと、聖児はうなずいてみせる。
胸が暖かくなっていく。
私は嬉しくて、しばらく皿を眺めていた。
716 我流 [2006/02/23(木) 23:37:53]
(´人`)<今日はここまでにします(ゴメンナサイ
717 我流 [2006/02/24(金) 08:21:35]
食事が終わると、二人で皿を洗っていた。
ちょっとした世間話をしながらだったが、私には居心地がよかった。
皿を重ね、時計を見る。
すると、いつの間にやら出勤時間に近づいていた。
「あっ!そろそろそろ行かなきゃ!聖児!仕事終わったら連絡してね!」
私が皿を持とうとすると、聖児がそれを制止する。
不意に重なる手。
私の心は、小さく高鳴り出した。
「聖児…?」
聖児の両腕に阻まれ身動きが取れない。
聖児の目を見つめると、吸い込まれてしまいそうだった。
「仕事先まで送る。」
「えっ?悪いよ。」
「いいから。」
聖児の腕が、私の体を包み込む。
厚い胸板。
優しい香り。
私は聖児の背中に手を回し、目を閉じた。
眠りに入るような気持ちよさ。
聖児も私が思っているように思っているのか気になった。
「聖児…私…。」
「うん?どうした?」
「うぅん…何でもない…。」
聖児を強く抱きしめる。
仕事の間、聖児と触れていられないから。
でも、恋しくなりすぎないように私は聖児から離れた。
「朝から聖児に夢中だよ〜…。仕事に行きたくなくなるじゃん…。」
私が聖児を見つめると、聖児は私の髪を優しくなでる。
そのまま頬を触れると同時に、私は目を閉じた。
少し間を置いて唇が重なる。
柔らかい、それでいて優しい。
唇が離れていくのが寂しかったが、それは仕方がなかった。
私と聖児は、恥ずかしさからかなかなか視線を合わせられない。
雰囲気がぎこちなくなったが、悪い雰囲気ではなかった。
「そろそろ…行こうか…?」
聖児の言葉に鼓動が早くなる。
私は時計に目をやるフリをして、聖児を見ないでうなずいた。
聖児の後をついて外に出る。
私は太陽を手で隠し、空を見上げた。
空に太陽があるように、私の中に聖児がいる。
互いがいないと成り立たない関係。
そういう関係に、私はなりたい。
太陽と空に負けないように。
718 我流 [2006/02/24(金) 12:49:25]
《昶の華》
新聞配達の仕事を終えて、工場のシャッターを上げる。
夏はいいが、冬は補強が必要なぐらい寒いこの工場。
しかし、俺にとっては住み慣れたものだった。
「衣緒の奴…殴り過ぎだろ…。」
衣緒に殴られた箇所を撫でつつ、俺は冷蔵庫の中を覗いた。
見事に何もなく、それがわかると腹の虫が鳴き出した。
「腹…すいたな…。」
冷蔵庫のドアを閉め、半開きになったシャッターをくぐると再び外へ出た。
シャッターを全て下ろし、念のために鍵をかける。
衣緒と真由に会うまで時間がかなりある。
俺はバイクに跨がり、朝食を買いに出かけた。
最近は朝なのに暑い。
フルフェイスも心なしか汗ばんでくる。
しかし、バイクが切る風のおかげで快適な温度にはなっていた。
目に入った店の駐車場に入り、バイクを止める。
フルフェイスを取り、周りを見るとやはりまだ早いのか客が少なかった。
俺は、鼻歌を歌いながら店に入る。
手作り料理が出来るわけでもないので、惣菜売り場に直行。
栄養とか考えるほど頭がよくないわけで、自分の好きな物を籠に入れた。
そして、飲み物も籠に入れ、レジに並ぶことにした。
719 我流 [2006/02/24(金) 17:01:30]
「いらっしゃいませ〜。」
どこかで聞いたことのあるような声。
店員に目を向けると、驚いてしまった。
「あっ!アンタ!」
「あ〜っ!聖児をイジメた奴!」
その店員は、何と澪だった。
(うわぁ…微妙…。)
俺はすぐ目をそらし、顔を見ないようにした。
バーコードを読み取る機械の音だけが耳に入る。
(早く終われ〜!)
いつもはすぐ終わるはずの会計が、そのときは遅く感じた。
「以上で、三万円になりま〜す。」
「嘘っ?!」
俺がレジを見ると、全く違う数字が並んでいる。
澪を睨みつけると、澪はそっぽを向いた。
「お前…客にそんな態度とっていいわけ…?」
「…慰謝料…。」
「はっ?!」
「聖児の医療費に私が精神的に傷ついたことを合わせると三万円!」
澪は俺に手の平を向ける。
俺はレジに表示されている金額丁度を払い、澪も無視して袋に入れるところへ向かった。
「お客さ〜ん、袋、袋。」
それでも俺が無視していると、肩を叩かれた。
「はい、袋とレシート。」
澪はレシートを俺に渡し、袋を手元に置く。
それを広げて見ると、明らかに全て入り切らない大きさだった。
(あの野郎〜!子供かよっ!)
俺は意地を張り、無理矢理袋に入れようとする。
すると案の定、袋は破れてしまった。
「はい、袋。さっきのは冗談。」
澪はそう言うと、普通の袋を持って来てくれた。
(始めから出せよ!)
俺は、心で文句を言いながら袋に詰める。
俺は腹を立てながら店から出ると、地面に唾を吐き捨てた。
720 鶴 [2006/02/24(金) 17:03:34]
吃驚!!
こんな処で澪と昶が出会うなんて。
721 まぃ [2006/02/24(金) 20:44:52]
澪と昶って…どーなんだろぅっww
澪可愛ぃww(ぇ
722 我流 [2006/02/24(金) 22:15:48]
(;´Д`)<更新せねば…
723 我流 [2006/02/24(金) 22:20:09]
バイクの跨がり、フルフェイスをかぶろうとしたときだった。
「ちょっと待って下さい!」
声と同時に、左足を引きずりながら駆けてくる澪の姿が目に入った。
俺はかぶりかけたフルフェイスをはずし、澪が近くに来るのを待った。
「さっきはごめんなさい。でも、私、あなたが聖児を傷つけたことが許せなかった…。」
「…で?」
「何で殴ったの?聖児とあなたは友達でしょ?」
澪が眉間にシワを寄せながら話す。
俺が衣緒を思っているように、澪も聖児を思っているのだろう。
その瞳は真剣だった。
「あいつは、俺の大切な人を傷つけた。」
俺がそう言うと、澪は少しうつむく。
そして、顔を上げると深々と頭を下げた。
「ごめんなさい…。聖児の分も謝ります…。でも!あんなに殴ることはなかったんじゃないですか?!言えば聖児だってわかるはずです!」
澪の瞳は、次第に涙を含んでくる。
俺は、それを見ると悪いことをしたような気分にさせられる。
俺はその気分を紛らわすように、フルフェイスをかぶりマフラーを吹かせた。
「アンタに何がわかんのよ?俺はこれで失礼するぜ。」
車体を反転させ、バイクを走らせ始めた。
澪の制止しようとする声も、俺はマフラーの音で振りはらってやった。
俺は聖児が羨ましかった。
衣緒にも澪にも愛されている聖児が。
そのはらただしさを振りはらうために、俺はバイクのスピードを上げ、道路を走り抜けた。
724 すずね [2006/02/24(金) 22:24:15]
(*´`)なんと言うコトでしょう!何
(*ノω`)澪が必死で可愛い♪♪
725 我流 [2006/02/24(金) 22:27:42]
(人´∀`)<すずねちゃま〜♪
それに、まぃちゃも鶴りんもありがとうね♪
726 我流 [2006/02/24(金) 22:34:11]
《衣緒の華》
「棟梁!今日、昼で切り上げていいですか?」
「あぁ、いいよ!どっか行くの?」
「少し用事で!」
私は棟梁に許しをもらうと首に巻いたタオルを取り、プレハブの休憩室に入った。
そして、鍵をかけると服を着替える。
服を脱ぐと汗くさいのがわかり、顔をしかめずにはいられなかった。
「すいません!お先失礼します!」
「お疲れ!」
私は現場の人に挨拶をし、家に帰路に着いた。
今日は、母のいる建物から出てきたという少女に出会う。
もし、それが私にとってつらいことでも知らなければならない気がした。
家に着くと、現場で着替えた服を洗濯機に入れる。
私は、新たに服を準備するとシャワーを浴びることにした。
いつもは、風呂のときに鼻歌が自然に出るが今日は出ない。
なぜか緊張し、妙に脈が早いような感じもする。
私は、しばらくシャワーを浴びたまま惚けていた。
風呂から上がり、髪をタオルで拭いた後ドライヤーで乾かす。
着替えを済ますと、携帯電話で昶にメールを打った。
メールで待ち合わせ場所を確認し合うと私は支度を済ませ、家を後にした。
待ち合わせ場所に近づくにつれて、緊張感が高まってくる。
母のことを知りたいような知りたくないような。
そんな感覚の中、私は待ち合わせ場所に着いた。
727 我流 [2006/02/25(土) 08:07:33]
バイクを駐輪所に置くと、昶のバイクに気づく。
もしかしたら、少女も既に来ているかもしれない。
私はフルフェイスをはずすと、深呼吸をして自分を落ち着かせた。
待ち合わせ場所の喫茶店に入ると、鈴の音が鳴る。
「いらっしゃいませ、お一人ですか〜?」
ウエイトレスが私に笑顔で問いかけたが、私は緊張からかすぐ返事が出来なかった。
「い、いえ、先に二人来てたと思うんですが…。」
「では、こちらですね〜。」
ウエイトレスの後をついて行くと昶が私に気づき、手を振った。
不意に私を見つめる視線。
そこには、昶のプリクラに載っていた少女だった。
「こ、こんにちは。」
とりあえず、私は昶の隣りに座り、少女に挨拶をした。
少女は浅く頭を下げると、うつむき加減に私を見る。
私が少女に微笑みかけると、少女は安心したように顔を上げた。
「この人が真由と話したいって言ってた人。」
「あっ!私!葛城真由です!」
「葛城?」
私はその苗字を聞いた瞬間、聖児を思い出してしまった。
少女は、不思議そうに私を見つめている。
私はそれに気づき、咳を一つつくと少女を見つめた。
「驚かないでね、私は…八坂衣緒。」
「えっ…?お母さんと同じ苗字…?」
「そう…八坂忍は私の母なの。」
真由は、目を大きく開いたまま私を見ている。
驚いて当たり前。
私が真由の立場でも驚くだろう。
「でも…!私のお母さんは…!私のお母さんで…!」
動揺する真由。
目を泳がせ、どうしていいのかわからないのだろう。
独り言を呟き、自分に言い聞かせてるようだった。
728 すずね [2006/02/25(土) 08:10:06]
(*´`)スゴいコトになってきたねぇ…
鈴の音w(・∀・)何
729 我流 [2006/02/25(土) 08:16:22]
(人´∀`)<すずねちゃま!学校は?
730 すずね [2006/02/25(土) 08:18:37]
(*´`)今日土曜よ。
これから成田空港行って来ますが
731 我流 [2006/02/25(土) 09:47:29]
「私にもどういう経緯でこうなったかわからないの…。でも、間違いなく私の母は八坂忍なんだ…。」
私は財布の中から写真を取り出すと、真由の前に置いた。
「お母さんだ…。何で?じゃぁ…私は誰の子供なの…?」
真由の声は次第に震え出し、瞳には涙が浮かび始めていた。
すると、昶に肩を叩かれる。
昶は首を横に振り、これ以上は無理だと私に促した。
私がうなずくと昶は席を立ち上がり、真由の隣りに座った。
真由を落ち着かせるように話しかける昶。
「衣緒…真由を家まで送って来る…。」
昶はそう言うと、真由の肩を抱き抱えながら店から出て行ってしまった。
一気に緊張の糸がほぐれ、溜め息が出る。
私は、飲み物を頼むと昶が帰って来るのを待った。
しばらく経つと、昶が戻って来た。
「真由ちゃん…泣いてた…?」
「泣いてないけど…動揺はしてた…。」
「そっか…。可哀想な事したな…。もっと段取り踏むべきだった…。」
溜め息をつかずにはいられない。
少なからず、私も動揺したのだ。
すると、頭に何かが乗る。
顔を上げると、昶が私の頭を撫でていた。
「もう少し頑張ろう?そうすれば、本当のことがわかるから。」
捨てられたこと。
真由のこと。
そして、母のこと。
昶の言うように、少しずつだが母に近づいている気がした。
待っててね、お母さん。
もうすぐ、会いに行くから。
732 すずね [2006/02/25(土) 09:49:41]
.+(PД`q)+.衣緒ー!!イィ子ねぇ…
真由ちゃんの真相が知りたい(*´`)
733 我流 [2006/02/25(土) 09:56:32]
+(PД`q)+<まもなく三部ですから!
皆ついて来て下さい(泣)!!
734 我流 [2006/02/25(土) 10:25:04]
《聖児の華》
仕事が終わり、澪にメールをするとバイクを走らせた。
澪の顔が早く見たくて、会いたくて仕方がない。
赤信号で止まってしまうと、つい舌打ちしてしまう。
夏に近づいて、日が長くなっているはずなのに夕日が落ちるのが早く感じた。
自宅のアパートが見えて来るとわざとマフラーを吹かす。
そして、駐車場に入ると同時に澪の姿が現れた。
「お待たせ…。」
「うん…お帰り。」
澪のさりげない笑顔。
毎日溜まった疲労も、この笑顔で癒されていた。
澪と一緒に家に入る。
どことなく元気のない澪。
俺は心の中で焦ってはいたが、どうすることも出来なかった。
「もう少し待っててくれるか?風呂に入ってくるから…。」
「うん…待ってる…。」
澪が元気がないのは自分の帰りが遅かったからだと思い、俺は急いで風呂に入った。
風呂から上がると、髪を整え服を着替える。
自分が一番お気に入りなのを着て、澪といても恥ずかしくないようにした。
着替え終わり、リビングに行くと澪が俺を見る。
嬉しそうに微笑む顔は、やはり元気がなかった。
735 まぃ [2006/02/25(土) 10:45:57]
衣緒もぅ少しでぉ母さんに会ぇるんだねッ
聖児って本当に澪のこと好きなんだな。。ww(何
更新ファイトっ☆★
736 我流 [2006/02/25(土) 10:56:59]
+(PД`q)+<まぃちゃ!ごめんよ!たくさん更新して!
737 我流 [2006/02/25(土) 11:35:10]
「澪?」
「私…公園に行きたい…。聖児と合コンしたあの公園。」
澪が俺を見る目は、何かを乞うような目だった。
俺は澪に手を差し出すと、立ち上がらせた。
「行こうか…。」
澪は嬉しそうに笑い、深くうなずいた。
澪の手を引き家から出る。
澪にフルフェイスをかぶらせ、腰に手を回したことを確認するとバイクを走らせ始めた。
「聖児!ごめんね!我が儘言って!」
「何?!」
バイクの風を切る音で、澪の声が微かにしか聞こえない。
しかし、澪と触れ合っているだけで気持ちが繋がっていられる気がした。
公園に着くと澪は俺より先に降り、公園に入って行ってしまった。
俺が急いで澪の後を追うと、澪はあのベンチに腰をかけていた。
俺も澪に促されることなく腰を下ろす。
しばらく、二人は虫達の音楽祭に耳を傾けていた。
「私は…聖児をどこまで知ってるの…?」
「えっ?」
横に座る澪を見ると、寂しそうな顔をする。
眉間にシワを寄せ、まだ言いたいことを言い切っていないようだった。
「今日…昶さんに会った…。」
「昶に?」
「うん…。」
「で…何か話したのか?」
澪は俺から目をそらすと、前を向いたまま黙り込んでしまった。
「澪」
「昶さんが聖児を殴ったのは、聖児が悪いことしたからだって言ってた…。大切な人を傷つけたんだって言ってた…。」
澪の声は、虫達の奏でる音で消えてしまいそうなぐらい小さかった。
しかし、澪が言わんとしていることがわかった気がして俺は答える用意を頭の中でしだした。
そして、澪に聞かれる前に答えることにした。
「衣緒は…俺にとって妹で…。あの日、衣緒に好きだって言われたけど…俺には衣緒を愛せないと思ったから断ったんだ…。」
そう言うと、澪は目を大きくして俺を見る。
その後、澪はうつむき目を閉じていた。
「衣緒ちゃん…辛かっただろうね…。」
「あぁ。」
「泣いたよね?きっと。」
「多分な…。」
「私は…聖児に愛してもらえるかな…?」
澪の顔は、寂しそうな顔から不安そうな顔に変わっていた。
俺はそんな表情の澪の頭を片手で抱き寄せ、胸に当てた。
「俺は澪を愛してるよ。」
「本当…?」
「あぁ。」
「じゃぁ、もっと聖児のこと聞いていい?」
胸の中、甘えるように顔をうずめる澪が、俺には愛しくて仕方なかった。
草むらで鳴く虫達が、その気持ちを更に沸き立たせる。
「俺ももっと澪を知りたい…だから…一緒に…。」
「うん!」
その後、二人で質問をし合った。
友達のこと、初恋の人のこと、仕事のこと。
話していくうちに、澪に笑顔が戻ってきた。
俺の大好きな澪の笑顔に。
738 我流 [2006/02/25(土) 11:35:53]
+(PД`q)+<更新しすぎた(泣)!!
739 我流 [2006/02/25(土) 11:36:55]
+(PД`q)+<でも、二部終了です!
740 鶴 [2006/02/25(土) 11:41:42]
後、一部頑張って♪
741 我流 [2006/02/25(土) 12:00:13]
+(PД`q)+<鶴ちゃ!
742 我流 [2006/02/25(土) 17:20:35]
【三部】
《聖児の華》
「もっと集中しろ!何でわからないんだ!」
「ごめんなさい!ごめんなさい!」
ダーツの的に無数の針が刺さり、その内の一本すら中心を射抜いていない。
肩を強く握られ、揺すぶられる。
見上げる先には、ぼやけた男の顔。
はっきりは見えないが、俺の心には否応なしに恐怖感が沸く。
逆らってはいけない。
言うことを聞かねばならない。
そんな重圧が、俺の胸を押しつける。
息苦しく、逃げ出したくて。
でも、その男の言う言葉が耳の奥底で響き、谺する。
『自分を命は自分で守れ』
男の低い声が、拒否する体を攻めるように駆け巡る。
次第に男の声は幾重にも聞こえだし、心が壊れそうだった。
暗闇に座る少年。
うずくまり、一人で泣いている。
いくら泣いても、慰めてくれる人はいない。
すると、男の声はしなくなり別の声が響き出した。
「こいつで本当におびき出せるのか…?」
「おびき出せなきゃ、殺ればいいだけだ…。」
「そうだな!」
その会話が終わると、悪役染みた笑い声が更に恐怖感を増させていった。
少年は、必死に耳を塞いでいる。
しかし、脳内に響き渡る男達の声。
精神が崩壊しそうなぐらいの恐怖だった――
743 まぃ [2006/02/25(土) 17:52:04]
澪…ょかった、元気になってw(何
二部終ゎったのっ?
三部も頑張れッ☆★
744 我流 [2006/02/25(土) 17:54:21]
(人´∀`)<ごめん!今日大量に更新しちゃったの!→まぃ
745 まなみ [2006/02/25(土) 18:00:58]
この少年はいったい誰だ!
・・・誰かのキオク・・・?
746 我流 [2006/02/25(土) 18:08:59]
+(PД`q)+<まなみもごめんね!
大量更新して!
大変だったでしょうに!
747 まなみ [2006/02/25(土) 18:11:00]
ううん!
私、我流の小説大好きだから全然問題ないよ!
大変というか・・・楽しんで読んでるもん♪
748 我流 [2006/02/25(土) 18:35:06]
+(PД`q)+<まなみ大好き!!
749 まなみ [2006/02/25(土) 18:38:10]
へ?
あっ私も我流のこと、好きだよ!!
・・・って変な方向に話しが行ってるし!!
750 我流 [2006/02/25(土) 18:39:38]
(((*´艸')w
751 すずね [2006/02/25(土) 21:35:50]
(*´`)聖児の過去かしら…
気になるw
752 我流 [2006/02/25(土) 22:14:24]
俺は、勢いよく体を持ち上げ周りを見渡した。
蒸し暑い夜だっただけに、寝付きが悪かったのだろう。
汗がひどかった。
俺はベットから降り、冷蔵庫を開けた。
ペットボトルの水を飲むと、自分を落ち着かせるため息を一つ吐いた。
生々しい夢だった。
いつもなら思い出せなくなる夢も今回は違う。
なぜなら、闇にうずくまっていた少年は紛れもない俺なのだから。
「クソッ!」
俺は開けっぱなしの冷蔵庫を閉め、顔を洗うため鏡の前に立った。
封印した過去。
二度と思い出さないように、心の奥底に閉まったはずだった。
しかし、何の前ぶれもなく思い出してしまった。
鏡で自分の顔を見ると、妙な胸騒ぎがする。
俺は目を閉じると、水で顔を洗った。
しかし、胸騒ぎは収まらない、逆に強くなっていく。
「もう、あの頃とは違う!!」
俺はそれを振りはらいたくて鏡を拳で割り、そのまま外に出た。
753 まぃ [2006/02/26(日) 10:34:02]
聖児の過去…気になるww(何。。
鏡、、拳で割るってすごっwwカッコィィ…(歯
754 我流 [2006/02/26(日) 11:19:21]
(人´∀`)<まぃちゃん〜ww
755 我流 [2006/02/26(日) 11:50:58]
フルフェイスもせず、エンジンをかける。
大きな声で叫ぶ代わりに、マフラーを何回も吹かせた。
すると、ドアの開く音がする。
俺はそれに気づき、その方向を見た。
そこには、パジャマ姿の澪の姿がある。
裸足のまま出て来たらしく、足場を確認しながら俺に歩み寄って来た。
「どうしたの?こんな朝早くに?」
澪は大きな欠伸をすると、恥ずかしそうにうつむいた。
「いや…暑苦しくて目が覚めた…。澪は…?」
「私?私は聖児の家から何か割れる音がしたからそれでだよ。」
「そうか…悪いな…。」
澪は心配そうに俺を見る。
澪の笑顔が好きなのに、心配させてばかりいることに俺は深く反省した。
不意に澪に手を握られる。
澪を見ると、うつむき加減に微笑んでいた。
俺の胸騒ぎを治める薬のような澪の笑顔。
俺は澪を抱きしめずにはいられなかった。
「わ〜い!」
澪がふざけたように胸の中で動き回る。
俺を元気づけようとしているのかわからないが、そんな気遣いが嬉しかった。
「起こして悪かったな…。」
「うぅん!どうせなら一緒に寝る?」
澪の顔を見つめ、髪を整えてやる。
すると、澪は恥ずかしそうにうつむいてしまった。
俺は胸騒ぎも忘れ、澪の表情に魅了されていた。
すっかり夏の匂いになった風達が、俺と澪の間を駆け抜けて行く。
二人で少し話した後、各自の家に戻った。
落ち着いた感情。
澪に感謝しつつ、ベットに再び寝転んだ。
まぶたを閉じると、眠気が襲って来る。
俺は、そのまま夢も見ることなく眠りにつけた。
756 コロロ//仔爾 [2006/02/26(日) 14:35:54]
チョィと久ブリにカキコした気がすゑww
でもコロロゎちゃぁんと読んでゑゎww
757 我流 [2006/02/26(日) 14:37:32]
(´⊇`)<こんな長い小説よく読むわねw
758 我流 [2006/02/26(日) 15:42:47]
しかし、目を覚ましたときには、現場に行く時間を遥かに超えていた。
俺は時計を確認するとすぐ支度をし、家の外に出た。
すると、ドアの脇にラップで包んだサンドウィッチがある。
その上に手紙が置かれ、澪からのメッセージが書いてあった。
俺はそれとサンドウィッチを持つと、現場に急いで向かった。
暑く照らし出す太陽。
しかし、澪の優しさに触れた俺の心の熱さよりも熱くはないはず。
赤信号で止まると、太陽に喧嘩を売る。
そんなことをしながら、現場までの道のりを走り抜けた。
759 まなみ [2006/02/26(日) 16:27:19]
ぅおう!
やっぱり聖児クンの過去だったんだ☆
更新ファイトだよぉ、我流♪
760 我流 [2006/02/26(日) 16:30:14]
(人´∀`)<まかせてまなみんw
761 我流 [2006/02/26(日) 19:58:56]
《衣緒の華》
あれから数日に渡り、真由と少しずつ会い、お互い話を聞きあったりしていた。
昶は昶で、建物の前での張り込みや聞き込みを行ってくれた。
しかし、私の中で一番胸に引っかかることがある。
『葛城』の苗字だ。
別に母が再婚するのはわかるし、『葛城』の苗字ぐらいいくらでもいるだろう。
しかし、私には気になって仕方なかった。
今日、聖児は珍しく現場に遅れてきた。
現場の人達に冷やかされながらも、聖児にはなかった感情、笑うことが増えていた。
私はテーブル作りをしながら、聖児と同じ苗字を持つ真由のことと聖児に笑顔を教えた人のことを考えていた。
考えることに聖児と真由に何か繋がりがあるのではないかと思ってしまう。
聖児を笑顔に出来る人のことは考えるのを止め、今は母や真由のことを考えることにした。
「衣緒、手が止まってるぞ。」
声をかけられ振り向くと、そこには聖児がいた。
「…ねぼすけに言われた…。ショック…。」
聖児から話しかけられることはほとんどなかったので、私は少し驚いていた。
「最近、何している?」
「えっ?別に?」
「そうか…。」
私の鼓動が眠りから覚めたように脈を打つ。
忘れかけてた感覚。
私はまだ聖児と話していたくなった。
「聖児!今日にしよう!交換条件実行するの!」
聖児は、目を閉じると眉間にシワを寄せる。
溜め息を一つつくと、私を見つめた。
「衣緒…俺には」
「許してあげないよ?」
聖児の言葉の先を聞きたくなかった。
だから、全部言われる前にかき消しておく。
聖児の中に、私以外の人がいるのを認めたくないんだ。
聖児の隣りは私のモノだから。
762 カイ [2006/02/26(日) 20:02:22]
衣緒いーなぁ。描きたいわ
763 我流 [2006/02/26(日) 20:03:20]
(人´∀`)<カイちゃん。描いて下さるの?
764 カイ [2006/02/26(日) 20:05:09]
許可くださるの?(´∀`人)>>りょーちゃん
765 我流 [2006/02/26(日) 20:06:19]
(((#´Д`)))
766 カイ [2006/02/26(日) 20:06:55]
震えてるー!(バクショ
767 我流 [2006/02/26(日) 20:07:34]
(#゚Д゚)<お願いします!!
768 コロロ//仔爾 [2006/02/26(日) 20:07:56]
それゎ涼タン大好きだからww
769 カイ [2006/02/26(日) 20:09:30]
下唇ピアスつけてたっけね?w(最初の方にあったよーな>>りょーちゃん
770 我流 [2006/02/26(日) 20:10:13]
(´⊇`)<付けてるよw→カイ
771 カイ [2006/02/26(日) 20:12:02]
目の色は?(爆
俺結構目に命かけてっからw(ぇえ>>りょーちゃん
772 我流 [2006/02/26(日) 20:13:57]
(´⊇`)<なんでもいいwダメ?
773 カイ [2006/02/26(日) 20:15:07]
赤にするわw(カラコン装備>>りょーちゃん
774 我流 [2006/02/26(日) 22:12:41]
「…わかった…。仕事が終わってからにしよう。」
「うん!わかった!」
聖児の言葉が嬉しくて、胸が弾む。
ほぼ強制的だけど、そうでもしないと聖児は私を見てくれないから。
聖児に近づけるなら、出来るだけ近づくことにした。
もしかしたら、真由のことも聞けたら聞こう。
それは二の次、三の次のことになるけれど。
仕事が終わると、聖児より早く帰って準備をした。
髪を櫛で梳き、出来る限り大人っぽく。
リップも派手過ぎないようにピンク色で抑える。
いつもよりシックな装いにして、待ち合わせの場所へ急いだ。
その場所へは、わざとタクシーで向かった。
バイクで行くと、お互い離れてしまうから。
聖児に甘えるだけ甘えてやるつもり。
少しでも大人になった私を見せつけてやりたかった。
776 我流 [2006/02/26(日) 22:54:48]
(人´∀`)<僕もコロちゃん好きよ♪
777 コロロ//仔爾 [2006/02/26(日) 22:56:24]
ぁww
涼タン10代から消ぇたと思ったら
こっちぃたゎaaa((’∀’o)☆
778 コロロ//仔爾 [2006/02/26(日) 23:07:10]
ぁ↑777だゎ(o´ω`o)
ってか今涼タンドコにぃんねん?!
779 我流 [2006/02/27(月) 11:54:06]
>>774の続き
待ち合わせ場所に着くと、いつもの装いと変わらない聖児がいる。
「お待たせ!」
聖児は私の方を見ると、腰を上げた。
しかし、驚くわけでもなく、感心するわけでもない。
いつものように無表情だった。
「どこに行きたいんだ?」
聖児は煙草を地面に捨て、足で踏む。
私は悩んだフリをした後、聖児を見つめた。
「聖児のオススメの場所がいいな…。」
わざと聖児を悩ませる。
そうすることで、余分なことを考えなくさせる。
私といることだけを考えさせるためだった。
「よし…行くか…。」
聖児は、顔を上げると指で合図をする。
聖児は踵を返すと、バイクへ歩き出した。
私もその後をついて行く。
聖児はバイクに跨がると、私を不思議そうに見ていた。
「衣緒…バイクは?」
「今日はないよ…?だから、聖児が乗せてくれないと行けない…。」
聖児は、眉間にシワを寄せながらフルフェイスをかぶる。
そして、聖児が私に後ろに乗るように促す。
私はそれを確認すると、後ろに乗り聖児の腰に手を回した。
もちろん、これも作戦。
バイクを持って来なかったのは、このためだった。
聖児の体温が伝わる度、鼓動が高鳴る。
夜風に吹かれながら走る車道。
不意に薫る、聖児の香りが愛しくて仕方なかった。
次第に海が視界に入ってくる。
案の定、バイクは海の近くの脇道に入っていく。
そして、バイクを止めると聖児はフルフェイスをはずした。
「着いたぞ。」
「うん、わかってる。」
聖児がこんなに近くに感じれたのは初めてかもしれない。
月に照らされる聖児を見つめ、私は聖児の手を握った。
「衣緒」
「離れるなって言ったはずだよ?」
私は聖児の手をしっかり握りしめ、二人は夜の浜辺に向かった。
780 鶴 [2006/02/27(月) 12:04:09]
二股みたいよ……(話の流れだって
聖児君……。
781 我流 [2006/02/27(月) 12:33:31]
鶴ちゃんも浮気癖w
782 鶴 [2006/02/27(月) 12:35:55]
よく、解ったね!!
783 まなみ [2006/02/27(月) 12:53:01]
衣緒チャン…
なんか可愛い♪
784 我流 [2006/02/27(月) 14:43:49]
《澪の華》
リビングのソファに腰をかけ、時計に目をやった。
いつもは、この時間にいるはずの聖児がいない。
携帯電話を見ても、メールや着信すらない。
何かあったのではないかと不安になってくる。
既に作ってしまった料理は、すっかり冷えてしまった。
「聖児…どうしたのかな?」
私は携帯電話を手に取り、聖児に電話をかけてみた。
しかし、すぐ留守番電話に入ってしまう。
自然に零れる溜め息。
私は閉めたカーテンを開き、外を眺めた。
夕日の姿はなくなり、星達が輝き始めている。
一つ一つが綺麗で、私は羨ましかった。
すると、インターフォンが鳴る。
私は聖児か確認もせず、玄関へ行き、ドアを開けてしまった。
「こんばんは。」
独特の口調。
そこには久野がいたのだ。
私は、急いで家の中に入ろうとしたが遅かった。
久野のドアを抑え込まれ、開けられない。
しかも、回りを黒いスーツの男に囲まれてしまった。
785 謌第オ [2006/02/27(月) 14:44:32]
(莠コツエ竏ス)シ懊≠繧翫′縺ィ縺笙ェ縺セ縺ェ縺ソ笙ェ
786 まなみ [2006/02/27(月) 14:45:57]
みお〜〜〜!!!
たいへんだぁ!なんていうときに久野は来るんじゃあ!!
どうしよう…。やばいよやばいよ…。
787 鶴 [2006/02/27(月) 14:46:11]
きゃーー!(何
澪がーーー、何やってんだよ!
聖児!!
788 我流 [2006/02/27(月) 14:55:29]
(´⊇`)<こっからややこしさアップします!
ごめんなさい!
789 コロロ//仔爾 [2006/02/27(月) 15:23:15]
久野のぁほんだらaaa(*-m-)
790 我流 [2006/02/27(月) 15:27:36]
(*´⊇`)<久野人気者だなw
791 コロロ//仔爾 [2006/02/27(月) 15:33:20]
コロロゎ久野好きくなぃぃ(o´ε`人)
792 我流 [2006/02/27(月) 18:54:03]
「あの下衆と間違えたんですか?」
「聖児は下衆じゃない…。」
「そうですか…。」
久野は済ました顔をすると、私の腕を掴み引っ張る。
ドアから離れさせると、私に歩み寄って来た。
「あの下衆はね、今他の女と遊んでいますよ。」
「そんなわけない!聖児は…!」
しかし、私の中で衣緒の顔を思い出してしまった。
聖児を信用しているはずなのに、疑ってしまう自分がいた。
「身に覚えがあるみたいですね。アナタに奴は似合わない…。まぁ、神崎さんも似合っていなかったですけどね…。大体アナタもアナタだ…。寂しいからって神崎さんと奴を重ねているのでしょう?可哀想だと思いませんか?アナタのために亡くなったのに…忘れようとするなんて…。」
「それは…!確かに…寂しいっていうのはあります…!でも!聖児と伸治は重ねてないし、伸治を忘れようともしてません!!」
久野は私の言葉を聞くと、私がその言葉を言うのをわかっていたように笑い出した。
「だったら、あの下衆が可哀想でしょう?神崎さんは忘れないなら、奴も気づきますよ?俺を愛しているわけじゃないのか、まだ、前の彼を引きずっているんじゃないのかって。奴も人間で猿じゃない。アナタの側にいれば、いずれは気づく…。気づいたとき、奴はショックでしょうね…。」
私はすぐ言い返そうとした。
でも、言葉が出なかった。
どこか心の奥で、久野が言ったようになる気がして。
793 我流 [2006/02/27(月) 20:56:15]
「だから、私のところへ来なさい。二人を忘れて、私を愛せばいい。」
自信に満ち溢れたような表情で私に手を差し出す。
私は手を後ろに組み、抵抗をして見せた。
「それとこれとは違うわ!愛せばいいって言われて愛せるほど、心は簡単にできてない!」
久野の表情が私の言葉を聞いた瞬間変わった。
明らかに怒りを乗せた瞳で私を見つめている。
私の足は震え、この場から逃げ出したくなる。
しかし、足が竦んで動けなかった。
「本当に頭が固い人だ…。やれ。」
久野の合図で、回りにいた男に両腕を押さえつけられる。
私が必死に抵抗しても、到底振りはらうことは出来ない。
私はならばと叫ぼうとした。
しかし、目の前にいた久野に口を抑えられ、声が出せなかった。
そして、男達に引きずられ、無理矢理車に乗せられてしまった。
「口と手にロープを巻いとけ。あと…義足をはずせ。一切抵抗できないようにな…。」
久野の命令に返事をすると、口と手にロープを縛られる。
そして、左足の義足も取られてしまった。
「おい、発車しろ。」
「はっ。」
車が発車すると同時に、久野は私のスカートのポケットから携帯電話を取り出した。
そして、私にそれを向けると写真を撮る音がする。
私は必死に久野から携帯電話を取り返そうとしたが、縛り上げられているせいで何も出来なかった。
「この写真を下衆君に送ってやりましょうか…。どう思うでしょうね…彼。」
久野のそう言うと携帯電話をいじり出す。
そして、私にディスプレイを見せるとメールが送信されてしまった。
悔しさと聖児に対する罪悪感で涙が出てくる。
ごめんね、聖児。
こんなことになるなら、アナタに出会わなければよかったね。
こんなことになるなら、伸治じゃなくて私がいなくなればよかったのにね。
私に関わる人が不幸になっていく。
それを思うと、涙が止まらなかった。
794 すずね [2006/02/27(月) 21:03:03]
なんて… なんてコトするんだぁ!!澪ー!!.+(PД`q)+.泣かないでぇ!!
795 鶴 [2006/02/27(月) 21:05:12]
久野、最低!!(怒
澪が泣く事は無い!
感情移入してしまいますなり。
796 我流 [2006/02/27(月) 21:06:48]
(||´⊇`)<鶴ちゃは食いつくと思ったけど怒るの早いなw
797 まぃ [2006/02/27(月) 21:08:01]
(´□`;)澪…!!
どーなっちゃぅんだろ、ってか久野ってなんなんだぁー(何
聖児、帰ってこぃー(´_`。)
798 鶴 [2006/02/27(月) 21:13:48]
私は家の中で一番短気b
とりあえず、澪が謝る事は無い!!
と、主張したい。
799 我流 [2006/02/27(月) 21:23:12]
(((#´Д`)))ヤバイw
800 我流 [2006/02/27(月) 21:23:58]
(´⊇`)<800。。
801 ヴェスナ [2006/02/27(月) 21:26:14]
800オメでと☆
元まなみだよ〜☆
変な名前にしてごめん!!今までどおりまなみって呼んでいいからね!
802 我流 [2006/02/27(月) 21:29:08]
(人´∀`)<まなみありがとう♪
803 鶴 [2006/02/27(月) 21:34:01]
八百、おっめー♪
千までに終わるの?
804 我流 [2006/02/27(月) 21:34:51]
(´⊇`)<……ナントモ…→鶴
805 我流 [2006/02/27(月) 21:43:12]
《昶の華》
あの建物の入口までを飾る並木の元、俺は監視を続けていた。
しかし、その日も何も起きず、ただ呆然と座っていることしか出来ない。
俺はその時間に、衣緒に聞かせれた『葛城』のついて考えていた。
今更思うのが、聖児はなぜ俺を更生させようと思ったのだろう。
衣緒を助けたのはわかる。
正義感が強い聖児ならば、それをして当たり前だ。
だが、俺に出会ったときの様子は明らかにおかしい。
俺は、あの日も人目につかない裏路地に入っていた。
しかも、聖児が入って来たのが偶然ならばもっと声を荒げて注意してもおかしくない。
俺も殴り倒した後も衣緒に看病をさせているぐらいだ。
俺と衣緒。
そして、『葛城』と聖児を繋ぐモノ。
それが何なのか、俺は気になり出した。
806 まぃ [2006/02/27(月) 21:55:31]
G◎◎ォメっ♪♪
これからも頑張れ☆★
807 我流 [2006/02/27(月) 22:12:42]
(人´∀`)<まぃちゃんありがと♪
808 我流 [2006/02/28(火) 07:30:00]
(;´人`)<申し訳ないのですが、これから一気に更新ペースが落ちちゃいます。。
809 我流 [2006/02/28(火) 07:32:42]
俺は建物を離れ、バイクを走らせた。
このままじゃ埒が明かない。
聖児と真由の関係。
そして、俺を更生させた理由を聞こうと思った。
いつも冷静な聖児が、俺に特訓をつけるときだけ目の色を変えていた。
叩きのめされたあの日から、聖児に復讐することだけを考え向かっていが、聖児に面白いように弄ばれ、自分だけが疲れる状態だった。
その都度、聖児は俺にこう言った。
「人を強くするのは力じゃない、心だ。それは怒りや恨みじゃない、人を守りたいという思いだ。」と。
当時の俺には聖児が格好つけて言っているようで、気に食わなかった。
「聖児…今でもアンタの言いたいことがわからないよ…。」
口数の少ない聖児が俺に口酸っぱくして言った言葉。
俺には、まだ何のことだかわからないでいた。
810 我流 [2006/02/28(火) 16:36:47]
しばらくバイクを走らせ、聖児の住むアパートへの入口となっている道路へ入ると、俺と擦れ違う形で車が一台通って行った。
俺はすぐさまバイクを止め、車を目で追った。
車がそこを通ることが不自然なのだ。
聖児はバイクしか持っていないし、澪は車を持っていないのか駐車場に止めていないかったはず。
俺の背筋に夏なのに寒気が走る。
違和感を覚えながら、俺は聖児のアパートの駐車場に入った。
バイクを止めると、聖児のバイクがないことに気づく。
念のため、インターフォンを鳴らすが誰も出ない。
自然に舌打ちをしてしまい、俺は聖児が帰って来ないか周りを確認しようとした。
しかし、あるものが俺の目に入った。
聖児の家の隣りのドアに、女性のハイヒールが挟まっているのだ。
俺はゆっくりその場に近づき、ドアを開けるとハイヒールを手に取った。
(聖児の隣りに住んでる人…。)
俺がそう思った瞬間、澪の顔が頭に過ぎる。
そして、あの車が通り過ぎたことを考えると嫌な予感がした。
811 ヴェスナ [2006/02/28(火) 17:06:24]
昶…よく気がついたっ!
で…どうするの?
812 我流 [2006/02/28(火) 17:07:41]
まなみん〜w
813 我流 [2006/02/28(火) 17:09:20]
(´⊇`)<ここはサクッと更新しますか。
814 鶴 [2006/02/28(火) 17:09:51]
後はお前が頼りだ!
昶!!
815 我流 [2006/02/28(火) 17:13:21]
「まさか…。」
俺は急いで携帯電話を取り出し、聖児に電話をかける。
しかし、すぐに留守番電話に繋がってしまう。
「何やってんだよ…!聖児!」
俺は何回も電話を鳴らしては切り、鳴らしては切った。
すると、独特のマフラー音がし、駐車場に入って来る。
バイクが止まるのを確認すると、俺はすぐに聖児に駆け寄った。
「あっ、昶。」
俺は、後ろに乗っていた衣緒に気づいたがそれどころではなかった。
まだフルフェイスをはずしきらない聖児の胸ぐらを掴み、バイクから引きずり下ろした。
「どうしたんだ!」
「どうしたんだじゃねぇよ!澪が!」
「澪がどうした?」
呑気にフルフェイスをはずす聖児。
俺は聖児に澪のハイヒールを見せた。
聖児はそれを見ると目を丸くする。
「あのドアに挟まってたんだ!しかも、さっき車が一台ここを通った!聖児はバイクしか持ってないだろ?!澪はどうかわからないけど!」
「澪も車は持っていない…!」
聖児は焦ったようにドアを確かめる。
俺も確認しに行くと、もう片方のハイヒールはドアより内側に入っていた。
明らかにおかしな状況。
聖児のほうを見ると、聖児は澪のハイヒールを強く握り締めていた。
「澪は…俺が帰って来たと思って外に出たんだ…。」
「えっ?」
「どうしたの?聖児?昶?」
衣緒の声だけが駐車場に響く。
不意に夏の風が三人をなでる。
その湿気を帯び、肌に纏わりつくような感覚は嫌な心境にさせられた。
816 藍 [2006/02/28(火) 18:46:00]
800おめでとーw
澪! にゃに!? にょー… 【何語ダ
気づいた昶には100点を差し上げましょ☆ 【藁
更新頑張れw
817 我流 [2006/02/28(火) 18:56:02]
(人´∀`)<藍ちゃん!やった100点ゲッツ!
818 我流 [2006/02/28(火) 19:45:30]
《衣緒の華》
下唇を噛み締め、感情を押し殺す聖児。
何か言おうとしても、何も思いつかない。
ただ、このままではいけないのはわかっていた。
「せ、聖児!電話!電話してみたら?!」
私は咄嗟と思い立ったことを口にした。
聖児は浅くうなずき、携帯電話を取り出した。
電源を落としていたのか、電話をかけるのに時間がかかる。
そして、携帯電話を操作していた聖児の手が止まったときだった。
場の空気が変わり、肌を刺すような威圧感。
聖児の表情が、怒りに染まっていたのだ。
「ど、どうしたんだ?」
昶が聖児の携帯電話を覗き込む。
昶は、携帯電話を見るとすぐに目をそらした。
「昶?どうしたの?」
昶は溜め息をつき、顔を片手で覆った。
「見てみろ…。」
昶の溜め息に近い声に、私は恐れを感じながらも聖児の携帯電話を覗き込んだ。
「何…これ…。」
そこには、澪の縛られた姿が写っている。
しかも、左足がなくなっていた。
膝から下のない澪。
写真に写る澪の表情は、悔しさからか涙を流していた。
819 まぃ [2006/02/28(火) 19:54:01]
偉ぃ、昶ー(何
澪…どーなっちゃぅんだろぅッ。。(´_`。)
820 我流 [2006/02/28(火) 20:13:36]
(人´∀`)<どうなるかなw?
821 ヴェスナ [2006/02/28(火) 20:17:34]
やっぱひどいよ…久野。
澪チャン、変なこととかされてないかなぁ?
聖児クン、澪チャンの元へと駆けてゆけぇ!
822 我流 [2006/02/28(火) 20:27:56]
すると、聖児は怒りを鎮めるように息を吐くと携帯電話を握り潰した。
「聖児!早く捜さなきゃ!」
私の脳裏に澪の姿が焼きつき、嫌な気持ちにさせられる。
あんな姿を撮られ、気の毒で仕方なかった。
「衣緒。」
「はい!」
「母親に会わせてやる…。」
私は聖児の突拍子のない台詞に、返す言葉に詰まってしまった。
「聖児!今は澪を助け」
「澪は俺が助ける…。衣緒…この場所に行け…。お前の母親…いや…八坂忍に会えるはずだ…。」
聖児はポケットの中から紙を取り出すと、私に渡した。
そして、私の頭を抱き寄せ、優しく髪をなでる。
私には、聖児が考えていることがわからなかったがどこか寂しい感じがした。
「昶、衣緒について行ってやってくれ…。」
「聖児…?」
「頼んだぞ…。」
聖児はそう言うとバイクに跨がり、フルフェイスをかぶった。
「聖児!澪さんを…助けてあげて…?」
「あぁ…必ず…。」
聖児はそう言い残すと、暗闇の道路に消えていってしまった。
私には、聖児の書いた地図の場所がどこだかもうわかっていたような気がする。
でも、聖児がいなくなった後はやはり寂しくて、この感覚はいつも変わらなかった。
823 我流 [2006/02/28(火) 20:30:35]
(´⊇`)<何もされていないかな?
824 コロロ//仔爾 [2006/02/28(火) 22:17:18]
澪チャン。。。(ノ_・。)クスン
825 我流 [2006/02/28(火) 22:18:17]
「衣緒…。」
「いいの…。聖児の隣りは…もう私のモノじゃないってこと気づいてた…。ただ…認めたくなかった…。認めたく…なかったの…。」
昶が私の頭を優しくなでる。
すると、不意に涙が頬を伝う。
私の長い片思いは、ここで終わり。
そう思うと、やはり辛かった。
「よく頑張った!」
昶の言葉が、やけに心に染みる。
その言葉が切なくて、私の心を苦しめた。
その苦しみを一緒に分かち合うかのように、昶は私を優しく抱きしめてくれた。
私が生きてこれたのも、聖児がいたから。
そこに昶がいて、三人で特訓したり遊んだり。
基本的には、昶をイジって遊んでいたけど楽しかった。
聖児に恋してからは、毎日が辛かったり楽しかったり、波が激しかった。
でも、聖児には届かなかった。
私の気持ち。
必死で背伸びして、大人に見せようとしてた。
聖児には、そういうところが子供染みて見えたのかもしれないけど。
昶の胸の中、涙が止まらない。
聖児への思いが、地面落ちては弾けて消える。
聖児、好きだよ。
好き。
だけど、聖児は私じゃなくて彼女を選んだ。
それが最初から決められた運命ならば、その運命がわかっていたなら、こんなに辛くないのかな。
でもね、私はよかったと思う。
聖児を愛せて。
昶は、私が泣きやむまで抱きしめていてくれた。
「ごめん…!昶…!」
「いいよ…辛いときは泣けばいい…。」
やっと涙が止まりかけていたのに、昶の言葉で泣きそうになった。
しかし、そんな優しい言葉をくれた昶も私と同じように泣いている。
「昶…?」
「ごめん…!衣緒の涙見てたらもらい泣き…!」
泣きながら微笑む昶。
私もそれを見てつられて笑ってしまった。
昶も泣いてくれたことで、私の悲しみも少しだけ軽くなったようなならないような。
しかし、そんな昶の優しさが嬉しかった。
「衣緒?お母さんに会いに行こう?」
「うん…。昶、最後まで付き合わせてごめんね。」
「気にすんなって!衣緒のためだし!」
今度は、昶のバイクの後ろに乗る。
これで、全てが終わる。
これで、私の全てがわかるんだ。
826 謌第オ [2006/02/28(火) 22:19:11]
(Pミ覗q) シ懊さ繝ュ縺。繧繧薙d繧難シ域ウ」シ駅
827 ヴェスナ [2006/02/28(火) 22:19:50]
衣緒ちゃぁん…よく言った!!
偉いぞぃ!
聖児、がんばれ☆
我流も頑張って♪
828 我流 [2006/02/28(火) 22:20:16]
+(PД`q)+<コロちゃんやん(泣)w
829 我流 [2006/02/28(火) 22:21:15]
+(PД`q)+<まなみもえらいw
830 コロロ//仔爾 [2006/02/28(火) 22:29:02]
あぁぁ〜
終わっちゃぃゃぁ。。゜(´□`゜)゜。
831 我流 [2006/02/28(火) 22:55:23]
(´⊇`)<あと、5話半あります!→コロちゃん
832 コロロ//仔爾 [2006/02/28(火) 22:57:21]
5話半しかなぃ!!
833 すずね [2006/02/28(火) 23:00:42]
.+(PД`q)+.衣緒ー!!偉いっ!!
澪ー!!早く助けてあげてぇ(泣)
834 我流 [2006/02/28(火) 23:38:51]
《澪の華》
私の隣りで、久野は窓から外を見ている。
片手で私の髪を触り、片手は頬杖をついていた。
「もうすぐ着きますよ…。」
不気味に笑う久野の顔を私は睨みつけていた。
すると車は止まり、助手席と運転席から男が外に出る。
そして、久野の座っている方のドアが開くと久野は外に出た。
その後、男二人は私を抱え外に出る。
外は真っ暗で、何があるかわからない。
そんな中、久野は先にどこかへ行ってしまったようだった。
私は男二人に両手をひっぱられながら闇に沈む建物の中に連れ込まれた。
何も見えない中、男達は進んで行く。
右足一本で男達の歩くペースに合わせるのは半端じゃなく辛かった。
すると、ある場所に入ると光が灯る。
私は急に明るくなったことで眩しく感じ、目を開いてられなかった。
目が慣れてくると、久野が椅子に腰をかけているのがわかる。
男達は私を連れて、久野の前まで行った。
「久野さん、こいつはどうします?」
久野は私を見つめると不適に笑い、指を指した。
「あれに手首をはめなさい。そしたら、君達は帰って下さい。」
「はっ。」
男達が方向を変えると私も変えなけばならない。
男達の視線の先には、天井から鎖が伸び、その先には腕輪がついている。
私が抵抗しても、男達にひっぱられてしまう。
そして、手首に腕輪を付けられてしまった。
「久野さん、俺達はこれで。」
「ご苦労様。」
久野は男達が出て行くのを見届けると、私の回りを練り歩き出す。
まるで、新しく手に入った珍しい物を見回すようだった。
835 我流 [2006/03/01(水) 12:57:37]
そして、何を思ったか私の口に巻いていたロープを外した。
「澪さん…気分はどうです?」
「…最悪ね…。」
久野は嬉しそうに笑うと、私の直視する。
私は負けじと、久野を睨みつけてやった。
「アナタはここで、私に服従するまで痛めつけられるですよ?」
私に怯えた顔をしろと言わんばかりの顔をしてみせる。
しかし、私は表情を変えず、久野を睨みつけて続けた。
「私の体が痛めつけられて壊れようとも…心だけは失わないわ。」
私の言葉に久野は鼻で笑う。
私はそのすました顔に唾を吐きかけてやった。
久野はついた唾を拭き取ると、私の頬を思いきり掴む。
激痛が走ったが、それでも負けまいと久野を睨みつけていた。
「いつまで強気でいられるかな…?」
怒りの表情をしながら私から手を離す。
私は、舌を出してバカにしてやった。
すると、久野が振り向き様に私の顔を殴りつける。
口の中は血の味が広がり、口角が切れてしまった。
「あんまり私を怒らせないほうがいいですよ…。アナタの綺麗な顔が跡形もなくなってしまいますから…。」
「ふん!殴りたければなぐれば?!私の心はそんなことじゃ折れないんだから!」
私は痛みを堪えながら言い放った。
それと同時に、また顔を殴られる。
今度は何回も何回も殴りつけられた。
「イッタ…イ…。」
「どうです…?服従する気になりましたか?」
「まさか…。」
「このアマァ!」
もう痛みを感じなくなってきていた。
白地だった服も紅い斑点で染まってくる。
体中が、脈を打っている感覚すらした。
「私を愛してると言えば許してあげますよ…?」
「絶対…!いや…!」
また、殴りつけられる。
でも、もう幾ら殴られるても痛くない。
痛みを感じない。
この白地の服が、真っ赤に色を変えたとしても私の心は心だけは聖児を思ってるから。
836 ヴェスナ [2006/03/01(水) 15:33:53]
なんてことすんだよ!
女の人は大事なんだぞう!
大体、久野の穢れた心じゃ澪チャンの心は奪えないよ〜
お願いだから聖児クン早く来て〜!!
837 コロロ//仔爾 [2006/03/01(水) 16:09:18]
キャァァァ(`Д´)
女の子殴るなんて最低ょ!!
夜の十代ぐらぃヒドィゎょぅ!!
838 那智 [2006/03/01(水) 16:31:53]
久野め……
839 まぃ [2006/03/01(水) 21:49:54]
好きなのに殴るなんて久野意味ゎかんなぃっ。。
ってかヒドすぎだょー(´_`。)
早く聖児来て。。(何
840 鶴 [2006/03/01(水) 22:43:52]
澪は正しい!!
おい、久野!
お前も見習えやぁ。
841 我流 [2006/03/01(水) 23:51:21]
(´⊇`)ノ<ごめん、もうすぐ更新しますw
842 我流 [2006/03/02(木) 00:07:57]
目がかすんできて、視界が悪くなってくる。
私は、負けないように目を開けていた。
聖児、私は伸治と聖児を重ねたことない。
伸治と聖児はまるで違う人だから。
それでも、伸治を思ったこともあったかもしれない。
でもね、聖児と二人で合コンしたりベランダでお酒飲んだりしたこと。
ツーリングや一緒にご飯食べたりしたことは、私にはかけがえのないものだったんだ。
聖児、アナタは私の私の闇に輝く小さな星。
小さくても力強い。
聖児、私はそんなアナタをアナタだけを愛しています―
843 すずね [2006/03/02(木) 00:10:02]
。+゜(つд・o)゜+。澪ー!!強いねぇ…
早く迎えに来てぇ!!
844 我流 [2006/03/02(木) 00:11:24]
(人´∀`)<すずねちゃまw
845 ヴェスナ [2006/03/02(木) 20:47:50]
澪ちゃぁん…!
やっぱり心の強い人だぁ!!
でも聖児ぃ、早く来ないと澪ちゃんが…!
我流がんばれぇ☆★
応援してるなりィ♪
846 我流 [2006/03/02(木) 21:05:27]
《昶の華》
夜道にバイクを走らせ、あの場所へ行く。
聖児が渡した地図の場所。
衣緒の母親がいることはわかっている。
ただ、俺にはこれが終わったら衣緒と一緒に何かをすることがなくなりそうで恐かった。
あの建物の前に行き、バイクを止める。
俺と衣緒は、目を合わせると浅くうなずき合った。
建物と続く道は、歩いていると遠く感じる。
緊張で喉が乾く。
衣緒のことなのに、まるで自分のことようだ。
建物の前には、警備員が二人。
しかし、その二人の前に行っても止められることはなかった。
「昶!何で止めないのかな?」
「前は怪しい格好して行ったからだろ?」
「そっか!」
衣緒は、納得したように頭を小さく上下させる。
それを見て、俺の緊張感は少し和らいだ。
建物の中は、真新しく綺麗になっていた。
前来たときは、暴れていてしっかり見ることはなかったため、初めて入ったも同然だった。
そして、周りを見ると受付と思われる場所を発見し、二人でそこに向かった。
「こんばんは、お客様は何の御用でございますか?」
静かな空間に、受付嬢の声だけが響いていく。
俺は深呼吸をし、用件を言おうとした。
「八坂…じゃなくて葛城忍に会いたいの!」
俺が言葉を発する直前で衣緒が受付嬢に尋ねてしまい、俺は拍子抜けしてしまった。
「奥様ですか?アポイトメントは取っていらっしゃいますか?」
すました顔で言う受付嬢。
もちろん、俺達はアポイトメントなど取ることもしず来てしまっていた。
(ここまで来てこれかよっ!)
俺の中で、今回が最大の機会だと踏んでいただけにここで足止めされるのだけは御免だった。
俺の頭の中でどうするか考え出す。
力で会いに行くか、会えるまで居座るか。
俺の中で、衣緒のためになる最善の策を考えていた。
847 ヴェスナ [2006/03/02(木) 21:07:38]
アポイトメントってなに?
848 鶴 [2006/03/02(木) 21:08:19]
いよっしゃ!
ここまで来たか。
849 まぃ [2006/03/02(木) 21:13:49]
澪ー、、偉ぃ。。
ぁとちょっとー
衣緒、ぉ母さんに会ぇるとぃぃな…(´_`。)
850 我流 [2006/03/03(金) 07:25:49]
(人´∀`)<皆さんおはようw
アポイトメントっていうのは、許可を得るみたいなことだよ。→まなみ
851 コロロ//仔爾 [2006/03/03(金) 16:07:45]
お母さんに会えますょうにぃぃ(・ε・。)
853 藍 [2006/03/03(金) 18:18:55]
終るの!? っじゃなくって!
澪チャンー…あたしは心配だよ(´_ゝ`)
聖児、早く助けに行ってあげんさぃぃッ【誰
衣緒はお母さんに会って、どーするンか…? 【何
更新頑張れvv
854 我流 [2006/03/03(金) 22:55:48]
「葛城忍は!私の母なんです!」
俺の思考を衣緒の言葉が制止させる。
衣緒の必死そうな目を見て、俺も一緒に頼みに入った。
事が荒立ち始め、外にいた警備員達が俺達を抑えに入る。
しかし、俺達はあきらめず頼み続けた。
「何で!何で娘が母親に会いたいと思っちゃダメなんだよっ!」
俺は止めに入っていた警備員の顔を殴りつけ、受付嬢に詰め寄った。
受付嬢はまごつくと、ディスクの下に潜ってしまった。
「クソッ!衣緒の母ちゃん!!アンタの娘が会いに来たぞっ!出て来いよっ!」
「黙れこいつ!」
「放せ!」
制止しようとする警備員を突き飛ばしては、建物全体に聞こえるように叫んでやった。
衣緒も衣緒で、泣きながら叫んでいる。
その涙が、母親に届かないのであればそんな不条理なことはないと俺達はあきらめずに叫んだ。
しかし、警備員に引きずられ、外に出されそうになる。
次第に衣緒の母が遠ざかっていくような気がして、悔しかった。
「その人達を放しなさい。」
どこからか男性の声がして、警備員達の力が緩む。
俺と衣緒は、それがわかると建物の中央に駆け込んだ。
「よく来たね。」
目の前の階段から、気品の良さそうな男性が現れる。
そして、その後ろから真由の姿が現れた。
「衣緒さん!昶さん!」
「真由…。」
真由は男性を追い抜くと、俺達の前まで来て頭を下げた。
そして、後ろから男性が真由の頭をなでると真由は嬉しそうに笑う。
「アナタが…真由のお父さんですか?」
俺の問いに、男性は唇を弧につり上げうなずいた。
「アナタが昶さんか…。真由を助けてくれたという…。」
「あっ…はい…。」
「私は葛城聖院(しょういん)という者です。その件ではありがとうございました…。」
聖院と名乗る男性はそう言うと深々と下げた。
「そんなことより、私の母…忍はどこに…?」
衣緒の言葉に聖院はうつむき、すぐ顔を上げた。
「ここでは難です。上へどうぞ…。」
聖院はそう言うと、階段に向かって歩き出した。
「昶さん!衣緒さん!こっち!」
真由に促され、聖院の後をついて歩く。
階段を上がって行くと、部屋が見えてくる。
先に聖院が入ると、真由は立ち止まり、入口に手を向けた。
「こちらにどうぞ!」
俺は真由の頭をなでると、衣緒より先に入った。
その中は、豪華な作りとは言えない質素なものだった。
聖院は椅子に座ると、向かい側に座るように俺達を促した。
そして、真由が机にお茶を並べていく。
それはまるで、俺達が来ることがわかっていたようだった。
855 鶴 [2006/03/03(金) 22:58:26]
うわー……。
何か、先がよめない。
856 ヴェスナ [2006/03/03(金) 23:19:56]
ほんとに読めない!!
我流更新待ってます!
857 我流 [2006/03/03(金) 23:51:55]
(´⊇`)<更新する数は少ないのでじらしますw
858 我流 [2006/03/04(土) 21:22:34]
《聖児の華》
「こいつで本当におびき出せるのか…?」
「おびき出せなきゃ、こいつを殺るだけさ…。」
バイクを走らせている最中に、昔のことを思い出す。
俺は小さいときさらわれて、この会話を聞いた。
今でもはっきり思い出せる。
奴等の顔と、会話の内容が―
さびれた工場に、俺はさらわれて来ていた。
当時、俺の父親聖院の経営する物流会社は発展途上だった。
それを妬んだ奴等が、幾度となく嫌がらせや物品の破壊などを横行させていた。
その日、学校の登校中に俺は拉致されたのだ。
目隠しをされ、口には猿轡。
鉄の錆びた匂いと油の臭さが鼻についた。
あるところまで行くと、両手首に何かをつけられる。
それと同時に、目隠しをはずされた。
工場の中は薄暗く、光も壊れた壁に穴が空いたところから入ってくるぐらい。
そして、俺の目の前には男が二人俺を見ていた。
「こいつで本当におびき出せるのか…?」
「おびき出せなきゃ、殺ればいいだけだ…。」
「間違いねぇな!」
二人の男の会話を聞き、聖院絡みだということがわかった。
心中、この頃から俺はなぜ聖院のためにこんな目に会わなければならないのか嫌気がさしていた。
「それより久野さん、金額はどうするんだ?」
「そうだな…三億頂こう…。」
「三億か…、最高だな!」
主格である男は細身で目が細く、長い腕と足を組んでいた。
もう一人は、太身の体で忙しく動き回っていた。
「おい、そろそろ電話をかけろ。逆探知されるなよ。」
「わかってるよ!」
太身の男が工場から出て行ってしまい、俺と細身の男しかいなくなる。
細身の男は立ち上がるとナイフを取り出し、俺に恐怖を与えるように練り歩き始めた。
「見れば見るほど…奴に似ているなぁ…。」
細身の男は立ち止まると、ナイフを俺の頬に当てる。
ナイフの嫌な冷たさが恐怖心を煽る。
しかし、俺はその男を睨みつけていた。
「久野さん!電話かけてきたぜ!サツに知らされないように三十分で金を準備するように言ってやった!」
「そんなことするなら十分にすればよかっただろう。余分な時間を与えよって。」
細身の男は、ナイフを俺の頬から下ろすと椅子に座り頬杖をつく。
太身の男は落ち着かないのか、行ったり来たりしてみせた。
しかし、俺は信じていた聖院が俺を助けてくれることを。
だから、少しだけ安心していた。
859 ヴェスナ [2006/03/04(土) 21:34:43]
久野って…えぇ!?
860 ヴェスナ [2006/03/04(土) 21:35:25]
久野って…えぇ!?
861 我流 [2006/03/04(土) 22:27:34]
二度びっくりw
862 鶴 [2006/03/04(土) 22:30:40]
はぁ〜〜?
863 ヴェスナ [2006/03/04(土) 22:38:09]
ごめん…
二回も書いてた・・・!!
865 我流 [2006/03/05(日) 10:06:17]
しばらくすると、電話の音が鳴り響く。
俺はこれで開放されると、安心しきっていた。
しかし、太身の男が電話に向かって怒鳴りつける。
そして、勢いよく電話を投げ捨て壊してしまった。
「久野さん!聖院の奴!断りやがった!自分のガキより金を取りやがった!」
俺は耳を疑った。
それを聞いた細身の男は腰を上げるとナイフを手に取る。
そして、俺に歩み寄るとナイフを俺の首に突き立てた。
恐怖でにじむ脂汗。
父親が俺を見捨てたなんて、考えたくなかった。
しかし、細身の男の瞳は殺気で満ちていた―
866 すずね [2006/03/05(日) 10:12:09]
なんてコトを…!!(‖゜Д゜))見捨てるなんてぇ…
壁|д・`)影から見てるからw
867 我流 [2006/03/05(日) 14:47:39]
夜の道を俺はあてもなく探しているわけではなかった。
偶然なのか必然なのか、澪をさらった男はあのときの細身の男に違いなかった。
前見たときは若く見え、わからなかったがあれは整形でもしていたのだろう。
あとはしゃべり方だった。
忘れもしない、あの気取ったしゃべり方。
俺はあの男だという確信の元、ある場所へ向かっていた。
そう俺がさらわれたあの工場に。
俺は、あの後受けた恐怖を忘れるため記憶を奥深くに落とした。
そして、誓った。
一人でも生きていける強さを手にいれようと。
人を信じず、自分だけを信じろと言い聞かせて今まで生きてきた。
しかし、昶や衣緒に出会ってそして澪に出会った。
昶や衣緒を助けたのには理由があったが、澪は違う。
最初に出会ってから今まで、澪は俺を変えた。
悩みや嬉しさ、悲しさなど無駄な感情を捨ててきた俺に、澪は逆に無駄な感情の大切さを教えてくれた。
だから、澪を助けたいんだ。
俺の大切な愛する人を――
868 ヴェスナ [2006/03/05(日) 14:52:18]
よく言った聖児!!
私感動だよぉ!!
それに比べて久野のヤツゥ・・・!
869 我流 [2006/03/05(日) 14:56:21]
(人´∀`)<まなみ〜♪
870 コロロ//仔爾 [2006/03/05(日) 15:14:48]
聖児ハン素敵ゃゎw
871 カイ [2006/03/05(日) 16:59:58]
よっしゃ全部読み返し終了w
やっぱ久野最悪やねw(何
昶と衣緒のコンビが好きさw(ぇえ
暴れてくれるかr(ドゴォッ
>>814の勇ましい台詞に爆笑w
872 我流 [2006/03/05(日) 18:04:39]
(;´Д`)<カイちゃんやるな!
そしてありがとう!
873 我流 [2006/03/05(日) 18:05:32]
《昶の華》
聖院が話し始めたことが、俺には信じられなかった。
聖児がこの会社の御子息だというのにも驚いたが、聖児の過去を聞き、俺は衝撃を受けていた。
「私は聖児を見捨てた…。当時のこの会社には、三億などという金額はなくてね…。しかも時間が三十分のみだったからなおさらだ…。」
「聖児は…どうなったんですか?」
俺の隣りで、衣緒が心配そうに尋ねる。
衣緒の問いに聖院は深く溜め息をつき、うつむいた。
「半殺しの目にあっていたよ…。体中を切りつけられ…服は真っ赤に染まっていたそうだ…。」
「そ、そんなことが…。」
衣緒の声が震えて聞こえる。
それもそのはず、思い人だった人の過去がこんな残酷なものだと知ったら誰でも泣けてくるだろう。
聖院は顔を上げるとまじまじと俺を見つめ、微笑みかけてきた。
「聖児が死ななくてすんだのは…君の父親のおかげだったんだよ…。」
「えっ…?俺の親父…?」
俺の記憶には、父親も母親もいなかった。
気づけば一人で、生きるために必死だった。
俺は捨てられたと思っていたから、父親も母親も恨んでいた。
それは少なからず今も。
しかし、聖院の言葉は俺の考えを見直させる言葉だった。
「君の父は私のボディガードであり、良き相談相手だった。三億円準備できないからあきらめようとする私を彼は最後まで説得してくれたよ。結局、彼一人で聖児を捜しに行ってしまったがね…。」
俺は、初めて顔も知らない父親のことを誇りに思った。
真由を助けたとき感じたが、人を助けるのは簡単じゃない。
勇気と決断力、何より相手を守りたい助けたいという心の強さが必要だとわかった。
「彼が聖児を助けてきた後、叱られたよ…。息子を捨てる親がどこにいると…。昶君、勘違いしているだろうが君の父は君を捨てたわけじゃない。私を…私を守るために凶弾に倒れてしまったんだよ…。」
それを聞き、俺は後悔した。
父親のことを何も知らず、そのくせ恨むだけ恨んで。
逆に、褒めて称えるべきだった。
人を助けるために命を捧げた父。
やっと、聖児が言わんとしていることがわかった。
聖児は、俺を俺の父親みたいになってほしいと思ったんだ。
本当の強さを持った、父のように。
874 すずね [2006/03/05(日) 18:08:25]
.+(PД`q)+.こんな過去があったのねぇ!!
実はつながりがあったとこがイィwぇ
875 鶴 [2006/03/05(日) 18:12:16]
わぁ、陰ではそんな繋がりがあったんだねぇ。
876 我流 [2006/03/05(日) 18:19:41]
(´⊇`)<説明不足すんませんw
877 我流 [2006/03/05(日) 22:02:52]
「私はすぐ君に知らせようと思った…。しかし、それが出来ず先送りにしていってしまった…。だから、聖児に君を保護してほしいと頼んだんだ…。」
それを聞いたとき、俺は気づいた。
聖児と俺は必然的に出会うことになっていたということを。
聖児の父親と俺の父親の関係の中で。
聖児はがっかりしただろう。
立派な父を持つ息子が、荒くれだったのがわかったときは。
だから、手を抜くことなく殴ったのかもしれない。
あのとき、聖児が手を抜いて殴っていたら今この場にいないかもしれない。
更生出来ず、荒くれのままだったかもしれない。
そう思うと、聖児に感謝せずにいられなかった。
「聖児と昶が仲良しなのは、聖児のパパさんと昶のパパさんの遺伝からかな?」
「衣緒…。」
衣緒は、俺に嬉しそうに笑いかける。
もし、聖児に出会ってなければ衣緒とも出会ってないわけで。
そう思うと俺は運がいいと思えた。
「君は、本当に父親に似ているよ。顔はもちろん、真由を助けてくれたその正義感の強さもね。」
聖院は俺の父親を見るかのような顔で見る。
しかし、何より俺は父に似ていると言われたことが少しだけ嬉しかった。
隣りを見ると、衣緒と目が合う。
衣緒に笑いかけると、衣緒も笑ってくれた。
「そうだ!聖院さん!衣緒の過去は…どうなっているんですか…?」
聖院は俺の言葉を聞くと、浅くうなずいた。
真由を呼ぶと隣りに座らせる。
そして、一つ息をつくと今度は衣緒の方を向いた。
「八坂…衣緒さん。」
「はい、そうです。」
「そうか…。」
聖院は手元にあったお茶で喉を潤すと、目を閉じた。
「どこから話せばいいのか…。そうだな…まずは私と忍の関係を言おう。私の妻は聖児を産んでからすぐ逝ってしまった…。私だって人間だ…、聖児が大きくなるにつれ、亡き妻が恋しくなったよ…。私は寂しくなり出会いを求めた。
そこで出会ったのが君の母、忍だった。出会ったとき、忍は既に君を身籠もっていた。話を聞けば、妊娠した後すぐ旦那と別れたと言っていた。忍と話していると楽しかった。死んだ妻以来の感覚に、私はときめいたよ。」
正直、俺は馴れ初めなんてどうでもよかった。
衣緒を見ると、衣緒も俺に苦笑いしてみせる。
でも、俺の胸の中は温かった。
俺と衣緒と聖児は、ある意味で運命的に繋がっていたのだから。
878 ヴェスナ [2006/03/05(日) 22:10:31]
ミニ聖児可哀想に…
ったく、久野ってほんっとに最悪!!
でも、とーるのお父さんはいい人なのだ☆
衣緒のことが気になるなぁ!
我流更新待ってます♪
879 我流 [2006/03/05(日) 22:15:55]
(´⊇`)<また明日に更新出来たらしますw
880 カイ [2006/03/05(日) 22:56:53]
馴れ初めなんてどうでも良かったに苦笑wぇえ
881 我流 [2006/03/05(日) 22:59:40]
(人´∀`)<カイちゃんありがとう♪
882 カイ [2006/03/05(日) 23:06:18]
りょーちゃんの小説って一回読んだらはまるよねw
読み返し実はあれで三度目だったのよw(何やってんだ
883 我流 [2006/03/05(日) 23:09:13]
Σ(;´Д`)<読み返しまくりやんw!
884 カイ [2006/03/05(日) 23:14:29]
読み返しまくりだ!(決して暇人《変人》ではありません)
885 我流 [2006/03/05(日) 23:19:12]
(´⊇`)<何が面白いわけw?
886 カイ [2006/03/05(日) 23:21:06]
んー。
良く考え付くなー、と思ったり。
キャラの心情の表現学んだり。
恋愛小説ってこんなんなんだなーと思ったり。
自分が書く恋物語は大抵狂愛ですw(逝ヶ
887 我流 [2006/03/05(日) 23:28:23]
(人´∀`)<表現で学ぶとこあるかw?
888 カイ [2006/03/05(日) 23:40:29]
あるよーw
色々あって上げれんけど(汗
昶と衣緒(だよな)の雨のシーンとかは普通に学べましたw(ぇえ
889 コロロ//仔爾 [2006/03/06(月) 14:57:47]
繋がってるんだねぇ〜いろいろと。うん (は
890 まぃ [2006/03/06(月) 19:31:48]
ゎぁっ、すごぃ繋がってるww (´∀`感動)
なんか…今思ぇばずっと前から伏線はってぁったんだねww
伏線とか憧れる…w(何
更新頑張れっ☆★
891 我流 [2006/03/06(月) 20:37:50]
《衣緒の華》
聖院と母の馴れ初めなんて本当にどうでもいい。
しかも、私は自分や母のことを本当に何も聞かされなかったようだ。
私を身籠もっている最中に父親と別れたなんて聞いてなかったし、ずっといなかったは仕事をしているものだと思っていたのに、バツイチの男にうつつを抜かしていたのかと思うと腹が立ってくる。
それでも、やはり母に会いたい。
あって本当のことを知りたいんだ。
聖院はまだ馴れ初めについて話している。
昶も眠たそうな顔をして、聞いていない。
私は馴れ初めなど、右耳から左耳に通り抜けていた。
「でな、忍はこう言ったんだよ」
「お父様!」
「なんだい、真由?今盛り上がってる…」
真由が私達を気遣い話を止める。
聖院は私達を見ると、申し訳なさそうな顔をした。
「つい、話し過ぎてしまいましたな…。本題に入るとしましょうか。」
私は背もたれから背中をはずし、姿勢を整えた。
これで、私は前に進めるそう思うと嬉しかった。
「忍とはすぐには再婚できなかった。なぜなら、忍が君を一人で育てたいと言ったからだ。しかし、君が大きくなるにつれて金銭的に辛くなったのだろう。私との再婚を認めてくれた。そして、再婚が決まった日、忍は荷物をまとめて私の所に来た。」
「その日、私は捨てられたんですね…。」
私は、あの日のことを思い出していた。
私より思い人のところへ行った母。
中学生だった私には、受け止めきれなかった真実だった。
892 鶴 [2006/03/06(月) 20:50:11]
衣緒の真実……(何
893 ヴェスナ [2006/03/06(月) 22:00:32]
可哀想…
一緒に連れて行きゃあいいのに…。
894 我流 [2006/03/06(月) 22:17:38]
(;゚⊇゚)<細かいとこは気にしないw
895 我流 [2006/03/06(月) 22:24:43]
(人´∀`)<カイちゃんには『愛の華』の単行本をあげようかなw
896 ヴェスナ [2006/03/06(月) 22:26:22]
はぁい…
897 我流 [2006/03/06(月) 22:56:13]
「…確かに忍は君を捨てた…。さっきは金銭的に苦しくなったって言ったが、忍は真由も育てなけばいけなかったため、君と真由の元を行ったり来たりしなければならなかった…。だから、育児に嫌気が差したのかもしれない…。それから、忍は君を捜してたよ。後悔したんだろうな…君を捨てたこと…。」
「お母さんが…私を捜してた…?」
そういえば、ゲームセンターで母を見かけたのも、今思えば不自然だった。
あんな若い人がたむろする場所に、母が行くはずがなかった。
でも、私が車の横に付けたとき母は逃げるように走り去って行った。
私を捜していたのならば、なぜあのとき逃げたのだろう。
私の心の中には、疑問しか沸かなかった。
「正直言って…私は君がいる場所がわかっていた…。なぜなら、聖児に昶君を保護させたように君も保護させたのは私なのだから。聖児が君を先に保護したのは、君がまだ中学生ぐらいだったからだ。そして…何より…私情でね…。忍には真由だけを愛して欲しかったんだ…。すまん、君には悪いことをしてしまった…。」
「いえ…、今更…仕方ないですから…。」
聖児は、聖児自身と私をたぶらせていたのではないだろうか。
見捨てられた聖児と捨てられた私。
似た者同士だったんだ。
私達。
そう思うと、気持ちは通じなかったけどある意味では通じ合っていたのかもしれない。
お互い、捨てられた者同士としての気持ちは。
「忍は…君に合わす顔がないと言っていた…。でも、君がどうしてもと言うなら頼んで見るよ。それが、私に出来るせめてもの償いだ…。」
「いえ…いいです。」
「衣緒?!」
昶が不信そうな顔で私を見る。
確かに、私と昶は母に会って話を聞くために調べてきたんだけど、私は母が生きてるってことだけでいいんだ。
ただ、それだけで。
「母は…元気ですか…?」
「あぁ…元気だ。」
「それが聞けて安心しました。真由、元気でやるんだよ?」
「衣緒さん…。」
私は捨てられた。
その事実は変えられない。
それならば一層、母とは他人でいてやろうと思う。
でも、これだけは変わらないよ。
お母さんのこと、大好き。
「昶、帰ろう?」
「えっ?!本当にお母さんと会わなくていいのか?」
「うん…、会っても話すことないよ…。いいんだ…これで。」
やっと、私が前に進むための課題が終わった。
母のことも聖児のことも。
長い過去の旅を終え、私はこれから未来へ旅に出る。
長い長い旅へ。
898 カイ [2006/03/07(火) 00:28:20]
ほら!やっぱり衣緒はいい子ではないか!(何
単行本欲しいですw(ぇえ
899 コロロ//仔爾 [2006/03/07(火) 14:15:21]
衣緒ってなんかィィ仔すぎる!!
なんか会ゎなぃょぅにするなんて。。。
泣けるゥゥ。゜(´□`゜)゜。
900 我流 [2006/03/07(火) 15:57:09]
(´⊇`)<900。
901 鶴 [2006/03/07(火) 16:34:25]
九百おめー♪(ソレダケ
902 コロロ//仔爾 [2006/03/07(火) 17:07:03]
H◎◎ォメ(o´艸`)
903 まぃ [2006/03/07(火) 18:43:30]
H◎◎ォメっ♪♪
ゃっぱ衣緒ゎ強ぃ子なんだね。。(´_`。)
更新頑張れッ☆★
904 我流 [2006/03/07(火) 20:11:48]
《聖児の華》
もう、二度と来ることはないと思っていた。
しかし、再びこの工場を見ることになるとは思わなかった。
「澪、無事でいてくれ…。」
山に切り崩し作られた工場は、闇に沈み不気味な雰囲気を漂わせている。
体に刻まれた傷が、あの日を思い出しうずく。
工場のドアに手をかけると、ドアは固く閉ざされていた。
俺は少しドアとの距離を置き、加速をつけドアを蹴り飛ばした。
ドアは勢いよく倒れ、音が工場内に響き渡る。
俺はその忌々しき記憶の中へ足を踏み入れた。
暗く、鉄の錆びた匂いと油の臭さはあの日と変わらない。
数日前に降った雨を今だに残し、それが唯一の音になる。
しばらく工場内を歩くと、灯が見えてくる。
そして、俺はそこへ足を踏み入れた。
「よくここがわかりましたねぇ…。」
声の先には、椅子に腰をかけている久野の姿。
心の中から沸き上がる復讐心。
すぐにでも殺ろうと思ったが、澪を捜すのが先だった。
「澪をどこにやった…。」
「…そこです…。」
久野の指さす先には、服を紅く染めた澪の姿が。
義足をはずされ、片足で立たされている。
首を力なく垂れ下げ、生きてるのか死んでいるのかさえわからなかった。
すると、久野が澪に歩み寄る。
顎を掴むと、澪の顔をこちらに向けた。
「君の勇者様が来てくれたよ…。」
「聖…児…。」
「澪…。」
澪が生きてるとわかった瞬間、俺のリミットははずれた。
「澪に触るな…。」
「いつの間に…!」
久野の横顔に思いきりパンチを入れる。
ふらついたところを背後に回り、投げ飛ばす。
そして、床に倒れた瞬間に顔に膝を入れてやった。
鼻の骨が折れる感覚が膝に伝わる。
今度は腕を取り肘を折る。
更に反対に反れ上がった肘を持ち、背負い投げ。
久野は言葉にならない叫びでのたうち回る。
昶が怒った気持ちがわかる。
大切な人を傷つけられるこの痛み。
自分の心にナイフを突き刺し、抉られるように激痛が心に走るんだ。
905 ヴェスナ [2006/03/07(火) 20:48:08]
900オメ☆★
1000までに終わるの!!?
ガンバ♪
906 我流 [2006/03/07(火) 20:49:12]
(´⊇`)<終わらせるつもり〜w
907 カイ [2006/03/08(水) 03:20:26]
じゃあレス控えますねw(ぇえ
マジ本欲しいかも……(ハマリスギ
ではw
オチ宣言
908 春夏 [2006/03/08(水) 15:09:22]
やっと来れた…泣>>涼ちゃん会いたいよ〜泣>>
900おめでとうございます☆
早いですね、もう終わりに近づいてる……どうしよう笑))
これからも無理せずに頑張ってください♪
応援してます!ファイトー!
909 コロロ//仔爾(コサメ) [2006/03/08(水) 17:21:14]
ふぉゎ!!何
聖児ハン少しなんだか怖ぃ。。。
でも久野が悪ぃんだけどぉぉ。
ぅ〜ん。どぉなるゃら。
てかこのスレ@◎◎◎行く勢ぃだねぇw
910 我流 [2006/03/08(水) 18:10:32]
(人´∀`)<皆さんいらっしゃいw
911 我流 [2006/03/08(水) 18:30:17]
>>904の続き
久野は足をふらつかせながら立ち上がる。
そして、隠していたナイフを取り出すと俺に向かい突進してきた。
理性を失った相手ほど楽なモノはない。
攻撃は単調になり、かわしやすい。
ナイフの軌道を読めば、恐れるに足りなかった。
しかし、久野の唇は弧を描く。
澪との距離が開いてしまったのだ。
「動くなよ…!動いたらコイツの命はねぇ!」
久野は澪の首にナイフを突き立てる。
澪の瞳には涙が浮かび、俺を見つめている。
今すぐにでも久野を殴り飛ばし、澪を抱きしめたい。
しかし、澪を人質にされては俺は何も出来なかった。
「よし…いいことを聞かせてやる…。」
「久野!!貴様…!」
「俺が神崎を殺した…。何でだと思う?お前が俺を愛さないからだ…。お前のせいで、神崎は死んだんだよ…。」
俺が動こうとすると、久野は澪の首にナイフを突き立て脅す。
澪は唇を噛み締め、涙を流していた。
「澪…!」
澪のせいじゃない。
そう言ってやりたかった。
しかし、そんなことを言ったところで何にもならないとわかっていた。
「あの日、前の車を走っていたのは私の車だ…。気づかなかっただろう?対向車線でトラックの来るタイミングで急ブレーキを踏んだ…。案の定、お前はハンドルを切りトラックにぶつかったんだ。まぁ、最初はお前も死ぬはずだった。だが、運良く神崎だけ死んだ。いや、殺したのか。助けに入るフリして刺し殺したんだ。最後に澪って名前呼んで死んでいったよ。その後、お前の上にその死体を覆いかぶせて悲しみのヒーローの出来上がりってわけだ!」
「伸治…!」
もう限界だった。
俺は久野に向かい突進し、その勢いで奴の顔面を殴り飛ばしていた。
澪の泣き顔をこれ以上見たくなかった。
あんなに笑顔が似合う澪から、笑顔を奪うのだけは許せない。
俺は久野の顔を骨が砕けるまで殴りつけていた。
澪の涙と悲しみを込めて。
912 まぃ [2006/03/08(水) 19:02:01]
聖児だぁっww(何
久野最悪っっ(`□´*)
更新頑張れー☆★
913 藍 [2006/03/08(水) 20:17:56]
900おめでっとーw
久野サン悪だねー♪何
更新頑張れw
914 我流 [2006/03/08(水) 20:50:31]
(人´∀`)<まぃちゃ♪藍ありがとう♪
915 ヴェスナ [2006/03/08(水) 21:02:33]
久野めぇ…ますます嫌なやつだよっ!
ヒトの命をなんだと思ってるんじゃあ<`ヘ´>(怒
916 我流 [2006/03/08(水) 21:05:22]
《澪の華》
涙が止まらない。
私のせいで、伸治が死んだ。
殴りつけられた痛みより、真実を知った痛みの方が私は辛かった。
「今助けてやるからな!」
聖児が腕輪をはずしてくれたが、私には立つだけの力がなかった。
「澪…!」
聖児に支えられ、やっと立てるぐらい。
今の私には、何もかも歪んで見える。
これが現実なのか、夢なのか。
真実なのか虚無なのか。
私の心の中で、何かが崩れ落ちて行く。
粉々に割れ、散って行く。
私は瞼を閉じた。
こんな辛い現実を見ていたくなくなった。
「澪…?!澪?!」
誰の声なの。
もう私を呼ばないで。
辛いよ。
生きることが。
お願い、もう眠らせて――
917 鶴//亀 [2006/03/08(水) 21:09:09]
きゃー?!(パニック
私の澪がー!!(ぇ
918 我流 [2006/03/08(水) 21:10:43]
(´⊇`)<澪マニアちゅるw
919 鶴//亀 [2006/03/08(水) 21:13:25]
マテ……!
久野は嫌いー。
920 我流 [2006/03/08(水) 21:32:14]
(´⊇`)<久野人気者w
921 鶴//亀 [2006/03/08(水) 21:35:21]
後、どれくらい?
とりあえず、頑張って。
922 我流 [2006/03/08(水) 21:41:45]
(´⊇`)<あと三話と4分の1w
923 ヴェスナ [2006/03/08(水) 21:43:07]
澪ちゃん…
辛いよね・・・。
924 鶴//亀 [2006/03/08(水) 21:44:43]
私にも単行本くれよ!
雑談が長くなってしまうので。
以上w
925 コロロ//仔爾(コサメ) [2006/03/09(木) 13:56:23]
もぉぉ(`Д´) プンスカ!!
久野なんて事言ってるのぅ〜〜
澪タンのせぃじゃナィゎょぅ!!
926 我流 [2006/03/09(木) 17:56:31]
目を覚ますと、白い天井が顔をのぞかせる。
(ここは…どこ?)
そうは思ったが別にそれは重要でもなく、私は思考を止めた。
「澪!大丈夫か?!」
聖児の声と顔は私の目の前に現れる。
眉間にシワを寄せ、聖児の頬には涙が伝っていた。
誰のために泣いているのか私にはわからなくて、ただ聖児が悲しいのだけは伝わってきて。
私は聖児の頬に手をあて、親指で涙を拭った。
涙って不思議。
悲しみで冷たいはずなのに、温かい。
どこで、温められるのか私は聞いてみたかった。
「泣かないで…。私は大丈夫だよ…?」
「澪…!ごめん…!俺がついていればこんなことにならなかったのに…!」
聖児が私を抱きしめる。
温かく優しい、そして何より愛しく感じた。
私の耳元で、聖児の泣き声が聞こえる。
私は聖児をしっかり抱きしめ、頭をなでた。
落ち着かせるように、聖児が泣きやむまで。
聖児は目を真っ赤にし、私を見つめる。
そして、鼻をすすりながら微笑みかけてくれる。
でも、私には微笑むことが出来なかった。
微笑み方がわからないよ。
どうやって、微笑むんだったかな。
幾ら考えても、思い出せなかった。
「澪…?」
私の異変に気づいたのか、聖児が心配そうな顔をする。
私は、布団に潜り顔を隠した。
「ごめん…聖児…。今日は休ませて…。」
聖児は、何も言わず席をはずす。
聖児の気配が消えるのがわかると、私は天井を見上げた。
包帯の下から傷が少し痛む。
しかし、その傷も何でつけたのか思い出せない。
嫌な記憶と笑顔の作り方を一緒に心の奥に閉まってしまった。
そうすることで、悲しまなくてすむと思ったんだ。
喜びや楽しみで笑顔になる。
悲しみや辛さで涙が出る。
その感情は、対極の位置にあるけど隣り合ってるとも言える。
ならば、両方共閉まってしまえば喜ぶことや楽しむことは出来なくなるけど、その代わり悲しみや辛さを感じなくてすむと思った。
楽しみは一瞬なのに、悲しみは永遠に続く。
そんな不条理なのは、嫌なんだ。
だから、私は捨ててしまった。
喜びも悲しみも。
笑顔も涙も。
927 まぃ [2006/03/09(木) 18:40:02]
澪っ?!
ぁの笑顔ゎどぅしちゃったんだょー(´_`。)
928 我流 [2006/03/09(木) 18:41:50]
(´∀`)ノ<あと三話!
929 鶴//亀 [2006/03/09(木) 18:44:21]
そんな、澪……(泣
ラストスパート、頑張って♪
930 我流 [2006/03/09(木) 20:10:02]
(*`艸´)<澪は人気者?
931 我流 [2006/03/09(木) 20:13:51]
《昶の華》
俺と衣緒は、聖院と真由に見送られ建物から出る。
衣緒と隣り合って、バイクのある場所まで戻って行った。
なんだか、やりきったような感覚。
衣緒は衣緒で、自分なりに答えを出したと思う。
俺は俺で、父親のことや聖児の言葉の意味、そして俺と衣緒と聖児が運命という紐で繋がっていたことがわかった。
衣緒の横顔は爽やかで、やっと自然な顔になった気がした。
「衣緒のその格好、何か素敵。」
「はぁ?何よ、急に?」
「似合ってる。」
俺がそう言うと、嬉しそうに微笑む。
その足取りは、スキップするように軽かった。
紅い髪が、夜の暗さに眩く光る。
それは上下に揺れ、美しかった。
「あっ!昶!今日、昶ん家行っていい?」
「えぇ?!今からっすか?!」
「うん!」
衣緒にそんな愛らしく言われて、俺が断れるわけがなかった。
少し先を歩く衣緒。
その背中を見ていると切なくなる。
ある意味、これで衣緒と一緒に何かやることはなくなった。
俺の心は隙間風が入り、寂しいような悲しいようなよくわからない感覚に陥った。
でも、衣緒の役に立てたなら俺はそれでいい。
一緒にいれた時間が、俺にとって有意義だったのだから。
「昶!早く帰ろう?!」
バイクに先に乗り、ただをこねた子供に俺をはやしたてる。
俺は相槌を打つと、フルフェイスをかぶりバイクに腰をかけた。
すると、衣緒の細い腕が俺の腰に回る。
服越しだけど、体温が伝わるようで恥ずかしかった。
それを紛らわすようにマフラーを吹かす。
そして、我が家に帰るべく道路に出ていった。
夜に街の光が輝いて見える。
車のライトも外灯も全て。
なぜなら、今ここに俺と衣緒の心の光が灯っているから。
だから、全てが全て明るく見えるんだ。
932 ヴェスナ [2006/03/09(木) 20:15:12]
澪ちゃん…!!
澪ちゃんの笑顔は天使の微笑なんだぞ〜ぅ(泣
933 我流 [2006/03/09(木) 20:19:20]
(*`艸´)<まなみの笑顔も天使よw
934 コロロ//仔爾(コサメ) [2006/03/10(金) 11:42:18]
やだぁぁ。゜(´□`゜)゜。
澪タンの笑顔なくっちゃコロロ生きれんゎ 何
935 我流 [2006/03/10(金) 13:10:56]
住宅のはずれ、小さな工場が見えてくる。
入口のシャッターの前にバイクを止めると、フルフェイスをはずした。
「ふぅ〜、暑っ!」
俺が顔を手で仰いでいると、衣緒がこちらを見つめている。
俺はそれを感じ、笑いかけてみた。
「昶?あのね、ありがとう。今まで付き合ってくれて。」
「あ、あぁ…。」
衣緒の言葉は嬉しかったが、やはり寂しかった。
衣緒に、「また何かあったら手伝って」って言ってほしかった。
これで、最後なのかな。
衣緒に近づけるのは。
そう思うと、嫌だった。
衣緒を放したくないし、帰したくもない。
だけど、衣緒はそれを望んでいないだろう。
そう思うと、仕方がないとあきらめるしかなかった。
「早く入ろう?」
「あぁ…うん…。」
衣緒、俺は衣緒のこと。
その言葉は喉まで出て、いつも飲み込んでいた。
告白したら、今の関係が崩れてしまうのではないかと思ってしまう自分がいた。
工場に入ると、電気をつける。
衣緒は俺のベットに腰をかけ、俺に微笑みかける。
衣緒の笑顔は、俺にとって嬉しくもあり逆に苦しくもさせる。
俺は衣緒のどこまで踏み込んでいいの。
そんなことを衣緒に聞いてみたかった。
「昶!風呂に入って来いよ!私は入って来たからさ!疲れただろ?ゆっくりしてきて?」
衣緒、そんなに俺に微笑むなよ。
踏み込んでみたくなるんだ。
深くまで。
「あ、あぁ…わかった…。飲み物とか、そこにあるから…勝手に飲んで。」
「うん!そうさせてもらう!」
聖児につけてもらった簡易風呂。
外にあるけど、狭くてたまらない。
しかし、今は衣緒のことだけ考えていた。
衣緒とイケるとこまでイキたい気持ちはあるんだ。
だけど、やっぱり衣緒が好きだから、それは段取りが必要で。
「あ〜っ!クソッ!どうすればいいんだよ!」
何かに八つ当たりしたくなるぐらい苦しい。
苦しくて苦しくてたまらないはずなのに、一瞬の楽しさや一緒にいるだけでその苦しさを忘れさせてくれる。
それが恋というモノなんだ。
936 コロロ//仔爾(コサメ) [2006/03/10(金) 13:33:20]
昶ってかなぁぁり大人だぁ。
我慢するのゎ大変ゃ`そぉしなきゃなんなぃ時
ってぁるもんねぇ〜
937 我流 [2006/03/10(金) 17:46:43]
俺は風呂から上がると服に着替える。
いつもは裸のまま上がり、そのまま寝たりするが衣緒の前では出来るはずがない。
俺は深呼吸をすると、工場に入った。
衣緒はベットの上で本を読んでいる。
そして、俺に気づくと笑顔で手を振ってくれる。
衣緒のそんな姿に、俺は惚れていた。
「はい、ビール!お疲れ様〜!カンパ〜イ!」
衣緒はビールを渡すと、それを小さく当てた。
そして、衣緒はビールを飲むと気持ち良さそうに息を吐いた。
「いや〜!やっぱりいいね!ビールは!」
「未成年が飲むなよ…。」
「いいじゃな〜いのよ!昶君!」
弱いくせに、勢いよく飲む。
衣緒、ずっと君といたいよ。
ずっと君の笑顔を見たい。
時が止まるならば、今、このままで止まってくれ。
俺はそう願わずにはいられなかった。
938 まぃ [2006/03/10(金) 17:51:09]
昶ー。。頑張ればなんとかなるさぁっww(ぇ
衣緒ゎふっきれれて良かったww
939 すずね [2006/03/10(金) 17:56:11]
.+(PД`q)+.感動だわぁ…
昶ぁ!!何
940 我流 [2006/03/10(金) 21:50:31]
《衣緒の華》
気持ちが高まっていた。
ビールが入ったせいもあるけど、何より私は前に進めるという喜びで。
それもこれも、昶がいたから。
だから、私は言いたいんだ心からありがとうを。
でも、恥ずかしい。
アルコールに任せて、力を借りて言葉にしようと私は思っていた。
ビールに口をつけない昶。
思い詰めたような顔をしている。
今、ここで私は昶に何が出来るだろう。
私は必死に考えた。
「昶!」
「何?」
私は昶が振り返った瞬間、昶の唇にキスをした。
御礼と元気を出してもらおうと思って。
昶の顔が、ビールも飲んでいないのに真っ赤になる。
私もアルコールが熱い体が更に熱くなった。
自分からのキス。
恥ずかしくて、昶の方を見れなかった。
でも、キスをする側の気持ちが少しわかったような気がする。
「ごめん…!正直言うよ…!」
「な、何…?」
「嬉しい…です…。」
「もう…!バカ…!」
二人の間に微妙な空気がある。
恥ずかしさと温かさ。
切なくて、それでいて愛しい。
この半端な感覚に私達は戸惑っていた。
941 カイ [2006/03/10(金) 23:26:22]
昶……!
あそこまで影の薄かったキャラが……!(ォィォィ
942 我流 [2006/03/10(金) 23:27:08]
(;´Д`)<ま、間違いないw→カイ
943 我流 [2006/03/11(土) 13:56:33]
「あ〜!飲もう!」
昶はそう言うと栓を開け、勢いよく飲み出す。
そして、私の方を見ると満面の笑顔を浮かべる。
私もそれを見て笑ってしまった。
昶といると楽しくて、素の自分になれる。
昶になら、何を話してもいい気がする。
私を受け止めてくれる気がする。
「昶…ありがとう…。」
「うん、いいよ。衣緒のためになら何でもするよ。衣緒が望むなら何でも。」
なんだろう、この心地良さ。
私を包み込んでくれるような優しさ。
こんな感覚、初めてだった。
すると、私の手を昶の手が優しく包む。
昶を見ると昶は恥ずかしそう頭を掻いていた。
「衣緒…その…なんて言うか…。抱きしめさせてくれないか…?いや!変な意味じゃなくて!純粋に…ギュッて…。」
はにかむ昶。
昶は私を必要としてくれてる。
それがわかるだけで、嬉しい。
「いいよ。でも、あんまり強くしないでね?吐いちゃうから。」
小さく高鳴る鼓動。
それは、聖児といるときと同じ感覚。
私が両手を広げると、昶が私を優しく抱きしめてくれた。
強すぎることも弱すぎることもなく、適度に。
アルコールとキスのせいで熱いのに、更に体は熱くなる。
昶のぬくもりも私にたくさん伝わってきた。
私が強く抱きしめると、昶を強く抱きしめる。
いいな、ぬくもりって。
温かいな、人間って。
昶は私を離すと、枕に顔を押し当てた。
「あ〜!幸せ!今日、最高!」
昶、私もだよ。
今日は最高の日。
ただ、恥ずかしくて言えないけど。
今は昶と同じ気持ち。
気持ちを共有出来ることが、こんなに素敵なことなんだと私は初めて知った。
これも昶のおかげ。
私は再び昶に感謝した。
「今日は…泊まっていく…?」
「うん、そうする。」
「そっか。じゃぁ、衣緒はベットで寝な?」
「ありがとう!あとさ、服貸して?さすがにこれじゃ寝れないから…。」
「あ〜…。」
昶は箪笥を漁ると、私に服を渡してくれた。
「着替えるけど〜…見たい?」
「いや!我慢する!」
「バカ。」
昶が背を向けるのを確認すると、服を着替えた。
男のサイズだけあり、私には大きかった。
「着替えたよ!」
「あいよ。」
工場の電気が一気に消える。
その余韻は、しばらく瞼に残ってしまう。
昶は、ソファで小さくなって寝ている。
背を丸くして、その姿が何か愛しかった。
「昶、もっとこっち来て?」
「えっ?」
「少し、話そう?何でもいいから。」
「わかった。」
ソファをベットにつけ、私に微笑む昶。
真っ暗な工場でも、昶が微笑んだのがわかった。
しばらく、昶としゃべって自然と二人は眠りについた。
昶と私。
お互いの最高の日に別れを告げる。
明日という夢を思い描いて。
944 春夏 [2006/03/11(土) 17:23:41]
やっと追いついた〜♪
何だかすごい内容で言いたいことも
たくさんありすぎて何を言えばいいのかわからない笑))
とりあえず叫んでおきました、「キャーッ!!」って笑))
もうすぐ終わっちゃうんですよね……それを思うと悲しいです……
昶くんの『純粋に…ギュッて…。』が可愛くて可愛くてしょうがないです♪
いいな〜、何だかみんな幸せになっていくみたいで……。
久野は許せないですけどね......。あんにゃろ〜…!
これからも続きが楽しみです!完結までファイト☆
945 我流 [2006/03/11(土) 17:25:42]
Σ(;´Д`)<OH!春ちゃ!
すまんな!クソ長くて!
946 まぃ [2006/03/11(土) 18:29:58]
なんか結果が良くてょかった♪♪
…でも2人、別れちゃぅんだょね。。(´_`。)
947 カイ [2006/03/11(土) 18:31:48]
え!?マジで?>>まぃ
948 我流 [2006/03/11(土) 18:33:21]
Σ(;´Д`)
949 まぃ [2006/03/11(土) 18:35:17]
ぁ、違った…??
ぁれ、読み間違ぃっ?!(何
_| ̄|○(ぁ…
950 コロロ//仔爾(コサメ) [2006/03/11(土) 18:37:20]
衣緒タンと昶がかなり素敵だゎょぅww
951 カイ [2006/03/11(土) 18:39:23]
連載終了間際に昶を書きたいね。
とおると打って変換できないのが悲しいわw
952 我流 [2006/03/11(土) 18:48:06]
ΣΣ(;´Д`)
953 カイ [2006/03/11(土) 18:51:46]
なしたね?レス数もたいないよー
954 我流 [2006/03/11(土) 19:37:15]
《聖児の華》
仕事の時間を少し遅くしてもらい、その日も澪に会いに来ていた。
白い壁は太陽の無数に跳ね返し、明るく見える。
病院内は患者と看護士、医師などが行き交い賑やかだ。
俺は澪のいる病室に立つと、澪の一日でも早い回復を祈りドアを開けた。
ドアを開けると、心地良さそうな鼻歌が聞こえる。
美しく、それでいて寂しいような感じ。
その鼻歌の先には、外を眺める澪の姿があった。
「澪。」
鼻歌が止まり、澪がゆっくりこちらを向く。
しかし、澪の顔に笑顔はなかった。
数日間、太陽のような澪の笑顔は深い夜に閉ざされたように影を潜めていた。
俺の中でその違和感を取り除けないでいる。
それは、澪は笑顔があって澪だという俺の勝手な思いからだった。
椅子に腰をかけ、澪の手を握る。
こうすることで、澪を感じていたいから。
澪も俺の上からもう片方の手を重ねる。
ぬくもりが層を作り、熱を持つ。
真夏の気温のような、熱い熱いぬくもりを。
「体調はどうだ…?」
「うん…悪くないよ…。」
澪は笑顔をなくしてからというもの、元気すらなくなっていた。
声色は低くなり、目は伏し目がち。
とても、あの明るいかった澪とは思えないぐらいだった。
「聖児は歌は何が好き?私ね、クラシックが好きなんだ〜。歌詞がなくても、心に響くの。」
澪が花瓶の隣りにあるCDプレーヤーの再生を押す。
すると、ゆったりとした音色が病室に響く。
それに澪が合わせ鼻歌を歌う。
でも、澪の鼻歌が入ったクラシックはどこか寂しくなった。
955 我流 [2006/03/11(土) 19:47:56]
「澪、散歩に行かないか?」
「…そうだね…いいよ。散歩に行こう?」
「帽子と膝掛け忘れないようにしなきゃな…。」
「うん…。」
このままではいけない気がする。
何か嫌な気持ちになるんだ。
澪が笑わないと。
だから、何かをきっかけに澪には笑ってほしい。
俺が出来ることは、澪を笑顔にすることだから。
澪の体を支え車椅子に座らせる。
義足のない左足を隠すように膝掛けをして病室から出た。
「ちょっと、散歩に行って来ます。」
「あっ、はい。わかりました〜。日射病とかには気をつけて下さいね!」
近くにいた看護士に散歩に行くことを伝え、外に出る。
蒸し暑く、とても日向にはいられないぐらいだ。
「暑いな…。」
「うん…。」
今の澪は、何かの殻に閉じ籠ってしまっているような気がする。
固い何かで包まれた澪の心。
それを俺が剥してやれれば元の澪に戻る、俺はそう信じていた。
病院内の公園を澪を乗せた車椅子で移動する。
その間も澪が鼻歌を歌い、俺はそれを聞いていた。
日陰に入り、澪に飲み物を上げる。
澪は少し飲むと遠くを眺め、またあの鼻歌を歌っていた。
「何が見えるんだ…?」
「何も……。」
「えっ?」
「…何でもない…。」
口数の減った澪。
俺はそんな澪を見ているのが辛かった。
苦しくて寂しくて、でも、澪を見捨てるわけにはいかない。
今の澪は、ある意味前までの俺だ。
だから、澪が俺にしてくれたように俺もしてあげたいんだ。
「澪。」
澪の目線に合わせ屈み、澪の手を握る。
澪の目を見つめ、微笑みかける。
そんな俺を見て、澪は無表情のまま俺を見つめ返した。
頬を伝わない涙が、俺の心の中で零れ始める。
どこに行ってしまったんだ。
四季のような感情を見せてくれる澪は。
俺が愛した本当の澪は。
また、澪が鼻歌を歌う。
遠く何もない空を見つめ。
その歌は誰のための歌なんだ。
澪、空ばかり見てないで俺を見てくれ。
澪の手を握る手に力が入る。
それに気づいた澪が、俺に視線を戻す。
「聖児…ごめんね…。」
「澪…!」
心の涙はやがて、頬に潤いを与えた。
無数に零れる感情の雫。
澪が教えてくれた。
不意に澪の手が、俺の髪をなでる。
まるで、子供に接する母のよう。
「泣かないで…。聖児…。」
俺は澪を抱きしめていた。
切ないんだ。
澪に何もしてやれない自分が。
やるせないんだ、無力な自分に。
鼻歌が空へ舞い上がる。
青い何もない空へ。
956 コロロ//仔爾(コサメ) [2006/03/11(土) 22:23:20]
ふゎぁぁ〜〜
なんか澪チャン哀しぃ。
表情が無ぃなんてぇ。
957 我流 [2006/03/11(土) 22:24:39]
(´⊇`)<コロちゃ!
958 コロロ//仔爾(コサメ) [2006/03/11(土) 22:26:42]
涼タン!!ぉ話でちろっと見た`次ゎ書かなぃの??
959 我流 [2006/03/11(土) 22:27:48]
(´⊇`)<その件はお話広場で。
960 ヴェスナ [2006/03/11(土) 22:32:11]
澪ちゃん〜〜〜!!!
なんて可哀想なんでしょ!?
早くもとの澪ちゃんに戻るといいな☆
それを祈ります。
我流、更新頑張って(^_-)-☆
961 我流 [2006/03/12(日) 08:57:53]
《澪の華》
看護士の人が私にと持って来てくれたCD。
その綺麗な音色と懐かしい感覚が私の中に染みつき、知らない間に鼻歌として口ずさんでいた。
泣いている聖児。
私には、聖児が何で泣いているのかわかるようでわからない。
でも、悲しいのはわかる。
それは、私と一緒にいるからじゃないかと私は思う。
きっと、私が何かで彼を傷つけているんだ。
小さく私の名前を呟く聖児。
私は聞こえているのに、聞こえていないフリをした。
病室に戻ると、聖児は仕事のため出て行ってしまった。
白いシーツと布団の中、私は一人ぼっちになってしまった。
それでも、何も感じない。
私の感情から消したから。
また、あのCDを聞くため再生ボタンを押す。
目を閉じて、聞くことだけに集中した。
夏のわずかな風が私をなでていく。
心地良い音色に引き込まれ、私は眠りについた――
真っ白の空間に私は一人立っていた。
壁や窓はなく、角もない。
球体の中に立っているようなそんな感覚だった。
すると、目の前に男性立っている。
聖児とは違うが優しい雰囲気。
どこかで会ったように、懐かしい感覚がする。
それは、あのCDが奏でる音楽に近いモノがあった。
「アナタは…誰?」
私の問いかけに、男性は笑顔のまま答えない。
ただ、私を見つめて、何かを言いたそうな瞳をしている。
しばらく、私達はそのままの状態で立ち尽くしていた。
すると、どこからともなくあの音楽が聞こえてくる。
私が口ずさむと、男性を口ずさみ出す。
そこには、二人のコーラスが出来ていた。
歌詞のない鼻歌だけのコーラス。
でも、それが懐かしくて切なくて胸を苦しめくる。
閉まったはずの感情が、溢れだそうと私の殻を破ろうとする。
堪えれば堪えるほど、苦しさは増して行く。
そして、男性は何か私に言うと背を向け、白い光の中に消えて行ってしまいそうだった。
「待って!私は!アナタのことが」
私がそこまで言うと、男性は振り向き首を横に振る。
いくら追いかけても、届かない。
そして、男性は光の中に消えてしまった――
962 ヴェスナ [2006/03/12(日) 09:08:28]
誰だろう?
この男の人は???
963 我流 [2006/03/12(日) 10:02:09]
「待って!」
気づけば、窓の向こうは夕日が顔を出していた。
あの音楽が頭の中で、エンドレスリピートして夢の中の男性を思い出させようとする。
私は首を回し、大きく息を吐いた。
それと同時に病室のドアが開く。
聖児の姿が現れ、私に笑いかけた。
「寝てたのか?」
「うん…。」
「そうか…。」
聖児の瞼が腫れている。
昼に泣いたせいだろう。
私の心に、罪悪感が宿る。
何で聖児はこんなに私によくしてくれるのだろう。
私は彼に何かして上げたのだろうか。
最近、記憶のかけらが無くなり大事なことを忘れている。
聖児の名前はわかっても、どこで出会って私にとって何なのかすらわからないでいた。
「澪、髪直してあげるから後ろ向いて。」
「あっ…ありがとう…。」
私が聖児に背を向けると、櫛で髪を梳いてくれる。
優しくテンポよく、それでいて綺麗に。
彼が優しいのはわかる。
でも、私は彼に優しくない。
その矛盾が私の罪悪感を膨らませた。
「聖児…外に出たいの…。聖児に聞きたいことあるんだ…。」
「ん?いいけど待って。もうすぐ終わるから…。」
聖児は、私の髪を梳き終わると私の足元に車椅子を持ってくる。
そして、体を持ち上げてもらいやっと車椅子の上に座れた。
病室を出ると、聖児が看護士の人に一言かける。
夕方の病院は、白い壁をオレンジ色に変えている。
その姿を見ると、時の流れの早さを感じた。
また、公園に出てしばらく散歩する。
もちろん、鼻歌を歌いながら。
聖児は何も言わず聞いてくれる。
そして、聖児に頼み日陰に入ってもらった。
「聖児、私はアナタにとって何?」
「えっ…?そうだな…特別な人…。」
「特別?」
「あぁ…澪は俺の…」
「もう…無理しなくていいよ…。聖児といると自分がわからなくなるの…。自分勝手だと思うけど…お願い…もう…会いに来ないで…?」
「澪…?」
ごめん、聖児。
今の私は、聖児の求める私じゃない。
本当に私自身がわからないんだ。
どんな人間だったか、誰を愛していたのか。
「さよなら…。」
私は、自力で車椅子を動かした。
急いで急いで、聖児が追いかけて来ないように。
でも、聖児は追いかけて来なかった。
また、私の中の記憶のかけらが剥がれ落ちる。
一つまた一つ、咲き誇る力をなくした華のように―
964 我流 [2006/03/12(日) 10:03:07]
ラストまであと二話。
965 藍 [2006/03/12(日) 11:25:21]
後二話で終るンにょ!?【違
澪戻ってー…そして聖児はどげしたのよ!!何
更新頑張れーぃw
966 まぃ [2006/03/12(日) 12:04:15]
澪の記憶がっ(´□`;)…(何
これじゃなんか悲しぃょっっ。。+゚・。+。+゚・(ノД`)・゚+
ぁと2話頑張れ(☆^□^)
967 我流 [2006/03/12(日) 12:59:03]
《聖児の華》
澪が決めたことに俺が踏み入る権利はない。
俺はそう言い聞かせ、あの日以来澪に会いに行くことはやめた。
澪が俺といるのが辛いならば、それを取り除いてやる必要がある。
もう何日も澪に会いに行ってはいなかった。
時折、澪に会いたくなる衝動にかられる。
しかし、思い止まり憂さばらしにバイクで道路を暴走したりしていた。
その日も家に帰ると、疲れが体にのしかかる。
俺はベットの上に倒れ込むと、しばらくそのまま動けなかった。
すると、澪の家からドアの閉まる音がした気がした。
それでも、俺は疲れているのだと思い、何もしないでいた。
結局、澪に何もしてやれなかった。
澪によかれと思いやってきたことが、澪には辛かったんだと思うと胸が痛んだ。
澪と会えなくなった日から、俺の中での気持ちの変化があった。
何もやる気はせず、集中出来ない。
現場で棟梁に怒られても、他のことを考えていた。
ベットの上に寝転び、何もしないでいるとインターフォンが鳴り響いた。
俺は面倒くさくて出ないでいると、しつこくインターフォンが鳴る。
俺は、仕方なくインターフォンを取った。
「聖児?!居留守はよせよ!入るとこ見てたんだからな!」
「そうだそうだ!」
インターフォンからは、昶と衣緒の声がする。
俺は返事を返さない代わりに、ドアを開けた。
「お邪魔しま〜す!」
「邪魔するよ〜!」
「おい…お前達…。」
昶と衣緒は、まだ上がっていいとも言ってないのに部屋に上がってくる。
二人はテーブルに食べ物や飲み物を置くと、俺の方を見た。
「今日は三人で話そっ?!」
「久しぶりに会ったんだ!いいだろ?」
昶は俺の手を引くと無理矢理座らせる。
そして、チューハイを渡され、衣緒の音頭で乾杯した。
けれど、俺の心は重い。
俺の側に居てほしいのは、この二人じゃなくて澪なんだ。
「聖児、会いに行って来たぜ!衣緒のママに!あっ!正確には会ってないけどな…。」
「そうか…。」
昶は俺の顔の前で手を上下させる。
そして、部の悪そうな顔をするとテーブルをどかし、俺の前で土下座をしだした。
「聖児!あの日殴ったことを怒ってるんだよな?!ごめん!悪かった!」
昶は何度も俺に頭を下げたが、俺は首を横に振り、そのせいではないことを伝えた。
「そっか!助かった!まっ!飲めよ!」
昶は俺に肩を組むと、一気飲みして見せる。
それでも、俺の喉には通らなかった。
「…で聖児と俺と衣緒は?運命的に出会ったわけね!」
昶は酔いに任せ、聖院に会いに行き、そこで話されたことを話してくれた。
しかし、衣緒も俺と同じように酒を飲んでいない。
何か考えるように缶を握りながらうつむいていた。
「衣緒?どうした?」
昶が衣緒に話しかける。
衣緒は驚いたように顔を上げると、俺を見つめた。
「澪さんは…助かったの…?」
衣緒の質問に、調子よくしゃべっていた昶も心配そうな顔になる。
俺がうなずくと、二人共胸をなで下ろしたように安心した顔になる。
しかし、二人の表情はすぐ変わる。
俺の様子の違いに、気づいてしまったようだった。
「何か…あったの…?」
衣緒が心配そうに聞く。
俺は衣緒に聞かれると、答えなければいけないような気がした。
「澪の心が…少し病んでしまってな…。随分前に…別れを告げられた…。」
最初の言葉は、自分に対するいいわけなのかもしれない。
でも、そうでもしないとやっていけなかった。
968 コロロ//仔爾(コサメ) [2006/03/12(日) 13:15:46]
ぅぅ(ノ_・。)
聖児ハンゎ澪タンに会ゎなぃのかしら。。。泣
ラスト2話!!更新頑張れw
969 我流 [2006/03/12(日) 16:52:36]
「そう…か…。」
酔いが覚めたように黙り込む昶。
部屋の中は、次第に辛気くさくなってくる。
すると、急に衣緒が立ち上がり、俺と昶の間に割って入ってきた。
「で?!聖児はどうしたの?!」
「衣緒?」
「昶は黙れ!」
「はいっ!」
衣緒の目は真剣そのものだった。
そんな目で見られても、澪が望んだこと。
俺にはどうすることも出来ない。
そうやって胸に自分の思いを押し殺していた。
「何もしてないんでしょ?!どうせ、これは澪が望んだことだとかそうやって相手も思ってるつもりなんだろっ?!聖児は…!自分の気持ちに素直過ぎるよ…!たまには…自分の気持ちに反抗してみせろよ…?!じゃないと!じゃないと…私がアンタを…」
衣緒はそこまで言うと泣き始めてしまった。
泣いている衣緒を、昶が抱きしめ、俺にうなずく。
俺は急いで立ち上がり、家から飛び出した。
衣緒の言う通りだ。
自分が思った通りに動くのは、自分に対しての言い訳作りだった。
そうすれば、無理にでも満足出来たから。
でも、今回は違う。
澪を愛してる気持ちには嘘をつけない。
だから、悪足掻きでも何でもしてやる。
それを澪が望んでいなくても。
970 我流 [2006/03/12(日) 17:46:31]
《昶の華》
人の部屋で二人きりというのは変な気分だ。
しかも泣いている衣緒を抱き、さりげなく下心が芽生え始めたりして。
しかし、その下心も衣緒の泣いている顔を見ると次第に消えてきた。
衣緒を抱いていると、心が淡く色ずく。
衣緒の髪をなで、泣きやむのを待った。
俺は衣緒を笑顔にしてやれないかもしれない。
でも、涙を流すことの出来る場所でいれたらそれでいい。
少しでも、衣緒の側にいたい。
「ごめん…!昶!」
「いいよ〜!衣緒の泣く顔可愛い!」
「違うの!鼻水…ついちゃった…。」
「マジか?!」
俺のつく小さな染み。
それを見て、二人で大笑いしてしまった。
「ふぅ!よし!帰るか!」
「えっ?でも聖児の家開けっ放しになるぜ?」
「じゃぁ…どうする?」
衣緒はおもむろにベットに転がると、俺に微笑みかける。
俺はそれを見て、息を飲んだ。
高鳴る鼓動。
まさか、今日が記念日になるのではないかという期待。
すると、衣緒は俺の顔を見て上体を上げた。
「昶、鼻の下伸びてる。」
「しまった!」
「アホ。」
衣緒が笑うと、俺が嬉しくなる。
俺が衣緒を笑顔にした、そんな自信が沸いてくる。
俺が衣緒を見つめると、衣緒は恥ずかしそうに笑った。
そんな仕草も俺は大好きだった。
「よし!昶!帰るぞ!」
「わかったよ。聖児には書き置きでもしておくか。」
「今日は私ん家に来て!」
「あいよ!…えっ?!」
衣緒は俺に笑いかけると、一足先に出て行ってしまった。
「い、衣緒?!」
幻聴のような気がしていた。
でも、あの衣緒の笑顔。
衣緒が俺を求めてることがわかると、嬉しくてたまらなかった。
聖児の家から出ると、既に衣緒はバイクに乗っている。
そして、俺に指で合図すると先に走って行ってしまった。
衣緒のフルフェイスの中の表情が、赤潮しているかと思うと俺の気持ちは高ぶってくる。
その気持ちを乗せ、勢いよくバイクを走らせた。
971 ょり [2006/03/12(日) 18:35:18]
みんな好きだー!何
長かったけどすらすら読めましたよーww
めっちゃ切なくて、とにかく切なくて。
幸せを噛み締めてる場面でも切なさがでてて。
だけど時々顔がほころぶようなあったかさもあってww
あと少しということなので最後まで頑張ってください☆
972 我流 [2006/03/12(日) 18:38:19]
Σ(;´Д`)<より読むの早くない?!
973 我流 [2006/03/12(日) 20:59:27]
衣緒のアパートに着くと、バイクを止める。
しかし、先に行ってしまった衣緒の姿が見当たらない。
俺は仕方なく一人で、衣緒の家に続く階段を昇った。
すると、切れかけた電気の下に人影がある。
俺がそれに近づくと、ドアの前で衣緒がうつむいて立っていた。
「衣緒?」
「あのね!一つ約束して!」
「う、うん…。」
「変な事は…しないでね…。」
衣緒は、目を強く閉じうつむいている。
しかし、俺が変な事しか考えてないと思われているのがショックだった。
「衣緒…俺って変な事しそう?」
「うん…。」
「変な事は…しないでね…。」
衣緒は、目を強く閉じうつむいている。
しかし、俺が変な事しか考えてないと思われているのがショックだった。
「衣緒…俺って変な事しそう?」
「うん…。」
「そ、そう…?何かショック…。」
「ごめん!でも…。」
衣緒の言いたいことはわかる。
女の子が自分の部屋に入れるんだ。
相当勇気がいる。
それでも、それだけ衣緒が俺に対して許しているということがわかった。
「大丈夫!今日は何もしない!」
「…今日はっていうのが気になるけど…。とりあえず、どうぞ…。」
衣緒は、一度も俺と目を合わせることなくドアを開けた。
一度は入ったことのある衣緒の部屋だが、あのときは殴られてばかりでしっかり見れてなかったのだ。
「失礼します!」
俺は玄関に靴を脱ぎ、衣緒と一緒にリビングに入った。
衣緒の部屋は、衣緒の見た目以上に可愛いらしかった。
「へ〜…、前見たときはこんなんだったっけ…。」
「うん?ちょっと変えたけど…。」
衣緒の顔を見ると、頬を赤く染め目のやりどころに困っている様子だった。
衣緒はベットを見るとそこに腰をかけ、俺を少し見ては目をそらしたりしていた。
「衣緒!」
俺が衣緒の隣りに座ると、衣緒は恥ずかしそうにうつむいた。
俺の心をときめかせる衣緒の仕草。
今すぐにでも抱きしめたかった。
974 鶴//亀 [2006/03/12(日) 21:01:15]
昶、信用されてなーいw
解るけど……w
もうすぐ、終わりかぁ。
何か寂しいなぁ。
975 ヴェスナ [2006/03/12(日) 21:04:49]
ぅおうっ!
どうなるんだろう??
976 カイ [2006/03/12(日) 21:09:55]
「変な事は…しないでね…。」
衣緒は、目を強く閉じうつむいている。
しかし、俺が変な事しか考えてないと思われているのがショックだった。
「衣緒…俺って変な事しそう?」
「うん…。」
「変な事は…しないでね…。」
衣緒は、目を強く閉じうつむいている。
しかし、俺が変な事しか考えてないと思われているのがショックだった。
「衣緒…俺って変な事しそう?」
「うん…。」
「そ、そう…?何かショック…。」
「ごめん!でも…。」
のリピートは失敗なのかわざとなのか(ぇえ
わかりませんぜ(馬鹿
977 我流 [2006/03/12(日) 21:14:49]
Σ(;´Д`)<ミスだな?!ごめんなさい!
978 我流 [2006/03/12(日) 21:21:21]
+(PД`q)+<マジミスです!
カイちゃんサンキュー!
979 我流 [2006/03/12(日) 21:31:00]
《衣緒の華》
もしかしたら、昶なら私を受け止めてくれるのではないか。
そういう気持ちで、私は部屋に招き入れた。
母親に会いに行くときも聖児と喧嘩したときも、側にいてくれたのは昶だった。
聖児のときとは比べ物にならないほどにしか高鳴らない鼓動も、自分の部屋の中では大きく弾んでいた。
「昶!聞いてほしいことがあるの!」
「何?」
私の緊張とはかけ離れて違う昶の笑顔。
その笑顔を見ると、緊張もわずかにほぐれた。
残りの緊張を取ろうと、私は深呼吸し大きく吐いた。
「あのね!私、昶に謝りたいの!今まで、ひどくあたってたし…。」
「そう?気にしてないよ?」
「ありがとう…。あと…私が泣きたいとき…昶がいつも側にいてくれて助かった…。」
「うん。」
昶は、私を真っ直ぐな眼差して見る。
その瞳には、もう私の言いたいことがわかっているようだった。
「だからね…!その!私!なんていうかな…。私も昶を…!ん?違うかな…。」
私の心の中が何かをきっかけに狂いだし、言いたかったことがわからなくなってしまった。
「あれ?ごめん、待って。えー…あれー…。」
きっかけは、その一言を言おうとしたんだ。
でも、まだ何か実感なくて。
私の中で、それに変わる言葉を探したんだ。
でも、見つからなくて。
「ごめん…衣緒…。約束…守れないや…。」
不意に昶が呟くと、いつの間にか昶の胸の中にいた。
「あー…ごめん…。ダメだった。」
「いいよ、今回は特別ね。」
何回昶に抱きしめてもらったかな。
小さい頃は母親にいっぱい抱きしめてもらったのかもしれないけど、それは忘れてしまっていて。
でも、今はしっかり感じられる。
抱きしめられるって気持ちがいい。
私もなんだかんだ言って、自然に昶のことを抱きしめていた。
「衣緒…?」
「何?」
「う〜ん…ごめん…。本当のこと言うね…。」
昶はそう言うと私を引き離し、真剣な目で見つめる。
私も昶から目を離さないように真剣に見つめ返した。
「実はね、俺…衣緒のこと好きなんだ…。結構…前から…。」
「…そっか…。えっ?いつから?」
「出会って…すぐぐらいから…。」
気づかなかった。
昶がそんな前から私を思ってくれてたなんて。
ただ、二人でバカやって楽しんでるだけじゃなかったんだ。
私が聖児を思い始めた頃に、昶も私を思っててくれたんだ。
980 我流 [2006/03/13(月) 11:19:45]
「何か…嬉しい…。そんなに前から私のこと思っててくれたなんて…。」
昶は恥ずかしそうに笑う。
私も恥ずかしかったが、笑っていた。
何かこしょばゆい。
胸が高鳴って、切なくて。
もう顔中が熱くて、意識が飛びそうだった。
また、昶が私を優しく抱きしめる。
もう私の頭の中は真っ白になり、夢中で抱きしめていた。
「私ね!私も昶のこと…!だけど!まだ!その!何て言うか!」
私は自分も昶のこと気になってきていることを伝えようとしたのだが、思考が止まり動いてくれない。
すると、昶の抱きしめる力が強くなった。
「ゆっくりでいいよ…。俺…待ってるから…。」
「昶…。」
やはり、私の思った通りだった。
昶は私を受け止めてくれた。
私の恋するスピードに合わせて、昶も合わせてくれる。
私が泣きたいときは一緒にいて、一緒に泣いてくれる。
昶といると居心地がいいんだ。
だから、一緒にいたい。
昶は私を少し引き離すと、見つめてくれる。
私も見つめると、今度は笑いかけてくれる。
その笑顔が私のものになると考えたら嬉しかった。
「衣緒…キスしていい…?」
「えっ?!そこは聞くなよ…。」
でも、昶にはわかるでしょ。
私が返事をしなくても。
目を閉じて、アナタの唇を待つ。
重なるときを待っている。
そして、私と昶の唇は重なった。
最初は優しいが、次第に昶のキスが強引になる。
息苦しくて、でも気持ちがいい。
しかし、あるきっかけで私は昶を突き飛ばした。
「ごめん!衣緒!」
「もう!まだ早いよ!」
聖児のキスより昶のは過激。
心の準備もなかったし、少し焦ってしまった。
「ごめん…。」
「気にしないで…!昶は悪くないから…!」
昶、安心して。
私はアナタに恋をする。
もう、わかってしまったんだ。
自分の中に芽生え出した小さな芽が、アナタを求めているのだから。
981 まぃ [2006/03/13(月) 13:11:27]
もぅすぐ1000ぃっちゃぅね。。
カキコ控ぇまーすww
更新頑張れッ(*^□^)o尸~
982 コロロ//仔爾(コサメ) [2006/03/13(月) 17:25:44]
きゃッッww
衣緒チャンと昶がかなりラブラブだゎw
聖児ハンと澪タンの方ゎ一体どぉなるかしら??
983 我流 [2006/03/13(月) 21:31:56]
《澪の華》
顔の傷は、奇跡的に跡にならなくてすんだ。
包帯をとり、見えてくる自分の顔。
こんな顔つきだったんだと、ようやく思い出せた。
入院中にたまたま私の足に合った義足があり、退院祝いにとそれをくれた。
私の母や父は、ここより随分遠くに住んでいるため、迎えには来れない。
私は一日でも早く退院したかった。
だから、朝になるのを待たず夜に一人で帰ることにしたのだ。
看護士の人に付き添われながら薄暗くなった廊下を歩く。
病院の自動ドアを抜け、外に出ると湿気を含んだ生温い風が顔にあたる。
しかし、散歩以外に外に出なかった私にはなんだか新鮮に感じた。
看護士の人がタクシーを呼び止めてくれる。
私は看護士に頭を下げると、タクシーに乗る前に行き先を告げた。
タクシーの運転手は、驚いたような顔をしたが私は気にせずタクシーに乗った。
お金はおろしてきてある。
よっぽど高くなければ、払えるだろう。
私は、まだ家に帰るつもりはなかった。
記憶の端にある、うる覚えの町。
そこに行ってみたくなり、その町を運転手に告げたのだ。
夜の道路を静かに走る。
夏も下旬になり、気温も徐々にだが下がって来ていた。
タクシーは峠道に入り、道路が上下する。
私には、この道に見覚えがあった。
誰かと来た記憶。
きっと、その記憶も一緒に閉まってしまったのだろう。
はっきりとは思い出せなかった。
しばらく、峠道が続いていたがそれを抜けると車に行き交いが不思議と増えてくる。
それを見た瞬間、鼓動が嫌に高鳴りだした。
恐怖に近い感覚。
すると、私の乗っていたタクシーが急ブレーキを踏んだ。
そのとき、私の頭に何かが過ぎる。
私はあのとき急ハンドルを切って、そして―
「すいません、前の車が急に止まったもんですから。」
「いえ…。」
私の額には、冷たい汗が出ていた。
曖昧な記憶だが、怖い。
記憶の殻が、少しずつ剥がれてきている。
でも、私は思い出したくない。
怖いんだ、思い出すのが。
町を進むにつれ、記憶が甦ってくる。
(ここ、来たことある…。)
ある古びた町並みを見て、私は思った。
「すいません!ここで下ろして下さい!」
「えっ?わ、わかりました。」
代金を払い、外に出る。
山に連なるように出来た住宅を見上げ、私はそこに向かい始めた。
984 鶴//亀 [2006/03/13(月) 21:36:03]
澪出たー♪(ウザッ
き、記憶?!(何
985 我流 [2006/03/13(月) 21:43:05]
点々とついた電気を頼りに歩く。
暗くて足場が悪いから怖かった。
でも、私は忘れてはいけないことまで忘れかけている気がする。
だから、しっかり思い出さなきゃ。
それが例え辛いことでも。
歩いていると、いつの間にか霊園に入っていた。
普通は怖くなるのに、私はそうは感じなかった。
ここに、思い出すための何かがある気がした。
墓に刻まれた名前を見ていく。
携帯電話のライトで照らしながら。
「違う…。」
文字を見て、つい呟いてしまっていた。
思い出せていないはずなのに。
そして、ある墓をライトで照らしたときだった。
「神崎…家…?」
一気に記憶の殻にひびが入る。
そして、そこから記憶が溢れ出した。
「伸治…!」
思い出してしまった。
伸治と思い出、あの日のこと。
そして、伸治の本当の死亡理由。
心の奥にしまったはずの感情が甦ってきてしまった。
頬を涙が伝う。
止どまることなく流れ、地面に落ちた。
私は立っていることが出来ず、座り込み泣いていた。
「ごめんね…!伸治…!私があのとき…!ごめんなさい!ごめんなさい!」
いくら謝っても遅いよね。
だって、もうアナタはいない。
痛かったよね。
ごめんね。
伸治。
剥がれていた記憶が、涙を流す代わりに甦る。
一つ一つ浮かび上がり、パズルの抜けたピースを埋めて行く。
私が私に戻ってきていた。
「澪…ちゃん…?」
顔を上げると、そこにはお婆さんが一人。
「お母さん…。」
そう、結婚を約束していた伸治のお母さんだった。
「どうしたんだい?こんなところで?それより、夜も遅いし今日は家に泊まって行きなさい?伸治も…喜ぶと思うわ…。」
伸治のお母さんはそういうと私に手を貸してくれる。
そして、懐かしい伸治の家に招き入れてもらった。
986 我流 [2006/03/13(月) 21:44:09]
(`⊇´)<次から最終話!
987 鶴//亀 [2006/03/13(月) 21:45:43]
わぁ、ラストはもっと頑張って♪(ぇ
忙しいんだったら無理はしないでね……。
988 我流 [2006/03/13(月) 21:51:46]
《澪の華》
客間に伸治のお母さんが忙しく動いている。
あっちへ行き、こっちへ行き。
私も手伝おうとしたが、伸治のお母さんはそれを止めた。
「もう少し待ってね。今、布団を持ってくるから。」
伸治が生きていれば、共に住んでいたはずだった。
あの事故は、私と伸治の人生を大きく狂わせたのだ。
「よいしょ!」
伸治のお母さんは、自分より大きな布団を運んできて、畳の上に敷く。
伸治の生きていた頃に会ったときとは違い、白髪が目立っている。
伸治のお母さんも私と同じような気持ちなのだろうか。
そう思うと、切なくなった。
「よし!準備完了!」
腰を下ろし、長い溜め息をつく。
そして、シワの出来た手をこすり合わせると私のほうを見た。
「澪ちゃん…伸治に顔を見せてあげてくれないかぃ…?」
私は伸治のお母さんの目を見るとうなずいた。
そして、二人で仏壇の前に行く。
そこには伸治の写真が写っていて、私に笑いかけているようだった。
手を合わせると、頭の中で伸治との思い出が甦る。
伸治との思い出は、楽しかったことしか覚えてない。
一緒にいるだけで、楽しかったんだ。
一緒にいるだけで、笑顔になれた。
だけど、私はそれを失った。
仏壇の前にいると、そう思わざるえない。
だから、忘れてはいけないと思ったんだ。
あの声もあの笑顔もあの仕草も。
「澪ちゃん、ありがとう…。伸治もきっと喜んでるわ…。」
伸治のお母さんは、そう言うと鼻をすする。
私が頭を下げると、伸治のお母さんは深く頭を下げた。
そして、その日は床についた。
989 我流 [2006/03/13(月) 21:57:55]
真っ暗な天井を見上げると、懐かしい気持ちになる。
結婚すると二人で決めた日に、伸治の家に泊まったんだ。
そして、二人で布団を敷き、布団の重なったところで手を繋いだ。
目を閉じると隣りに伸治がいる気がしてならなかった。
まるで、伸治に手を握られているように私の手は温かくなっている。
こうやって目を閉じて、二人で結婚してからについて話し合ったりした。
気づいたら、伸治は寝てて少し腹が立ったことも思い出した。
徐々に心地よい眠りに入っていく。
懐かしい思い出と共に――
見覚えのある白い空間に、私は立っていた。
その目の前には、男性が立っていて。
もう私にはわかっていた。
そこにいるのは伸治だってことを。
「伸治?久しぶり…。」
私に嬉しそうに微笑む伸治。
その笑顔が愛しくて、涙が出そうになった。
「ごめんね…伸治…私のせいで…。」
伸治は私の言葉を聞くと、首を横に振り、何かを口ずさむ。
それは私には聞こえなくて、でも、何となく言っていることはわかるようで。
伸治の優しい表情を見ていると、伸治が生きているのではないかという気になる。
だって、今まさに私の前に立っている。
私は夢だということも忘れ、伸治を見つめていた。
伸治があの歌を口ずさむ。
それにつられて、私も自然と歌を歌い始めていた。
歌詞のない曲。
二人で奏でる歌は鼻歌に近い。
それでも、心地よくて。
懐かしいんだけど、悲しい。
この曲は、あの日伸治と歌った歌だった。
私は悲しさで歌えず、泣きじゃくることしか出来ないでいた。
すると、歌うのを止めた伸治が私に向かって何かを呟く。
伸治が何と言ったかわかると、走り出していた。
義足ということを忘れ、全力で。
しかし、いくら走っても伸治にとどかない。
私は伸治と一緒にいたいのに。
伸治は私といたくないのだろうか。
そう思うと、涙が更に溢れてきてしまった。
「伸治!私はアナタのことが!アナタだけが!」
私が全て言う前に伸治は消えていた。
「伸治…?どこ行ったの…?ねぇ…?どこ…?伸治…!!もう嫌だよ!お