携帯版
プロフィール作成アンケートよくある質問掲示板ガイドキャスフィとは

僕と夕暮れと幻

絵小説掲示板に戻る ←このスレが所属する板


1   yuzu [2008/02/29(金) 15:22:52]

はじめまして かなり読みにくいと思いますが、よろしくお願いします><

ではっスタートです


-----------------------
いつもの放課後の窓際の席。
差し込む暖かい10月の西日
背中を照らす。

すー すー
そう僕、北野裕理(中2)はいつも何故かここで寝ている。
夜あまり眠れないからだろうか。
担任は最初の2ヶ月くらいは起こそうと努力したらしいが、どうも僕は起きなかったらしい。
まわりにクラスメイトが集まり、騒いでも、時にはリコーダーを耳元で吹いたらしいけど、それでも起きなかったそうだ。
僕は一回寝るとなかなか起きない。
担任もクラスメイトもあきらめるわけだ。
こんな僕を起こすなんて挑戦は愚行だ。意味が無い。

というわけで今日も僕は放課後寝ていた。
いつも下校時間ぎりぎりでやっと起きれるが、今日は突然目が覚めた。

強烈な視線を感じた。

おかしい、僕は視線なんかでは絶対起きないのに・・・ おかしい・・・
と思いながら顔を上げると人がいる。

同い年位の女子生徒がこっちを見て微笑んでいる。

僕は一瞬訳が解らなかった。
女子生徒の着ている制服が、20年以上も前のデザインだった。
歴代の制服がかざってある体育館の前にこんな感じの制服があった。
しかも彼女は薄く、透けていた。
彼女の体から茜色の光が透き通っていた。

僕が唖然としている中、彼女が口を開いた。
「こんにちは。」

僕は本当に意味が解らなく混乱していた。


      2話につづきます★


2 yuzu [2008/03/21(金) 16:49:18]


え、え〜と・・・
とにかくこいつは誰だ。
女子生徒はこっちを見て微笑んでいる。
とにかく何なんだ。
生きている感じが無いと言えばいいのか・・
後ろの光が透き通っている時点でこいつは俗に言う幽霊ってやつか?

僕は重々しく口を開く。
「えっと・・・何してるの。」
彼女が答えた。
「空を見ているの・・かな?」
「んで、君は誰。」
「ごめんね。自分は誰だか覚えていないんだ。既に死んじゃってるみたいだけど。」
返す言葉が無かった。
教室は相変わらず茜色の光が差し込んでいる。
どうすればいいのか分からない。
彼女が幽霊ということだけは確かだ。
僕は何か言わなくては・・思い口を開く。
「な、何の為に空をみているの。」
彼女はきょとんとして答えた。
「・・さぁ。気づいたら、空が茜色になった頃に何故かここにいてずっと空を見ているんだ。
そしたらね、いつからかいつも君が寝てるの。」
彼女はふっと微笑んだ。
「死んじゃってからずっと?」
「それはちょっと分からない。いつもここに居た訳じゃない。どこか暗い所をずっと歩いてたことがあるし、
ものすごく高い建物の屋上から星を見ていたこともあるし、砂浜をひたすら歩いたこともある。」
「へぇ。」
僕にはこれしか返す言葉が無かった。

それから少し頭が考えることをやめてぼーっとしていると、寝てしまったのかずいぶんと時間がたったようだ。
ついさっきまで教室を照らしていた茜色の光が消え、外は暗くなりかけていた。
僕は、はっとした。そういえば彼女は?
夢だったのかもしれない。
彼女は消えていた。

この沈黙していた教室の空気をがらりと変えたのは、見回りに来ていた国語教諭だった。
「こらっまだ居たのか。とっとと帰れっ 最終下校時間はとっくに過ぎてるぞっ。」
僕は謝りながらそそくさと教室から出た。


3 yuzu [2008/03/27(木) 21:03:55]


僕はその夜ベッドに横たわってぼんやりしていた。
て、言うか一日に何回ぼんやりしているんだ、僕。
ま いいか。
このぼーとした性格と適当な性格は父譲りである。

彼女のことが頭から離れない。
しかし、現実にしては曖昧だし夢にしてはリアルである。
あの人懐っこい目と薄い色の髪の毛・・
どこかで見たことがあるのは気のせいか?
と訳のわからないことを考えていた。
そしてそのまま僕は眠りの世界へと引き込まれて行った・・・

翌朝眠い目をこすりながら一番早く学校へ来た。
もう一回彼女に会う為に。
そして昨日のことが現実か夢かを確かめる為に。

教室に来たものの何をしていいのか分かんない。
一応おーいと呼んでみたが虚しいだけだった。

やっぱり夢だったか・・
なんだかなぁ。
この歳になって夢と現実の違いがわからないってのもなぁ。
時間も無駄にしちゃったなぁ。くそ・・
と思いながら席につく。

そしたらいきなり教室のドアが開いた。
まさか・・と思ってみて見ると・・
彼女・・じゃなかった。
同じクラスの山田(男)だった。
「おいっお前がこんな時間にここにいるって・・・ 今晩嵐が来るぞっ。」
と大まじめにびっくりしながら(失礼な・・僕だって起きるときには起きるっ)
鞄を置き、僕の前に座り昨日のTVのことなどどうでもいいことを話し始めた。


4 yuzu [2008/04/10(木) 16:46:01]


授業も終わり、放課後がやってきた。
可笑しいことに何故か今日は眠くなかった。
窓に目をやると、今日の空も昨日と同じ茜色だったのでどうしても昨日のことを思い出してしまう。

あれは夢だった。

鞄を持ち、部活へ行く生徒の間を抜け(僕は帰宅部)、帰ろうとしたところで誰かが僕の名前を呼んだ。
「北野ー。」
どこかずしっと重みの有る声の持ち主は担任だった。
「何ですか。」
「今日は居眠り部は無いのかー? 今晩は嵐がくるぞっ」
担任はあっははと声をあげた。
「嵐が来るって... 今日は一体何なんだ... 今朝の山田といい、先生といい... そもそも居眠り部なんて無いし...。」
僕がそうぶつぶつ呟いていると、また担任はあっははと声をあげた。
「そういえば今朝遅刻ぎりぎりじゃなかったよなぁ。えらい! えらい!」
僕は少しむかついた。
「用件はそれだけですか?」
またまた担任はあっははと声をあげた。
笑いが絶えない陽気な性格の持ち主だ。
「悪い 悪い。ちょっとこの箱教材室まで持っててくれないか。」
と、段ボール箱を渡してきた。
なんだよ。こんなくだらない用事かよ。
「はーい。」
その返事の声はどこか気が抜けていた。

箱を教材室まで運んでる時担任はこう言った。
「お前は本当お父さんそっくりだなぁ。まるで中2の北野君を見てるようだ。」
「僕は中2の北野君ですよ。」
「違うしっ! お前のお父さんのことだし! 訳のわからん突っ込みをすんな。」
そう、担任の山岡の若い頃僕の父の担任でもあった。
山岡はまた笑いながらこう言った。
「寝っぱなしってとこもそっくりだよ。実に。恐るべし居眠り遺伝子!!」
「そしていつも放課後教室で寝てた。君と同じように何しても起きなかった!!」
僕はこう返す。
「やっかいな親子ですんません。」
と箱を教材室の中に置く。
「では。さようなら。」
「おうっ ありがとなー。」

あっ。財布を机の中に入れっぱなしだった。と、ふと思い出した。
しまった しまったと教室まで走る。

がらっ
教室のドアをあけるとなんと`彼女′が窓のサッシに座っている。
昨日のように微笑んでこっちを見ている。

僕は思わずほっぺをつねる。
そして痛かった。

“彼女”の存在は夢ではなかった。


5 yuzu [2008/04/14(月) 10:34:18]


彼女の存在は現実だった。
僕は何故か安心と喜びを感じた。
おもわず顔がゆるむ。
「どうしたの。」と僕は訊いた。
「なんも。」彼女は軽い口調で答える。

彼女はサッシから降り、窓から外を見上げる。
僕はなんとなく彼女の隣へと行く。
彼女の横顔の向こうにうっすら向こうの景色が見える。
それは彼女はこの世界の住人ではないことを示している。
このまま言葉が無いのは... と思い口を開く。
「いつここに居るの? 朝呼んでも居なかったから昨日の僕は寝ぼけてたと思ったよ... 」
「わかんない。多分この時間だと思う。」
彼女は遠くを見ながら答える、そして続けた。
「何で私を呼んだの?」
一瞬間があいた。
「夢が現実か確かめるため... かな。」
彼女はにこっとわらいながら明るく答える。
「現実だよ。でも、夢であって欲しい。」
「何で。」
彼女は遠くを見ながら淡々と答えた。
「私が死んで何年たったのかわからない、誰だかもわからない、ただ彷徨っている。天国が本当にあるならいきたい。」
「.....。」
僕は返す言葉が無かった。
しばらく沈黙が続く。

その沈黙を破ったのは彼女だった。
彼女は今にも涙がこぼれそうな哀しそうな目を向けて言った。
「手伝ってほしい。私が天国に行くことを。」
そんな哀しい目を向けられたら断ることは困難だった。
思考回路が停止した。
「... わかった。」
彼女は哀しく微笑んだ。
「ありがとう。それともうひとついい?」
次は何なんだ? てゆうか何で僕がこんな目に?
成仏したいんなら寺か専門家のとこにでも行けよ。
やっと思考回路が再起し始めた。
それどころか混乱し始めた。

そんな僕をおかまい無しに彼女は続けた。
「名前をつけて。」
えっ そんな簡単なことか、よかったよかった。
てっきりお経唱えて とか、般若心境唱えて、賛美歌うたって、とか、と思った。
お経と般若心境はがんばればともかく賛美歌はちょっと無理だ。
...... じゃなくて、名前だよ名前。
僕は頭の中で一人つっこみをした。

「えっと...」
意外と難しいものだ。なかなか出てこない。
僕はふと目を窓の外へとやる。
今日もとてもきれいな茜色の空だった。
.... 茜色....。
「... 茜。」と僕は呟いた。
かのじょ... いや、茜は頷いた。
「ありがとう。」と微笑みながら茜は呟いた。


名前: コマンド(不要):

掲示板ガイドと利用規約(投稿前にお読みください)
Google
 
Webwww.casphy.com